【発明の詳細な説明】
核酸試験片及び所定の核酸
を検出するためのその使用
関連出願についての言及
本願は、John B、 Pindlay等による、1989年2月3日出願の
米国特許出願第306.954号の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は診断操作、詳細には、核酸の検出のための診断操作に関する。本発明は
またそのような操作に有用な試験片に関する。
発明の背景
核酸のハイブリッド形成は、核酸の同定を研究するための周知操作である。ハイ
ブリッド形成は相補的塩基の対合に基づいている。1本領核酸を溶液中でインキ
コベートすると相補的塩基配列が対合して2本鎖ハイブリッド分子を形成する。
これらの分子は所望の場合には変性により分離することができる。
疾病の診断、遺伝的欠陥、遺伝子工学もしくは遺伝子の特性決定のために、所定
の(ターゲットとしてもまた知られている)核酸の存在についての被検体のアッ
セイに使用することができるか、または汚染物又は他の医学上もしくは研究上の
目的のために、血液、食品又は他の物質を試験するための核酸プローブアッセイ
もまた知られている〔例えば、米国特許第4.358.535号(Falkow
等に対して1982年11月9日発行)、国際公開第88101302号(19
88年2月25日公告)及びその中に述べられている引例を参照されたい。〕核
酸プローブアッセイの中には、2個のプローブを使用して、3部分ハイブリッド
化生成物の状態で2個のプローブの間に問題の核酸を挾みこむ、当該技術分野に
おいて“サンドウィッチ・アッセイ”として知られているものがある。一般に、
一方のプローブは“捕捉(capture)”プローブであり、これは固体表面
上に、固定化されているか又はそのようになることができるものであり、他方の
プローブは検出可能に標識化されるか又はそのようになることができるものであ
る。サンドウィッチ・アッセイは、所定の核酸を固体状支持体上に直接固定化す
る必要がなく、かつ1つではなく2つのハイブリッド形成反応が検出のために必
要なのでより高い特異性の可能性を提供するという利点を有する。
プローブ・アッセイに用いられる、はとんどの“捕捉”プローブは、一般に、検
出される所定の核酸の少くとも1つの核酸配列と相補的であるオリゴヌクレオチ
ドを形成するヌクレオチド配列から構成される。核酸のアフィニティ・クロマト
グラフィ分離用及びプローブ・アッセイ用に、オリゴヌクレオチドを固体状支持
体へ結合させるための様々の方法が知られている。かかる方法を述べているかな
りの数の文献の中には、国際公開第88101302号(上述)、ヨーロッパ特
許第0235726号(1987年9月9日公告)及び米国特許第4.673.
657号(Christianに対して1987年6月16日発行)がある。
当該技術分野における有意な進展は、米国特許第4.683.195号(Mul
lis等に対して1987年7月28日発行)及び米国特許第4、683.20
2号(Mullisに対して1987年7月28日発行)明細書に記載されてい
る。広範囲にわたり詳細に論することなく、これらの特許は、プライマーが重合
剤(例えば、ポリメラーゼ)と4種のデオキシリボヌクレオシド三リン酸の存在
下で核酸の鋳型にハイブリッド形成し、次いでこれらのブライマー類からエクス
テンション産物が生成される増幅方法を記載している。これらの産物は変性され
、次いでそれらのその後の検出を容易にするための、所定の核酸の数および量を
増幅する周期的な反応の鋳型として使用される。この増幅方法は、少量の所定の
核酸から大量の検出可能な物質を生成するために、望ましいだけ多数回、周期的
に実施することができる。
標的配列が検出可能量まで十分に増幅されさえすれば、検出方法は限定的ではな
い。放射性−同位体、ビオチンもしくは酵素(ビオチン−アビジン結合を介して
プローブに結合された)で標識化したプローブ又はゲル電気泳動の使用を含む、
多くの検出技法が当該技術分野において記載されている。他のプローブは支持体
上に増幅された産物を捕捉するのに使用される。
米国特許第4.727.019号(Valkirs等に対して1988年2月2
3日の)は、゛直接、多孔質基板(例えば、膜)に局所領域中において固定化さ
れたプローブを使用して核酸を検出することができる分析方法及び分析装置につ
いて記載している。あるいは、プローブを多孔質マトリックス内に埋め込むこと
もできる。プローブをかかる支持体に直接結合すること又はそれらをその中に埋
め込むことは、所定の核酸が被検体中に一般に高濃度存在する場合には精確なし
かも高感度のアッセイを提供するであろうが、その濃度が非常に低い場合には限
度がある。この技術分野においては研究が進行しているので、より少量(単一分
子であったとしても)を検出する必要性は極めて重要である。従って、多くの従
来の、核酸試験方法及び装置は不十分である。
0200381号(1986年11月5日に公告)に記載されている。更に、複
数個の核酸が同時に検出できるようにいくつかのプローブをマトリックスの区隔
域に埋め込むこともできる。
1種又はそれ以上の核酸を同時に検出するという欲求が当該技術分野においては
残っている。しかしながら、上述したように、ますます低濃度のこれらの核酸を
検出する必要性もまたある。このことはプローブ及び分析操作に関して高感度を
必要とするものである。
発明の要約
上記課題は、少くとも第1対向面及び第2対向面を有し、かつ前記対向面のうち
少くとも1つの対向面の少くとも1つの区隔ゾーン中に水不溶性核酸プローブを
付着せしめている支持体を含んでなる核酸試験片であって、前記プローブは、所
定の核酸に対して相補的なオリゴヌクレオチドを含んでなり、このオリゴヌクレ
オチドは水不溶性粒子に共有結合で結合しており、かつ実質的にいずれの前記プ
ローブも前記対向面内に埋め込まれていない、核酸試験片により克服される。
更に、所定の核酸の検出方法は、
A、所定の核酸を含有すると推定される被検体を、上記核酸試験片と接触させて
、
所定の核酸及び前記水不溶性プローブのハイブリッド形成化産物を形成し、
B、工程Aに先立って、と同時に又はに続いて、前記被検体を、前記所定の核酸
