JPH0352759Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、電子写真複写機あるいは電子写真技
術を用いたプリンタ等に使用されるシート搬送装
置に関するものである。

〔従来技術〕

従来のシート搬送装置について、添付図面に従
つて説明する。

第６図は従来のシート搬送装置を示す構成図で
ある。駆動軸２０に固着されたスプロケツト２１
及び従動スプロケツト２２〜２４には、一対のチ
エーンが張架されている。該チエーンには、シー
トグリツパー２５が固設されている。そして、グ
リツパーの開閉機構にカム、ソレノイド等（図示
せず）が備えられている。

以上の構成のシート搬送装置２６において、例
えば、シート待機部（図示せず）直後のＸ位置で
シートグリツパー２５を開いた後、シートを挟み
込み、チエーンを矢印方向に回転させ、転写部
（図示せず）にて、シート上へトナー像を転写し、
オーブン型の定着部（図示せず）にて定着した
後、排紙部（図示せず）直前のＹ位置にてグリツ
パーを開き、シートを開放する。

〔従来技術の問題点〕

以上の構成の従来のシート搬送装置において
は、シートの先端を把持するグリツパーの開閉機
構にカム及びソレノイド等が必要であり機構が複
雑であるとともにコストがかさむといつた欠点が
存在した。

更に、構造が複雑のため、装置が大型化すると
いつた欠点も存在した。

〔考案の目的〕

本考案は上記従来の欠点に鑑み、簡易な構造
で、確実な転写紙の搬送の行うことのできるシー
ト搬送装置を提供することを目的とする。

〔考案の要点〕

本考案は上記目的を達成するために、少なくと
も一部が磁性体からなりシート搬送方向下流側の
支点を中心に開閉自在に連結された第１、第２の
挟持部材を備え、前記第１、第２の挟持部材のう
ちの少なくとも一方が磁気力を有し該磁気力によ
り互いに吸着してシートを挟持すべく常時閉成さ
れるグリツパーと、前記グリツパーをシート搬送
方向に沿つて移動させる駆動機構と、前記グリツ
パーによるシート搬送開始位置に設けられ、シー
ト先端を前記グリツパーに挟持させるため前記グ
リツパーの閉成を一時的に解除して開成させる開
成用磁気吸着手段を備え、前記グリツパーにシー
トを挟持して搬送するシート搬送装置に於いて、
前記開成用磁気吸着手段は、シート搬送方向に直
交する回転軸と、前記回転軸を回転制御する制御
手段と、前記回転軸の周面に設けられ、前記回転
軸の回転角度の変位により前記グリツパーに接近
した際に前記磁気力による吸着力に抗して前記第
１、第２の挟持部材の一方を吸着して前記グリツ
パーを開成させる磁気力を有する磁石とからなる
ことを特徴とする。

〔考案の実施例〕 以下本考案の一実施例を図面を参照しながら詳
述する。

第１図は、本考案の要部構成図、第２図は、本
考案を適用した２色電子写真複写機の構成図、第
３図、第４図は、搬送動作を示す動作状態図、第
５図は、本考案の概略構成図である。

グリツパー１１はシート搬送方向下流側の支点
Ｏを中心に開閉自在に連結された第１挟持部材１
１ａと、磁石１５及び該磁石１５を支持する支持
部材１１ｂからなる第２挟持部材を有し、両端を
チエーン９で支持され、該チエーン９は、駆動軸
１６に固着されたスプロケツト１３ａ、及び従動
する各々のスプロケツト１３ｂ，１３ｃ，１３ｄ
に巻き掛けられて駆動されている。

また、グリツパー１１の第１挟持部材１１ａは
磁性体からなり、第２挟持部材は弱磁石１５（約
200G）と非磁性体の支持部材１１ｂからなり、
前記第１挟持部材１１ａと第２挟持部材１１ｂ，
１５は互いに蝶番止めされていて、所定角度
（20°〜30°）だけ開口、または開口可能となつて
いる。

第２図は、本考案のシート搬送装置８を適用し
た２色電子写真複写機の一例である。

本複写機は複数組の画像形成部としてＡ，Ｂ、
２組が内蔵されている。次にこの２色電子写真複
写機の動作を説明する。Ａ部において感光体１は
時計方向に回転しており、まず帯電器２によつて
感光体１の表面は一様に帯電され、次に原稿（図
示せず）に応じた露光３（例えば、黒色部に対応
した像露光）により感光体１表面上に静電潜像が
形成される。該静電潜像は例えば黒色トナーを備
えた現像装置４で可視像化され、送りロール２１
により送られてきた転写紙１９上へ転写器７によ
り転写され第１画像が形成されることになる。

さて、グリツパー１１は、Ｃ部のところにくる
と図示せぬセンサーが作動してシート搬送装置８
が止るようになつている。そして、第１図或いは
第３図に示す如く、グリツパー１１が停止する位
置の上部には、該グリツパー１１の第１挟持部材
１１ａを開かせるために、回動可能な軸に強磁石
１４（約500G）が取付けられた吸着手段１０が
設けられている。

