JPH0351460B2 - - Google Patents

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JPH0351460B2
JPH0351460B2 JP60177499A JP17749985A JPH0351460B2 JP H0351460 B2 JPH0351460 B2 JP H0351460B2 JP 60177499 A JP60177499 A JP 60177499A JP 17749985 A JP17749985 A JP 17749985A JP H0351460 B2 JPH0351460 B2 JP H0351460B2
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crosslinked polymer
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adsorbent
solvent
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Hideaki Kiba
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Mitsubishi Kasei Corp
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Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は新規な吸着剤、特に高度な光学分割機
能を有する高分子吸着剤を用いる光学分割方法に
関する。 従来技術及びその問題点 光学分割、即ち、ラセミ混合物を光学的対掌体
に分割することは、医薬、農薬、食品等の工業に
おいて、非常に重要な技術である。その通常の方
法は、ラセミ混合物をジアステレオマーの混合物
に変換させ、そのジアステレオマー混合物をそれ
らの物理的性質の差異によつて分離するものであ
るが、その方法で分離できるラセミ混合物の種類
は限られている。 これらの通常の方法の他に、クロマトグラフイ
ーによつてラセミ混合物を分割する技術が近年、
活発に研究されている。この場合には、光学的に
活性な吸着剤、例えば光学活性なL−ヒドロキシ
プロリンを担持したスチレン系樹脂を充填剤とし
て使用し、二価の銅イオン溶液と接触させ、錯体
を形成させた後、配位子交換によりアミノ酸の光
学分割を行なつた例がある。この場合、その分割
の程度は非常に低いものであり、又、分割された
アミノ酸と同時に銅イオンが溶出して来るため実
用化は全く困難なものである。その他、分析用と
しては、多孔性シリカゲルに光学活性ポリ(トリ
フエニルメチルメタクリレート)をコーテイング
したもの等がある。それらは分析用の手段の域を
出ず、工業用としての使用に耐える程、耐久性の
あるものではない。したがつて現在の所、耐久
性、価格、製造の容易性等の点で満足のいくもの
は得られておらず、そのためかかる方法をラセミ
体の分割に適用することは、工業的かつ技術的に
困難である。 また、公知のグラフト重合体(特公昭52−
9478)のように親水性のポリアミノ酸を疎水性の
基幹重合体に多量(担持量60%以上)にグラフト
させることにより基幹重合体に親水性を付与し、
得られた重合体を水を溶媒とするアミノ酸のラセ
ミ分割用樹脂として用いるものは、ポリアミノ酸
の担持量及び担体の選択に問題があり、光学分割
用の吸着剤としては、全く不適当なものである。 問題点を解決するための手段 本発明の目的は、上記のような問題点を解決で
きる新規な吸着剤を用いた光学分割方法を提供す
ることにある。 本発明者は酵素と類似の高度な基質選択性を有
する高分子吸着剤について鋭意研究を行つた結
果、既に、光学的に活性な合成ポリアミノ酸を構
成成分として含む架橋ポリマーが光学分割等の吸
着剤として、従来に無い優れた性能を有するもの
であること見出し、先に提案している(特願昭59
