JPH0354442B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0354442B2
JPH0354442B2 JP8258284A JP8258284A JPH0354442B2 JP H0354442 B2 JPH0354442 B2 JP H0354442B2 JP 8258284 A JP8258284 A JP 8258284A JP 8258284 A JP8258284 A JP 8258284A JP H0354442 B2 JPH0354442 B2 JP H0354442B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
magnetic thin
combination
composition
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP8258284A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60225408A (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP8258284A priority Critical patent/JPS60225408A/ja
Publication of JPS60225408A publication Critical patent/JPS60225408A/ja
Publication of JPH0354442B2 publication Critical patent/JPH0354442B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」 この発明は磁気記録あるいは高保磁力磁性薄膜
を利用した各種の装置に用いられる磁性薄膜、特
に希土類金属と遷移金属とからなる合金で形成さ
れ、膜面と垂直な方向に磁化容易軸を有し、保磁
力が大きい垂直磁化磁性薄膜に関するものであ
る。 「従来の技術」 希土類金属と遷移金属とからなる合金系の中
で、SmCo合金、特にSmCo5系あるいはSm2Co17
系合金は非常に大きな磁気異方性を有しているこ
とから高エネルギー積を有する磁石材料として利
用されている。 SmCo系合金をその特有の大きな異方性を保持
させた状態で薄膜化する技術に対する研究は従来
から幾例かは試みられている。 例えばH.C.Theuerer等は、SmCo5、SmCo3.65
Cu1.15合金を使用して、その基板温度を500℃に
あげることによつて高保磁力の内面磁化結晶膜を
作成している。(H.C.Theuerer.E.A.Nesbitt,
and D.D.Bacow;J.Appl.Phys.,vol.40(7)2944
(1969))、またK.Kumar等はプラズマスプレイ
(Plasma Spraying)法により作成した薄膜を
700℃で熱処理することによりSmCo5相を析出さ
せて、高保磁力を有する面内磁化結晶膜を作成し
ている。(K.Kumar,D.Das,and E.
Wettstein:J.Appl.Phys.vol49(3)、2052(1978))。 しかしこれらいずれの場合においても得られる
のは内面磁化結晶膜であり、膜面に垂直な方向に
磁化容易軸を有する垂直磁化磁性薄膜は未だ作成
されていない。 またスパツタリング法を用いて非晶質で面内磁
化軟磁性薄膜を作成する研究報告(C.L.Zhang,
R.B.Liu,and G.H.Feng;IEEE Trans.Magn.,
MAG−16(5)、1215(1980))もあるが、この研究
報告では非晶質においてもSmCo系材に対しては
垂直磁化磁性薄膜は得られていない。 この他にも薄膜作成時に膜面に垂直方向に磁場
を引火することにより垂直磁化成分を誘起させる
報告(季佐宣、奥野光、沼田卓久、桜井良文:日
本応用磁気学会誌vol.7.No.2(1983)47)もある
が、この報告で得られる薄膜もそ主体は面内磁化
膜であると言つてよい。さらに薄膜作成時におけ
る基板温度などの作成条件を選択することによ
り、非晶質で垂直磁化成分が主体となる膜を作成
することができるという報告(李佐宣、沼田卓
久、桜井良文:第7回日本応用磁気学会学術講演
概要集8pD−9、P.195(1983))もあるが、非晶
質であるために保持力は1KOeより小さく、高保
