JPH0350530Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、複写機やフアクシミリ等に装備され
る現像装置に関し、詳しくは、トナーとキヤリア
とから成る現像剤を攪拌して現像スリーブに供給
すると共に、現像剤収容ケース内において前記現
像剤を現像スリーブの軸芯方向に循環させるよう
にした現像装置に関するものである。

〔従来の技術〕

上記現像装置において、均一な濃度の画像を形
成する上で、現像スリーブの軸芯方向（横方向と
称す）ならびに現像スリーブへの現像剤の供給方
向（縦方向と称す）の何れにおいても現像剤を十
分に攪拌して、ケース内の現像剤全体のトナー濃
度を均一にすることが最も肝要である。

そこで本出願人は、縦横の方向で攪拌性能が優
れた装置を、特開昭60−22153号公報によつて提
案するに至つている。

かかる装置は、現像スリーブの軸芯と平行な軸
芯まわりで回転自在の筒体に対してそれの外周面
部に、現像剤を現像スリーブ側に向けて供給する
フインを放射状に連設して、トナーとキヤリアと
から成る現像剤を攪拌して現像スリーブに供給す
る攪拌供給具を形成する一方、前記筒体の一端側
に導入した現像剤を筒体他端側から導出する現像
剤移送用螺旋軸を設け、かつ、穂切り後の現像剤
を前記螺旋軸の一端側に向けて偏倚させながら前
記攪拌供給具に還流させる仕切板を配設したもの
で、前記横方向ならびに縦方向での攪拌を効率良
く行わせられるようにしたものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、上記の装置における現像剤の横方向
移送において、前記仕切板による現像剤の偏倚移
送量と螺旋軸による現像剤の移送量とが常に同量
であれば問題はないのであるが、現像剤の量ある
いはトナー濃度、更には環境の変化等によつて、
現像剤の流動性が変動し、これが為に、前記仕切
板による現像剤の偏倚移送量が多い場合には現像
剤が筒体一端側に偏り、螺旋軸による現像剤の移
送量が多い場合には現像剤が筒体の他端側に偏つ
てしまうもので、画像乱れを生じたり、現像剤が
ケースの一方に押しやられるために、感光体に相
対するケースの開口部（詳しくは、ケース開口部
の下縁と現像スリーブとの〓間）から現像剤が押
し出されたりし、更には、現像剤のパツク化によ
つて攪拌供給具がロツクされる虞があつたのであ
る。

本考案は、極めて簡単な改良によつて上記の不
都合を解消せんことを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本考案は、トナーと
キヤリアとから成る現像剤を攪拌して現像スリー
ブに供給する攪拌供給具と、該攪拌供給具の一端
側から導入した現像剤を攪拌供給具の他端側に導
出する現像剤移送具、及び、穂切り後の現像剤を
前記移送具の一端側に向けて偏倚させながら前記
攪拌供給具に還流させる仕切板を設けた現像装置
であつて、前記攪拌供給具を前記現像スリーブの
横側部に且つ前記移送具を前記攪拌供給具の横側
部に並置すると共に、前記攪拌供給具と移送具と
の間に隔壁を設け、かつ該隔壁の前記移送具一端
側に対応する部位に、現像剤をオーバーフローに
よつて移送具側に導入する現像剤導入口を形成し
た点に特徴を有する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、第１図は現像装置の縦断面を示し、第２図
は現像装置の要部を示す。そして第３図は作像装
置の概略を示すものであつて、感光体１のまわり
に、帯電装置２、現像装置３、転写装置４、記録
紙分離装置５、クリーニング装置６を、その順に
感光体１の回転方向Ｒに配置して成る。

前記現像装置３は、トナーとキヤリアとから成
る現像剤７の収容ケース８に、感光体１に相対応
させて開口部９を形成すると共に、感光体１に相
対する部分において感光体１に対して順方向に回
転する非磁性体の現像スリーブ１０を、前記開口
部９に臨ませて設け、かつ、該現像スリーブ１０
内にマグネツトローラ１７を静止状態で配設する
と共に、下部開口Ａにトナー補給用ローラ１１を
配置したトナー補給ホツパー１２を前記現像剤収
容ケース８の上部側に連設し、そして、前記下部
開口Ａから供給されるトナーａとケース８内の現
像剤７とを攪拌して前記現像スリーブ１０に供給
する攪拌供給具１３を、前記下部開口Ａの下方部
位に設けると共に、前記現像スリーブ１０の回転
に伴つて相対的に該現像スリーブ１０上の余剰の
現像剤７を切り取る穂切板１４を前記ケース８に
連設してある。

更に、前記穂切り後の現像剤７を前記攪拌供給
具１３の一端側に偏倚させながら攪拌供給具１３
上に流下還元する仕切板１５を前記ケース８に設
けると共に、順次攪拌供給具１３の一端側に偏倚
還元された現像剤７を導入して該現像剤７を攪拌
供給具１３の他端側に導出する現像剤移送具とし
ての螺旋軸１６を設け、かつ、前記穂切板１４近
くのケース部分にトナー濃度検出センサーＳを設
けて成る。

