JPH0351466B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、コンクリート噴射機に関する。

この種のコンクリート噴射機では、ロータ内に
設けられた一連のチヤンバにコンクリートを連続
的に充填し、ロータが一定角度回転した位置で圧
搾空気により、コンクリートをブローする。ロー
タが更に回転して高圧空気排気口および軸線方向
に対向する材料排気口を通り過ぎると、両端が密
閉板で閉塞されたチヤンバ内には、望ましくない
過圧が残存しているので、チヤンバ内に残存する
空気を大気中に排出しなければならない。このた
め、垂直なロータの上部密閉板に、ロータを囲む
防塵囲いによつて画定された中間スペースに向か
つて半径方向に開口する空洞を設けることは公知
である。この中間スペースから１つの通路が空気
フイルタを経て大気に連通する。

空気フイルタは、チヤンバから出る空気に伴つ
てチヤンバ内の残存コンクリート（特にダスト）
が排出されるため必要となるものである。上記空
洞は、その高さが密閉板の厚みによつて限定され
るので、放出される空気の隘路をなし、従つて排
出空気に伴う材料（コンクリート）残渣の一部に
よつて閉塞され易い。従つて、時折、堆積した材
料残渣を空洞から除去する必要がある。人手によ
つて行なわれる上記作業を容易にするため、防塵
囲いは上部と下部とに分割される。空洞から材料
残渣を除去するために上部を容易に開放し得るよ
う、空洞フイルタを備えた排出口は防塵囲いの下
部に設けられる。

この公知の噴射機には、上述の清掃作業の際に
運転を中断しなければならないという欠点があ
る。もちろん、運転中に上記清掃作業を行うこと
もできるが、ロータが回転しているため、また、
コンクリート残渣の排出に伴つて、清掃作業を行
うべき個所に多量のダストが生ずるので、自己の
危険性がある。

従つて、本発明の目的は、運転を中断すること
なく、排気通路の閉塞を防止できるような、コン
クリート噴射機を構成することにある。

この目的は、本発明の特徴事項によつて達成さ
れる。

すなわち、本発明は、ロータ回転軸線１４に同
心に且つ平行に配置されたコンクリート受容用チ
ヤンバ１６を有し、ゴム弾性材料製密閉板１８，
２０で端面が密閉されたロータ１０と、前記密閉
板２０中の空洞２６から成り空気フイルタ５４を
介して大気に連通する、空チヤンバ用排気口とを
有し、前記密閉板２０が、蓋状の抑え板３２によ
つてロータ１０の前記端面に押圧されている形式
のコンクリート噴射機において、外部から操作部
材５８によつて操作し得る清掃装置６０，２８
が、前記空洞２６に設けられていることを特徴と
するコンクリート噴射機を提供する。

本発明によると、操作部材を用いて外部から操
作し得る清掃装置を設け、それによつて、空洞内
に堆積した材料残渣を運転中に除去できるように
した。この残渣は、排出する空気によつて搬送さ
れ、その結果、噴射機外部に設け、従つて操作容
易な、空気フイルタに捕集される。清掃装置の作
動に要する時間は極く短時間であり、運転中断の
必要もないので、この清掃装置は、コンクリート
噴射機のトラブルのない運転に大きく貢献する。

操作部材は抑え板内に挿入できるように設ける
のが好ましい。このように構成すれば、所要の補
助的部材の数が減少し、操作性が改善される。

清掃装置には、上記密閉板の空洞を覆い、ほぼ
排出空気の流動方向に延びる可撓性薄板を含むこ
とが出来る。上記薄板は、密閉板と一体に構成で
きる。このように構成すれば、薄板に付着した材
料層が容易に分離され、薄板を別個に取付ける必
要がないので、組立作業が簡単となる。

薄板を皿状に湾曲させ、湾曲により膨出した側
に、湾曲部を押圧できる部分を備えた操作部材を
設け、清掃装置の作動時に上記部分が湾曲部を押
圧するようにすれば、付着材料層の分離が容易と
なる。

また、薄板の湾曲部を抑え板の凹部内に設けれ
ば、薄板と抑え板の関係がすつきりする。しかし
ながら、更に重要なことは、このようにすれば、
排出口断面積が、大きなまま維持された密閉板の
厚みが摩耗によつて減少しても、断面積が小さく
なることがないということである。

薄板が密閉板の空洞の上側開口面全面を被うよ
うにすると、この薄板は、同時に、外部に対する
密封部材として役立ち、望ましくない個所におけ
る空気の漏出を阻止する。

本発明の有利な構成では、操作部材は、作動時
に凹部から薄板を押出すため、凹部内をロータ軸
線に対して半径方向へ変位できるアームを操作部
材の一部として含むことができる。このように凹
部内にアームを設けるとアームのために余分なス
ペースを設ける必要がなく、回転中のロータとの
接触の危険性が排除されるという利点が得られ
る。

