JPH035382Y2

JPH035382Y2 -

Info

Publication number: JPH035382Y2
Application number: JP1982202473U
Authority: JP
Priority date: 1982-12-29
Filing date: 1982-12-29
Publication date: 1991-02-12
Also published as: JPS59105314U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は同軸ケーブルの外部導体としての平行
波付金属パイプの切断に用いるカツタに関する。

最近同軸ケーブルの外部導体としての平行波付
金属パイプの端末加工が容易でかつ加工時のばら
つきが少なく、かつケーブルの性能劣化をきたさ
ないカツタの需要が高まつてきている。このよう
な平行波付金属パイプを切断する場合には、継手
等との接続構造上パイプ山部を切断する必要があ
るが、第１、第２図のような従来カツタではパイ
プ山部を正確に切断することは困難である。

即ち第１、第２図のカツタではガイドロール１
が円筒状に形成されているため、切断中にガイド
ロール１及び切開刃２が第２図に仮想線で示すよ
うに軸方向にずれ動き、正確にパイプＰの山部Ｑ
を切断することは困難である。

また別の従来例としては、ガイドロールの断面
形状をパイプ谷部に沿うように凸状に形成して、
ガイドロールを谷部に当接させるように構成した
カツタも開発されているが、ロールを谷部に当接
するようにすると、直径の小さい谷部では充分な
接触面積が得られないばかりか、ガイドロールの
直径が大きくなり、ガイドロールの軸部を歪ませ
る曲げモーメントも増加する。そのためにガイド
ロールが充分なガイド機能を発揮しなくなり、切
開刃の位置ずれが生じ、パイプを精度よく切断で
きない。また遮水性同軸ケーブルは第５図に示す
ように、外部導体としての平行波付金属パイプＰ
の中に発泡絶縁体Ｔと中心導体Ｃを内蔵してお
り、パイプＰの谷部Ｒを絶縁体Ｔに喰い込ますこ
とにより遮水機能を発揮し、また谷部Ｒの絶縁体
Ｔへの喰込量を一定に保つことにより良好な電気
特性を維持するようになつている。ところが谷部
Ｒに歪みが生じると、谷部Ｒが絶縁体Ｔから抜け
て遮水機能が損われたり、また谷部Ｒの喰込量に
ばらつきが生じて電気特性が損われてしまう。

本考案の目的はガイドロールによるガイド機能
の安定性を向上させ、平行波付金属パイプの山部
を精度よく切断できかつ同軸ケーブルの性能劣化
も防止し得るようにし、またガイドロール自体を
コンパクトにできるようにすることであり、その
要旨は、カツタ本体に、平行波付金属パイプの外
周を本体と共に周動する複数のガイドロールと、
切開刃とを備えた同軸ケーブルの外部導体として
の平行波付金属パイプ用カツタにおいて、パイプ
山部の形状に沿う断面形状を有し２ピツチ以上離
れた各山部にそれぞれ軸方向移動不能に当接する
１対のガイド部と、この１対のガイド部をカツタ
本体に回動自在に支持する軸部とによりガイドロ
ールを構成し、切開刃をパイプ山部頂点又は頂点
近傍に当接するように設けたことである。以下実
施例図面に基づいて本考案を説明する。

