JPH0351848Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、電球の上部を覆うグローブをそな
えたペンダント型照明器具に関する。

〔背景技術〕

第６図ａ，ｂに示すようなペンダント型照明器
具I′のグローブ６はガラス等の材料で作られる
が、ガラス製のグローブは、肉厚を厳密に均一に
することが難しく、肉厚に多少の偏りが生じるの
が一般的である。従来のペンダント型照明器具
は、肉厚の偏りが大きいグローブを使用すると、
グローブが肉厚の大きい側、すなわち重量の大き
い側が下になるように傾斜してしまうので、この
ような偏肉の大きいグローブは製品として使用す
ることができなかつた。

そこで、グローブの肉厚偏りに伴う傾きが修正
できる照明器具が、特開昭55−6748号で提案され
ている。この照明器具では、電球装着用ソケツト
が下側に取り付けられているソケツト台を備え、
該ソケツト台の上面外周にグローブが載置され、
吊下コードに結合されたコード止め具がソケツト
台の裏面において係止することにより吊下げられ
るようになつており、ソケツト台の吊下コード挿
通用の長穴に沿つてコード止め具が移動すること
により前記の係止位置が変更できる構成になつて
いる。グローブの回転操作と係止位置の変更でグ
ローブの傾きが修正できるのである。

しかしながら、上記の照明器具は、傾き修正状
態を確実に維持することが出来ないため、実用性
が低いという問題があつた。

前記公報記載の照明器具では、コード止め具で
ある小さなブツシングに照明器具の全重量や照明
器具に加わる衝撃がかかる一方、ブシングの係止
位置の維持を周面のリング溝の摩擦力に頼つてい
るため、係止安定性が低く、時間が経つうちにブ
ツシングの係止位置がずれてゆき、グローブが再
び傾いてしまうのである。

〔考案が解決しようとする課題〕

この考案は、上記事情に鑑み、グローブの偏肉
による傾きが修正が簡単に行え、しかも、修正さ
れた状態がそのまま確実に維持される照明器具を
提供することを課題とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するため、この考案では、天井
から垂下する吊下コードの下端部に取り付けられ
るランプ装着用ソケツト、該ソケツトに嵌着され
る電球の上部を覆うグローブ、および、下側に前
記ソケツトが取り付けられたソケツト台を備え、
このソケツト台は、その上面外周部に前記グロー
ブが載置される平坦な環状のグローブ支持部が形
成され、かつ、中央部が隆起した皿状に形成され
ていて、前記ソケツトとソケツト台の間の位置に
おいて前記吊下コードに結合されたコード止め具
が、前記ソケツト台を、その皿状部分の裏面にお
いて係止することにより前記吊下コードに吊下げ
られるようになつているとともに、前記皿状部分
には吊下コードが挿通される長穴が形成されてお
り、前記コード止め具が前記長穴に沿つて移動す
ることにより前記の係止位置が変更されるように
なつている照明器具において、前記ソケツト台の
裏面には長穴の長手方向の両側に沿い長穴を挟ん
で対をなす多数の突起が設けられているととも
に、前記コード止め具には、前記対をなす突起に
嵌まる一対の係合部が設けられており、前記係合
部と突起の嵌め合いでコード止め具が係止位置に
固定されるようになつているとともに、前記係合
部の嵌まり込む突起の選択により前記係止位置の
変更がなされるようになつている構成をとるよう
にしている。

第１図ないし第５図はその実施例をあらわし、
以下、この実施例に基づいて本考案を具体的に説
明する。

この照明器具Ｉのグローブ支持部１は、照明器
具吊下げ用の吊下コード３の下端部にソケツト４
が取り付けられ、さらにソケツト４の上にソケツ
ト台５を取り付け、このソケツト台５によつてグ
ローブ６を支持する構造となつている。

ソケツト４は、下側にランプ８を装着するため
のランプ嵌着穴９をそなえ、上面には吊下コード
３のリード線を接続するための接点１０，１０が
設けられている。ランプ嵌着穴９の底部と上面と
の間には、一対のビス挿通穴１１，１１が穿設さ
れている。

吊下コード３の下端部は外被材を剥して中のリ
ード線１３，１３が取り出されている。また、剥
された外被材の介在系１５によつて、第４図に示
すようなコード止め具１７が吊下コード３の下端
部に繋着固定されている。コード止め具１７は、
絶縁物で形成され、中央部にリード線１３，１３
を挿通させるための穴１８と、外周部に一対の係
合用凹部１９，１９とが設けられている。