−44065号、特公昭63−53855号)。該吸着剤はポ
リアミノ酸成分の有する特異な立体構造とそれに
基づく不斉な環境の為に、ラセミ混合物の一方を
優先的に吸着し、高い効率で光学分割を行うこと
ができるものである。 本発明者はこの知見に基づき更に鋭意検討を加
えた結果、光学的に活性な合成ポリアミノ酸が架
橋ポリマー担体にグラフトしてなる吸着剤におい
て、該担体の架橋度、及びポリアミノ酸の担持量
の各々が、それぞれ好適な範囲を有し、且つラセ
ミ混合物の溶媒に対して該担体が親和性を有する
ものは吸着剤として優れており、ラセミ混合物の
溶媒と吸着剤の担体とを選択組合せることにより
光学分割を極めて有効に行うことができることを
見出し、本発明に到達したものである。 即ち、本発明は、 溶媒にラセミ混合物を溶解させた溶液を、吸着
剤と接触させる光学分割方法において、該吸着剤
が下記一般式で表される、光学的に活性な合成ポ
リアミノ酸を架橋ポリマー担体にグロフトしてな
り、 一般式 (式中nは5以上の整数であり、Rは有機基、
R′はH又はアルキル基、R″はH又は有機基であ
る)該ポリアミノ酸の担体量の上限が30%であ
り、該担体の架橋度の上限が40%であり、該溶媒
が水の場合、その担体は親水性の架橋ポリマーか
らなり、該溶媒が有機溶媒の場合、その担体は親
油性の架橋ポリマーからなることを特徴とする光
学分割方法に関するものである。 架橋ポリマー担体としては、例えば、クロロメ
チルスチレン−スチレン−ジビニルベンゼンの共
重合体、アクリルアミド−メチレンビスアクリル
アミドの共重合体、グリシジルメタクリレート−
エチレングリコールジメタクリレートの共重合体
等が挙げられる。 本発明吸着剤の担体の架橋度は後述するように
多孔質化の有無により若干変化するが、多孔質化
しない場合の架橋度は1〜10%、好ましくは2〜
8%であり、多孔質化する場合の架橋度は1〜40
%、好ましくは2〜16%である。架橋度が1%未
満といつた低い場合は機械的な強度に劣り、カラ
ムに充填する際に圧密化が生じやすい。 しかし、一方、該架橋度が40%を越えるほど高
すぎた場合、ポリアミド酸を該担体に導入するこ
とが困難なことが多く、また、導入できた場合に
も、ポリアミド酸が担体の表面(担体が多孔質の
場合は細孔の表面を含む)に会合して担持される
為にポリアミド酸の有する光学異性体の識別能が
充分に発揮されず、その結果、優れた分割能を示
さなくなるのである。 本発明吸着剤のグラフト成分たる合成ポリアミ
ノ酸
【式】 におけるRの有機基はどのようなものでもよい
が、アルキル基、フエニル基等の芳香族基、アラ
ルキル基、窒素等を環構成員として含む複素環含
有基等が例として挙げられ、又、RとNが結合し
て環を形成することもある。これらは種々の基で
置換されていてもよく、置換基の例としては−
OH、−COOH、−SH、−NH2、−SCH3等が挙げら
れる。上記置換基を有する場合、置換基は次のよ
うな形としておくこともできる。即ち、−OH、−
SHはエーテル(例:メチルエーテル、ベンジル
エーテル)の形、アシル基をつけた形、−COOH
はエステルの形、アミドの形、−NH2はカルボベ
ンゾキシ基等をつけた形等である。R′は水素又
はアルキル基であり、該アルキル基としてはメチ
ル基、エチル基等が挙げられる。R″は水素又は
有機基であり、有機基の例としてはペプチド合成
の分野においてアミノ保護基として知られている
カルボベンゾキシ基、第三ブトキシカルボニル基
等のウレタン型保護基、ホルミル基、アセチル
基、ベンゾイル基、フタリル基、トシル基等のア
シル型保護基、トリチル基等のアルキル型保護基
等が挙げられる。この場合、化学的に安定で脱離
しにくい保護基が好ましく、例えば同じアシル型
保護基でもホルミル基(HCO−)よりもアセチ
ル基(CH3CO−)あるいはベンゾイル基
(C6H5CO−)等の方が好ましい。 上記合成ポリアミノ酸類
【式】 の構成単位たる
【式】即ちα−ア ミノカルボン酸の具体例を挙げると、蛋白質を構