に対して相補的な、検出可能に標識化されたプローブと接触させて、前記水不溶
性プローブ及び前記標識化プローブの両者とハイブリッド形成した前記所定の核
酸の固定化サンドウィッチ産物を形成し、C0前記固定化サンドウィッチ産物を
非固定化物質から分離し、そして
り、前記固定化サンドウィッチ産物を、被検体中の所定の核酸の量の指標として
検出する、
ことを含んでなる。
更に詳細には、所定の核酸の検出方法は、A、被検体中に見出される所定の核酸
を、相補的プライマー、デオキシリボヌクレオチド三リン酸及び重合剤の存在下
で増幅させ、
B、前記増幅された所定の核酸を、上記核酸試験片と接触させて、
所定の核酸及び前記水不溶性プローブの固定化されたハイブリッド形成化産物を
形成し、
C1前記固定化産物を非固定化物質から分離し、そしてり、前記固定化産物を、
被検体中の所定の核酸の量の指標として検出する、
ことを含んでなる。
本発明は、被検体、例えば生物学的被検体中の1種又はそれ以上の核酸の迅速か
つ精確な検出を達成するための手段を提供する。本発明においては、標的核酸が
極めて低濃度で存在する場合に高感度のアッセイが可能であるということが特に
有利である。更に、本発明の試験片は容易に製造されかつ有意の製造上の有効性
を有する。プローブが水不溶性粒子から構成されているので、それらは後の使用
のために、適切な支持体上に容易に付着されるか又は試験具申に包含される。
従って、プローブ溶液の使用及びそれに伴う不利益が回避される。
この利点は、支持体上の特定位置において支持体に付着している水不溶性プロー
ブを使用することにより達成される。
更に、このプローブは当該技術分野において教示されているようには、支持体内
に埋め込まれてはいないので、プローブのより多くの表面積が被検体に露され、
従ってアッセイ感度が高められる。本発明の重要な利点は、個々の位置において
支持体に付着した複数個の水不溶性プローブを使用して、複数個の所定の核酸を
同時に検出できることである。好ましい実施態様においては、本発明の試験片は
、アッセイ用のすべての試薬を含んでもよい、自蔵式試験具内に組み入れられる
。
いくつかの試薬が予め組み入れられていない場合は、この試験具は試薬添加後の
アッセイ用の容器になりうる。
図面の簡単な説明
第1図は、支持体の局所区域に水不溶性プローブを固定化せしめた、本発明の試
験片の平面図である。
第2図は、第1図の線■−■に沿った断面図である。
第3図は、支持体に局所的に配置されたプローブを複数個有する、本発明の別の
試験片についての第2図と同様の断面図である。
第4図は、試験ウェルの底部に位置した膜上に、水不溶性プローブを局所的に配
置した、本発明の更に別の実施態様の断面図である。
発明の詳細な記載
核酸の検出において検出されもしくは使用されるプライマー、プローブ又はオリ
ゴマーフラグメントに言及する際、本明細書において使用されるものとして、用
語“オリゴヌクレオチド”は2個もしくはそれ以上の好ましくは3個より多゛い
デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドからなる分子を指す。その正確
な大きさは限定的ではないが、しかしオリゴヌクレオチドの最終的な用途又は機
能を含む多くの要因に左右される。このオリゴヌクレオチドは合成により又はク
ローニングにより誘導されてもよい。
用語“プライマー”は、天然に存在するにせよ合成により製造されるにせよ、核
酸鎖に対して相補的なプライマーのエクステンション産物の合成が誘発される条
件に付された際に、合成に開始点として作用することができるオリゴヌクレオチ
ドを指す。このような条件としては、ヌクレオチド(例えば、4本鎖のデオキシ
リボヌクレオチド三リン酸)及び重合剤、例えば、DNAポリメラーゼの存在、
並びに適切な温度及びpHが挙げられる。
一実施態様にふいては、このプライマーは1本鎖領域に隣接した、2本鎖の標識
化核酸領域を含む。この1本鎖領域は、核酸配列を含み、この核酸配列はそれと
ハイブリッド形成する鋳型鋼に対して十分に相補的である。このプライマーの2
本鎖領域、又は尾部を、検出可能なシグナルを発生させることができるか又はそ
のエクステンション産物を捕捉もしくは固定化するのに有用な検出可能な部分で
標識化することができる。
他のそして好ましい実施態様において、プライマーは全体的に一本鎖である。好
ましくは、プライマーは1本鎖のオリゴデオキシリボヌクレオチドである。それ
は、重合剤の存在下でエクステンション産物の合成を始動させるのに十分な長さ
でなければならないが、その正確な大きさは、意図する用途、標的配列の複雑さ
、反応温度及びプライマー源次第で変動するであろう。一般に、本発明に用いら
れる各プライマーは約15〜約50個のヌクレオチドを、好ましくは約20〜約
30個のヌクレオチドを有するであろう。
本発明において用いられるブライマーは、増幅されるべき各特定配列の各種鎮に
対して“実質的に1相補的であるように選択される。このことは、それらが、そ
れらの各鎮とハイブリッド形成して所望のハイブリッド形成化産物を形成するの
に十分なほど相補的でなければならないということを意味する。非相補性塩基は
、それらがハイブリッド形成及びエクステンション産物の形成を阻害しない限り
、その中に含まれていてもよい。ブライマーは、増幅効率において最良の結果が
得られるように確かな相補性を有することが好ましい。
本明細書において有用なブライマーは、多くの原料から得ることができ、又は、
例えば、ABI [lNA合成機(アプライド・バイオシステムズ(Appli
ed Biosystems)から入手可能)もしくはSAM−1合成機(バイ
オサーチ・インコーホレイティラド(Biosearch、 Inc、)から入
手可能))をはじめとする公知技法及び装置並びにそれらを使用するための公知
方法を用いて製造することができる。生物学的原料から単離される、天然に存在
するブライマーもまた有用である(例えば、制限エンドヌクレアーゼ消化物)。
本明細書において用いられるものとして、用語“プローブは天然に存在する又は
合成により製造されるオリゴヌクレオチドを指し、これはブライマーとしては使