ソケツト台５は、中央部２１が皿状に上側に隆
起し、その周囲に平坦な円環状のグローブ支持部
２２が形成されている。中央部２１には、前記コ
ード止め具１７の径よりも狭く、かつ吊下コード
３の径よりも若干広い幅をそなえた長穴２３が形
成されている。中央部２１の裏面側には、この長
穴２３の両側に沿つて、突起２５が複数対設けら
れている。また、先端部にビス孔２６を有する円
筒状の取付用凸部２７が、長穴２３を挟んで両側
に設けられている。

この照明器具Ｉは次のように組み立てられる。
すなわち、コード３の下端部に伸び出しているリ
ード線１３，１３の端子１３ａ，１３ａをビス３
０，３０でソケツト４の接点１０，１０に固定し
て電気的接続を行なう。つぎに、ソケツト台５
を、その長穴２３に吊下コード３を挿通した状態
でソケツト４に被せ、ソケツト４のランプ嵌着穴
９からビス挿通孔１１，１１およびビス孔２６，
２６に取付用ビス３１，３１を挿入して、ソケツ
ト４とソケツト台５を結合固定する。そして、ソ
ケツト台５のフランジ状のグローブ支持台２２に
グローブ６の取付穴３４の周縁部を載せてグロー
ブ６を支持するとともに、ソケツト４の嵌着穴９
にランプ８を嵌着すると、組立てが完了する。な
お、組立の手順は、施工等の都合により、かなら
ずしも上記の順序で行なう必要はない。

この照明器具Ｉは、吊下コード３がソケツト台
５の長穴２３に嵌合しているので、その嵌合位置
を横にずらすことによつて、重心を移動させるこ
とでできる。また、グローブ支持部２２が円環状
であるので、グローブ６はソケツト台５の回りに
回転可能である。第５図ａのように、グローブ６
の肉厚に偏りが有つてグローブ６が傾斜する場合
は、グローブ６をソケツト台５の回りに適当に回
転させ、吊下コード３と長穴２３の嵌合位置をず
らすことにより、第５図ｂのように吊下げ位置を
センターからずらして、グローブ６を垂直状態で
支持することができる。ソケツト台５の複数対の
突起２５，２５，……のいずれかにコード止め具
１７の凹部１９，１９を係合させておけば、コー
ド止め具１７が横方向に移送しなくなるので、一
旦固定したコードの位置がずれることが防止され
る。また、この照明器具Ｉは、全重量の大部分が
ソケツト止め具１７によつて支持されているの
で、リード線１３，１３に余計な張力がかからず
安全である。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、この考案にか
かる照明器具は、肉厚の偏りに伴うグローブの傾
きが生じても、グローブの回転とコード止め具に
係合する突起の選択程度のことで簡単に修正し正
しい吊下姿勢に直せ、しかも、コード止め具が突
起と係合部の嵌め合いで修正係止位置にしつかり
と固定されてグローブの正しい吊下姿勢がそのま
ま確実に維持されるため、非常に実用性が高い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例の組立状態をあら
わす側部断面図、第２図はこれを斜め上方から見
た斜視図、第３図はグローブ支持部を斜め下方か
ら見るとともに一部分を省略した分解図、第４図
は要部の斜視図、第５図ａ，ｂは本考案にかかる
照明器具の組立状態をあらわす説明図、および第
６図ａ，ｂは従来の照明器具の組立状態と分解状
態をあらわす斜視図である。 １……グローブ支持部、３……吊下コード、４
……ソケツト、５……ソケツト台、６……グロー
ブ、８……ランプ、１７……コード止め具、２２
……グローブ支持部、２３……長穴、３４……取
付穴、Ｉ……照明器具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井から垂下する吊下コードの下端部に取り付
   けられるランプ装着用ソケツト、該ソケツトに嵌
   着される電球の上部を覆うグローブ、および、下
   側に前記ソケツトが取り付けられたソケツト台を
   備え、このソケツト台は、その上面外周部に前記
   グローブが載置される平坦な環状のグローブ支持
   部が形成され、かつ、中央部が隆起した皿状に形
   成されていて、前記ソケツトとソケツト台の間の
   位置において前記吊下コードに結合されたコード
   止め具が、前記ソケツト台を、その皿状部分の裏
   面において係止することにより前記吊下コードに
   吊下げられるようになつているとともに、前記皿
   状部分には吊下コードが挿通される長穴が形成さ
   れており、前記コード止め具が前記長穴に沿つて
   移動することにより前記の係止位置が変更される
   ようになつている照明器具において、前記ソケツ
   ト台の裏面には長穴の長手方向の両側に沿い長穴
   を挟んで対をなす多数の突起が設けられていると
   ともに、前記コード止め具には、前記対をなす突
   起に嵌まる一対の係合部が設けられており、前記
   係合部と突起の嵌め合いでコード止め具が係止位
   置に固定されるようになつているとともに、前記
   係合部の嵌まり込む突起の選択により前記係止位
   置の変更がなされるようになつていることを特徴
   とする照明器具。