JPH0448497B2 - - Google Patents

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JPH0448497B2
JPH0448497B2 JP18529990A JP18529990A JPH0448497B2 JP H0448497 B2 JPH0448497 B2 JP H0448497B2 JP 18529990 A JP18529990 A JP 18529990A JP 18529990 A JP18529990 A JP 18529990A JP H0448497 B2 JPH0448497 B2 JP H0448497B2
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JP
Japan
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adsorbent
crosslinked polymer
group
optically active
amino
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Hideaki Kiba
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Mitsubishi Kasei Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は新規な吸着剤、特に高度な基質選択性
を有する光学活性物質の分割用高分子吸着剤に関
する。 従来の技術 光学分割、即ち、ラセミ混合物を光学的対掌体
に分割することは、医薬、農薬、食品等の工業に
おいて、非常に重要な技術である。その通常の方
法は、ラセミ混合物をジアステレオマーの混合物
に変換させ、そのジアステレオマー混合物をそれ
らの物理的性質の差異によつて分離するものであ
るが、その方法で分離できるラセミ混合物の種類
は限られている。 これらの通常の方法の他に、クロマトグラフイ
ーによつてラセミ混合物を分割する技術が近年、
活発に研究されている。この場合には、光学的に
活性な吸着剤、例えば光学活性なL−ヒドロキシ
プロリンを担持したスチレン系樹脂を充填剤とし
て使用し、二価の銅イオン溶液と接触させ、錯体
を形成させた後、配位子交換によりアミノ酸の光
学分割を行なつた例がある。 又、ハロメチル化またはヒドロキシメチル化フ
エニル基或いはアミノメチル化フエニル基をもつ
基幹重合体(架橋スチレン−ジビニルベンゼン共
重合体)に、α−アミノ酸無水物を反応させて得
られたグラフト重合体が各種アミノ酸のラセミ分
割用樹脂として用いられることが記載されている
(特公昭52−9233号、特公昭52−9233号) 発明が解決しようとする課題 従来のものでは、その分割の程度は非常に低い
ものであり、又、配位子交換による方法では分割
されたアミノ酸と同時に銅イオンが溶出して来る
ため実用化は全く困難なものである。その他、分
析用としては、多孔性シリカゲルの光学活性ポリ
(トリフエニルメチルメタクリレート)をコーテ
イングしたもの等があるが、それらは分析用の手
段の域を出ず、工業用としての使用に耐える程、
耐久性のあるものではない。 又、上記基幹重合体で架橋スチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体にアミノ酸をグラフト重合した
重合体の場合、該架橋スチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体は疎水性であるにも拘わらず、水溶液
を用いるアミノ酸の分割分離に用いるため、分離
剤の親水性を上げる必要がある。そのため、親水
性の高いポリアミノ酸のグラフト量を50%以上と
しているが、その分離効果は極めて低いものであ
る。 したがつて現在の所、耐久性、価格、製造の容
易性等の点で満足いくものは得られていないのが
現状である。 本発明の目的は、上記のような問題点を解決で
きる新規な光学分割用吸着剤を提供することにあ
る。 課題を解決するための手段 酵素の持つ高度な基質選択性は、それを構成す
るポリアミノ酸が特異な立体構造を有する為と考
えられているが、本発明者は酵素と類似の高度な
