JPH0353345Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、受信機から引き出された信号線に監
視区域毎に設置した複数の中継器を接続し、各中
継器にベルを接続して構成される火災警報装置に
おいて、受信機からの指令でベルの鳴動制御を行
なう火災警報装置用ベル制御回路に関する。

（従来の技術） 従来、火災警報用ベル制御回路にあつては、ベ
ル制御用のリレーとリレー駆動用のトランジスタ
を直列接続し、トランジスタをオンしてリレーを
動作させ、リレー接点の閉成でブザーを鳴動させ
るようにしていた。

ところで、ブザーを長時間鳴動させるには、リ
レー及びトランジスタを継続してオンさせなけれ
ばならず、ブザー鳴動用に設けたリレー、トラン
ジスタ等の駆動回路による消費電流が増大した。

このため、セツトコイルとリセツトコイルを備
えたラツチングリレーを用いて消費電流を低減す
ることが考えらえる。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、ラツチングリレーを制御する場
合、ブザーの鳴動指令を行なうオン信号と、ブザ
ーの鳴動停止を指令するオフ信号を別々に与えな
ければならず、ブザーの鳴動制御を行なう制御回
路の回路構成が複雑になり、コストが上昇した。

また、ラツチングリレーのセツトコイルとリセ
ツトコイルに対してオン信号またはオフ信号を与
える信号線をそれぞれ独立して設けなければなら
ず、組立作業が煩雑化するという問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、
簡単な回路構成で且つ低コストのベル制御回路を
提供するため、火災感知器３から火災信号を受信
して制御指令を行なう受信機１から引き出された
信号線に監視区域毎に設置した複数の中継器２
ａ，２ｂ，……２ｎを接続し、各中継器２ａ，２
ｂ，……２ｎにベルを接続して構成される火災警
報装置において、各中継器２ａ，２ｂ，……２ｎ
に受信機１からの制御指令に基づいて制御パルス
を出力する制御部５を設け、この制御部５からの
制御パルスの立ち上がりで第１のスイツチング回
路７を作動させ、ラツチングリレー９をオンして
ベル４を鳴動さると共に、制御パルスの立ち上が
りで第２のスイツチング回路８を作動させ、ラツ
チングリレー９をオフしてベル４の鳴動を停止す
るようにしたものである。

（実施例） 第２図は本考案の一実施例を示す全体構成図で
ある。

まず構成を説明すると、１は受信機であり、後
で説明する火災検知器からの火災信号を受信して
ベル鳴動等の制御指令を行なう。受信機１からは
電源線Ｌ１及び信号線Ｌ２が引き出され、監視区
域毎に設置された複数の中継器２ａ，２ｂ，……
２ｎを接続している。各中継器２ａ，２ｂ，……
２ｎからは感知器Ｌ３を介して複数の火災感知器
３とベル線Ｌ４を介してベル４を接続している。

第１図は第２図の中継器２ａ，２ｂ，……２ｎ
の内部構成を示す回路図である。５は制御部であ
り、通常時、信号線Ｌ２を介して受信機１からの
信号電圧、即ち電圧Ｖ１に指令信号を重畳した信
号電圧を受信して電圧Ｖ１に調整し、感知器Ｌ３
を介して火災感知器３に電源を供給する。また、
制御部５にはマイクロコンピユータを備え、予め
固有のアドレスが設定されており、受信機１から
の指令信号を受信して自己のアドレス及び指令内
容を識別し、指令内容に基づいて火災感知器３か
らの火災信号の返送または制御パルスの出力を行
なう。６は電源線Ｌ１を介して得られた電源であ
り、電源６から引き出される電源線間には第１の
スイツチング回路７、第２のスイツチング回路８
及びラツチングリレー９を含む回路部のそれぞれ
を接続している。第１のスイツチング回路７は電
源６からの電源線間に抵抗Ｒ２，Ｒ３及びトラン
ジスタＱ１を直列接続し、トランジスタＱ１のベ
ースからはコンデンサＣ１及び抵抗Ｒ１でなる微
分回路を介して制御部５に接続されており、制御
部５からの制御パルスの立ち上がり出力が得られ
るとコンデンサＣ１及び抵抗Ｒ１で定まる微分出
力によりトランジスタＱ１が所定時間オンする。
また、第２のスイツチング回路８の回路構成は電
源６から引き出された電源線間にトランジスタＱ
５、抵抗Ｒ６及びＲ７を直列接続し、更に、電源
６からの電源線間に抵抗Ｒ４，Ｒ５及びトランジ
スタＱ４を直列接続しており、トランジスタＱ４
のベースからは抵抗Ｒ６及びＲ７の接続点に接続
している。また、トランジスタＱ５のベースから
はコンデンサＣ２及び抵抗Ｒ８でなる微分回路を
介して制御部５に接続しており、制御部５からの
制御パルスの立下がり出力が得られるとコンデン
サＣ２及び抵抗Ｒ８で定まる微分出力によりトラ
ンジスタＱ５が所定時間オンする。トランジスタ
Ｑ５のオンで抵抗Ｒ６とＲ７の分圧電圧をトラン
ジスタＱ４のベースに与え、トランジスタＱ４を
オンさせる。ラツチングリレー９のセツト端子Ｓ
からはトランジスタＱ２のコレクタに接続され、
トランジスタＱ２のベースからは抵抗Ｒ２及びＲ
３の接続点に接続されており、第１のスイツチン
グ回路７からの信号出力を基づいてラツチングリ
レー９をセツトする。また、ラツチングリレー９
のリセツト端子ＴからはトランジスタＱ３のコレ
クタに接続され、トランジスタＱ３のベースには
抵抗Ｒ４及び抵抗Ｒ５の分圧電圧が与えられてお
り、第２のスイツチング回路８からのスイツチン
グ出力に基づいてトランジスタＱ３をオンさせて
ラツチングリレー９をリセツトする。