用されないが、しかしハイブリッド形成化産物を形成するように核酸の1種又は
それ以上の配列に対して実質的に相補的であるように設計されている。更に、プ
ローブは一般に得られるハイブリッド形成化産物の1捕捉(capture)″
または“検出(detect 1on)″のいずれかのために設計されている。
捕捉プローブは、例えば、特定の結合リガンド(例えば、アビジン−ビオチン複
合体)を介して吸収又は複合化することにより、ある形で不溶性物質に結合され
るか、または分析中のある時点で結合されるようになることができるものである
。検出プローブはその中に検出可能な標識を包含せしめているか、又は検出可能
な部分と、例えば、アビジン−ビオチン複合体を介して反応することができる部
分を有する。捕捉プローブ及び検出プローブの他の具体例は当該技術分野におい
て公知である。
本発明は、同一の又は異なる被検体中に存在する1種又はそれ以上の所定の核酸
の検出に向けられている。かかる被検体としては細胞質もしくはウィルス性物質
、毛髪、体液、又は検出可能の遺伝子ウィルスもしくは細菌DNAもしくはRN
Aを含む他の物質を挙げることができる。かかる検出の主な目的は事実上は、診
断ということであろうが、本発明はまた、組織の分類のための、又は化学的合成
から得られる核酸の混合物から所望の核酸を大量に得るための、DNA又はメツ
センジャーRNAのクローニングの効率を改良するのにも用いることができるで
あろう。
本発明は、適切な方法で1種又はそれ以上の捕捉プローブが付着している支持体
を有する試験片を用いて行うのが有利である。各プローブは、1種又はそれ以上
のオリゴヌクレオチド分子を共有結合でそれに付着せしめている、あるタイプの
水不溶性粒子からなるので、水不溶性である。このオリゴヌクレオチドは、それ
らが分析の過程でハイブリッド形成化産物を形成するのに十分な程度まで、問題
の核酸に対して相補的である。
本試験片についてここで更に詳細に検討するが、しかし更なる実施態様は当業者
にとって容易に明らかになるであろうことが理解されるべきである。
試験片の支持体は、プローブを容易に付着させることができかつ所定の核酸を含
む溶液がプローブに容易に接近することが可能であるような、任意の多孔質面又
は非多孔質面であるタイプの結合が存在しなければならない。しかしながら、試
験片の使用の際に望まれる感度にとっては、支持体が多孔質であろうと又は非多
孔質であろうと、プローブが圧倒的に支持体の外側面(又は表面)上に存在する
ということが重要である。このことは、プローブがかなりの程度まで支持体中に
埋め込まれていないことを意味する。多孔質支持体を用いる試験片の製造の過程
では、プローブのあるものは支持体内に埋め込まれるかもしくははめ込まれるよ
うになるかもしれないことが理解されるが、しかし本発明においては、20%未
満のプローブがそのような状態に置かれることが予測される。
好ましい実施態様においては、支持体は非多孔質物質であり、かつ1種又はそれ
以上のプローブが1個又はそれ以上の外側面上に完全な形で存在する。
支持体は、少くとも2つの対向外側面を有する形状(下記)を有するものとして
更に明瞭に定義される。かかる表面は一般に平行であるが、しかし完全に平行で
ある必要はない(例えば、試験管のカーブした底部の内側面及び外側面)。一般
に、支持体は、プローブを保持するための僅少の厚さ及び外側面を有する平坦な
シート、膜又はフィルムである。試験片の一実施態様の詳細な記載は同時係属米
国特許出願第339.923号(Schnipelsky等により1989年4
月17日出願)明細書に与えられている。
本明細書中において有用な支持体材料としては、フィルム、膜、箔、紙(例えば
、いかなる方法でも処理、仕上げ、サイジング又は被覆されていない原料素材紙
をはじめとする写真用又は感熱印刷用紙、又は例えばポリマーラテックスで処理
、仕上げ、サイジング又は被覆された紙)、キュベツト、試験管、試験スライド
もしくは試験細片をはじめとする、任意の有用な形に形状化されたセルロース性
物質、金属、ポリマー、性フィルム、ポリマー性もしくはセルロース性微孔性膜
、例えば、ボール・コーポレーション(Pall Corp、)製のもの(例え
ば、Biodyne(商標)又はLoprodyne (商標)膜)、又はポリ
マーラテックス−被覆、もしくは非被覆セルロース紙が挙げられる。最も有用な
支持体は、実質的に非多孔質のかつ被覆された紙、例えば、感熱印刷用紙である
。
試験具のいくつかの実施態様が、添付図面に示されている。
第1図及び第2図を見ると、試験具10は、上部及び下部対向面14及び16を
有する、単一片のポリマーフィルム支持体として示されている。水不溶性核酸プ
ローブ18は、支持体12の対向面14の中心に付着物として固定される。
試験具の別の実施態様は、第3図の断面図に示されている。
試験具20は、上部及び下部対向面24及び26を有する多孔質支持体22を含
んでなる。水不溶性プローブ付着物28.30及び32は対向面240区隔区隔
域置し、これらは同一の又は異るプローブを含有することができる。
更に別の実施態様は、第4図の断面図に示された使い捨て試験具(下記)の試験
ウェルである。試験ウェル40は、円錐状の壁42及びその底部に多孔質膜46
を有する。膜46は対向する上部面及び下部面48及び50を有し、対向面48
上には水不溶性プローブ付着物52を有する。
プローブは支持体上に任意の適切な技法を用いて付着させることができる。一般
に、プローブを適切な方法で付着させそして乾燥させて、支持体上にプローブの
塗布域を形成し、そして付着は物理的手段による。あるいは、望ましいならば、
支持体及びプローブのいずれかのもしくは両者上の反応性基を用いる化学反応を
介して、又は反応性連結基を介して、付着させることができる。プローブは、支
持体の1個又はそれ以上の区隔域(例えば、点、細片又は他のパターン、各々の
区隔域は一般に約1〜約30mm”の表面積を有する)において単に乾燥される
だけであるのが好ましい。ある場合には、プローブはアッセイに用いられる液体
と接触した際、再懸濁されてもよい。