基質選択性を有する高分子吸着剤について鋭意研
究を重ねた結果、驚くべきことに、光学的に活性
な合成ポリアミノ酸と疎水性ポリマー成分とを構
成成分として含む架橋ポリマーからなり、又光学
分割の際の溶媒を有機溶媒に限定した吸着剤が、
該ポリアミノ酸成分の有する特異な立体構造とそ
れに基づく不斉な環境の為に、ラセミ混合物の一
方を優先的に吸着し、高い効率で光学分割を行な
うことができることを見出し、本発明に到達した
ものである。 即ち、本発明は一般式、 (式中、nは5以上の整数であり、Rは有機基、
R′はH又はアルキル基である) で表わされる光学的に活性な合成ポリアミノ酸と
吸着操作において用いられる有機溶媒に膨潤する
疎水性ポリマー成分とを構成成分として含む架橋
ポリマーからなる有機溶媒による光学活性物質の
分割用吸着剤に関するものである。 本発明吸着剤の構成成分たる光学的に活性な合
成ポリアミノ酸、 におけるRの有機基はどのようなものでもよい
が、アルキル基、フエニル基等の芳香族基、アラ
ルキル基、チツ素等を環構成員として含む複素環
含有基等が例として挙げられ、又、RとNが結合
して環を形成することもある。これらは種々の基
で置換されていてもよく、置換基の例としては−
OH、−COOH、−SH、−NH2、−SCH3等が挙げら
れる。上記置換基を有する場合、置換基は次のよ
うな形としておくこともできる。即ち、−OH、−
SHはエーテル(例:メチルエーテル、ベンジル
エーテル)の形、アシル基をつけた形、−COOH
はエステルの形、アミドの形、NH2はカルボベ
ンゾキシ基等をつけた形等がある。R′は水素又
はアルキル基であり、該アルキル基としてはメチ
ル基、エチル基等が挙げられる。 上記合成ポリアミノ酸類
【式】の 構成単位たる
【式】即ちα−ア ミノカルボン酸の具体例を挙げると、蛋白質を構
成する光学活性アミノ酸、例えばアラニン、バリ
ン、ロイシン、フエニルアラニン、プロリン等、
およびβ−ベンジルアスパルテート、γ−メチル
グルタメート、、γ−ベンジルグルタメート、ε
−カルボベンゾキシリシン、δ−カルボベンゾキ
シオルニチン、O−アセチルチロシン、O−ベン
ジルセリン等の蛋白質構成アミノ酸の誘導体のD
またはL体等の他、蛋白質を構成するアミノ酸以
外の光学活性α−アミノカルボン酸(例えばサル
コシン)およびその誘導体が用いられるものであ
る。 上記一般式の構成成分においてnは5以上であ
り、100以下が一般的であるが、なかんずく10〜
40が好ましい。 本発明吸着剤は上記の光学的に活性な合成ポリ
アミノ酸および/またはその誘導体を構成成分と
して含む架橋ポリマーであり、架橋ポリマー担体
と光学活性ポリアミノ酸又はα−アミノ酸無水物
との反応等により該架橋ポリマー担体にポリアミ
ノ酸をグラフトすることによつて行う。本発明の
吸着剤の優れた基質選択性はその構成成分である
光学的に活性な合成ポリアミノ酸および/または
その誘導体に由来するのであり、それ以外の構成
成分は吸着操作において使用される有機溶媒に膨
潤することが必要である。即ち、ベンゼン、トル
エン等の有機化合物を吸着操作において溶媒とし
て使用する場合に疎水性のポリマーを、該ポリア
ミノ酸以外の構成成分として使用するのである。 本発明の吸着剤たる架橋ポリマーは、その分子
量、架橋密度等は吸着対象物に応じて適宜選択す
ることができ、又、吸着剤における合成ポリアミ
ノ酸構成部分の比率も適宜選択できるが、1〜99
%、好ましくは10〜60%である。そして本発明吸
着剤の吸着作用は有機溶媒系を使用するが、吸着
対象物質の官能基、立体性等によつても左右され
るので、本発明の架橋ポリマーはそれらに応じて
アミノ酸の種類、架橋密度等を適宜変えることが
できる。 例えばポリアミノ酸を数種混合して用いること
もできるし、アミノ酸構成単位のR,R′を一分
子中で種々に変えたものとすることもできる。こ
れら混合の場合には、α−アミノ酸無水物と反応
して共重合し得るものであれば、グリシン等の光
学的非活性ポリアミノ酸等でも上記光学活性ポリ
アミノ酸と共に混合して用いることができる。 本発明吸着剤の吸着性は架橋密度あるいは多孔
質化により調節でき、架橋密度は吸着対象物質等
に応じて適宜変え得るが、一般に架橋密度は、吸
着対象物質の分子量が大きくなれば小さくなる傾
