JPH035283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、アイゼンの周囲底面にスパイクを取
替え可能にしたハウジングを所定の間隔に設けた
ものにおいて、前記各ハウジングに形成したフラ
ンジによりアイゼンの周囲に関節部を形成し、又
靴の大きさに関係なく、アイゼン全体の長さと横
幅とを調節する複合調節機構を設けたアイゼンに
関するものである。

〔従来の技術〕

従来、靴底全体に取付けるアイゼンには、多く
の種類がある。例えば単一鋼材にて、靴の前底と
踵面に取付けるアイゼンを夫々つくり、その両者
を連結杆にて連結するに、その連結杆の一端に形
成した鐶部を前記前底側のアイゼンにあけた穴に
連結し、該連結杆の他端には、複数の長さの調節
用ネジ穴を設けて、選択されたそのネジ穴を踵面
側アイゼンに設けた支持具にビスで連結して、ア
イゼン全体の長さを調節したものがある。

又、前底側アイゼンの両側面、即ち靴の腰部に
該当する位置に、両側より横方向に出入長さを調
節するようにした起立片を設けて、その起立片が
靴の腰部の両側縁をつかむようにしたものが知ら
れている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記のような構成によると、靴の大きさ、即ち
大小の長さに応じてその全長を調節できることは
勿論、腰部の両側縁を支持するのには有効である
が、前底側の周囲曲線と、踵面周囲曲線に当て嵌
めるように着用させるには、困難な問題点があ
る。

本考案は、かかる従来技術の問題点を解決する
ためになされたもので、アイゼン本体の周面を複
数の調節部に形成して、靴底の周囲曲線に符合す
るようにし、且つアイゼン全体の横幅と長さとを
同時に複合的に調節し得るアイゼンを提供しよう
とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記問題点を解決するために、アイ
ゼンの周囲底面にスパイクを取替え可能にした複
数のハウジングを所定の間隔に設けたものに於
て、各ハウジングを中心に関節片により関節部を
形成すると共に、各関節片毎に靴底の周囲をつか
むための折曲起立部を夫々形成する一方、前底側
アイゼンの中間部と後方部及び踵面側アイゼンの
前方部に、前記前底側アイゼンの横幅と踵面側ア
イゼンの横幅を調節するための調節機構を設ける
と共に、前記前底側アイゼンの後方部に設けられ
た調節機構と踵面側に設けられた調節機構に、各
一端を連結した２個の連結杆を互に重ね合わせた
状態でアイゼンの長さを調節するように設定され
た複合調節機構を設けたアイゼンを提供するもの
である。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１図乃至第５図により説明
する。１は、前底側アイゼン、２は踵面側アイゼ
ンであり、両アイゼン１，２は、長さ調節機構３
に依り連結され、又所定の厚さを有する鋼板材で
形成すると共に、中間部を空にして取り巻いた垣
根状態に形成されている。各垣根状態の底面周囲
には、スパイク４を取替え可能にしたハウジング
５を垂直状態に所定の間隔をおいて設ける。

そのハウジングを設けるに当つては、前記垣根
状態を分割したような分割片を重ね合わせた部分
に通孔６を形成し、該通孔６を前記ハウジング５
の上部に形成するフランジ５′上に嵌め込んでそ
の上面周囲を仮締めることに依り、互いに重ねら
れた部分がいささかの遊動性を持つようにした関
節片１ａ，１ｂ，１ｃ及び２ａ，２ｂ，２ｃによ
り関節部を設け、各関節片毎には外側方に折曲起
立部１ｄ，２ｄを夫々形成し、アイゼン１の先端
変曲状の関節片１ｂには一対のハウジング５ａが
前方を向つて斜め状態に固定されることにより、
そのスパイク４も斜め状態で前方を向うようにす
る。

一方、アイゼン１の中間部には横方向に断面が
〓形状に形成された２個の連結杆８，８ａを第３
図及び第４図に示すように互いに重ね合わせた状
態にして、各外側端部を前記関節片１ａの内側に
形成した舌片７に夫々リベツト９で連結すると共
に連結杆８には、複数の調節用穴１０を、他の連
結杆８ａには一つの横向長孔１０′を開ける。該
連結杆８ａの底面にはナツト１１が固定されたワ
ツシヤ１２を当接して前記調節用穴１０の選択さ
れた穴と前記の長孔１０′を通じてビス１３を締
め着けるように構成した関節機構１８を設ける。