さらに、薄板の半径方向外方の縁を、密閉板の
全周に形成してあつてロータを囲む防塵囲いと抑
え板との間に位置する密封リツプに接するように
するのが好ましい。このようにすると、密閉板
は、薄板と一緒に、防塵囲いの密閉を行うという
機能を果す。

大気または空気フイルタに連通する排気管が、
上記空洞に対して半径方向に対向する個所におい
て防塵囲いを貫通するように構成すると、放出空
気の流路は直線となる。したがつて、防塵囲いに
よつて画定される中間スペース内で放出空気を方
向変更する必要はなくなる。

本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明
する。

第１図に、垂直に配設されたシヤフト１２に空
転しないよう結合したロータ１０を示した。ロー
タは、両端が開放した、回転軸線と同心のチヤン
バ１６を有する。上記チヤンバ１６の端面は、材
料送入口（図示してない）、材料排気口（図示し
てない）および高圧空気供給口（図示してない）
は除いて、下部密閉板１８および上部密閉板２０
によつて密閉してある。双方の密閉板１８，２０
は、ゴム弾性材料から成り、それぞれ、金属製支
持板２２，２４に加硫接着してある。

上部密閉板２０は、本発明に本質的でない開口
（図示してない）以外に、空洞２６を有する。空
洞２６は、上部密閉板２０と一体をなして上方へ
湾曲した可撓性薄板２８で被われている。

下部密閉板１８は金属製支持板２２とともに、
基板３０上に載置されている。上部密閉板２０
は、抑え板３２により金属製支持板２４を介して
ロータ１０に押圧され、それによりチヤンバ１６
の両端を充分に密閉する。ロータ１０は、シヤフ
ト１２（例えば、四角形シヤフト）上を軸線方向
へ変位できるので、抑え板３２の押圧力は、密閉
板１８，２０に対するチヤンバ１６の上下面の密
閉状態に影響を及ぼす。抑え板３２は、上方へ延
び装入ホツパ３６を受容する縁３４を有する。

双方の密閉板１８，２０は、運転中、回転する
ロータ１０およびチヤンバ１６に装入されるほぼ
乾いたコンクリートによつて摩耗される。しかし
ながら、平面研削加工によつて修正すれば、密閉
板１８，２０を繰り返し使用できる。この場合、
双方の密閉板の厚みの減少は、抑え板３２を調整
して補償する。

ロータ１０は、ベロー状ゴム製円筒体４２によ
つて相互に気密に結合した２つの上下の綱板製円
筒体３８，４０から構成した不動の防塵囲いで囲
んである。相互に90゜ずれた位置に設けられた４
つのバネ４４は、綱板製円筒体３８，４０を相互
離遠の方向に付勢してこれら円筒体を、それぞれ
上下の密閉板２０，１８と一体の上下の密封リツ
プ４６，４８に押圧する。ベロー状ゴム製円筒体
４２は、防塵に役立つとともに、密閉板１８，２
０の研削又は摩滅の結果として生ずる基板３０と
抑え板３２との間の距離の変化を補償するのに役
立つ。

排気管５０は、上部円筒体４０から半径方向へ
延び、継手５２を介して空気フイルタ５４に接続
されている。空気フイルタ５４は、例えば、フイ
ルタバツグである。

第２図、第１図の部分拡大図を示した。第２図
から明らかな如く、皿状に湾曲した薄板２８は、
抑え板３２の凹部５６に設けられている。操作部
材５８は、抑え板３２の凹部５６内に半径方向へ
変位可能なよう設けてある。操作部材５８は、作
動方向に対して直角をなすアーム６０を有する。

第３図から明らかな如く、アーム６０は凹部５
６の幅にわたつて延びている。凹部５６は、平面
図で見て、ほぼ矩形であり、外縁６２まで半径方
向へ延びている。操作部材５８の長手方向部分６
４は、外縁６２に穿設された貫通孔６６内に案内
されている。

第３図から明らかな如く、薄板２８は、上部密
閉板２０の空洞２６を被つている。抑え板３２に
設けられた凹部５６の幅は、薄板２８の最大幅と
操作部材５８の長手方向部分６４の直径との和に
ほぼ等しく、その結果この長手方向部分６４と、
凹部５６内の薄板２８の湾曲部とは、凹部５６の
幅を塞ぐ。上部密閉板２０の空洞２６の形状は、
ほぼ鐘状であり、最大幅の部分は、半径方向で最
も外側の部分である。第２図および第３図から明
らかな如く、操作部材５８を矢印の方向に引出す
と、アーム６０は、薄板２８を凹部５６から押出
す。この押出時、薄板２８に付着した材料残渣が
除去される。