向がある。 また本発明吸着剤は後述するように希釈剤等を
用いること等によつて多孔質化できるが、この場
合該吸着剤が吸着対象物質の分子径に応じた孔径
(一般には分子径の10倍程度)を有することが必
要である。 本発明吸着剤の架橋密度は多孔質化の有無によ
り変化するが、多孔質化しない場合の架橋密度は
0.01〜50%、好ましくは0.5〜10%であり、多孔
質化する場合の架橋密度は0.1〜100%、好ましく
は5〜30%である。 吸着剤と吸着対象物質の相互作用は疎水結合、
イオン結合、水素結合、立体障害等、種々の要因
の影響を受けるため、吸着操作が行なわれる溶媒
の組成や極性等に応じて、本発明吸着剤の架橋ポ
リマーにおけるアミノ酸を選択するものとする。 本吸着剤の製造は、次の方法によつて行われ
る。 (1) 一般式: (式中、Rは有機基)で表わされる光学活性アミ
ノ酸あるいはその側鎖誘導体のN−カルボキシ無
水物(以下、NCAという)を対応する光学活性
アミノ酸あるいはその側鎖誘導体から既知の方法
により合成する。この方法の詳細は例えばマーレ
ー・グツドマン(M.Goodman)、バイオポリマ
ーズ(Biopolymers)、第15巻、第1869頁(1976)
に記載されている。 NCAの合成に使用される光学的に活性な合成
ポリアミノ酸あるいはその側鎖誘導体としてはア
ラニン、バリン、ロイシン、フエニルアラニン等
あるいはβ−ベンジルアスパルテート、γ−メチ
ルグルタメート、、γ−ベンジルグルタメート、
ε−カルボベンゾキシリシン、δ−カルボベンゾ
キシオルニチン、O−アセチルチロシン、O−ベ
ンジルセリン等のDまたはL体の一方が例として
挙げられるが、使用可能な光学的に活性なアミノ
酸あるいはその誘導体の種類はここに挙げたもの
だけに限定されるるものではない。例えばグルタ
ミン酸のγ−エステル誘導体としても、メチル、
エチル、プロピル、ベンジル、p−ニトロフエニ
ル、シクロヘキシル等の各種エステルを用いるこ
とができるものである。また、複数個の光学的に
活性な合成ポリアミノ酸および/またはその側鎖
誘導体を混合して対応するNCAの混合物を得る
ことも可能である。なおNCAの合成に当つては、
上記のように酸性アミノ酸のカルボキシル基、塩
基性アミノ酸のアミノ基、水酸基等は保護基で保
護しておくが、これらの保護基はそのままつけて
おいてもよいし、最終的には外してもよい。 アミノ基に変換可能な、又はアミノ基を導入可
能な官能基を有する架橋ポリマー担体を既知の方
法で製造し、官能基をアミノ基に変換、又はアミ
ノ基を導入する。そのアミノ基を有する担体を開
始剤としてNCAを重合し、光学的に活性な合成
ポリアミノ酸を該担体上に担持した架橋ポリマー
を得る。 アミノ基に変換可能な、又はアミノ基を導入可
能な官能基を有する架橋ポリマー担体としては、
例えば、クロロメチルスチレン−スチレン−ジビ
ニルベンゼンの共重合体等が挙げられる。 これらの架橋ポリマーは溶液重合、塊状重合、
懸濁重合等の重合方法により、例えば、ジベンゾ
イルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド等
の過酸化物のラジカル形成化合物あるいはアゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)又はアゾビス(2−アミジ
ノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物の存在下に
おいて既知の方法と同様にして得ることができ
る。 懸濁混合による場合は、例えば、次のような方
法で行なう。まず、反応原料は不活性な有機溶
媒、好ましくはベンゼン、トルエン等の芳香族炭
化水素もしくはn−オクタン等の脂肪族炭化水素
もしくはシクロヘキサノール、ララウリルアルコ
ール等のアルコール類に溶解される。有機溶媒の
量はマクロマーおよびモノマーを完全に溶解でき
るのであれば、1重量部の反応原料に対し、1重
量部の溶媒を用いるのが特に有利であるが、一般
には0〜3重量部の溶媒が用いられる。この反応
溶液は保護コロイド水溶液、特にポリビニルアル
コール水溶液と、例えば1重量部のこの反応溶液
に対し、2乃至25重量部のその水溶液を使用し
て、効率のよい撹拌機によつてよく混合される。