磁力の垂直磁化磁性薄膜は得られていなかつた。 「発明が解決しようとする問題点」 この発明は希土類−遷移金属系合金を使用して
従来の技術では実現することができなかつた垂直
磁化磁性薄膜を構成し、且つ特性上希土類元素の
組合せの選択で従来提案されているSmCo薄膜よ
りも広い範囲において保持力を所定の値のものに
設定することができる垂直磁化特性薄膜を提供す
るものである。 「発明の構成」 この発明の希土類−遷移金属系合金薄膜は、膜
面と垂直な方向に磁化容易軸を有する。この発明
の垂直磁化磁性薄膜ではY、Ce、Pr、Ndから少
なくとも一元素以上を選択する元素の第1の組合
せもしくはこの第1の組合せにSmを加えた元素
の第2の組合せよりなる希土類元素の組合せをR
としてRで表示される組合せ部分の原子比が全組
成中の20〜40%を占め、残部がCoよりなる構成
を有し、全組成が結晶RCo3相と非晶質部とから
構成されている。 この発明の垂直磁化磁性薄膜では全組成に対し
て第1もしくは第2の組合せR部分の原子比を所
定値に選択し残部をCoよりなる構成とし、且つ
全組成が結晶Rco3相と非晶質部とから構成され
たものとすることにより、R部分の原子比を選定
して広い範囲にわたつて保磁力を所定値のものに
設定することが可能である。又この発明の垂直磁
化磁性薄膜では膜面と垂直方向に磁化容易軸を有
し、従来提案されているこの種の磁性薄膜に対し
て保磁力の大きい特長を有する。 「実施例」 以下この発明の垂直磁化磁性薄膜をその実施例
に基づき図面を使用して詳細に説明する。 この発明において磁性薄膜の作成に使用する基
板としてはソーダガラス、石英、シリコン、ガー
ネツトの基板を使用することができる。実施例に
おいては石英基板を使用し、この石英基板の面上
にRFスパツタリング法により所定の組成の磁性
薄膜を作成する。発明者等の研究の結果数
1000OeOeの安定した保磁力を有する垂直磁化磁
性薄膜を得るためには、RCo系合金の組成を
RxCo1-xとした場合、RをY、Ce、Pr、Ndから
少なくとも一元素以上を選択した元素の第1の組
合せ、もしくはこの第1の組合せにSmを加えた
元素の第2の組合せよりなる希土類元素の組合せ
として構成することが必要であることが確認され
た。さらにこの組成においてRの全組成中の原子
比xを所定の条件に選定することが得られる磁性
薄膜に所定の飽和磁化特性を具備させ、且つ垂直
磁化条件を満足する特性とし、所定の保磁力を有
する磁性薄膜として構成するために必要であるこ
とが確認された。 この場合膜面と垂直な方向に磁化を有するに充
分な磁気異方性を持つた薄膜を作成するために
は、スパツタリング法、真空蒸着法などの手段に
よつて膜厚が数百Å以上の薄膜を形成することが
必要である。 さらにこの発明においての必要な組成条件下に
おいて、所定の結晶粒径を有する微結晶Ro3相が
全組成中に所定の割合含有されていることが、薄
膜が垂直磁化条件を満足し、且つ数1000Oe以上
の保磁力を有するためには必要であることも確認
された。それらの条件を満足させるためには薄膜
作成時における雰囲気条件の設定がこの発明では
重要な意味を持つている。 この発明では垂直磁化磁性薄膜を作成する製造
雰囲気内に不活性気体を所定圧力で導入した状態
で磁性薄膜を作成する。 この場合に製造雰囲気内に導入使用される不活
性気体としては実施例においてはアルゴンガスが
用いられ、このアルゴンガスの製造雰囲気内への
導入圧力は3乃至8Paに設定される。このように
不活性気体としてアルゴンガスが所定の圧力で導
入された製造雰囲気内において、供給電力を
100W〜200Wとして石英基板の温度を150℃〜180
℃に保持し、基板面上にRFスパツタリングの手
段により膜厚1〜2μm程度の垂直磁化磁性薄膜
を作成する。 この発明においては得られる磁性薄膜に対して
垂直磁化条件を満足し、且つ所定の保磁力を有す
るようにするためには、得られる磁性薄膜がすで
に定義したRを使用して微結晶RCo3相と非晶質
部とから構成されるものとすることが必要である
ことが発明者等によつて確認されている。この条
件の実現のためにはすでに定義したxを使用して
表わされる全組成RxCo1-x中のRの原子比xの選
択が重要な意味を持ち、発明者等の実測の結果で
はこの原子比xを0.20x0.40の範囲に選定す
ることが組成上の必要条件であることが明らかに
された。実測上全組成中に必要とされる微結晶
RCo3相を得るためには全組成中、原子比xを