成する光学活性アミノ酸、例えばアラニン、バリ
ン、ロイシン、フエニルアラニン、プロリン等、
およびβ−ベンジルアスパルテート、γ−メチル
グルタメート、γ−ベンジルグルタメート、ε−
カルボベンゾキシリシン、δ−カルボベンゾキシ
オルニチン、O−アセチルチロシン、O−ベンジ
ルセリン等の蛋白質構成アミノ酸の誘導体のDま
たはL体等の他、蛋白質を構成するアミノ酸以外
の光学活性α−アミノカルボン酸(例えばサルコ
シン)およびその誘導体が用いられるものであ
る。 上記一般式において、n(担持ポリアミノ酸の
重合度)は5以上、100以下が一般的であるが、
なかんずく10〜40が好ましい。この重合度nは、
担持したポリアミノ酸同士の会合を抑えると言う
意味において、一般に、ポリアミノ酸の担持量を
増すにつれ減少させることが好ましい。 本発明吸着剤は上記の光学的に活性な合成ポリ
アミノ酸および/またはその誘導体をグラフト成
分とする架橋ポリマーであるが、本発明吸着剤の
優れた光学分割機能はそのグラフト成分である光
学的に活性な合成ポリアミノ酸および/またはそ
の誘導体に由来するのであるから、グラフト成分
以外は架橋ポリマーであれば何であつてもよい。
しかし、吸着操作において使用される溶媒に親和
性があることが必要である。 即ち、水を溶媒とする場合は親水性の架橋ポリ
マー例えばアクリルアミド−メチレンビスアクリ
ルアミド共重合体、グリシジルメタクリレートエ
チレングリコールジメタクリレート共重合体等
を、また、トルエン、ジオキサン等の有機溶媒を
使用する場合は親油性の架橋ポリマー例えばクロ
ロメチルスチレン−スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体等を担体として使用することが必要であ
る。 以上のように、使用する溶媒系に応じて、担体
と種類を適宜選択することにより、分離対象物と
担体との間の相互作用が抑えられ、分離対象物は
担持したポリアミノ酸とのみ相互作用し、その結
果、優れた分離性能が発現するのである。 吸着剤における合成ポリアミノ酸の担持量は上
限が30%であり、その範囲内で適宜選択できる
が、好ましくは20%以下である。該担持量の上限
が30%を越える場合、担持したポリアミノ酸同士
が会合し、分離性能の低下をきたす。又本発明吸
着剤の吸着作用は前述のように使用される溶媒系
により変化するが、吸着対象物質の官能基、立体
性等によつても左右されるので、本発明の架橋ポ
リマーはそれらに応じてアミノ酸の種類等を適宜
変えることができる。 例えばアミノ酸構成単位のR,R′,R″を一分
子中で種々に変えたものとすることもできる。 本発明の吸着剤は以下の方法で製造できる。ま
ず、一般式: (式中、Rは有機基)で表わされる光学活性アミ
ノ酸あるいはその側鎖誘導体のN−カルボキシ無
水物(以下、NCAという)を対応する光学活性
アミノ酸あるいはその側鎖誘導体から既知の方法
例えばホスゲンと反応させることにより合成す
る。この方法の詳細は例えばマーレー・グツドマ
ン(M.Goodman)、バイオポリマーズ
(Biopolymars)、第15巻、第1876頁(1976)に記
載されている。 次にアミノ基に変換可能な、又はアミノ基を導
入可能な官能基を有する架橋ポリマー担体を既知
の方法で製造し、官能基をアミノ基に変換、又は
アミノ基を導入する。そのアミノ基を有する担体
を開始剤として上記NCAを重合し、光学的に活
性な合成ポリアミノ酸を該担体上に担持した架橋
ポリマーを得る。その際、担体ポリマーの架橋度
の上限を40%にする。架橋度の上限を前記40%と
するには、担体ポリマーを合成する際、全モノマ
ー中に占める架橋剤の割合の上限を40%とするこ
とによつて行なうことができる。 又、ポリアミノ酸の担持量の上限を前記30%と
するにはポリアミノ酸を担持させる際に、使用す
るNCAの量を担持量に応じ、適宜調節すること
によつて行なうことができる。 ついで必要に応じ担持したポリアミノ酸の末端
アミノ基を前記した保護基のうちの適当な保護基