この撹拌した混合物を非反応性気体、特に窒素の
雰囲気下にて、約40℃乃至100℃、好ましくは約
60℃に加熱する。重合時間は約4時間乃至72時
間、好ましくは約24時間である。 このようにして得られたポリマーは、ロ過によ
り反応液から分離され、まず保護コロイドを溶解
する溶媒にて洗浄し、更にジオキサン、メタノー
ル、アセトン等で洗浄し、約40℃乃至80℃の温度
にて減圧下において乾燥する。 その場合、適当な希釈剤をモノマー相に添加す
ることで多孔性の球状ゲルを得ることができる。
希釈剤の種類としては、生成ゲルに対し膨潤性の
小さい有機溶剤が好適である。例えばクロロメチ
ルスチレン−スチレン−ジビニルベンゼンの共重
合体の場合、オクタン、デカン、ドデカン等が好
ましい。また希釈剤の代りにポリスチレン、ポリ
メチルスチレン、ポリアクリル酸メチル等の線状
ポリマーを共存させて重合を行ない、次いで生成
球状ゲルから線状ポリマーを抽出除去して多孔質
球状ゲルとすることもできる。多孔質化は架橋密
度の低いもの及び高いものに適用されるが、一般
には高いものに適用されることが多く、得られる
多孔質球状ゲルは吸着対象物質が容易にゲル中に
侵入でき、官能基と接触し易くなるため好まし
い。又、架橋度の高いものでは膨潤収縮が少な
く、機械的強度が大きいので非常に好ましく、ク
ロマトグラフイーの場合には特に好ましい。 共重合体の官能基のアミノ基への変換反応、又
アミノ基の導入反応の詳細は、例えば、メリーフ
イールド(R.B.Merriefield)アメリカ化学会誌
(J.A.C.S)第98巻、第7357頁(1976)あるいはイ
ンマン(J.K.Inman)バイオケミストリー
(Biochemistry)、第8巻、第4074頁(1969)あ
るいはカラール(J.Kalal)デイー・アンゲバン
デ・マクロモレキユラーレ・ヘイミー(Die
Angew.Maklomol.Chem.)第63巻、第23頁
(1977)等に記載されている。 得られたアミノ基を有する架橋ポリマー担体は
洗浄後、ソツクスレー抽出等で完全に脱水し、加
温減圧下にて充分乾燥する。 NCAの重合は架橋ポリマー担体中のアミノ基
を開始剤として使用する。 重合温度は約−10℃乃至100℃、好ましくは約
20℃乃至40℃でありり、重合時間は前記一般式の
n、即ち重合度が5以上となるように約0.5時間
乃至120時間、好ましくは約24時間乃至72時間で
ある。使用する不活性有機溶媒としては1,2−
ジクロロエタン、クロロホルム、ジオキサン、テ
トラヒドロフララン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニ
トリル、ベンゼン、ニトロベンゼン、o−ニトロ
アニソール等がが好ましい。これら溶媒は使用前
に完全に脱水精製されることが好ましい。 アミノ基の種類としては通常一級又は二級のア
ミノ基が用いられるが、一級アミノ基を開始剤と
した場合、定量的にポリアミノ酸を担持できるの
で特に好ましい。 得られた光学的に活性な合成ポリアミノ酸を該
架橋ポリマー担体上に担持した架橋ポリマーはジ
メチルホルムアミド、ジオキサン等のポリアミノ
酸を溶解する溶媒で洗浄後、更にアセトン等で洗
浄し、加温下、減圧乾燥して、精製された前記架
橋ポリマーを得る。 (2) NCAを一種類あるいは数種類混合し、単官
能性アミンで重合し、末端にアミノ基を有する光
学的に活性な合成ポリアミノ酸を得る。 それとは別に、アミノ基と反応可能な官能基を
有する架橋ポリマー担体を既知の方法で製造し、
上で得たアミノ基を有する該ポリアミノ酸と反応
させ、光学的に活性な合成ポリアミノ酸を該担体
上に担持した架橋ポリマーを得る。 該ポリアミノ酸の該架橋ポリマー担体への担持
反応は、該ポリアミノ酸を溶解するる溶媒中で約
40℃乃至80℃に加温されることにより行なわれ
る。反応時間は使用した架橋ポリマー担体の種類
に依存するが、約24時間〜約72時間である。 上記(1)及び(2)法の両者の場合において、使用し
た光学的に活性な合成ポリアミノ酸は、その側鎖
が変換可能なものは、例えば、エステル基をアミ
ド基に変換する等の化学変換を施こす等して、他
の化学構造を有する光学的に活性な合成ポリアミ
ノ酸に変換することができる。この化学変換は分
離対象物に適した吸着剤を得る上で非常に重要な