プローブそれ自身は、規則的な又は不規則的な形状の水不溶性粒子を用いて製造
される。円形の場合は、それらは一般に約0.1〜約101mの平均直径を有す
る。好ましくは、粒子は円形でありかつ約5im未滴の平均直径を有する。粒子
は、ガラス、セラミックス、金属、磁化性材料、ポリマー材料、ゾル、ゲル及び
当業者に容易にわかる他の材料(それらに限定されないが、)をはじめとする、
オリゴヌクレオチドが共有結合で結合することができる適切な材料から製造する
ことがる。有用な活性基としては、カルボキシ、アミノ、スルフヒドリル、アル
デヒド、活性化2−置換エチルスルホニル、ビニルスルホニル、活性ハロゲン原
子、ニドロアリール及び当業者に容易にわかる他のものが挙げられる。特に有用
な粒子は、次の反応性基:カルボキシ、活性化2−置換エチルスルホニル、ビニ
ルスルホニル又は活性ハロゲンを1個又はそれ以上有するエチレン性不飽和重合
性モノマーの1種又はそれ以上から誘導されるポリマー性粒子である。有用なモ
ノマー、それらの製造方法及びオリゴヌクレオチドの結合をはじめとする、この
ような粒子についての更に詳細なことは当該技術分野において知られている(例
えば、1989年2月8日公告されたヨーロッパ特許第0302715号明細書
中に)。
オリゴヌクレオチドの粒子への結合は、標準操作を用いて達成することができる
が、粒子のタイプ(すなわち、反応性基)及びオリゴヌクレオチドのどの反応性
基が用いられるか(例えば、ピリミジンもしくはプリン塩基部分上の反応性基。
又は末端ヌクレオチドの部分、5′又は3′)に依存するであろう。種々の操作
が例えば、国際公開第88101302号(前述)明細書に記載されている。
オリゴヌクレオチドの粒子上への被覆量はある種のアッセイにおいては感度を改
善するために重要であるかもしれない。
一般には、粒子上にできるだけ多くのオリゴヌクレオチド分子を結合させること
が望ましい。粒子は他の支持体と比較して、体積に対する表面積比が高いので、
高密度が有利である。
好ましくは、被覆量は一般1こ粒子1■当り約100〜約3000ピロモル(p
mojりのオリゴヌクレオチドである。
上記したように、水不溶性プローブを、支持体の1個又はそれ以上の表面の区隔
域に付着させる。各区域の大きさ及び形状は同一であっても又は異っていてもよ
い。同一の又は異なるプローブを有する複数個の区隔域が存在する、好ましい実
施態様においては、これらの区域は各区域を別々に検出できるように十分に離し
て保持される。この実施態様においては、同−又は異なる被検体から種々の所定
の核酸を検出するために、様々のプローブを使用することができるし、又それら
は同一の核酸を検出するためにしかし対照として役立てるだけに使用することが
できる。
本発明は、また所定の核酸を検出するための、本明細書中に記載された試験片の
使用方法も包含する。前記方法の一般的な記述は上記されている。一実施態様に
おいては、この試験片は、得られた3部分ハイブリッドの検出を行うために第2
のプローブを使用するサンドウィッチ・ハイブリッド形成アッセイにおいて使用
される。この第2プローブもまた所定の核酸と相補的であり、かつある方法(上
に検討したように)で検出を可能にする1つの部分を含有する。好ましくは、第
2プローブはアビジン、ビオチン、抗体、抗原、ハブテン、レクチン、糖(又は
別の特異的結合部分)、又は後述の他の検出可能な部分で標識化される。最も好
ましくは、標識は酵素であり、酵素は適切な基質又は色素形成性試薬と接触する
と試験片上に検出可能な色素を生じるであろう。
標識を結合させそしてプローブを製造する操作は、例えば、Agrawal等に
よる、Nucleic Ac1d Res、 14巻、6227−45頁(19
86年)に記載されているように、当該技術分野において周知である。有用な標
識としては、放射線同位体、高電子密度試薬、色原体、フルオロゲン(蛍光助剤
)、燐光性部分、着色粒子、フェリチン並びに他の磁性粒子、化学ルミネッセン
ス性部分、及び酵素が挙げられる。有用な酵素としてはグルコースオキシダーゼ
、ペルオキシダーゼ、ウリカーゼ、アルカリ性ホスファタニゼ及び他の当該技術
分野において公知のものが挙げられる。かかる酵素についての基質及び色素形成
性組成物は周知である。
特に好ましい実施態様においては、標識はペルオキシダーゼであり、分析のある
時点で過酸化水素及び適切な色素形成性組成物を添加して検出可能な色素を生じ
させる。例えば、有用な色素−生成試薬としては、テトラメチルベンジジン及び
その誘導体、並びにロイコ染料、例えば、トリアリールイミダゾールロイコ染料
(Bruschiに対して1978年5月16日に発行された米国特許第4.0
89.747号明細書に記載されているような)、又は反応してペルオキシダー
ゼ及び過酸化水素の存在下で色素を生じる他の化合物が挙げられる。特に有用な
色素−生成組成物は以下の例に記載されている。
得られたハイブリッド形成化産物中にあるプローブの存在の検出は、適切かつ公
知の検出装置及び操作を用いて達成することができる。あるプローブは検出装置
を使用することなく目視で見えるかもしれない。この方法を適切な容器(下記)
の中で行うのもまた有用である。
上記のような、所定の核酸のプローブとのハイブリッド形成に先立って、所定の
核酸を増幅して、検出に用いることができる分子数を増加させることが好ましい
。
米国特許第4.683.202号(前記)明細書に更に詳細に記載されているよ
うに、増幅は、含まれる反応の工程の数に対して指数的量の少くとも1種の所定
核酸を生成するための連鎖反応を包含する。この産物は、用いた特定プライマー
の末端に対応する末端との別個の核酸重複物であるだろう。精製されていてもい
なくても、任意の核酸原料を、もしそれが検出の標的である核酸を含有するか又
は含有すると推定されるならば、出発原料として利用することができる。望まし
い場合には、核酸混合物を用いることができる。所定の核酸はフラグメントであ
っても又は完全な酸であってよい。更に、増幅されるべき各核酸について特異的
な一組のプライマー及びプローブを用いることにより、1種以上の核酸を同時に
増幅することができる。
本発明は、2本の相補的鋼を有する核酸の検出に有用である。すでに問題となっ