で保護することにより目的とするアミノ末端を保
護した光学的に活性な合成ポリアミノ酸を構成成
分として含む架橋ポリマーを得る。 担持した光学的に活性な合成ポリアミノ酸は、
その側鎖が変換可能なものは、例えば、エステル
基をアミド基に変換する等の化学変換を施こし
て、他の化学構造を有する光学的に活性な合成ポ
リアミノ酸に変換することができる。エステル基
のアミド基への変換に際しては、通常のアンモノ
リシスの他、エステルをシアノエチルエステル、
クロロエチルエステル、トリクロロエチルエステ
ル、トリフルオロエチルエステル等電子吸引性の
置換基を持つ活性エステルに変換後、ベンジルア
ミン、シクロヘキシルアミン、L−α−フエニル
エチルアミン、L−α−アミノ−ε−カプロラク
タム等のアミン類と反応させることによつて行な
う事もできる。この化学変換は、水素結合等の相
互作用を行なう官能基を導入できる為に分離対象
物に適した吸着剤を得る上で非常に重要な製造工
程の一つであるが、この場合、この変換反応の前
あるいは後で必要に応じてポリアミノ酸の末端ア
ミノ基を保護する。アミノ基に変換可能な、又は
アミノ基を導入可能な官能基を有する架橋ポリマ
ー担体としては、例えば、前述のクロロメチルス
チレン−スチレン−ジビニルベンゼンの共重合
体、アクリルアミド−メチレンビスアクリルアミ
ドの共重合体、グリシジルメタクリレート−エチ
レングリコールジメタクリレートの共重合体等が
挙げられるが、要するにクロロメチルスチレン等
のアミノ基に変換可能な官能基を有するモノマ
ー、又はグリシジルメタクリレート等のアミノ基
を導入可能な官能基を有するモノマーを単量体成
分として用いて重合された、架橋されたポリマー
であれば何であつてもよい。 これら共重合体の懸濁重合は例えば、次のよう
な方法で行なう。まず、反応原料は不活性な有機
溶媒、好ましくはベンゼン、トルエン等の芳香族
炭化水素もしくはn−オクタン等の脂肪族炭化水
素もしくはシクロヘキサノール、ラウリルアルコ
ール等のアルコール類に溶解される。有機溶媒の
量はモノマーを完全に溶解できるのであれば、1
重量部の反応原料に対し、1重量部の溶媒を用い
るのが特に有利であるが、一般には0〜3重量部
の溶媒が用いられる。この反応溶液は保護コロイ
ド水溶液、特にポリビニルアルコール水溶液と、
例えば1重量部のこの反応溶液に対し、2乃至25
重量部のその水溶液を使用して、効率のよい撹拌
機によつてよく混合される。この撹拌した混合物
を非反応性気体、特に窒素の雰囲気下にて、約40
℃乃至100℃、好ましくは約70℃に加熱する。重
合時間は約4時間乃至72時間、好ましくは約10時
間である。 この場合、適当な希釈剤をモノマー相に添加す
ることで多孔性の球状ゲルを得ることができる。
希釈剤の種類としては、生成ゲルに対し膨潤性の
小さい有機溶剤が好適である。例えばクロロメチ
ルスチレン−スチレン−ジビニルベンゼンの共重
合体の場合、オクタン、デカン、ドデカン等が好
ましい。また希釈剤の代りにポリスチレン、ポリ
メチルスチレン、ポリアクリル酸メチル等の線状
ポリマーを共存させて重合を行ない、次いで生成
球状ゲルから線状ポリマーを抽出除去して多孔質
球状ゲルとすることもできる。多孔質化は架橋度
の低いもの及び高いものに適用されるが、一般に
は高いものに適用されることが多く、得られる多
孔質球状ゲルは吸着対象物質が容易にゲル中に侵
入でき、官能基と接触し易くなるため好ましい。 共重合体中の官能基のアミノ基への変換反応、
又アミノ基の導入反応の詳細は、例えば、メリー
フイールド(R.B.Merriefield)アメリカ化学会
誌(J.A.C.S.)第98巻、第7357頁(1976)あるい
はインマン(J.K.Inman)バイオケミストリー
(Biochemistry)第8巻、第4074頁(1969)ある
いはカラール(J.Kalal)デイー・アンゲバン
デ・マクロモレキユラーレ・ヘミイー(Die
Angew.Maklomol.Chem.)第63巻、第23頁