製造工程の一つである。 また架橋ポリマーにおいて、該ポリアミノ酸以
外の構成成分(例えば上記架橋ポリマー担体等)
も上記と同様、化学変換により他の化学構造に変
換することができる。この化学変換も分離対象物
に適した吸着剤を得る上で非常に重要な製造工程
である。 前記の(2)法の場合において、単官能一級アミン
の代りにNCAの開始剤として、この種の開始剤
として通常用いられる物質を使用して該ポリアミ
ノ酸を得ることもできる。このような開始剤とし
ては、例えば、二級アミン、三級アミン、第4級
アンモニウム塩、アルカリ金属のアルコキシド、
ホウ水素化物あるいは水酸化物、無機塩類、有機
金属化合物、アミノ末端を持つたポリマー等が挙
げられる。 本吸着剤を用いた分離様式としては一般にはバ
ツチ法とカラムクロマトグラフイー法がある。光
学活性物質の分離等の難度の高い分離を行なう場
合には、懸濁重合で架橋ポリマーを得た後、分粒
し、これを吸着剤としてカラムクロマトグラフイ
ー法により分離を行なうのが好ましい。 通常、カラムクロマトグラフイー法は次の手順
で行なわれる。まず吸着剤を溶離に使用される溶
媒に懸濁し、その懸濁液をカラムに移す。分離対
象物はできる限り少量の溶媒に溶解し、この溶液
をカラムの上部に移し、このカラムを溶離液にて
処理して、その溶離物を常法にて各フラクシヨン
に回収する。 ラセミ体の分割の程度は各フラクシヨンの旋光
度を測定することにより確定できる。 作 用 本発明に係る架橋ポリマー吸着剤を使用すれ
ば、非常に多くの種類の有機溶媒に溶解するラセ
ミ混合物を分割することが可能である。 以下の製造例、実施例にてこの発明を具体的に
説明するが、本発明はこれら製造例及び実施例の
みに限定されるものではない。 製造例 1 γ−ベンジル−L−グルタメート50g、テトラ
ヒドロフラン500mlの混合物にホスゲン29.7g、
ベンゼン62.3gの混合物を加え、65℃にて1.5時
間撹拌した。得られた透明な反応液を石油エーテ
ル11に注ぐと白色のγ−ベンジル−L−グルタメ
ートNCA(以下γ−BLG・NCAという)結晶が
析出した。得られた結晶を口取し、石油エーテル
で洗浄後、五酸化ニリン上で減圧乾燥した。この
ものは融点93〜94℃、分子量263であり、収量は
50gであつた。 クロロメチルスチレン2.0g、55%ジビニルベ
ンゼン(架橋剤)2.74g、スチレン95.26g、75
%ジベンゾイルパーオキシド0.67gの溶液をポリ
ビニルアルコール4.0g、水400gの溶液に加え
た。この混合物を窒素下70℃にて10時間、1000回
転/分にて撹拌した。得られたクロロメチルスチ
レン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体の架
橋ポリマーを単離した。該架橋ポリマーは半透明
球状ゲルであつた。 この架橋ポリマー85.8gをフタルイミドカリ
85.8g、DMF686mlと混合し、120℃にて6時間
撹拌後、架橋ポリマーを口取し、洗浄乾燥した。
次に架橋ポリマーを抱水ヒドラジン68.6ml、ジオ
キサン686mlと混合し、90℃にて6時間撹拌した
後、クロロメチル基をアミノメチル基に変換した
架橋ポリマーを口取、充分洗浄し、完全に乾燥し
た。このもののアミノ基含有量は0.17%であつ
た。 得られたゲル状架橋ポリマー担体81gを上記に
よつて得られたγ−BLG・NCA32.4g、ジオキ
サン648mlの溶液に分散し、窒素下30℃にて72時
間撹拌し、重合した後、製造例2と同様に架橋ポ
リマーを単離精製した。担持後の元素分析値は次
のとおりであつた。 C:85.40% H:7.15% N:1.66% 元素分析値(窒素1.66%)から計算したPBLG
の含有量は23.8%であり、またその重合度は11.1
であつた。 IR:1735cm-1(エステル) 1650cm-1(アミド) 製造例 2 製造例1で得たPBLG担持架橋ポリマー40gを
ベンジルアミン200mlに分散し60℃にて30時間撹
拌した後、単離精製した。IRスペクトルにおい
て1735cm-1のエステルの吸収ピークが減少し、
1650〜1670cm-1のアミドの吸収ピークが増大し
た。このことよりベンジルエステルがベンジルア
ミドに変換されたことが明らかとなつた。IRス
ペクトルにおけるエステル吸収の吸光度の減少よ