0.20x0.40の範囲に選定することが条件とし
て要求される。 この場合必要な組成範囲における希土類元素R
とCoとの金属間化合物を示すと第1表のように
なる。表中×印は反応する金属間化合物が確認さ
れていないものである。
【表】 発明者の実測の結果R−Co系合金組成を
RxCo1-xとした場合にRの原子比xをx<0.20に
選定すると、得られる薄膜組成はR2Co17相、
RCo5相、R5Co19相、R2Co7相が主体のものとな
る。これらの組成で構成される磁性薄膜ではその
飽和磁化が大きくなり過ぎる。従つて磁気異方性
定数をKu、飽和磁化をMsとして得られる垂直磁
化が実現されるための条件、Ku>2πMs2が満足
されなくなる。このように原子比xをx<0.20の
範囲に選定した組成条件下で得られる磁性薄膜は
垂直磁化特性を具備するための条件が満足され
ず、これに伴つて得られる磁性薄膜の保磁力も数
1000Oe以上のものを得ることは困難となる。 一方RxCo1-xで組成が表わされる磁性薄膜にお
いて、Rの原子比xをx>0.40の範囲に設定して
得られる磁性薄膜はRCo2相を主体としたものと
なる。このようにRCo2相を主体にする磁性薄膜
は面内磁化膜となり、この組成のものは面内磁化
膜として高保磁力を有するものが得られるが、飽
和磁化が小さくなり過ぎてしまうことが発明者等
により確認されている。 このようにしてこの発明においてはすでに定義
したR、xを使用して全組成がRxCo1-xで表わさ
れる磁性薄膜において、原子比xを0.20x
0.40の範囲に選定することが必要であることが確
認された。 一方組成上、この発明ではY、Ce、Pr、Ndか
ら少なくとも一元素以上を選択した元素の第1の
組合せもしくはこの第1の組合せにSmを加えた
元素の第2の組合せRとCoとで磁性薄膜の全組
成が構成されることが必要である。例えば全組成
がSmとCoとからなるSmXCo1-xで全組成が表わ
される薄膜において原子比xを0.20x0.40の
範囲に選定しても発明者等の実測によるとその保
磁力は5000Oeをわずかに越えるものしか得られ
ず、この発明の目的を満足させることはできな
い。 以上のようにこの発明においては、すでに定義
したR、xを使用して表わされる全組成RxCo1-x
に対してのRの原子比を0.20x0.40の条件に
選定することが組成条件上要求される。 このためにこの発明においては、基板を所定の
製造雰囲気内で所定の温度範囲、即ち150°〜180
℃の温度条件下に保持しRCo3相に近い組成のタ
ーゲツトを使用してRFスパツタリング法によつ
て石英基板上に磁性薄膜を作成する。この場合膜
面と垂直な方向に磁化を有するに十分な磁気異方
性を備えた薄膜を作成するためには、作成される
薄膜の膜厚を数百Å以上にする必要がある。 この発明の垂直磁化磁性薄膜の実施例として全
組成が(Sm0.5Pr0.5)xCo1-xで表わされる磁性薄
膜におけるSm0.5Pr0.5の原子比xをx=0.29とし
たものを取り上げる。このような組成の磁性薄膜
を厚みが0.3mmの石英基板上に、RFスパツタリン
グの手段により膜厚を2.1μmに作成したものにつ
いて得られる薄膜の断面構造は第1図に示すよう
になつている。 第1図においては石英基板11上に2.1μmの厚
みで全組成が(Sm0.5Pr0.5)xCo1-xで表わされる
磁性薄膜12が形成された構成となつている。磁
性薄膜12内においてその膜面にほぼ垂直方向に
髭状に現われているのは破断面であり、これらの
破断面に沿つて基板11から磁性薄膜12に垂直
な方向に、微結晶(SmPr)Co3相が柱状に成長
していることが、発明者等により確認されてい
る。これらの微結晶(SmPr)Co3相はその結晶
粒径が数10Å〜数100Åであり、その成長方向の
長さは1000Åのオーダーを有している。 一般的に言つてこの微結晶RCo3相と非晶質部
との割合は、発明者等の実測の結果では微結晶
RCo3相がほぼ50体積%以上占めていることがこ
の発明が目的とする磁気特性を実現するために必
要であることが確認された。 この場合微結晶RCo3相が全組成中50体積%以
下になると垂直磁化膜が得られる組成条件であつ
ても非晶質部の磁化が大きくなり、保磁力が小さ
くなつて垂直磁化条件を満足しないことが発明者
等の実測で確認されている。 すでに定義したR、xを用いて組成がRxCo1-x
で表わされる(Sm0.5Pr0.5)xCo1-x以外の他の組