ている核酸の大部分は、DNAにおいて見出されるもののように2本鎖である。
しかしながら、1本鎖核酸、例えば、mRNAは、逆転写酵素を用いてそれを2
本鎮配列に転化した後に、同様に検出することができる。
複製されるべき特定の核酸は鋳型として使用される。もしこの酸が2本鎖を含む
ならば、別の工程として又はプライマーのエクステンション産物の形成と同時に
、鎖の分離(変性と呼ぶ)を行う必要がある。変性は、先行技術に記載されてい
るような、任意の適切な物理的、化学的又は酵素的手段を用いて達成することが
できる。適切な温度まで加熱することが好ましい手段である。
分離された鎖が使用できるようになれば、追加の核酸鎖の合成は、2種又はそれ
以上のプライマー(そのうちの少くとも1種は上記のように標識化されている)
を用いて、緩衝水溶液中で約7〜約9のpHで行うことができる。好ましくは、
過剰のモル濃度で、2種のプライマーを緩衝溶液に添加するが、具体的な量は先
行技術において教示されている。デオキシリボヌクレオシド三リン酸dATP、
dCTP、 dGTP及びdTTPもまた、合成混合物に適量添加し、そして
得られた溶液を約90〜100℃まで10分間、好ましくは約1〜約4分間加熱
する。この加熱後、この溶液を好ましくは室温まで冷却し、次いでプライマーエ
クステンション産物の形成を誘発するための適切な剤を導入する。この誘発剤は
重合剤として当該技術分野において一般に知られている。これらの産物を形成す
る反応は公知の条件(一般に、室温から、重合がもはやおこらない温度まで)下
で行われる。
一実施態様においては、用いるプライマーは標識化されず、かつ増幅産物の検出
は、エクステンション産物を形成するための、1種又はそれ以上の放射線a!識
化デオキシリボヌクレオチド三リン酸を用いて達成される。
重合剤は、プライマーエクステンション産物の合成を達成するように機能するで
あろう、任意の試薬、又は試薬の組合せであってもよく、酵素(例えば、大腸菌
DNAポリメラーゼI 、 T4 DNAポリメラーゼ、フレノウポリメラーゼ
、逆転写酵素及び当該技術分野において公知の他のもの)が挙げられる。
特に有用な酵素は、クローニングされたもの又は天然に存在するもので熱安定性
酵素、例えば、種々のサーマス(Thermus)属の細菌種である。他の重合
剤は米国特許第4.683.202号(前述)明細書に記載されている。
好ましい熱安定性酵素は、サーマス・アクアティカス(Thermus aqu
aticus)から単離された又はそのゲノムから単離されたDNAポリメラー
ゼ、例えばヨーロッパ特許公開第0258017号(1988年3月2日公開)
公報に記載されているもている。多くの有用なポリメラーゼが市販されている。
一般に、エクステンション産物の合成は各プライマーの3′末端で開始しそして
合成が終了するまで鋳型に沿って5′から3′方向へ進行する。ある重合剤(例
えば、逆転写酵素)は鋳型に沿って3′から5′方向へ進行するかもしれない。
新規に合成された鎮及びそれらの各々のプライマーを含んでなる新規に形成され
たプライマーエクステンション産物は、この方法の次の工程において用いられる
初期標的鋼と2本鎖分子を形成する。これらの鎖は次に変性により分離されて1
本鎖分子を生成し、上述したように、この1本鎖上に新しい核酸が合成される。
増幅操作の進行を続けるためには更なる試薬を必要とするかもしれず、この後は
とんどのエクステンション産物は、2個のプライマー(すなわち、相補的産物と
しての)とハイブリッド形成された所定の核酸からなるであろう。
鎖分離及びエクステンション産物合成の工程は必要なだけ繰り返されて、検出に
必要な所望量の所定の核酸を生成する。
一般に、一連の工程は少くとも1回、好ましくは少くとも10〜30回繰り返さ
れる。
少くとも1個のプライマーエクステンション産物の発生の後の、本発明方法にお
ける任意の時点で、エクステンション産物は、本明細書において記載したような
、捕捉プローブ又は検出可能な標識化プローブのいずれかのプローブとハイブリ
ッド形成することができる。プローブとエクステンション産物とのこの接触は、
この分析中の他のハイブリッド形成反応と同時に又は引き続いておこなうことが
できる。
この増幅方法は適切な容器中で行うことも有用である。最も簡単な容器は試験管
、フラスコ又はビーカーであるが、しかし更に精巧な容器が自動操作を容易にす
るために造られてきた。例えば、この方法を実施する際にある温度特性を与える
ように構成されたキュベツトが米国特許出願第273.781号(Burdic
k等により1987年11月21日出願)明細書に記載されている。この方法を
遂行するための、そして本発明の試験片を包含する特に有用な容器が米国特許出
願第339.923号(上記)明細書に記載されている。他の有用な容器は、本
発明方法の自動による使用又は手動による使用のために適宜作成することができ
るであろうt
検出されるべき相補的産物にとっては、水不溶性産物が反応媒体中で非固定化物
質から分離されることは重要である。
このことは、濾過、洗浄、遠心又は他の適切な分離技法により行うことができる
。
特に有用な分離手段は、微孔質の濾過膜、例えば、Pa1lCarp、により市
販されているポリアミド膜(例えば、Loprodyne”(商標)又はBio
dyne” (商標)膜)である。それらは、界面活性剤もしくは分析操作を容
易にする他の物質で被覆されずに用いられても又は予め被覆されて用いられても
よい。一実施態様においては、検出方法が行われるキュベツト中に膜をきり込ん
でいる。一般に、かかる膜は実質的にすべてのプローブがその表面上に残留する
ような平均孔寸法を有する。好ましくは、この孔寸法は約1〜約10−である。
膜は、分析の他の工程を実施するための適切な容器を有する別の支持体として使
用することができる。しかしながら、好ましくは、膜は使い捨て試験片の一部と
してとり付けられる。様々な試験片が米国特許第3.825.410 (Bag
shaweに対して1974年7月23日発行)、米国特許第3.888.62
9号(Bagshaweに対して1975年6月10日発行)、米国特許第3.