９ａはラツチングリレー９のリレー接点であ
り、ラツチングリレー９のセツト時に閉成し電源
６からベル線Ｌ４を介して電源を供給し、ラツチ
ングリレー９のリセツト時に開放してベル４に対
する電源供給を遮断する。ここで、コンデンサＣ
１、抵抗Ｒ１及びコンデンサＣ２、抵抗Ｒ８でな
る各微分定数は、ラツチングリレーの動作時間を
考慮して選定される。

次に動作を説明する。

まず、受信機１が中継器２ａに対してベル４を
鳴動させる旨の指令信号を送出したとすと、中継
器２ａでは制御部５が自己のアドレス及び指令内
容を識別したとき制御部５から制御パルス、例え
ばゼロボルトから＋Ｖボルトに立ち上がる立上が
り出力を送出する。

第１のスイツチング回路７が制御部５からの制
御パルスの立上がり出力を入力すると、コンデン
サＣ１及び抵抗Ｒ１でなる微分出力によりトラン
ジスタＱ１が所定時間オンする。トランジスタＱ
１のオンで抵抗Ｒ２及びＲ３の分圧電圧がトラン
ジスタＱ２のベースに与えられ、トランジスタＱ
２がオンする。トランジスタＱ２のオンでラツチ
ングリレー９のセツト端子Ｓに駆動電圧が与えら
れ、ラツチングリレー９がセツト動作しリレー接
点９ａを閉成させる。リレー接点９ａの閉成でベ
ル４に電源が供給され、ベル４を鳴動する。

次に、受信機１から中継器２ａに対してベル４
の鳴動を停止させる旨の指令信号を送出したとす
ると、中継器２ａでは制御部５が自己のアドレス
及び指令内容を識別してベル鳴動を停止させるた
め、いままで立ち上げていた制御パルスを、例え
ば電圧＋Ｖボルトからゼロボルトに立ち下げて立
下がり出力を送出する。

第２のスイツチング回路８が制御部５からの立
下がり出力を入力すると、コンデンサＣ２及び抵
抗Ｒ８で定まる微分出力によりトランジスタＱ５
が所定時間オンする。トランジスタＱ５のオンで
抵抗Ｒ６及びＲ７の分圧電圧がトランジスタＱ４
のベースに与えられ、トランジスタＱ４がオンす
る。トランジスタＱ４のオンで抵抗Ｒ４及びＲ５
の分圧電圧がトランジスタＱ３のベースに与えら
れ、トランジスタＱ３がオンする。トランジスタ
Ｑ３のオンでラツチングリレー９のリセツト端子
Ｔに駆動電圧が与えられ、ラツチングリレー９が
リセツトする。ラツチングリレー９のリセツトに
よりリレー接点９ａが開放し、ベル４に対する電
源供給が遮断し、ベル４の鳴動を停止する。

（考案の効果） 以上説明してきたように本考案によれば、火災
信号を受信して制御指令を行なう受信機から引き
出された信号線に監視区域毎に設置した複数の中
継器を接続し、各中継器にベルを接続して構成さ
れる火災警報装置において、各中継器に受信機か
らの制御指令を基づいて制御パルスを出力する制
御部と、制御パルスの立上がりでスイツチング動
作する第１のスイツチング回路と、制御パルスの
立下がりでスイツチング動作する第２のスイツチ
ング回路と、第１及び第２のスイツチング回路か
らのスイツチング出力で作動しベルの鳴動制御を
行なうラツチングリレーとを設けるようにしたこ
とで、同一の信号線でラツチングリレーのセツト
及びリセツトを行なうことができ、簡単な回路構
成で且つ低コストの火災警報装置用ベル制御回路
が得られる。また、ベル鳴動の制御を行なう制御
回路にトランジスタ等の半導体素子を用いたこと
で、ベル制御回路の消費電流を大幅に低減させる
ことができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部の一実施例を示す回路
図、第２図は本考案の一実施例を示す全体構成図
である。 １：受信機、２ａ，２ｂ，……２ｎ：中継器、
３：火災感知器、４：ベル、５：制御部、６：電
源、７：第１のスイツチング回路、８：第２のス
イツチング回路、９：ラツチングリレー、９ａ：
リレー接点、Ｌ１：電源線、Ｌ２：信号線、Ｌ
３：感知器線、Ｌ４：ベル線、Ｃ１，Ｃ２：コン
デンサ、Ｒ１，Ｒ２，……Ｒ８：抵抗、Ｑ１，Ｑ
２，Ｑ３，Ｑ４：トランジスタ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 火災信号を受信して制御指令を行なう受信機か
   ら引き出された信号線に監視区域毎に設置した複
   数の中継器を接続し、各中継器にベルを接続して
   構成される火災警報装置において、 前記各中継器に受信機からの制御指令に基づい
   て制御パルスを出力する制御部と、該制御パルス
   の立ち上がりでスイツチング動作する第１のスイ
   ツチング回路と、該制御パルスの立ち下がりでス
   イツチング動作する第２のスイツチング回路と、
   前記第１及び第２のスイツチング回路からの信号
   出力で作動し、前記ベルの鳴動制御を行なうラツ
   チングリレーとを備えたことを特徴とする火災警
   報装置用ベル制御回路。