薄板２８の湾曲部分は、ロータ１０の上部外縁
から半径方向へ突出しているので、上部密閉板２
０の厚みが摩耗により減少しても、ロータの外縁
の上に充分な間〓が排気口として得られる。

双方の密閉板１８，２０の外縁には、それぞ
れ、密閉リツプ４６，４８が設けられているの
で、部材３８，４０，４２から成る防塵囲いを密
封するため別個の密封部材を設ける必要はない。
薄板２８の半径方向外方の縁は、密封リツプ４８
に接する。

排気管５０を開口２６に半径方向に対向させて
設けたことによつて、下部円筒体３８内に排気口
を設けた公知の構造と異なり、排出空気流を方向
変更する必要がない。かかる排出空気流の方向変
更を要する従来の構造においては、排気用の開口
２６の清掃のため、上部円筒体４０をしばしば取
外さねばななかつたのである。

凹部５６内に設けた湾曲せる可撓性薄板２８
は、上記凹部を被う。薄板２８は、操作部材５８
のアーム６０とともに、開口２６の清掃に役立つ
清掃装置を構成する。即ち、この清掃作業は、防
塵囲いを開放することなく、従つて、不測の事故
の危険性もなく、コンクリート噴射機の運転中に
実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、コンクリート噴射機のロータおよび
これに隣接する部分の軸線方向断面図、第２図
は、第１図の排気口部の拡大図、第３図は、第２
図の線−に沿う断面図である。 １０……ロータ、１４……ロータ回転軸線、１
６……チヤンバ、１８，２０……密閉板、２６…
…空洞、２８，６０……清掃装置、３２……抑え
板、５８……操作部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ロータ回転軸線１４に同心に且つ平行に配置
   されたコンクリート受容用チヤンバ１６を有し、
   ゴム弾性材料製密閉板１８，２０で端面が密閉さ
   れたロータ１０と、前記密閉板２０中の空洞２６
   から成り空気フイルタ５４を介して大気に連動す
   る、空チヤンバ用排気口とを有し、前記密閉板２
   ０が、蓋状の抑え板３２によつてロータ１０の前
   記端面に押圧されている形式のコンクリート噴射
   機において、外部から操作部材５８によつて操作
   し得る清掃装置６０，２８が、前記空洞２６に設
   けられていることを特徴とするコンクリート噴射
   機。 ２ 前記操作部材５８は、前記抑え板３２内に挿
   入されている特許請求の範囲第１項記載のコンク
   リート噴射機。 ３ 前記清掃装置は前記空洞２６の上方にほぼ流
   動方向へ延びた可撓性薄板２８を有する特許請求
   の範囲第１項記載のコンクリート噴射機。 ４ 前記薄板２８は、密閉板２０と一体をなす特
   許請求の範囲第３項記載のコンクリート噴射機。 ５ 前記薄板２８は、皿状に湾曲している特許請
   求の範囲第３項または第４項記載のコンクリート
   噴射機。 ６ 前記薄板の湾曲部分は、前記抑え板３２の凹
   部５６に設けられている特許請求の範囲第５項記
   載のコンクリート噴射機。 ７ 前記薄板２８は、前記凹部５６の全面を被う
   特許請求の範囲第６項記載のコンクリート噴射
   機。 ８ 前記操作部材５８は、前記凹部５６内を前記
   ロータ１０の軸線１４に対して半径方向に移動自
   在であつて前記操作部材５８の作動時に前記薄板
   ２８を前記凹部５６から押し出すアーム６０を有
   する特許請求の範囲第６項または第７項記載のコ
   ンクリート噴射機。 ９ 前記薄板２８の半径方向外側の縁は円周方向
   において、前記密閉板２０の全周に形成された密
   封リツプ４８の延長部分をなしており、前記ロー
   タ１０を包囲する防塵囲い３８，４０，４２は前
   記密封リツプ４８を越えて前記抑え板３２に密接
   している特許請求の範囲第７項記載のコンクリー
   ト噴射機。 １０ 前記空気フイルタ５４を介して大気に連通
   する排気管５０が、前記空洞２６に半径方向に対
   向する個所において防塵囲い４０を貫通する特許
   請求の範囲第９項記載のコンクリート噴射機。 １１ ロータ回転軸線１４に同心に且つ平行に配
   置されたコンクリート受容用チヤンバ１６を有
   し、ゴム弾性材料製密閉板１８，２０で端面が密
   閉されたロータ１０を有するコンクリート噴射機
   のためのものであり、蓋状の抑え板３２によつて
   ロータ１０の前記端面に押圧されている密閉板２
   ０において、空洞２６によつて形成されると共に
   空気フイルタ５４を介して大気に連通する、空チ
   ヤンバ用排気口を有することを特徴とする、密閉
   板。