JPH0350782Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車のシートバツクに装着され
るヘツドレストの装着用ステイを包囲・被覆する
ヘツドレストブーツの取付構造の改良に関する。

（従来の技術） ヘツドレストブーツは、蛇腹状からなり、ヘツ
ドレストの装着用ステイを包囲・被覆するように
してヘツドレストに取付けられるものである。か
かるヘツドレストブーツの使用目的は、搭乗者の
体格に応じて上下に摺動させられるヘツドレスト
において、ヘツドレストの枕部から突出す装着用
のステイを、枕部とシートバツク間において被覆
し、直接搭乗者の目に触れないようにして車両内
の美感の向上を図ることにある。

ところで、従来におけるヘツドレストブーツの
取付構造は、上面にステイ挿通用の開口部を設け
た蛇腹状のブーツと、一部を偏平に押し潰したヘ
ツドレスト装着用の金属ステイを用い、該ブーツ
のステイを挿通した後に、ブーツのステイ挿通用
の開口部周縁とステイの偏平部とを係合させるも
のである。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、この構造にあつてはステイを押
し潰す作業が必要となる外に、ヘツドレストの取
付けを確実とするためにステイの偏平部にワツシ
ヤー、バネ等の係合部品を組み付けねばならない
ことから、作業数が多く、組付けコスト、部品コ
ストが高い問題がある。

この考案は、かかる問題を解決した新規な取付
構造を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） この考案は、ヘツドレストの枕部から突出する
ヘツドレスト装着用ステイを包囲するようにし
て、ヘツドレストに取付けられる蛇腹状のヘツド
レストブーツの取付構造において、枕部の表皮材
の一部を筒状に延設し、該筒状部によつてステイ
を包囲し、かつ筒状部の一部をくびれ状として、
該くびれ部にヘツドレストブーツの上面のステイ
挿通用開口部を嵌合したことを特徴とするもので
ある。

（作用と実施例） 以下実施例に基づきこの考案を発明する。

第１図はこの考案一実施例を示すヘツドレスト
の断面図、第２図は表皮材筒状部の一実施例を示
すヘツドレストの要部斜視図、第３図は表皮材筒
状部の他実施例を示すヘツドレストの要部斜視図
である。

ヘツドレスト１０は、枕部１２とヘツドレスト
装着用のステイ１４とからなる。

枕部１２は、中空プラスチツク又はプラスチツ
ク板あるいは金属板等からなる補強体１６をクツ
シヨン材１８で覆い、そのクツシヨン材１８を表
皮材２０で被覆したものである。補強体１６には
ステイ１４の上下調節機構、あるいは枕部１２の
傾斜角度調節機構が適宜組み込まれる。なお、そ
れらの機構はシートバツク側に組み込んでもよ
い。表皮材２０は、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂
等のプラスチツク材からなり、ステイ１４の突出
部を筒状に延設してなる筒状部２２を有する。そ
して、その筒状部２２は、上部にくびれ部２４を
有するものである。なお、筒状部は一部にくびれ
部を有する形状であればよく、たとえば第３図の
２６の如く形状とすることも可能である。２８は
くびれ部である。

ヘツドレスト装着用のステイ１４は、金属製の
棒又は中空パイプからなり、所定位置にヘツドレ
スト上下調節用の切欠き（図示せず）を有するも
ので、補強体１６に固定あるいは上下摺動可能に
取付けられる。

ヘツドレストブーツ３０は、ゴム又はプラスチ
ツク等を蛇腹形状としたもので、上面、下面にス
テイ挿通用の開口部３２，３４を有する。下面の
ステイ挿通用開口部３４については、その径を該
ブーツ３０の下部外径と略同一、換言すれば、下
面を無いものとしてもよい。そして、そのヘツド
レストブーツ上面のステイ挿通用開口部３２を、
表皮材筒状部材のくびれ部２４に嵌合させること
によつて、該ヘツドレストブーツ３０の取付けが
なされる。なおステイ挿通用開口部３２とくびれ
部２４との嵌合は、ヘツドレストブーツ３０及び
筒状部２２の変形復元性を利用すれば、容易に行
うことができる。

次に、前記ヘツドレスト表皮材２０の製造例に
ついて、その概略を述べる。表皮材２０の製造
は、補強体１６を内包するブロー表皮一体成形方
法によつて容易に行うことができる。そのブロー
表皮一体成形方法とは、補強体１６にパリソンを
被せ、そのパリソンをブロー成形型により挟み、
パリソン内に圧縮空気を吹き込んで、パリソンを
ブロー成形型内面に圧着させ、型面形状とすると
同時に、ブロー成形型によつてパリソンを表皮材
外形状に沿つて喰い切る方法である。そして、そ
のブロー成形型として、ステイ部のパリソン喰い
切り部の形状を、前記筒状部２２形状としたもの
を用いれば、筒状部２２を有する表皮材２０を得
ることができる。しかも、その筒状部２２は、従
来のブロー表皮一体成形にあつては、不要部とし
て切除捨てられていた部分を有効利用するもの
で、極めて経済的である。

（考案の効果） この考案によれば、ステイの一部を偏平に押し
潰すことなく、ヘツドレストブーツを表皮材の筒
状部に直接取付けることができるので、作業が簡
略となるとともに、使用部品の減少による経済性
向上効果も生じる。又、取付作業においては、筒
状部が表皮材と同一材質からなり変形可能なた
め、ヘツドレストブーツのステイ挿通用開口部の
寸法が狂つていても、筒状部を幾分大なる力で変
形させれば、その取付を行うことができる。更
に、従来にあつては、表皮材製造時に不要部とし
て切除していた部分を筒状部として有効利用する
ものであり、極めて経済的である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案実施例に関し、第１図はヘツド
レストの断面図、第２図は筒状部一実施例の斜視
図、第３図は筒状部他実施例の斜視図である。 ２２……筒状部、２４……くびれ部、３２……
ステイ挿通用開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドレストの枕部から突出するヘツドレスト
   装着用ステイを包囲するようにして、ヘツドレス
   トに取付けられる蛇腹状のヘツドレストブーツの
   取付構造において、枕部の表皮材の一部を筒状に
   延設し、該筒状部によつてステイを包囲し、かつ
   筒状部の一部をくびれ状として、該くびれ部にヘ
   ツドレストブーツ上面のステイ挿通用開口部を嵌
   合したことを特徴とする自動車用ヘツドレストブ
   ーツの取付構造。