第３図において、１１は概ねＣ形のカツタ本体
であつて、一端部に筒状の柄部１２を有してい
る。柄部１２のパイプ（同軸ケーブルの外部導体
としての平行波付金属パイプ）Ｐ側の内周面１３
は断面形状４辺形に形成されており、４辺形内周
面１３には切開刃支持ロツド１５が柄部１２の長
さ方向移動自在かつ回転不能に挿入されている。
ロツド１５の断面形状は４辺形である。ロツド１
５のパイプＰ側端部にはピン１６を介して円板状
切開刃１７が回転自在に支承されている。ロツド
１５の反切開刃側部分にはめねじ孔１９が形成さ
れ、このめねじ孔１９には切開刃移動用（押付
用）ボルト２０が螺挿されている。ボルト２０は
柄部１２の外方まで延びており、先端には取手２
１がセツトボルト２２により固着されている。ボ
ルト先端側部２０ａはストツパ用筒状金具２３に
よつて回転自在に支承されており、金具２３は柄
部１２の反パイプＰ側端部に螺着されている。ま
たボルト２０の柄部１２内の部分にはフランジ状
ストツパ部２０ｂが形成されており、ストツパ部
２０ｂは金具２３のパイプＰ側の端面に当接して
いる。即ち金具２３により切開刃移動用ボルト２
０を回転自在かつ軸方向移動不能に支持してい
る。従つて取手２１をいずれか一方向へ回転する
ことにより切開刃１７はパイプ中心Ｏ側へ移動
し、他方向へ回転することにより反パイプ中心Ｏ
側へ移動する。

本体１１の反柄部１２側の端部には２股状のホ
ルダ２５が設けられており、ホルダ２５の各先端
にはボス部２６が形成され、各ボス部２６にはガ
イドロール２７が回転自在に支承されている。両
ガイドロール２７はその中心線がパイプ中心線Ｏ
と平行に配置されると共に、パイプＰの円周方向
に間隔を隔てて配置されている。両ロール２７と
切開刃１７は概ね正三角形の各頂点に位置する。

第３図の−断面拡大図である第４図におい
て、ガイドロール２７はボス部２６に支承された
軸部２８と、軸部２８の両端に固着された１対の
ガイド部２９，２９′よりなつている。ガイド部
２９，２９′の外周断面形状はパイプ山部Q₁，Q₃
等に沿う形状、例えば1/4円弧形状に形成されて
おり、第４図の右側のガイド部２９の1/4円弧形
面２９ａは右側にゆくに従いガイド部２９が縮径
するように形成され、第４図の左側のガイド部２
９′の1/4円弧形面２９a′は、左側へゆくに従いガ
イド部２９′が縮径するように形成されている。
両ガイド部２９，２９′は、例えば２ピツチ離れ
た各山部Q₁，Q₃にそれぞれの円弧形面２９ａ，
２９′ａが嵌まるような間隔を隔てている。また
切開刃１７は両ガイド部２９，２９′間のパイプ
山部Q₂の頂点に当接するように配置されている。

平行波付金属パイプＰを切断する場合には、ま
ず取手２１を回すことによりガイドロール２７と
切開刃１７の間隔を拡げておき、パイプＰの切断
しようとする箇所をガイドロール２７と切開刃１
７間に挿入する。そして両ガイド部２９，２９′
をそれぞれ２ピツチ離れた山部Q₁，Q₃に当接し、
取手２１を回すことにより切開刃１７を両ガイド
部２９，２９′間の山部Q₂の頂点に喰い込む程度
にに押し付ける。しかる後にカツタ本体１１をパ
イプＰの中心Ｏ回りに第３図の矢印Ａ（又は反矢
印Ａ）方向へ回転させると共に、取手２１の回動
調節により徐々に喰込量を増やし、パイプＰを切
断する。

なお両ガイド部２９，２９′の軸方向の間隔は、
４ピツチあるいは６ピツチ以上離れたパイプ山部
にそれぞれ当接しうるような間隔にしてもよい。
またジヤツキのような構造を用いて、両ガイド部
２９，２９′の軸方向の間隔が第４図の左右に均
等に広がるように構成し、パイプ装着時に両ガイ
ド部２９，２９′を各山部Q₁，Q₃に軸方向に押し
付けるようにしてもよい。

