JPH0352672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は主として鉢植えの草花等を携帯搬送
する容器に関する。

〈従来の技術〉 従来鉢植草花を携帯するための容器としては鉢
を嵌合収容する把手付の合成樹脂製の籠状のも
の、あるいはボール紙箱の側壁上端に紐状把手を
付したものが知られている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし従来の取手付のものでは、鉢のサイズに
適合した容器を用いなければ持ち運び時の容器内
での鉢の安定性が悪く、容器と鉢の外周との隙間
に新聞紙等の詰め物をして安定性を保つか、鉢の
サイズに応じた個々の寸法の容器を用意するかし
かなく、コスト高にもなるという問題点があつ
た。

また鉢植の草花等の枝葉は外観を良くするため
に鉢の外周より突出するように成長させられるこ
とが多いが、この場合バンド状の把手の両側が草
花の枝葉あるいは花等を傷つけ店頭より持ち帰つ
た際には当初の景観が損なわれていることが多い
という欠点がある。

〈問題点を解決するための手段〉 上記のような問題点を解消するための本考案の
容器は、上向きの開口部１１ａを有する箱体１１
の周壁１３に細長状の把手１５の両端を係止し、
上記開口部１１ａよりカツプ状又は鉢状の収容体
２５を収容する構造において、外周が上記箱体１
１の外周より鍔状に突出し、内周が上記開口部１
１ａ内に納まるように収容体２５を嵌合収容する
収容孔２１を形成した板状の支持プレート２０を
箱体１１の上端に載置するように設け、該支持プ
レート２０の外周には前記把手１５を定位置に挿
通せしめる位置決め部２６を形成したことを特徴
としている。

〈作用〉 箱体１１の上端に支持プレート２０を載置し、
収容体２５を収容孔２１に嵌合挿入し、把手１５
の両端を箱体１１の周壁に係止し、さらに把手１
５を支持プレート２０の位置決め部２６に挿通す
ると、容器持ち上げ時に全体が安定保持され、鉢
植の草花等からなる収容体２５の収容物が崩れた
り損傷することなく持ち運びでき、支持プレート
２０により収容体２５の転倒も防止される。

〈実施例〉 図面は本考案の１実施例を示し、第４図は本考
案に用いる容器であるボール紙製の箱体１１の展
開図で、略正方形の底部１２の四方に周壁１３，
１３，１４，１４を谷線の折目１，１，２，２を
介して各連設し、隣接する各周壁１３，１４の間
には山線の折目４（注：折目は鎖線は山線、一点
鎖線は谷線を表す。）で折曲げて折込みひだ１０
が連設され、各折込みひだ１０のハツチング部分
はここと隣接する周壁１３に貼着されるのり代を
形成している。

また周壁１３，１４の外側端には谷線の折目
５，５，６，６を介して折込貼着される補強片１
８，１８，１９，１９が内面にのり代（ハツチン
グ部分）を形成して連設されており、箱組立後の
周壁上端を強化する構造となつている。そして補
強片１８，１８の非のり代部分は組立時に折込ひ
だ１０の非のり代部分の上端を押さえて箱体１１
の形状保持をする構造である。

長手方向の端面を構成する周壁１３，１３には
それぞれ、一定の厚みと幅及び弾力性と一定の剛
性をもつ紙又は合成樹脂バンド等からなる把手１
５の両端が挿入して係止される。即ち各周壁１３
の略中央部下方には、把手１５の端部の差込時に
差込孔１６の端部からの亀裂を防止するとともに
該差込を容易にし且つ後述する係合部１５ｂの係
合を確実にするために、両端に上向きに湾曲又は
屈曲した逃がし部１６ａを有し、略前記把手１５
幅以上の幅で山形に湾曲したあるいは水平な切込
線からなる差込孔１６が設けられている。該差込
孔１６は一定の上下方向の幅を有する長孔形でも
よい。把手１５の両端は、折目１５ｄで片側に折
返されてバンド状部１５ａと重なり合って接着固
定される折返し片からなる係合部１５ｂを有し、
該係合部１５ｂの折返された上端部は、図示する
ように、上向きに湾曲する円弧状部１５ｃを形成
しており、第３図Ｂに示すように差込孔１６の上
部に接触係止された状態で係止点が点接触又はそ
れに近い状態で接触し、お互いの円弧に沿って転
勤可能な状態にあり、箱体１に対して把手１５が
左右に揺動することを許容する構成となつてい
る。