(1977)等に記載されている。また上記文献記載
の方法以外にも、例えばクロロメチルスチレン単
位を有する共重合体の場合には、エチレンジアミ
ンあるいはヘキサメチレンジアミン等のアルキレ
ンジアミンと直接反応させることによつてアミノ
基を導入することができる。 得られたアミノ基を有する架橋ポリマー担体は
洗浄後、ソツクスレー抽出等で完全に脱水し、加
温減圧下にて充分乾燥する。 NCAの重合を開始するアミノ基の種類として
は通常一級又は二級のアミノ基が用いられるが、
一級アミノ基を開始剤とした場合、定量的にポリ
アミノ酸を担持できるので特に好ましい。 末端アミノ基の保護反応における反応条件は反
応試薬の種類によつて適宜決定される。代表的な
例としてアセチル基で保護する場合は、ポリアミ
ノ酸を担持した該架橋ポリマーを適当な溶媒、例
えばジオキサン等で膨潤させ、末端アミノ基に対
し1〜1000倍当量の無水酢酸を加え、5℃乃至70
℃で撹拌することにより得ることができる。 本発明の吸着剤を用いた分離様式としては一般
にはバツチ法とカラムクロマトグラフイー法があ
る。光学活性物質の分離等の難度の高い分離を行
なう場合には、懸濁重合で架橋ポリマーを得た
後、分粒し、これを吸着剤としてカラムクロマト
グラフイー法により分離を行なうのが好ましい。 通常、カラムクロマトグラフイー法は次の手順
で行なわれる。まず吸着剤を溶離に使用される溶
媒に懸濁し、その懸濁液をカラムに移す。分離対
象物は少量の溶媒に溶解し、この溶液をカラムの
上部に移し、このカラムの溶離液にて処理して、
その溶離物を常法にて各フラクシヨンに回収す
る。 ラセミ体の分割の程度は各フラクシヨンの旋光
度を測定することにより確定できる。 本発明に係る架橋ポリマー吸着剤を使用すれ
ば、非常に多くの種類のラセミ混合物を分割する
ことが可能である。例えばヒドロキシカルボン
酸、アミノ酸並びにこれら化合物の誘導体、例え
ばフエニルアラニン、バリン、ロイシン、トリプ
トフアン、セリン、メチオニン等のアミノ酸のN
−カルボベンゾキシ誘導体やN−ベンゾイル誘導
体、及びヒダントイン誘導体、クロサリドン、パ
ントイルラクトン等の光学分割用吸着剤として非
常に有用である。 作 用 光学的に活性な合成ポリアミノ酸が架橋ポリマ
ー担体にグラフトしてなる吸着剤において、該架
橋ポリマー担体の架橋度の上限40%とすることに
より、ポリアミノ酸の会合のない導入が可能とな
り分離・分割能を向上させ得る。又、ポリアミノ
酸の担持量の上限を30%にすることにより、ポリ
アミノ酸同士の会合が防止できその分離・分割能
を高めることができるという作用を有する。 実施例 以下の製造例、実施例にてこの発明を具体的に
説明するが、本発明はこれら製造例及び実施例の
みに限定されるものではない。 製造例 1 クロロメチルスチレン2.37g、55%ジビニルベ
ンゼン(架橋剤)78.06g、スチレン277.35g、
75%ジベンゾイルパーオキサシド4.78g、n−オ
クタン(希釈剤)304.12gの溶液をポリビニルア
ルコール20.0g、水2000gの溶液に加えた。 この混合物を窒素下70℃にて10時間、1000回
転/分にて撹拌し、架橋度が12%のクロロメチル
スチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体
の担体用架橋ポリマーを製造した。該架橋ポリマ
ーは、ろ取し、熱水、メタノールおよびアセトン
にて洗浄後、約60℃で減圧乾燥した。得られた架
橋ポリマーは通常の有機溶媒には不溶性の多孔質
白色球状ゲルであつた。 この担体用架橋ポリマー250gをトルエン2000
mlで膨潤し、そこへエチレンジアミン60gを加
え、90℃にて10時間撹拌し、該架橋ポリマー中の
クロロメチル基をN−(アミノエチル)アミノメ
チル基に変換した。反応後、架橋ポリマーをろ
取、充分洗浄し、完全に乾燥した、このものの窒
素含有量は0.096%であつた。得られたアミノ化
架橋ポリマー担体220gをγ−メチル−L−グル
タメートNCA37gとし1,2−ジクロロエタン