まず、第１図に示す如く、グリツパー１１の第
１挟持部材１１ａは、吸着手段１０の強磁石１４
の作用により開口させられ、転写紙１９の先端が
入り込むと同時に図示しない検知手段の働きによ
り、吸着手段１０が第３図で示す矢印方向に回動
する。すると、グリツパー１１の第１挟持部材１
１ａ（磁性体）は、転写紙１９を挟んだ状態で下
部の弱磁石１５に吸着される。

そこで、シート搬送装置８が回動し、転写紙１
９は転写部へ送られる。転写紙１９は、転写器７
にて感光体１の表面に形成された第１画像の転写
を受ける。

第１画像形成部Ａにて転写を終えた転写紙１９
は、グリツパー１１に挟まれたままの状態で第２
画像形成部Ｂへと送られる。第２画像形成部Ｂで
は、前述した第１画像形成部Ａにおける画像形成
工程と同様な工程が行われ、第２画像が得られ
る。すなわち、矢印方向に回転する感光体１′表
面が帯電器２′によつて一様帯電され、次に原稿
（図示せず）の第２画像部に対応した露光３′（例
えば赤色部に対応した像露光）により第１画像形
成部Ａで形成される静電潜像とは異なる静電潜像
が形成され、かつ、現像装置４のトナーの色とは
異なる色（例えば赤色）のトナーを備えた現像装
置４′で現像され、転写器７′にて転写されて転写
紙１９上には２色の画像が得られる。

第４図は、第２画像形成部Ｂにて転写紙１９へ
の転写を終えて、グリツパー１１から転写紙１９
を離す状態を示している。まず、グリツパー１１
の第２挟持部材１１ｂが係合板１７に当る。更
に、グリツパー１１が回動すると解除手段１２に
より、グリツパー１１の第１挟持部材１１ａが強
磁石１４′にて吸着され、開口させられる。同時
に係合板１７と所定の角度を有して一体となつて
いる蹴り板１８が転写紙１９の先端部分を押し上
げ、転写紙１９は、グリツパー１１から完全に離
れる。こうして、各々の転写部を経た転写紙１９
はグリツパー１１から離れ、定着装置２０へ送ら
れる。転写紙１９上に形成された転写像は、ここ
で熱や圧力を加えられて転写紙１９上に定着さ
れ、最終的に２色の画像が得られる。また、転写
を終えた感光体１，１′は、それぞれクリーニン
グ装置５，５′で残留トナーを除去され、イレー
サランプ６，６′で残留電荷を消去されて、次の
画像形成に備えられる。

前述したように、グリツパー１１を使用したこ
とにより第１画像と第２画像の転写による色ズレ
が防止出来、鮮明な２色画像を得ることが出来る
とともに、分離時における転写紙１９のジヤム等
の発生が軽減される。

上述の説明では、グリツパーの駆動をチエーン
の例について説明したがタイミングベルト等の機
構を用いてもよいのは言うまでもない。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明したように本考案のシート搬送
装置によれば、グリツパーの開閉機構を、確実で
ありながら簡易な構成とすることができる。

また、装置本体を小型化することができ、ひい
ては本装置を組込む機器全体を小型化することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の要部構成図、第２図は、本
考案を適用した２色電子写真複写機の構成図、第
３図、第４図は、搬送動作を示す動作状態図、第
５図は、本考案の概略構成図、第６図は、従来の
シート搬送装置を示す構成図である。 ８……シート搬送装置、９……チエーン、１０
……吸着手段、１１……グリツパー、１２……解
除手段、１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄ……ス
プロケツト、１４，１４′……強磁石、１５……
弱磁石、１６……駆動軸、１７……係合板、１８
……蹴り板、１９……転写紙、２０……定着装
置、２１……送りロール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 少なくとも一部が磁性体からなりシート搬送方
   向下流側の支点Ｏを中心に開閉自在に連結された
   第１、第２の挟持部材１１ａ，１１ｂ，１５を備
   え、前記第１、第２の挟持部材１１ａ，１１ｂ，
   １５のうちの少なくとも一方１１ｂ，１５が磁気
   力を有し該磁気力により互いに吸着してシートを
   挟持すべく常時閉成されるグリツパー１１と、 前記グリツパー１１をシート搬送方向に沿つて
   移動させる駆動機構１６，１３ａ，１３ｂ，１３
   ｃ，１３ｄ，９と、 前記グリツパー１１によるシート搬送開始位置
   に設けられ、シート先端を前記グリツパー１１に
   挟持させるため前記グリツパー１１の閉成を一時
   的に解除して開成させる開成用磁気吸着手段１
   ０，１４を備え、前記グリツパー１１にシート１
   ９を挟持して搬送するシート搬送装置８に於い
   て、 前記開成用磁気吸着手段１０，１４は、シート
   搬送方向に直交する回転軸１０と、前記回転軸１
   ０を回転制御する制御手段と、前記回転軸１０の
   周面に設けられ、前記回転軸１０の回転角度の変
   位により前記グリツパー１１に接近した際に前記
   磁気力による吸着力に抗して前記第１、第２の挟
   持部材１１ａ，１１ｂ，１５の一方１１ａを吸着
   して前記グリツパー１１を開成させる磁気力を有
   する磁石１４とからなることを特徴とするシート
   搬送装置８。