一方、前記の調節機構３に於ては、アイゼン１
の後方とアイゼン２の前方に形成されたＬ字形関
節片１ｃ，１c′及び２ｂ，２b′対向面の断面を第
５図に示すように〓形状に形成して互いに重ね合
わせた状態に構成し、その上位の関節片１ｃ，２
ｂの対向面には複数の調節用穴１０ａ，１０ｂを
開け、又下位の関節片１c′，２b′の対向面には一
つの穴１０″，１０を各々開ける。更にその底
面には一端をワツシヤ１２′に形成すると共に、
ナツト１１′を固定した調節杆１４を当接する一
方、他側の調節杆１４ａの一端にもワツシヤ１
２″の底面にナツト１１″を固定して、前記調節用
穴１０ａ，１０ｂの選択された穴と前記穴１０″，
１０を通じて夫々ビス１３′，１３″を締め着け
るようにした調節機構１９，１９ａを構成し、前
記調節杆１４には一つの通孔１５とその底面にナ
ツト１１ａを固定し、他の調節杆１４ａには複数
の調節用穴１６を開けてその選択された穴１６と
上記の穴１５を通じてビス１７を締め着けるよう
にしたものである。

図中、第１図及び第２図の符号Ｒはアイゼンを
靴に着用する時に止着紐を通す通環、Ｎは係止
部、第１図及び第３図の符号Ｓは前記スパイク４
の頭部を固く締め付ける締めねじ、Ｐは各ビス及
び締めねじの緩みを防止させるピンである。

上記のような構成からなる本実施例において
は、これを靴底の長さと横幅に符合させる場合、
先ず長さを調節する時は調節機構３に締め付けら
れたビス１７を解き、調節杆１４，１４ａの重ね
合わせた長さを調節後、選択した調節穴１６を通
じて、更にビス１７にて締め着けることにより、
その長さが調節され、また靴底の横幅に符合させ
る場合には、ビス１３，１３′，１３″を解き、互
いに重ね合わせた連結杆８，８ａとＬ字形関節片
１ｃ，１c′及び２ｂ，２b′の重ね合わせた部分の
長さを調節すると、各関節片１ａ，１ｂ，１ｃ及
び２ａ，２ｂ，２ｃの各関節が靴底の周囲曲線に
応じて遊動し、周囲の折曲起立部１ｄを前記靴底
の両側縁に密着させ、更に前記ビス１３，１３′，
１３″を選択した調節用穴１０，１０ａ，１０ｂ
を通じて締め着けるものであり、前記スパイク４
はその先端が磨滅された場合、締めねじＳを解い
て予備のスパイクと取り替えるのである。

〔考案の効果〕

このように実施する本考案はアイゼンの周囲底
面に所定の間隔に設けたハウジング５により、ス
パイク４の取替えを可能にし、靴の大小に関係な
く、アイゼン全体の長さと横幅が複合的に調節さ
れると共に、上記ハウジング５に形成されたフラ
ンジ５′を利用して複数の関節片１ａ，１ｂ，１
ｃ及び２ａ，２ｂ，２ｃを連帯的に連結して関節
部を設け、上記各関節片毎に形成された折曲起立
部１ｄ，２ｄが靴底周囲の曲線に応じて取付けら
れるにより、着用感が良くなる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案アイゼンの平面図、第２図
は、同側面図、第３図は、第１図のＡ−Ａ線に沿
う拡大縦断面図、第４図は、第１図及び第３図の
Ｂ−Ｂ線に沿う縦断面図、第５図は、第１図のＣ
−Ｃ線に沿う拡大縦断面図。 １，２：アイゼン、１ａ，１ｂ，１ｃ，２ａ，
２ｂ，２ｃ：関節片、５：ハウジング、５′：フ
ランジ、８，８ａ：連結片、１４，１４ａ：調節
杆、１８，１９，１９ａ：調節機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前底側のアイゼン１と踵両側のアイゼン２を長
   さ調節機構３にて連結し、各アイゼン１，２の周
   囲底面には、スパイク４を取替え可能にしたハウ
   ジング５を設けたものにおいて、前記ハウジング
   ５のフランジ５′により、複数の関節片１ａ，１
   ｂ，１ｃ，２ａ，２ｂ，２ｃからなる関節部を形
   成すると共に、各関節片毎に折曲起立部１ｄ，２
   ｄを形成し、前底側アイゼン１の中間部と後方部
   及び踵面側アイゼン２の前方部には夫々横幅を調
   節するための調節機構１８，１９，１９ａを設
   け、前記長さ調節機構３は前記前底側アイゼンの
   後方部に設けられた調節機構１９と踵面側に設け
   られた調節機構１９ａに各一端を連結した２個の
   連結杆１４，１４ａを互いに重ね合わせた状態で
   その長さを調節するように配設された複合調節機
   構からなることを特徴とするアイゼン。