而して、前記現像スリーブ１０の回転に伴つて
前記穂切板１４を通過した現像剤１７が感光体表
面に接触し、該感光体表面の静電潜像に対する現
像が行われる。

そして、前記センサーＳがトナー濃度の低下を
検出すると、該センサーＳからの信号に基づいて
前記トナー補給用ローラ１１が回転し、トナーａ
が前記攪拌供給具１３上に供給されるようになつ
ている。

さて、前記攪拌供給具１３と螺旋軸１６とは、
前記現像スリーブ１０の回転軸芯に平行な軸芯ま
わりで回転自在にケース８に架設されており、詳
しくは、前記現像スリーブ１０と螺旋軸１６のと
間に攪拌供給具１３を位置させるように、前記攪
拌供給具１３を現像スリーブ１０の横側部に、ま
た、前記螺旋軸１６を攪拌供給具１３の横側部
に、夫々並置してケース８に架設されており、且
つ、前記螺旋軸１６による現像剤移送能力を仕切
板１５による現像剤７の偏倚還元移送能力よりも
大に設定してあり、そして、前記攪拌供給具１３
と螺旋軸１６との間に隔壁１８を設けると共に、
該隔壁１８の前記螺旋軸一端側に対応する部位
に、前記仕切板１５から攪拌供給具１３の一端側
に偏倚還元されてきた現像剤７をオーバーフロー
によつて螺旋軸側に導入する現像剤導入口１９
を、且つ、螺旋軸他端側に対応する部位に、前記
螺旋軸１６が他端側に移送した現像剤７をオーバ
ーフローによつて前記攪拌供給具１３の他端側に
導出する現像剤導出口２０を形成してある。

上記の構成によれば、現像剤導入口１９からオ
ーバーフローした現像剤７だけを螺旋軸１６が移
送するものであつて、従つて、攪拌供給具１３の
一端側部分には常に一定した量の現像剤７が存在
することになり、そして、前記現像剤導入口１９
から導入された現像剤７を攪拌供給具１３の他端
側に導出させるものであるから、螺旋軸１６の現
像剤移送能力を大に設定してあつても、該螺旋軸
１６による現像剤７の移送量を、実質的に前記仕
切板１５による現像剤７の偏倚還元移送量に一致
させることができ、且つこの移送態様は、トナー
濃度や環境等による現像剤７の流動性の変動にか
かわらず現出でき、而して、現像剤７の横方向移
送を定量的に行わせられ、現像剤７がケース８の
一側に偏ることを確実に防止することができるの
である。

そして、前記現像剤スリーブ１０と攪拌供給具
１３と螺旋軸１６を並べて配置するので、従来の
構成つまり螺旋軸を攪拌供給具の筒体に内蔵させ
る構成に比べて、現像装置３の上下方向の厚みを
薄くでき、従つて例えば第４図に示すように、現
像装置３の複数個（２個を例示する。）を感光体
１のまわりに配置して行う多色現像の形態をとる
場合、複写機全体の高さを低く抑え得る利点があ
る。

〔別実施例〕

第５図に別実施例を示す。このものは、螺旋軸
１６を筒状の隔壁１８で被つて、その隔壁１８の
上面部側に現像剤導入口１９及び現像剤導出口２
０を形成してものである。

尚、螺旋軸他端側に設ける現像剤導出口２０と
して、これはオーバーフロータイプのものに特定
されるものではなく、例えば特開昭60−22153号
公報に示されるもの等に変形可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、攪拌供給具と移
送具を別体の構成にすると共に、両者間に隔壁を
設け、かつ、該隔壁には現像剤をオーバーフロー
によつて移送具一端側に導入させる現像剤導入口
を設た点に特徴を有し、而して、トナー濃度や環
境の変化等に左右されることなく、移送具による
現像剤の移送量と仕切板による現像剤の偏倚還元
移送量を、実質的に同量にすることができるよう
になり、これによつて現像剤がケースの一側に偏
る現像を回避し得て、現像剤の偏りに起因する画
像乱れや、ケース開口部からの現像剤の流れ出
し、現像剤のパツク化による攪拌供給具のロツク
等のトラブルを確実に解消できるに至つたのであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は現像装
置の縦断面図、第２図は現像装置の要部の斜視
図、第３図は作像装置の概略縦断面図である。第
４図は別実施例の作像装置の概略断面図、第５図
は別実施例の隔壁を示す現像装置の縦断面図であ
る。 ７……現像剤、１０……現像スリーブ、１３…
…攪拌供給具、１５……仕切板、１６……現像剤
移送具（螺旋軸）、１８……隔壁、１９……現像
剤導入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トナーとキヤリアとから成る現像剤を攪拌して
   現像スリーブに供給する攪拌供給具と、該攪拌供
   給具の一端側から導入した現像剤を攪拌供給具の
   他端側に導出する現像剤移送具、及び、穂切り後
   の現像剤を前記移送具の一端側に向けて偏倚させ
   ながら前記攪拌供給具に還流させる仕切板を設け
   た現像装置であつて、前記攪拌供給具を前記現像
   スリーブの横側部に且つ前記移送具を前記攪拌供
   給具の横側部に並置すると共に、前記攪拌供給具
   と移送具との間に隔壁を設け、かつ該隔壁の前記
   移送具一端側に対応する部位に、現像剤をオーバ
   ーフローによつて移送具側に導入する現像剤導入
   口を形成してあることを特徴とする現像装置。