成の磁性薄膜についても基板から磁性薄膜に垂直
な方向にYCo3、CeCo3、PrCo3、NdCo3及び
SmCo3の微結晶相が単独で或は二種混相の状態
で柱状に成長していることが発明者等により確認
されている。 この発明においては製造雰囲気内における基板
の温度設定が所定の磁性薄膜を得るための重要な
因子となつている。 製造雰囲気内での基板温度の効果を確認するた
めに、他の条件を同一に保持した状態において基
板を水冷して薄膜を作成すると、得られる薄膜は
希土類元素Rの種類によらずアモルフアス化した
ものとなつて保磁力の小さい面内磁化膜が得られ
る。一方基板を所定の温度に加熱した状態で薄膜
を作成すると結晶化が促進されてくる。 従つて磁性薄膜の全組成RxCo1-xにおけるRの
原子比xを所定の条件0.20x0.40に設定し、
基板温度を所定の条件に設定して薄膜を作成する
と、その組成中にYCo3、CeCo3、PrCo3
NdCo3及びSmCo3の微結晶相を単独であるいは
二種類混相状態で含む薄膜を得ることができる。 この場合の基板の加熱には、加熱電力を直接基
板に供給して行なう直接加熱の方法が基本的には
採用される。この発明ではさらに微妙な温度調整
を行なうために基板の直接加熱法にイオン化原子
照射法を併用した加熱手段が用いられる。 即ち前述したような製造雰囲気内においてスパ
ツタリング法で磁性薄膜を作成する場合には、ア
ルゴンなどの製造雰囲気内に導入される不活性ガ
スの導入圧力を上昇させることにより、基板面が
アルゴンガス中のイオン化された原子でたたかれ
易い状態にする。このような状態にするとイオン
化された原子の衝突によつて基板温度を上昇させ
ることができる。不活性ガスの製造雰囲気内での
圧力を上昇させる代りに、製造雰囲気内において
基板に負のバイアスを印加する方法をとつても同
一の効果が得られる。この導入不活性ガス圧力を
上昇させる方法や基板に対して負のバイアスを印
加する方法を、基板を直接加熱する方法と併用す
ることにより基板温度の微調整を精度よく行なわ
せることができる。 このようにして得られたこの発明の垂直磁化磁
性薄膜の各実施例に対して、この発明における垂
直磁化条件を規定する磁気異方性定数Kuと希土
類元素Rの全組成に対する原子比xとの関係につ
いて発明者等の行なつた実測では第2図に示すよ
うな結果が得られた。第2図において△、□及び
●▲印で示した測定点はRとして第1の組合せを
とつたもので、その組成がそれぞれYxCo1-x
CexCo1-x、PrxCo1-x及びNdxCo1-xで表わされる
この発明の垂直磁化磁性薄膜の各実施例での実測
測定点である。これらのこの発明の実施例におい
ては原子比xの範囲を0.20x0.40に選定する
ことにより、垂直磁化条件が満足される。 即ち第2図から明らかなようにこれらこの発明
の各実施例のものでは組成RxCo1-xにおけるRの
原子比xが0.20x0.40の範囲においては磁気
異方性定数は正となつており、この範囲で垂直磁
化膜が形成され得ることが確認される。 一方第2図において○印で示した測定点は組成
がSmxCo1-xで表わされる磁性薄膜に対してのも
のであり、この発明の磁性薄膜の組成条件を満足
しない場合で、垂直磁化条件を満足する原子比x
の範囲が狭く、安定した垂直磁化条件が得られな
い。 発明者等はこの発明の垂直磁化磁性薄膜につい
てその実施例に対してその結晶構造をX線回折法
を用いて解析し、全組成が結晶RCo3相と非晶質
部から構成されていることを確認した。 例えばRとしてPrのみを選択する第1の組合
せを取り、全組成がPrxCo1-xで表わされる磁性薄
膜において全組成中のRの原子比xをx=0.16に
設定した条件下に作成して得られたものに対して
得られるX線回折図形を第3図に示す。 この場合には第3図から明らかなように、磁性
薄膜の結晶組成はPr2Co17、PrCo5結晶相が主体
なつているため、すでに述べたように飽和磁化が
大きくなり過ぎて垂直磁化条件が得られない。従
つて全組成中のRの比率がこのような条件のもの
では充分な保磁力を得ることもできない。 これに対してRとしてはPrを選択した第1の
組合せをとりPrXCo1-xで表わされる全組成中の
Prの原子比xをx=0.28に設定して作成した磁性
薄膜に対するX線回折図形は第4図に示すように
なる。 第4図から明らかなように、このように原子比
xをx=0.28に設定した作成条件下においては、