970.429号(Updikeに対して1976年7月20日発行)及び米国
特許第4、446.232号(Liottaに対して1984年5月1日発行)
明細書に記載されているようなものをはじめとする従来技術に右いて公知である
。特に有用な試験片は米国特許出願第98.248号(H1nck ley等に
より1987年9月18日出願)及び米国特許出願第339.923号(上述)
−明細書に記載されている。微孔質膜を含む有用な使い捨て試験片はBastm
an Kodak Companyにより5urecell” (商標)試験片
として市販されている。
本明細書に記載された方法は、感染性疾病、遺伝性障害又は癌のような細胞障害
と関連した、所定の核酸の検出又は特性決定を行うのに使用することができる。
この方法はまた法医学的研究及びDNA組織の類型化にも使用される。本発明の
目的のためには、遺伝的疾病としては任意の生体由来の染色体DNAの特異的欠
失又は突然変異、例えば踵状赤血球細胞貧血、嚢胞性線維症、α−サラセミア、
β−サラセミア及び当該技術分野における当業者に容易に明らかである他のもの
が挙げられる。様々な感染性疾病は、臨床サンプル中の少量の、生体(それが酵
母、バクテリア又はウィルスのいずれであっても)特有の特異的DNA配列の存
在により診断することができる。検出可能なこのようなバクテリアとしては、ス
トレプトコッカス(Streptococcus) 、サルモネラ(Salmo
nella)、クラミジア(Chlamydia) 、ゴルア(Gonorrh
ea) 、シゲラ(Sh ige 11a)及びリステリア(Listeria
)が挙げられるが、しかしこれらに限定されない。検出可能なウィルスとしては
ヘルペス、風疹、ヒト乳頭腫ウィルス、サイトメガロウィルス、エプスタインパ
ールウィルス、肝炎、)ITLV−1及び旧V−1のようなレトロウィルスが挙
げられるがこれらに限定されない。踵状赤血球細胞貧血の診断のためのβ−グロ
ビンDNAの検出もまた本発明を用いて遂行することもできる。他の検出可能種
は当業者には容易に明らかであろう。本発明は、試験試料中の、レトロウィルス
、例えば、旧V−tの存在の検出に特に有用である。かかるアッセイにおいては
、旧V−I DNAの核酸配列、例えば、ギャグ(gag)域の配列に対して相
補的なオリゴヌクレオチドを有するプローブを使用する。
次の例は本発明の実施を具体的に説明するために提供されるものであり、本発明
を限定するものではない。すべてのパーセントは他に断らない限り重量パーセン
トである。
例1及び例2は、フロー、スルー(flow through)操作と云われる
ものを用いる、旧V−I DNAの分析を具体的に説明するものであり、この操
作により水不溶性プローブを使い捨て試験片中のフィルター膜上に固定化するも
のである。旧V−I DNA標的核酸とのハイブリッド形成がおこって水不溶性
産物を形成し、続いてフィルター膜を介して水溶性物質を洗浄する。
膜上に残留する水不溶性産物をその表面上で検出する。
例3はフロー、パイ(flow by)操作と云われるものを用いる旧V−I
DNA及びβ−グロビンDNAの分析として具体的に説る。旧V−I DNA及
びβ−グロビンDNA標的核酸とのプローブのハイブリッド形成がおこって水不
溶性産物を形成する。水溶性物質は支持体から洗い流されそして残留する水不溶
性ハイブリッド産物が次に支持体表面上で検出される。
2− (4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−4,5−ビス(4−
メトキシフェニル)イミダゾールを含有するロイコ染料溶液を次のように調製し
た:固体状ロイコ染料(0,1%溶液を調製するように)を、リン酸す) 17
ウム緩衝液(5ミリモル濃度)中の20重量%のポリ (ビニルピロリドン)溶
液に溶解した。この溶液を次に、リン酸ナトリウム緩衝液中に過酸化水素(10
ミリモル濃度)、4′−ヒドロキシアセトアニリド電子移動剤(5ミリモル濃度
)及びジエチレントリアミン五酢酸キレート剤(10μモル濃度)を含有する溶
液に添加して、10%のポリ(ビニルピロリドン)及び0.005%のロイコ染
料の最終濃度と1.た。
カゼインを同重量のコハク酸無水物と4時間25℃で反応させ、次に透析により
生成物を精製することによりコハク酸エステル化カゼインを製造した。
この例において検出された所定のDNAフラグメントをM13ベクターの誘導体
にクローニングされかつ標準操作を用いて調製された旧V−Iゲノムのgag域
(コア蛋白)の180ヌクレオチドセグメントであった。
所定のDNAの増幅に用いられたプライマーは、アデニン(A)、グアニン(G
)、チミン(T)及びチトシン(C)という標準的な省略を用いると次のヌクレ
オチド配列を有した:
5’−X−TTTGGTCCTTGTCTTATGTCCAGAATGC−3’
及び5’ −ATAATCCACCTATCCCAGTAGGAGAAAT−3
’前記式中、Xは、引用することにより本明細書中に包含されている、国際公開
第89102931号明細書中に記載されている操作により調製されかつ結合さ
れたビオチンテトラエチレングリコール分子を表す。。
記載されている操作(1単位は、プライマー・エクステンション産物中に30分
間37℃で包含されたdNTP 10ミIJモルに相当する)に従って単離した
。
ストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体をZymed Lab
s (サンフランシスコ)から得、そしてカゼイン(0,5%)、3−(N−モ
ルホリノ)−プロパンスルホン酸緩衝液(100ミリモル濃度、pH7,5>及
び保存剤(0,01%)を含有するリン酸緩衝溶液で1:8000に希釈した。
最終の複合体濃度は156ng/mj!であった。リン酸緩衝溶液はリン酸ナト
リウム(25ミリモル濃度、P)17.3)及び塩化ナトリウム(75ミリモノ
濃度)を含有した。
プローブの調製:
例に使用された水不溶性プローブは次の方法で調製した。
ポリマー粒子(2I−)は、標準ラテックス重合操作を用いてポリ (スチレン
ーコーアクリル酸)(97,5:2.5モル濃度比)から構成されており、次に
グリシン緩衝液(0,1モル濃度、pH8,5)中に懸濁物(0,45%固体)
として保存した。
所定の旧V−I DNA標的配列に対し相補的なオリゴヌクレオチドを用いてプ
ローブを調製した。このプローブは次の配列を有した:
5’ −X−ATCCTGGGATTAAATAAAATAGTAAGAATG
T−3’前記式中、Xは、引用することにより本明細書中に包含されている、国
際公開第89102932号明細書に記載されているような、ポリエチレングリ
コールスペーサーを介してプローブに結合したアミノ基を表す。
ポリマー粒子の懸濁物を2回、2−(N−モルホリン)エタンスルホン酸緩衝液
(0,1モル濃度、pH6)で洗浄した。
2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸緩衝液(1ml)中の粒子試料(3k
>を1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(
同一の緩衝液中に100■/rn1.0濃度のもの0.15m1>及び前記オリ
ゴヌクレオチド(57,30口/rnlのナノ純度の水0.0288rnl、
1.650D単位)と混合した。得られた混合物を回転しながら20〜25℃で
15時間回転し、遠心分離し次いで粒子を3回ナノ純度水で洗浄し次いでその中
に再懸濁(0,45%固体)した。
得られた水不溶性プローブを、3つの異なる濃度に調製したニ
プローブA : 334ピコモルのプローブ/■粒子、プローブB : 835
ピコモルのプローブ/■粒子、及び
プローブC: 1670ピコモルのプローブ/■粒子。
上記の水不溶性プローブ(0,45%懸濁物1j)を、5urecell”(商
標名)使い捨て試験具(Eastman Kodak Co、)の試験ウェル中
に位置するいくつかの多孔質膜(Biodyne”、商標名、1g / rn″
のコハク酸エステル化カゼインを被覆したナイロン膜)の各々の規定区域(約2
胴2未満)中に付着させた。このプローブ懸濁物を約30分室温で乾燥させた。
次に、得られた試験片を以下に述べるアッセイに使用した。
アッセイ操作ニ
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤(10ミリモル濃度、p)18
)、塩化カリウム(50ミリモル濃度)、塩化マグネシウム(10ミリモル濃度
)及びゼラチン(lk)を含有する緩衝溶液に、上記プライマー(各々100p
m100p 、dNTP(各々1.5 ミIJモル濃度)、上記ポリメラーゼ(
7,5単位)及びヒト胎盤DNA (S igma、Ig)を添加した。更に、
上記DNA標的(10−”モル濃度)を添加したが、全量は1001t1であっ
た。
標的としてβ−グロビン遺伝子を含むヒト胎盤DNA (lk /d)、及び当
該技術分野において公知の、β−グロビン[)NAに対して特異的であり、その
1つのプライマーはビオチン化されている適切なプライマーを含有する対照(1
00〆)を調製した。
上記の各溶液をポリプロピレン製微量遠心分離管中に入れ、プライマーエクステ
ンション産物を形成し、ついで増幅を次のように30連続熱サイクルを用いて促
進した。
70℃から95℃まで昇温 1分95℃ 0.