り計算した変換率は約70%であつた。 元素分析値 C:86.24% H:7.53% N:2.40% 製造例 3 クロロメチルスチレン1.0g、55%ジビニルベ
ンゼン(架橋剤)18.27g、スチレン79.73g、75
%ジベンゾイルパーオキシド0.67g、n−オクタ
ン(希釈剤)80.0gの溶液をポリビニルアルコー
ル4.0g、水400gの溶液に加えた。この混合物を
窒素下70℃いて10時間、1000回転/分にて撹拌し
た。得られたクロロメチルスチレン−スチレン−
ジビニルベンゼン共重合体の架橋ポリマーを単離
した。該架橋ポリマーは多孔質白色球状ゲルであ
つた。製造例1と同様の方法により、クロロメチ
ル基をアミノメチル基に変換した架橋ポリマーを
得た。このもののアミノ基含有量は0.08%であつ
た。 得られた多孔性架橋ポリマー担体81gを製造例
1と同様にして得たγ−ベンジル−D−グルタメ
ートNCA32.4gとジオキサン648mlの溶液に分散
し、窒素下30℃にて72時間撹拌し、重合した後、
架橋ポリマーを単離精製した。担持後の元素分析
値(N:1.56%)から計算したポリ(γ−ベンジ
ル−D−グルタメート)の含有量は23.5%であ
り、またその重合度は21.9であつた。 得られたポリ(γ−ベンジル−D−グルタメー
ト)担持架橋ポリマーを製造例2と全く同様の方
法によりベンジルエステルをベンジルアミドに変
換した。変換率は約80%であつた。 実施例 1 製造例1および2で得た架橋ポリマーをそれぞ
れ250メツシユと400メツシユ性ふるいで分級し、
径が37〜63μmのものを集めた。この分級した架
橋ポリマーを充填剤として使用し、クロマトグラ
フイー法でDL−マンデル酸の分割を行なつた。
送液と検出には島津LC−4A型高速液体クロマト
グラフイー装置を用いた。クロマトグラフイーの
条件は次の通りである。 カラム:内径16.7mm、長さ500mm 溶離液:4対1のトルエン−ジオキサン混合液 流量:2ml/分 温度:10℃ 検出:示差分析 サンプル量:100mg 第2表にD−マンデル酸およびL−マンデル酸
の各々の保持時間を示す。
【表】 第1表から、どちらの吸着剤もD体を強く吸着
していることが判る。 添付の図に、製造例2の架橋ポリマーを使用
し、フランクシヨンコレクターにより分取した場
合の各フランクシヨンの比旋光度を測つた結果を
示す(日本分光DIP−140型旋光計を使用)。1フ
ランクシヨン/分である。マンデル酸はL体の比
旋光度が(+)であるので、上記図から本発明の
吸着剤によりD体がより強く吸着されそのためL
体が先に溶出し、次いでD体が溶出してくること
が判り、その吸着性の差(溶出速度の差)を利用
して、L体とD体を分離することができるのであ
る。 実施例 2 製造例3で得た架橋ポリマーを分級し、20〜
40μmのものを集めた。この分級した架橋ポリマ
ーを使用し、実施例1と同様の方法によりDL−
マンデル酸の分割、分取を行なつた。比旋光度は
初期フラクシヨンが−98で、最終フラクシヨンが
60であつた。この吸着剤ではL体がより強く吸着
され、したがつて先ずD体が溶出し、次いでL体
が溶出することが判る。この場合、前記実施例1
とはD体、L体の吸着性が逆であり、本発明の吸
着剤はその構成成分たるポリアミノ酸の種類等に
より、その吸着性を種々変えることができること
がが判る。 発明の効果 本発明の吸着剤は多種類のラセミ混合物を分割
することができ、吸着分割剤としてきわめて有用
であり、又製造が容易であり、且つ耐久性にすぐ
れており、工業用として使用でき、実用性の高い
ものである。
【図面の簡単な説明】
添付の図は本発明吸着剤の効果の一例を示すグ
ラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式、 (式中、nは5以上の整数であり、Rは有機基、
    R′はH又はアルキル基である) で表わされる光学的に活性な合成ポリアミノ酸と
    吸着操作において用いられる有機溶媒に膨潤する
    疎水性ポリマー成分とを構成成分として含む架橋
    ポリマーからなる有機溶媒による光学活性物質の
    分割用吸着剤。
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