薄膜組成中に明らかにPrCo3結晶相が現われてお
り、このようなこの発明の構成条件を満足する磁
性薄膜は垂直磁化条件を満足することが可能であ
つて所望の保磁力を有する磁性薄膜が得られるこ
とが明らかである。 一方RとしてPrを選択した第1の組合せを取
り、全組成がPrxCoX−1で表わされる磁性薄膜
においてPrの原子比xをx=0.45に設定し、他の
製造条件を同一にして作成した磁性薄膜に対する
X線回折図形を第5図に示す。この場合には
PrCo3結晶相にPrCo2結晶相及びPr2Co7が混入し
ていて垂直磁化条件を満足する磁性薄膜を作成す
ることはできない。 以上第3図乃至第5図を示して説明したいずれ
の場合のものにおいても、基板としては石英基板
を使用し、製造雰囲気内に不活性気体としてアル
ゴンガスを3Pa乃至8Paの導入圧力で導入し、基
板温度を150℃に保持した状態でRFスパツタリン
グの手段によつて400Å/分の速度で磁性薄膜を
作成したものである。 この発明の垂直磁化磁性薄膜は製造雰囲気内で
基板温度が150℃以下の状態ではすでに述べたよ
うにアモルフアス化した薄膜が得られる。一方製
造雰囲気内で基板温度を180℃を越えて上昇させ
た状態に設定しても微結晶RCo3相が安定して得
られず、他のR2Co7相、RCo2相などが混在する
おそれがあることが発明者等により確認されてい
る。また温度が所定値より高すぎると薄膜作成中
に真空槽内の残留酸素により酸化現象が生じて、
所定の組成の薄膜が得られなくなる。一方製造雰
囲気内に導入する不活性気体であるアルゴンガス
の導入圧力を上昇しすぎると、アルゴンガスのイ
オン化された原子が基板と激しく衝突するために
薄膜表面に剥離現象が生じて望ましくない。 従つてこの発明の垂直磁化磁性薄膜は製造雰囲
気内で基板温度を150℃乃至180℃に設定し、且つ
製造雰囲気内に導入する不活性気体の導入圧力を
所定値に設定することが必要である。 「発明の効果」 以上のようにして構成されたこの発明の垂直磁
化磁性薄膜は、その磁化特性が優れていることが
発明者等によつて確認された。即ちこの発明の垂
直磁化磁性薄膜の実施例としてRとしてSm0.5
Pr0.5を選択した第2の組合せをとり、全組成が
(Sm0.5Pr0.5)xCo1-xで表わされるものにおいて、
全組成に対するRの原子比xをx=0.29に設定し
たものと、RとしてYを選択した第1の組合せを
とり、全組成がYxCo1-xで表わされるものにおい
てx=0.28に設定したものに対して膜面に垂直方
向に磁場を印加して得られる磁化曲線はそれぞれ
第6図A,Bに示すようになる。 第6図Aから明らかなように、組成が(Sm0.5
Pr0.50.29Co0.71のものでは、ほぼ9.5KOeの保磁力
が得られ、且つ磁化曲線の角型特性がよく垂直磁
化磁性薄膜として優れた特性のものであることが
明らかである。 又第6図Bに示す組成がY0.28Co0.72のものでも
ほぼ7.0KOeの保磁力が得られ、磁化曲線の角型
性もよく、垂直磁化磁性薄膜としては優れた特性
のものであることは明らかである。 この発明の磁性薄膜の磁気特性は希土類元素R
の組合せを選択することにより所望の値に設定す
ることが可能である。例えばRとしてSmPrを選
択した第2の組合せをとり、全組成が(SmPr)
Coで表わされる磁性薄膜では組成がSmCoで表わ
される磁性薄膜が500〜1000G程度の残留磁束密
度Brを有するのに比して、その残留磁束密度Br
を800〜1500Gと大幅に増加することが可能であ
り、その結果最大エネルギー積も1.5〜2.0MGOe
と増大することが確認されている。 又この発明の垂直磁化磁性薄膜においては、磁
性薄膜を構成する希土類元素の組合せRを選択す
ることにより、得られる磁性薄膜の保磁力を所定
範囲に設定することが可能である。例えば全組成
がSmCoで表わされる磁性薄膜では保磁力が
5000Oeを越えるものが得られるが、この発明の
垂直磁化磁性薄膜においてはRとしてYもしくは
Prを選択した第1の組合せをとり、全組成がそ
れぞれY0.25Co0.75及びPr0.24Co0.76で表わされる磁
性薄膜を例にとると、その保磁力をそれぞれ
3500Oe及び3200Oeと減少させることが可能であ
る。 このようにしてこの発明では全組成の希土類元
素の組合せRを選択することにより、磁性薄膜の
保磁力の範囲をそれぞれの使用条件に対応させて
選定することができるので、この発明の垂直磁化
