JPH035016Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はフロツピーデイスクと呼称される可撓
性ある磁気デイスクを用いる磁気デイスク駆動装
置、更に詳しくは磁気デイスクと磁気ヘツドとの
接触状態を確実にするため、磁気デイスクを挟ん
で磁気ヘツドと対向する溝付きの安定部材を備え
た磁気デイスク駆動装置に関する。

〔従来技術およびその問題点〕

フロツピーデイスクドライブ等の磁気デイスク
駆動装置においては、磁気ヘツドと磁気デイスク
との接触を安定に保つことは必須の要件であつ
て、磁気デイスクの小型・高密度化および高速回
転化に伴つて、ますます上記接触安定性の向上が
望まれている。

このため、例えば電子スチルカメラ用フロツピ
ーデイスクのように直径２インチ程度の小型・高
密度の磁気デイスクを用い、且つ磁気デイスクを
高速回転させて使用するものにおいては、磁気デ
イスクを挟んで磁気ヘツドと対向する溝付きの安
定部材を設けて、磁気ヘツドと磁気デイスクとの
接触安定性を高めている。

第４，５図は斯る安定部材の従来構造を示して
いる。図において、１は可撓性ある磁気デイス
ク、１ａはそのセンターハブ、２は磁気デイスク
１を収納したカセツト（ハードケース）、２ａは
そのヘツドウインドであり、３は磁気ヘツド、７
は溝７ａ付きの安定部材である。そして、カセツ
ト２を磁気デイスク駆動装置に装着した状態で
は、前記センターハブ１ａの中心孔にスピンドル
（図示せず）が嵌合すると共に、図示せぬシヤツ
タが移動して前記ヘツドウインド２ａが開放さ
れ、このヘツドウインド２ａ部分で磁気ヘツド３
と安定部材７とが磁気デイスク１を挟んでで第５
図示のように対向するようになつている。

即ち、カセツト２の装着によつてヘツドウイン
ド２ａが開放されると共に、例えば磁気デイスク
駆動装置のカセツト収納体に設けた安定部材７が
磁気デイスク１側へ移動して、磁気ヘツド３の先
端を安定部材７の溝７ａ内に突出させるようにな
つている。従つて、磁気ヘツド３と安定部材７の
下面溝縁との協動で磁気デイスク１は第５図示の
ようにたわんで磁気ヘツド３の先端と安定に密着
する。

上記の如き安定部材７を設けると、これを設け
ない場合に比して大幅に所謂ヘツドタツチの安定
性は向上する。しかしながら、上記安定部材７の
磁気デイスク１への当接面高さが一定で、且つ、
溝７ａの幅が一定しているため、磁気デイスク１
の内外周の可撓性の差によつて（外周側ではたわ
み易く、内周側では比較的たわみにくいことによ
つて）、磁気デイスク１の変形抵抗力が微妙に相
違し、内外周でヘツドタツチが異なり易いという
問題が生じた。即ち、磁気ヘツド３が磁気デイス
ク１の半径方向に沿つて、外周側から内周側に移
送されると、磁気デイスク１は第５図２点鎖線図
示のようにたわみにくくなり、磁気ヘツド３への
接触圧が増加し、耐摩耗性の点で問題があると共
に、磁気ヘツド３のギヤツプと磁気デイスク１と
の接触安定性にも問題を生じた。一方、磁気デイ
スク１の内周側での接触を最適条件とすると、外
周側での接触圧特性が劣下するものであつた。

〔考案の目的〕

従つて本考案の目的とするところは、上記従来
欠点を解消し、磁気デイスクの内外周の可撓性の
如何にかかわらず、常に安定した磁気ヘツドと磁
気デイスクとの接触状態を得ることができる磁気
デイスク駆動装置を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案の上記目的は、可撓性ある磁気デイスク
を挟んで磁気ヘツドと溝付きの安定部材とを対向
させ、磁気ヘツドの先端で磁気デイスクをたわま
せつつこの磁気ヘツド先端を前記安定部材の溝に
突出させた状態で、磁気ヘツドを移送する構成に
おいて、前記安定部材における磁気デイスクとの
当接面の高さを、磁気デイスク外周側から内周側
に向かつて漸増するように設定した磁気デイスク
駆動装置によつて達成される。

