JPH0353737Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は冷延鋼板、メツキ鋼板等鋼帯をコーテ
イングロールを用いて塗装する時ロール間より塗
料が飛び散るのを防止するための装置に関するも
のである。

（従来の技術） 鋼帯を塗装するのにコーテイングロールを用い
た塗装機が多用されている。

これらの塗装機は第３図に示すように塗料パン
１に装入した塗料をピツクアツプロール２で持上
げ、これをアプリケーターロール３で膜厚調整
し、バツクアツプロール５で支えられた鋼帯５に
塗布するものである。

この装置構成は特開昭56−129051号公報等で公
知のことである。

このような装置において、ピツクアツプロール
２とアプリケーターロール３は同一方向に回転
し、両ロールの間隔を調整して膜厚調整を行つて
おり、またアプリケーターロール３は通板する鋼
帯５の速度に対応させているので一般的にアプリ
ケーターロールの回転速度はピツクアツプロール
２の回転速度より早目に回転するものである。

従つて、この装置においてはピツクアツプロー
ル２で持上げられた塗料がアプリケーターロール
３との間に貯るとアプリケーターロール３の回転
力によつて鋼帯５側にあるいはバツクアツプロー
ル４に飛び散ることが生じる。特にロールの両端
部はロール中央部に比べて塗料のロール絞り効果
が低下し、又裏まわりも生じるのでこの部分に塗
料が貯りやすくなり、この塗料が高速に回転する
アプリケーターロール３によつて塗装された鋼帯
５の表面に飛び散るものである。このような塗料
の飛び散りは塗装製品の表面外観を損うものであ
るから何等の方法で防止する方法が試みられたが
今迄満足するものが見当らない。

例えば飛び散りを防止するカバーをロールの上
に設けてみたが、カバーに付着した塗料の取扱い
がきわめて困難であり、メインテナンスも大がか
りとなるものであつた。

また最近高速通板ラインが採用されると塗料の
飛び散りは多くなるものであり、その対策が必要
となつてきた。

（考案の目的） 本考案は上記の問題点に鑑みて、ピツクアツプ
ロールとアプリケーターロールの中間に貯る塗料
を低減し、塗料の飛び散りを防止することについ
て工夫を重ね、過剰の塗料を系外に連続的に取出
せる簡単な装置を開発したものである。

（考案の構成） 本考案の要旨とするところは塗料パンの塗料を
持ち上げるピツクアツプロールと該ピツクアツプ
ロールと接して塗料を被塗装材に転写させるアプ
リケーターロールを設けたコーテイング装置にお
いて、アプリケーターロールとピツクアツプロー
ルの接点のロール軸方向端部に近接してロールの
回転により盛り上がる塗料をロール系外に排出す
る樋を設けたことを特徴とするコーテイングロー
ルの塗料飛び散り防止装置である。

（実施例） 第１図は本考案実施例装置の概要を示すもので
ある。

図中６は本考案の樋であつて、７は樋６を支持
する支持棒８は支持棒の一端をベースに固定する
取付台である。

本考案の樋６はピツクアツプロール２とアプリ
ケーターロール３の接点近くに好ましくは両ロー
ルに接するように配置したもので、樋６の断面は
第２図に示すように底部に穴９を設けたもので両
端部イ・ロは開放されたものである。

またこの樋６の一端側はロールの端面１０より
外側に突出するよう配置されたものである。

従つて、この実施例装置においては、ピツクア
ツプロール２とアプリケーターロール３の中間に
貯る塗料は樋の穴９および樋の端部開放部ロより
樋の中に入り、樋をつたわり、出側端部イより塗
装ロールの系外に取出されるものである。本実施
例における樋６はピツクアツプロール２及びアプ
リケーターロール３の回転によつて揺動するので
できるだけ、支持棒７である程度の圧力を有して
押付けることが好ましい。

また樋の底に設ける穴９はロール間に貯る塗料
の量に応じて大きさを決め、穴の形状は丸穴、長
穴、切溝であつてもかまわない。穴の取付位置は
ロール回転速度の速いアプリケーターロール３側
に設けることが好ましい。

樋の形状としては断面形状が円形の場合、ロー
ルと接触した場合、ロール表面にキズを付けない
こと、又樋の中に入つた塗料を系外に取出すのに
ホースとしての役割を果すので好ましいが、円形
に限らず天井のない箱型であつてもよい。

（本考案の効果） 本考案装置は以上述べたようにピツクアツプロ
ールとアプリケーターロールの接点近くに、しか
もロール端部のみ樋を設けたもので、この樋によ
つて過剰の塗料を吸収し、系外に取出すので塗料
の飛び散りが未然に防止出来る。

装置そのものがきわめて簡単な構造であるた
め、取付け、取外しが簡単であり、メインテナン
スが容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案実施例装置で第１図は
装置の全体を示す概要図、第２図は第１図の横断
面図、第３図は従来装置の説明図である。 １：塗料パン、２：ピツクアツプロール、３：
アプリケーターロール、４：バツクアツプロー
ル、５：鋼帯、６：樋、７：支持棒、８：支持棒
取付台、９：穴、１０：ロール端面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 塗料パンの塗料を持ち上げるピツクアツプロ
   ールと該ピツクアツプロールと接して塗料を被
   塗装材に転写させるアプリケーターロールを設
   けたコーテイング装置において、アプリケータ
   ーロールとピツクアツプロールの接点のロール
   軸方向端部に近接してロールの回転により盛り
   上がる塗料をロール系外に排出する樋を設けた
   ことを特徴とするコーテイングロールの塗料飛
   び散り防止装置。 (2) 樋の底に穴をあけて盛り上がる塗料を樋の中
   に集積するよう構成した実用新案登録請求の範
   囲第１項のコーテイングロールの塗料飛び散り
   防止装置。 (3) 樋の断面形状を円形筒状として、該円形筒状
   樋をピツクアツプロールとアプリケーターロー
   ルに接触させるよう構成した実用新案登録請求
   の範囲第２項のコーテイングロールの塗料飛び
   散り防止装置。