磁性薄膜は従来のものに比較してその適用範囲を
大幅に拡大することが可能である。 第2表に各種の組成の磁性薄膜に対して得られ
る保磁力の実測値を示す。第2表中区分(1)乃至(7)
に示すものは、この発明の組成条件を満足する各
実施例に対応する組成のものであり、第2表中区
分(8)、(9)に示すものはこの発明の組成条件を満足
しない組成の磁性薄膜である。第2表から明らか
なようにこの発明の垂直磁化磁性薄膜では全組成
の希土類元素の組合せRを選択することによつて
得られる磁性薄膜の保磁力を広い範囲にわたつて
所定の値のものに設定することが可能となる。 例えば第7図に示すようにこの発明の垂直磁化
磁性薄膜を用いて2個の薄膜磁石を作成し、これ
らの薄膜磁石を互に組合せて対向配設させ、これ
ら薄膜磁石間の空間に対して一定の磁気バイアス
を与えることができて、間隙内に安定した一様な
磁場を形成し各種の目的に使用することができ
る。 また第8図に示すように、この発明の垂直磁化
磁性薄膜により、上下方向に磁極を有する扇形の
薄膜磁石を形成し、これらの薄膜磁石の隣接する
ものの極性を逆にした状態で配設して組合せ、多
極着磁させた磁石を形成すれば、極偏平のブラシ
レスDCモーターのローター磁石となり、回転検
出センサーとしても有用である。このようにこの
発明の垂直磁化磁性薄膜は各種の高保磁力磁性薄
膜を応用した装置に適用されてその効果を発揮す
ることができる。 このようにこの発明の垂直磁化磁性薄膜は膜面
と垂直方向に磁化容易軸を有し、Y、Ce、Pr、
Ndから少なくとも一元素以上を選択した元素の
第1の組合せもしくはこの第1の組合せにSmを
加えた元素の第2の組合せよりなる希土類元素の
組合せをRとして、このRを選択して保磁力を数
1000Oe以上と大きな値で且つ広い範囲にわたつ
て設定することができる。従つて磁性薄膜に対し
て高密度化された磁気記録を行なうことが可能と
なり、例えば垂直磁気記録のマスター用記録媒体
として優れた特性のものを得ることが可能とな
る。
【表】 以上詳細に説明したように、この発明によると
Y、Ce、Pr、Ndから少なくとも一元素以上を選
択した元素の第1の組合せもしくはこの第1の組
合せにSmを加えた元素の第2の組合せよりなる
希土類元素の組合せをRとして全組成がRxCo1-x
で表示され、全組成が結晶RCo3相と非晶質部と
から構成される安定で磁気特性の優れた磁性薄膜
を得ることができる。 この発明の磁性薄膜では膜面と垂直な方向に磁
化容易軸を有し、全組成中の希土類元素の組合せ
Rを選択し且つ全組成に対するRの原子比xを20
〜40%の範囲に設定することによつて、保磁力を
増加させ、しかも広い範囲にわたつて所定の値の
ものを設定することが可能で高エネルギー積を有
する磁性薄膜が実現可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の垂直磁化磁性薄膜の実施例
の断面構造を示す断面図、第2図はこの発明の垂
直磁化磁性薄膜の実施例における希土類元素の原
子比と磁気異方性定数との関係を示す図、第3
図、第4図及び第5図はこの発明の垂直磁化磁性
薄膜の各実施例の結晶構造をそれぞれ示すX線回
折図形、第6図A,Bはこの発明の垂直磁化磁性
薄膜の各実施例の磁化曲線を示す図、第7図はこ
の発明の垂直磁化磁性薄膜で作成した薄膜磁石の
構成を示す図、第8図はこの発明の垂直磁化磁性
薄膜で作成した多極着磁型磁石の構成を示す図で
ある。 R:Y,Ce,PrNdから少なくとも一元素以上
を選択した元素の第1の組合せもしくはこの第1
の組合せにSmを加えた元素の第2の組合せより
なる希土類元素の組合せ、x:全組成に対するR
の原子比、11:基板、12:磁性薄膜。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 膜面と垂直な方向に磁化容易軸を有する希土
    類−遷移金属系合金薄膜において、Y、Ce、Pr、
    Ndから少なくとも一元素以上を選択した元素の
    第1の組合せもしくはこの第1の組合せにSmを
    加えた元素の第2の組合せよりなる希土類元素の
    組合せをRとして、全組成中の前記Rで表示され
    る組合せ部分の原子比が20〜40%を占め、残部が
    Coよりなる構成を有し、前記全組成が結晶RCo3
    相と非晶質部とから構成されてなることを特徴と
    する 垂直磁化磁性薄膜。