〔考案の実施例〕

第１図〜第３図は本考案の一実施例に係り、第
１図は要部平面図、第２図は要部拡大横断面図、
第３図は要部拡大縦断面図で、同各図において従
来例と同一部材には同一符号を付し、その説明は
省略する。

図において、４は安定部材で例えば硬質の材料
から成り、磁気デイスク１の半径方向に沿う同一
幅の溝４ａが設けられている。また、この安定部
材４の磁気デイスク１への当接面４ｂは鏡面仕上
げされていると共に、当接面４ｂの高さ（第２図
における例えば磁気デイスク駆動装置のシヤーシ
水平基準面Ｓからの高さ）は、磁気デイスク１の
外周側よりも内周側が微少量高くなるように漸次
傾斜して形成されている。上記安定部材４の取付
け箇所は適宜設定可能であるが、磁気デイスク１
がスピンドルに嵌合された状態において、開放さ
れたヘツドウインド２ａから磁気デイスク１に押
付けられ、カセツト２（磁気デイスク１）を取出
す際には磁気デイスク１から離間するように設置
される。このため、該実施例においては、磁気デ
イスク駆動装置のシヤーシに回動自在に設置され
たアーム５の保持部５ａの下面に安定部材４は取
付けられ、磁気デイスク駆動装置内で上下動する
カセツト収納体が下方位置にあるときのみアーム
５が下方に回動して安定部材４が磁気デイスク１
に接触するようになつている。なお、６は上記保
持部５ａと当接する基準高さ出しのためのピン
で、上記シヤーシに植設されている。

そして、安定部材４の前記当接面４ｂの高さは
上述のように磁気デイスク１の中心に向つて漸次
微少量だけ高くなつており、この傾斜度は磁気ヘ
ツド３の先端で押圧される磁気デイスク１の変形
抵抗力が、磁気ヘツド３の位置の如何にかかわら
ず常に略一定となるように設定してある。従つ
て、磁気ヘツド３が磁気デイスク１の内周側に移
送されても第３図で点線で示すように当接面４ｂ
の高さが高くなつているので、磁気デイスク１の
変形は、外周側におけるそれと略均等となり、常
に一定の（最適条件の）接触圧・ヘツドタツチで
両者１，３は摺接することとなる。

なお、本考案の安定部材は上記実施例以外にも
種々の変形が可能で、例えば、前記ピン６の高さ
を調整することによつて安定部材４を傾けるよう
にしても良く、本考案の精神を逸脱しない範囲で
の変形態様は本件登録請求の範囲に含まれること
勿論である。

〔考案の効果〕

以上のように本考案はよれば、磁気デイスク１
の内外周の可撓性の差の如何にかかわらず、磁気
ヘツドと磁気デイスクとは常に最適条件の一定圧
で接触可能となつて、ヘツドタツチが安定して信
頼性の高い書込み／読取りが行なえ、その実用的
価値は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例に係り、第
１図は要部平面図、第２図は第１図の要部拡大横
断面図、第３図は第１図の要部拡大縦断面図、第
４図および第５図は従来例に係り、第４図は要部
平面図、第５図は要部断面図である。 １……磁気デイスク、２……カセツト、３……
磁気ヘツド、４……安定部材、４ａ……溝、４ｂ
……当接面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可撓性ある磁気デイスクを挟んで磁気ヘツドと
   溝付きの安定部材とを対向させ、磁気ヘツドの先
   端で磁気デイスクをたわませつつこの磁気ヘツド
   先端を前記安定部材の溝に突出させた状態で、磁
   気ヘツドを移送する構成において、前記安定部材
   における磁気デイスクとの当接面の高さを、磁気
   デイスク外周側から内周側に向かつて漸増するよ
   うに設定したことを特徴とする磁気デイスク駆動
   装置。