2200mlの溶液に分散し、窒素下30℃にて40時間撹
拌してNCAを重合し、ポリアミノ酸を架橋ポリ
マー担体にグラフトした。反応後、該ポリアミノ
酸グラフト架橋ポリマーの一部を単離し、精製後
分析したところ、窒素含有量は1.12%であつた。
この値から計算したポリ(γ−メチル−L−グル
タメート)の担持量は10.9%であり、またその重
合度は24.9であつた。 重合反応後、該架橋ポリマー分散液にエチレン
シアンヒドリン181.2gおよび触媒としてp−ト
ルエンスルホン酸(1水和物)66gを加え、60℃
にて3時間撹拌し、その後反応系を減圧にして、
反応により生成するメタノールを溶媒とともに留
去しながら更に6時間撹拌し、エステル交換反応
を行つた。反応後、シアノエチルエステル化架橋
ポリマーを単離し、充分洗浄後完全に乾燥した。
このものの元素分析値は次のとおりであつた。 C:86.72(%) H:7.58 N:1.75 窒素含有量から、反応率(メチルエステルから
シアノエチルエステルへの変換率)は約70%と推
定される。このものの赤外吸収スペクトルで、
2250cm-1にニトリル基の特性吸収が観測された。
このシアノエチルエステル化架橋ポリマー225g
をN,N−ジメチルホルムアミド1800mlに分散
し、ベンジルアミン225gを加えて55℃にて24時
間撹拌した後単離精製した。赤外吸収スペクトル
において2250cm-1のニトリルの吸収が消滅し、
1740cm-1付近のエステル吸収が減少し、又、1650
cm-1付近のアミド吸収が増大したことからシアノ
エチルエステルがベンジルアミドに変換されたこ
とが判る。エステル吸収の減少量から推定した変
換率は約70%であつた。 元素分析値C:87.40(%) H: 7.58 N: 1.45 このベンジルアミド化架橋ポリマー200gをジ
オキサン1200ml、無水酢酸40mlの溶液に分散し、
30℃にて24時間撹拌した後、単離精製した。反応
後の架橋ポリマーについてN/50−HClジオキサ
ン溶液を用い酸吸着容量を測定した所、吸着容量
はほぼ0meq/gとなり、末端アミノ基は完全
にアセチル基で保護されたことが判る。尚、赤外
吸収スペクトル及び元素分析値にはほとんど変化
は見られなかつた。 製造例 2 クロロメチルスチレン5.93g、55%ジビニルベ
ンゼン32.53g、スチレン319.32g、75%ジベン
ゾイルパーオキサイド4.78g、n−オクタン
214.7gの溶液を1%ポリビニルアルコール水溶
液に分散し、製造例1と同様の方法により、架橋
度が5%のクロロメチルスチレン−スチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体の担体用架橋ポリマーを
製造した。得られたこの架橋ポリマーは通常の有
機溶媒には不溶性の多孔質乳白色球状ゲルであつ
た。 この架橋ポリマーを製造例1と同様にエチレン
ジアミンと反応させ、窒素含有量が0.24%のアミ
ノ化架橋ポリマー担体を得た。得られたこのアミ
ノ化架橋ポリマー担体200gをγ−メチル−L−
グルタメートNCA52gと1,2−ジクロロエタ
ン2400mlの溶液に分散し、窒素下30℃にて40時間
撹拌してNCAを重合し、ポリアミノ酸を架橋ポ
リマーにグラフトした。担持反応後の架橋ポリマ
ー中の窒素含有量は1.79%であつた。この値から
計算したポリ(γ−メチル−L−グルタメート)
の担持量は15.8%であり、また、その重合度は
15.3であつた。 重合反応後製造例1と同様にして、担持ポリア
ミノ酸の側鎖をメチルエステルからベンジルアミ
ドに変換した。赤外吸収スペクトルのエステル吸
収の減少量から推定した変換率は約75%であつ
た。該側鎖変換反応後、製造例1と同様にして担
持ポリアミノ酸の末端アミノ基をアセチル基で保
護した。 比較製造例 1〜4 製造例1,2と全く同様の方法により担体の架
橋度及びポリアミノ酸の担持量をそれぞれ変化さ
せた各種の吸着剤を製造した。その結果を第1表