JP8258284A 1984-04-23 1984-04-23 垂直磁化磁性薄膜 Granted JPS60225408A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8258284A JPS60225408A (ja) 1984-04-23 1984-04-23 垂直磁化磁性薄膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8258284A JPS60225408A (ja) 1984-04-23 1984-04-23 垂直磁化磁性薄膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60225408A JPS60225408A (ja) 1985-11-09
JPH0354442B2 true JPH0354442B2 (ja) 1991-08-20

Family

ID=13778472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8258284A Granted JPS60225408A (ja) 1984-04-23 1984-04-23 垂直磁化磁性薄膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS60225408A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5040068A (en) * 1989-12-28 1991-08-13 Eastman Kodak Company Electronic imaging apparatus with interchangeable pickup units

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60225408A (ja) 1985-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yamashita et al. Anisotropic Nd–Fe–B thin‐film magnets for milli‐size motor
US5587026A (en) Ferromagnetic film
WO2004086427A1 (ja) 垂直磁気異方性を有するFePt磁性薄膜とその製造方法
US20020192502A1 (en) Thin permanent-magnet film and process for producing the same
JPS63119209A (ja) 軟磁性薄膜
JP3318204B2 (ja) 垂直磁化膜およびその製造法ならびに 垂直磁気記録媒体
Hasegawa et al. Structural and soft magnetic properties of nanocrystalline (Fe, Co, Ni)-Ta-C films with high thermal stability
JP3598171B2 (ja) 交換スプリング磁石およびその製造方法
JPH04129203A (ja) 永久磁石粉末
JPS62188745A (ja) 永久磁石材料及びその製造方法
JP3305790B2 (ja) 薄膜永久磁石の製造方法
JPH0354442B2 (ja)
EP0418804B1 (en) Soft magnetic thin film
JPH07272929A (ja) 希土類元素−Fe−B系薄膜永久磁石
JPH0354845B2 (ja)
JP3106484B2 (ja) 希土類合金薄膜磁石の形成方法
JPH03265105A (ja) 軟磁性積層膜
JPS6039157A (ja) 非晶質磁性合金の製造方法
JP2003100515A (ja) 高飽和磁化を有する磁心用軟磁性薄膜
JPH09306736A (ja) 垂直磁化膜およびその製造法ならびに 光磁気記録媒体
JPH0526321B2 (ja)
JP2853923B2 (ja) 軟磁性合金膜
Kim et al. Magnetic properties of NdFeB thin film obtained by diffusion annealing
JPH0259610B2 (ja)
JPH11288812A (ja) 高保磁力R−Fe−B系薄膜磁石及びその製造方法