また、把手１５の端部中央には折目１５ｄを設
けないで、バンド状部１５ａの延長端として折曲
げられないで延設される山形の舌状片１５ｅが突
設され、差込孔１６に係合部１５ｂを差込むのを
容易ならしめ且つ抜け出し難い構造となつてい
る。把手１５は必ずしも全体をバンド状に形成す
る必要はなく、長手方向中央部の把持部分は幅狭
にしあるいは円形断面等にすることも可能であ
る。

２０は箱１１の開口部１１ａの上端に載置され
るボール紙製の支持プレートで、その外周は箱体
１１の周壁１３，１４より外側に張出す寸法及び
形状をなし、略中央には箱体１１の開口部１１ａ
内に納まる大きさの収容孔２１を形成しており、
該収容孔に２１の内縁には山線の折目２２を介し
て下向きに折曲がる多数のガイドフラツプ２３，
２４が連設されており、このうち周壁１３，１４
の中央に位置する二対のガイドフラツプ２３は幅
で且つ中央に向かつて長く延出していて、後述す
る収容体２５の保持効果を高めている。

上記支持プレート２０を箱体１１の上端同心円
上に載せた状態で収容孔２１より鉢物等の収容体
２５を上方より挿入すると、各ガイドフラツプ２
３，２４は弾力的に収容体周面に沿つて下向きに
折曲がり、外周から収容体２５を弾力的に押圧保
持する状態になり、収容体２５は上方に抜き取り
可能な状態で箱体１１内に収容される。

また、支持プレート２０の左右端中央にはバン
ド状把手１５を挿通挾持する三角形の切込孔より
なる把手１５の位置決め部２６、２６が各形成さ
れ、把手１５の先端を差込孔１６に差込んで係止
する際に上記位置決め部分２６に把手１５を挿入
させるものであり、挿入された把手１５は人為的
に外向きに引出さない限り位置決め部２６におい
て挾持されたまま外れることはない。

そして前記のように収容体２５を箱体１１内に
挿入した状態で支持プレート２０も把手１５も箱
体１１に対して安定姿勢で保持されており、把手
１５を持ち上げた場合支持プレート２０は収容体
２５の自重の作用で左右両側より押圧されて収容
体２５をより強く押圧保持することになり、さら
に把手１５はその両端において差込孔１６及び位
置決め部２６の上下２点で箱体１１を保持してい
るので常に鉛直方向に吊持された安定姿勢を保つ
ことができる。なお本考案の容器は、鉢物の盆栽
やカツプに収容したデコレーシヨンケーキ類等に
も使用可能であり、複数個の収容孔２１を設けた
支持プレート２０の使用も可能である。また単に
携帯搬送用としてのみならず、そのまま鉢物等の
装飾容器としても利用できる。

〈考案の効果〉 この考案は以上の如く構成される結果、収容体
に対して箱体のサイズが多少大きい場合でも支持
プレートの弾力的な融通作用により詰め物なしで
安定保持状態で収容携帯可能となり、箱体を大き
めの一定サイズにして各寸法の収容体に使用可能
となるほか、さらに汎用性を高めるため複数種類
の収容孔径の支持プレートを用意して安価で堅牢
な容器を広く使用することができる。

さらに、支持プレートは箱体外周より鍔状に張
出しているので、鉢等からはみ出した草花等の枝
葉や花を支持して安全且つ外観よく保持できると
ともに、持ち運びや展示等の取扱い時に枝葉や花
を把手やその他により損傷しないという利点があ
るほか、転倒時にも支持プレートの外周によつて
収容体全体が転倒して内部の土や植物が崩れ出る
等の問題が解消される利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案容器の使用状態を示す第２図Ａ
−Ａ断面図、第２図は同じく容器の平面図、第３
図Ａ〜Ｃは把手の取付構造の一例を示す説明図、
第４図は容器の箱体展開図である。 １１……箱体、１１ａ……開口部、１３，１４
……周壁、１５……把手、２０……支持プレー
ト、２１……収容孔、２５……収容体、２６……
位置決め部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上向きの開口部１１ａを有する箱体１１の周壁
   １３に細長状の把手１５の両端を係止し、上記開
   口部１１ａよりカツプ状又は鉢状の収容体２５を
   収容する構造において、外周が上記箱体１１の外
   周より鍔状に突出し、内周が上記開口部１１ａ内
   に納まるように収容体２５を嵌合収容する収容孔
   ２１を形成した板状の支持プレート２０を箱体１
   １の上端に載置するように設け、該支持プレート
   ２０の外周には前記把手１５を定位置に挿通せし
   める位置決め部２６を形成してなる携帯容器。