5分(変性)95℃から55℃まで降温 1.25分55℃ −0,5
分(ハイブリッド形成)55℃から70℃まで昇温 0.75分70℃
1分(エクステンション)30熱サイクルによる増幅
の後、各混合物の5μ分別量を、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝
液(10ミリモル濃度、pH8)、塩化カリウム(50ミリモル濃度)、塩化マ
次に上記した5urecell” (商標)試験具の試験ウェルに添加した(各
ウェル中に各溶液を約95I)。
テープを各ウェル上にかぶせてそれらを密封し、次いで試験具を42℃で5分間
インキュベートして、増幅器V−I DNAフラグメントを試験ウェル中に固定
化された水不溶性プローブにハイブリッド形成された。テープを次に各試験ウェ
ルから取りはずし、次にリン酸緩衝剤(IOミIJモル濃度、PH7,4)、塩
化ナトリウム(150ミリモル濃度)、エチレンジアミン四酢酸(1ミリモル濃
度及びデシル硫酸ナトリウム(1%)を含有する緩衝溶液(250〆)を用いて
55℃で洗浄した。
上記ペルオキシダーゼ複合体(501Il、 7.8 ng)を各試験つエルに
添加し、次いで試験具を室温で2分間インキュベートした。上記緩衝溶液を用い
て第2回目の洗浄(250m)を行った。ロイコ染料溶液(100I)を各試験
ウェルに添加し、続いて室温で2分間更にインキコベートした。結果としてあこ
る色素形成反応をす) IJウムアジド(0,1%のものを100It1)を添
加することにより停止し、次いで得られた色素を膜上で観察した。〜
結果を目視により、ゼロは濃度なし及び5は最高濃度であるとした0〜5のスケ
ールを用いて等級づけした。次表の結果は、各プローブ濃度について2回別々に
読取ったものの平均である。
対照溶液を添加した試験具ではシグナルは全く観察されなかった。バックグラウ
ンド値は水不溶性プローブが存在しない膜上の区域での濃度読取りから得られた
。
表
プローブA 3.65 0.25プローブ8 3.
5 0プローブC3,350
例2 : HIV−I DNA (7)検出本例は、プローブをその上に固定化
した基板として微孔質濾過膜を用いる、旧V−I DNA検出を実証するもので
ある。
材料及び方法:
ポリ[スチレンーコーm及びp−(2−クロロエチルスルホニルメチル)スチレ
ン] (95,5: 4.5モル濃度比、2.2j−の平均寸法)を含んでなる
ポリマー粒子を、引用することにいる方法により製造した。
カゼインをこれらの粒子に次の方法で結合した:カゼイン(Sigma Che
mical 、0.055モル濃のホウ酸塩緩衝液中に2.57mg /m1.
のものを4.94mj?5pH8,5) 、メチロサール(0,01%)及び上
記のポリマー粒子の懸濁物(ホウ酸塩緩衝液中に17.7−10.0637g
/mA)の溶液を回転させながら16時間室温で回転させた。この混合物を次に
遠心分離にかけ次いで緩衝溶液を除去した。得られたペレットをグリシン緩衝液
(0,1モル濃度、50mj!、 pH8,5)及びメチロサール(0,01%
)中に再懸濁した。この混合物を遠心分離にかけ、次いで得られたペレットを0
.45%の固体含有量になるようにグリシン緩衝液(250rnIl)中に再懸
濁した。
粒子2.54gを含有する粒子懸濁物<50mf)の試料を3回ホウ酸塩緩衝液
(10mf、 0.055モル濃、pH8,5)で洗浄し、ジメチルスルホキシ
ドの溶液(10■/d>中のコハク酸無水物(Sigma Chemical、
0.762+y+1)と混合し次いで4時間室温で反応させた。この混合物
を遠心分離にかけ次いで溶液を除去した。得られたペレットを3回グリシン緩衝
液(50献、0.011モル濃、pH8,5)で洗浄し、次いでグリシン緩衝液
中で0.45%の固体含有量になるように再懸濁した。
グリシン緩衝液中の粒子懸濁物(15ml、 0.0045g/WLl)を遠心
分離し、次いでこのペレットを2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸緩衝液
(0,1モル濃度、pH6)中に再懸濁した。この操作を2回繰り返し次いで得
られたぺ゛レットを、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボ
ジイミド塩酸塩(同一の緩衝液中に100■/−の溶液を0.338d)及び以
下の配列を有するオリゴヌクレオチド<5.7300/−の緩衝溶液0.654
〆)と混合した。この懸濁物を回転させながら16時間室温で回転させ次いで遠
心分離にかけ、そしてペレットをナノ純度の水(151r11)中に再懸濁した
。この遠心分離操作を3回繰り返し、次いで得られたペレットを水に懸濁させて
水不溶性プローブの0.45%固体含有の懸濁物を得た。
このオリゴヌクレオチドは次の配列(塩基について標準の省略形を用いて)を有
した:
5’ −ATCCTGGGATTAAATAAAATAGTAAGAATGT−
3’アッセイ:
HIV−I DNAのアッセイは、例1に記載した操作に従って行った。水不溶
性プローブを微孔質膜の規定区域中に付着させ次いで例1において述べたように
乾燥させた。
アッセイ中に膜上に生成された色素量は目視により0〜5のスケールを用いて等
級づけした(ゼロは濃度なし及び5は最高濃度である)。バックグラウンド値は
水不溶性プローブが存在しない膜域上の濃度読取りから得られた。この分析につ
いての色素濃度の読取りは約4.8と測定され、一方バツクグラウンド濃度は約
0.5であった。
例3 : HIV−1DNA及びβ−グロブリンDNAの測定本例は、2つの水
不溶性プローブがその上に固定化されている基材として、実質的に非多孔質の、
非被覆紙を用いる、HIV−I DNA及びβ−グロビンDNAについてのアッ
セイを実証するものである。