に示す。 実施例 1,2 製造例1,2で製造した吸着剤をそれぞれ250
メツシユと400メツシユの金属性ふるいで分級し、
径が37〜63μmのものを集めた。この分級した架
橋ポリマーを充填剤とし、次の条件でステンレス
カラムに充填した。送液ポンプには島津LC−4A
型高速液体クロマトグラフイー装置を用い、パツ
カーとしてはガスクロ工業社製の大型パツカーを
使用した。また充填は定圧法で行なつた。
【表】 カラム:内径16.7mm、長さ500mm 充填液:4対1のトルエン−ジオキサン混合液 圧力:80気圧 温度:室温 どちらの吸着剤も上記充填条件で問題無く充填
でき、圧密化の問題は全く生じなかつた。次にこ
の充填したカラムを用い、クロマトグラフイー法
でDおよびL−マンデル酸の各々の保持時間を測
定し、吸着剤の分離能を評価した。送液と検出に
は島津LC−4A型高速液体クロマトグラフイー装
置を用いた。クロマトグラフイーの条件は次の通
りである。 溶離液:4対1のトルエン−ジオキサン混合物 流量:2ml/分 温度:10℃ 検出:示差屈折計 サンプル量:2%溶液2ml 第2表にD−マンデン酸およびL−マンデル酸
の各々の保持時間を測定した結果を示す。吸着剤
の光学分割能を表わす分離係数αは次式により計
算した。 α=TD−TO/TL−TO TD:D−マンデル酸の保持時間 TL:L−マンデル酸の保持時間 TO:トルエンの保持時間 分離係数はα=1の場合、全く光学分割能が無
いことを示し、1との差が大きくなるに従つて光
学分割能が高くなることを示す。 第2表に示すようにどちらの吸着剤も、分離係
数が1.10と高く優れた分離特性を示すことが判
る。
【表】 実施例 3 製造例2で製造した吸着剤を実施例1,2と同
様に分級し、カラムに充填した。 このカラムを用い以下の条件でDL−イソプロ
ピルヒダントインの分割を行つた所、ほぼ完全に
DとLの光学異性体に分離され、それぞれの保持
時間は65.00分と70.91分であり、分離係数は1.26
であつた。 溶離液:3対1のトルエン−ジオキサン混合物 流量:2ml/分 温度:10℃ 検出:示差屈折計 サンプル量:0.5%溶液2ml 比較例 1〜4 比較製造例1〜4で製造した吸着剤をそれぞれ
実施例1,2と同様の条件で分級し、ステンレス
カラムに充填した。充填カラムを実施例1,2と
同様にマンデル酸を用いて評価した結果を第3表
に示す。どの吸着剤も極めて光学分割能が悪いこ
とが判る。
【表】 以上のことより、架橋ポリマー担体の架橋度、
及びポリアミノ酸の担持量が各々、本発明の範囲
にある場合、優れた分離特性を示し、実用性の高
い吸着剤を与えることが判る。 発明の効果 架橋ポリマー担体の架橋度の上限が40%であ
り、ポリアミノ酸の担持量の上限が30%であり、
ラセミ混合物の溶媒に対して親和性のある架橋ポ
リマー担体から構成された吸着剤を用いる本発明
の分割方法では、該吸着剤において担持したポリ
アミノ酸同士の会合が抑えられ、特異な立体構造
を有し、分離対象物と有効に相互作用する為に優
れた分離特性を示し、実用性の高い優れた光学分
割方法と言えるものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 溶媒にラセミ混合物を溶解させた溶液を、吸
    着剤と接触させる光学分割方法において、該吸着
    剤が下記一般式で表される光学的に活性な合成ポ
    リアミノ酸を架橋ポリマー担体にグラフトしてな
    り、 一般式 (式中nは5以上の整数であり、Rは有機基、
    R′はH又はアルキル基、R″はH又は有機基であ
    る) 該ポリアミノ酸の担持量の上限が30%であり、
    該担体の架橋度の上限が40%であり、該溶媒が水
    の場合、その担体は親水性の架橋ポリマーからな
    り、該溶媒が有機溶媒の場合、その担体は親油性
    の架橋ポリマーからなることを特徴とする光学分
    割方法。
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