また第４図の山部Q₁、又はQ₃に切開刃１７を
当接するようにしてもよい。

またガイド部２９，２９′の変形例として、外
周面を断面形状円形に形成してもよい。

以上説明したように本考案は、カツタ本体１１
に、平行波付金属パイプＰの外周を本体１１と共
に周動する複数のガイドロール２７と、切開刃１
７とを備えた平行波付金属パイプ用カツタにおい
て、パイプ山部（Q₁，Q₂…）の形状に沿う断面
形状を有し２ピツチ以上離れた各山部Q₁，Q₃に
それぞれ軸方向移動不能に当接する１対のガイド
部２９，２９′と、このガイド部２９，２９′をカ
ツタ本体１１に回動自在に支持する軸部２８とに
よりガイドロール２７を構成し、切開刃１７を山
部Ｑの頂点又は頂点近傍に当接するように設けて
いるので次のような利点がある。

(1) ２ピツチ以上離れたパイプ山部Q₁，Q₃を１
対のガイド部２９，２９′によりガイドするの
で、ガイド機能が安定し、それにより切開刃１
７の位置がずれる心配はなくなり、精度よくパ
イプＰを切断することができる。

(2) 山部Q₁，Q₃をガイドし、山部Q₂を切断する
ようにしているので、パイプＰの谷部Ｒ（第４
図）に歪みが生じる心配はない。従つて特に遮
水性高周波同軸ケーブルのパイプ用カツタとし
て適している。即ち遮水性同軸ケーブルは第５
図に示すように、外部導体としての平行波付金
属パイプＰの中に発泡絶縁体Ｔと中心導体Ｃを
内蔵しており、パイプＰの谷部Ｒを絶縁体Ｔに
喰い込ますことにより遮水機能を発揮し、また
谷部Ｒの絶縁体Ｔへの喰込量を一定に保つこと
により良好な電気特性を維持するようになつて
いる。ところが谷部Ｒに歪みが生じると、谷部
Ｒが絶縁体Ｔから抜けて遮水機能が損われた
り、また谷部Ｒの喰込量にばらつきが生じて電
気特性が損われてしまう。本考案によると谷部
Ｒに歪みが生じる心配はないので、遮水性高周
波同軸ケーブルの遮水性及び電気特性に悪影響
を及ぼすことはない。

(3) 山部Q₁，Q₃をガイするようにしているので、
ガイド部２９，２９′の直径を小さくし、ガイ
ドロール軸へ歪みを与えるモーメントが小さく
なり、ガイドロール２７のガタが小さくなるば
かりかガイドロール２７をコンパクトにするこ
とができる。

(4) 山部Q₂の頂点又は頂点近傍を切断し、山部
の拡がりをそのまま利用する端末なので不当な
矯正加工を与えることがなく長期的な安定した
強度の端末加工（切断面の）ができ、また同軸
ケーブル（第５図）等においてコネクタの接続
作業が容易に行えるようになる。

(5) 端末加工（切断加工）作業ばかりでなくコネ
クタの構造も簡素化できコストも安価となる。

なお本考案においてガイドロール２７を３個以
上備えることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の斜視図、第２図は第１図の
矢視拡大図、第３図は本考案によるカツタの一部
縦断側面図、第４図は第３図の−断面拡大
図、第５図は平行波付金属パイプの一例を示す縦
断面図である。１１……カツタ本体、１７……切開刃、２７…
…ガイドロール、２８……軸部、２９，２９′…
…ガイド部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

カツタ本体に、平行波付金属パイプの外周を本
体と共に周動する複数のガイドロールと、切開刃
とを備えた同軸ケーブルの外部導体としての平行
波付金属パイプ用カツタにおいて、パイプ山部の
形状に沿う断面形状を有し２ピツチ以上離れた各
山部にそれぞれ軸方向移動不能に当接する１対の
ガイド部と、この１対のガイド部をカツタ本体に
回動自在に支持する軸部とによりガイドロールを
構成し、切開刃をパイプ山部頂点又は頂点近傍に
当接するように設けたことを特徴とする同軸ケー
ブルの外部導体としての平行波付金属パイプ用カ
ツタ。