材料:
エッペンドルフ(Bppendorf )管及びヒーターをBppendorf
Corporationから得た。
Bktamate” (商標)感熱印刷紙(非被覆)をEastman Kod
akCompanyから得て、実質的に非多孔質の非被覆紙基板として使用した
。
HIV−1プライマーは、上記例1にふいて記載したものと同じであった。
β−グロビンDNAブライマーは次の配列を有した:5’−X−ACACAAC
TGTGTTCACTAGC−3’及び5’ −CAACTTCATCCACG
TTCA[:C−3’上記式中、Xは、旧V−1ブライマーについて例1におい
て述べたようにして製造しかつ結合させたビオチン分子である。
β−グロビンDNAプローブは次の配列を有した:5’ −X−CTCAAAC
AGACACCATGGTGCACCTGACTC−3’前記式中、Xは旧V−
1[)NAプローブについて述べたものと同じである。
プローブ及びブライマーは標準ホスホアミダイト化学を用いて製造し、高圧液体
クロマトグラフィにより精製しそして標準配列操作により特性決定された。
HIV−I DNAについての水不溶性プローブは上記例1においローブ(0,
45%の懸濁液2I!1)をBktamate” (商標)感熱印刷紙(大きさ
が約19X8mm)の規定区域(直径2閣の点)上に付着させ、室温で乾燥させ
た。β−グロビンプローブDNAを同様に調製しそして同一の紙基材の別の区域
・(直径2肛)に付着させた。
この紙支持体を次にプラスチック材(ポリエステルとポリエチレン又はポリプロ
ピレンのいずれかとの積層物)の一方の面に貼り付けた。プラスチック材の他の
面を第1の面上に熱を用いてシールして囲りをとじたパウチを形成した。このパ
ウチは、その中のプローブとのおこり得る接触のために、液体をパウチ内に注入
するための流入ピペット口、及び液体をパウチから流出させる流出手段を含有し
た。流体試薬を次にパウチ内に入れてプローブと接触させてその後パウチから流
出させた。
ポリメラーゼ連鎖反応のための反応混合物(全容量100m )はニ
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(10ミリモル濃度、pH8,
3)、
塩化カリウム(50ミリモル濃度)、
塩化マグネシウム(10ミリモル濃度)、dNTPs (各々1.5ミリモル濃
度)、プライマー(1μモル濃度)、
ゼラチン(0,01%)及び
サーマス・アクアティクス(Thermus aquaticus)から単離し
たDNAポリメラーゼ(7,5単位)から構成された。
HIV−I DNA標的核酸は、M13/HIV(M130NA77−ジ中にク
ローニングにされた旧V−1の180塩基対セグメント)又はH[IT細胞系D
NA(HIV−1ゲノムの単一にまとまったコピーを含む細胞系)であった。β
−グロブリン標的核酸は、1細胞当りβ−グロブリン遺伝子の2コピーを含むと
推定されるヒト胎盤DNAであった。
アッセイ:
HIV−4及びβ−グロブリン標的の両者の溶液(10irl、各々約10−”
モル濃度)及びポリメラーゼ連鎖反応混合物(100m >をエッペンドルフ加
熱ユニットのエッベンドルフ管に添加し、次いで次のプロトコールを用いて30
〜33サイクルの、ポリメラーゼ連鎖反応に付した=95℃で30秒間のインキ
ュベーション(変性)、55℃で30秒間のインキュベーション(ハイブリッド
形成)及び70℃で1分間のインキュベーション(重合)。
増幅された標的核酸を含む溶液の一部(10m)を、次にトリス(ヒドロキシメ
チル)アミノメタン緩衝剤(10ミリモル濃度、pH&3)、塩化カリウム(5
0ミIJモル濃度)、塩化マグネシウム(10ミリモル濃度)及びゼラチン(0
,01%)を含んでなる緩衝溶液(130m >で希釈した。得られた溶液を次
にエッペンドルフ管中で95℃で5分間加熱して2重鎮標的核酸を変性した。こ
の加熱溶液をピペットに移し、次いでプローブを固定化せしめている感熱印刷紙
の表面のおおいを確保するような方法で、上記パウチ中へ注入した。このパウチ
を次に42℃で5分間インキュベートして、対応するプローブをそれぞれの1末
鎖旧v−■及びβ−グロビンの核酸標的に結合させた。液体を空気圧で押し出す
か又は液体を注射器を用いて吸い出すことによりパウチから液体を除去した。
洗浄溶液をパウチ中へ2回注入した。この溶液は、リン酸二水素ナトリウム(1
0ミリモル濃度、p)17.4)、塩化ナトリウム(150ミリモル濃度)及び
エチレンジアミン四酢酸(1ミリモル濃度)を含んでなる緩衝溶液2501t!
、並びにデシルサルフェート(1%)からなり、55℃まで予備加熱した。第2
回目の洗浄後、液体を除去し、次いで例1のストレプトアビジン−西洋ワサビペ
ルオキシダーゼ複合体(200m )を次にパウチ中に注入し、これを次に室温
で2分間インキュベートした。この液体を次に除去し、次いで上記のロイコ染料
溶液(200id>をパウチ中に注入し、続いて室温で1〜2分間更にインキュ
ベートした。最後にこの液体を除去した。アジ化ナトリウムの溶液(0,1%溶
液200d )をパウチ中に注入して反応を停止し次いで感熱印刷紙上にある色
素を目視により、5が最高色素濃度を表す、0〜5までのスケールを用いて等級
づけした。バックグラウンドは、プローブを固定化していない感熱印刷紙の区域
から読取った。旧V−I DNA及びβ−グロビンDNA標的についての色素濃
度はそれぞれ3.8及び4.2であり、一方バツクグラウンドの読取りは0.5
であった。
本発明を、その好ましい実施態様を特に参考にして詳細に述べてきたが、変更及
び修正を本発明の精神及び範囲の中で行うことができることが理解されるであろ
う。
宝酪唄審親牛
l11171.−ムエ−++I+=PC“r/US90/11104岬:;2国
際調査報告
、PCT/JS 9G100452