JPH0350131B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は釘、かすがいの様に、木質材に打込む
軸部を有する打込み部材に関するものである。

（従来技術及びその問題点） 第７図に示す如く、従来の釘は打込み軸部３の
先端全端がくさび状に尖つており、釘を木材６に
打込む際、釘の軸部がくさびの作用をなし、打込
部周辺の材料を外側に押し拡げる強い力が生じ
る。

従つて木材６の木口６１の近傍に釘を打つと殆
んどの場合、木口６１に達する割れが生じ、釘の
利き目がなくなる。

特に、ツーバイフオー（２×４）建築で多く使
用される太く短い釘を打つた場合、木口の割れは
不可避である。

従つて、従来は、ドリル、キリ等で下穴を開設
してから釘を打ち、木口の割れを防いでいたが、
下穴を開設することは手間がかかつて、釘打ちの
能率が著しく低下する。

そこで第９図に示す如く、板の割れ防止を目的
とする釘が提案されている（実開昭57−174809
号）。これは四角錐台４２の先端に更に突子４１
を突設して軸部の先端を２段に形成し、釘の楔効
果を減じて木口の割れ防止を画るものである。

しかし、上記の場合、釘の先端尖り部は全体的
には従来の一般的な釘と同じように楔状に尖つお
り、打込み相手材料の割れを防止する効果は殆ん
ど期待できない。

釘の先端部を平坦にすれば、釘を打込む際に楔
の作用がなくなり、木口の割れを防止できる。

しかし、釘の先端尖り部は釘の打込み位置がず
れない様に且つ、釘が木材内を真直に突き進むた
めの案内となる重要な役割を果たすものであつ
て、尖り部を省略すると釘を正確な位置に真直に
打つことはできない。

上記種々の問題を一挙に解決するため、 出願人は以前、釘の尖端中央に錐状突子及び突
子の外周部に環状の段部を形成した釘を提案した
（特願昭61−212900号）。

これは、打込み時に段部が木材の材料を上から
押圧し、錐状突子のくさび効果を半減させ、木口
割れを防止する優れた効果があつた。

出願人は上記釘に更に改良を加え木口割れの防
止効果を一層高めた釘を明らかにするものであ
る。尚、木口割れの問題はかすがいについても同
様である。

（問題点を解決する為の手段） 本発明の打込み部材は、一様太さの丸軸状打込
み軸部３の先端中央に、稜線部及び尖端を有す四
角錐状の突子４及び該突子の基端周囲の軸部端面
に段部５を形成し、該段部には前記四角錐突子４
の稜線部４１に連続する先端の尖つた隆起部５１
を形成したことを特徴とする。

（作用及び効果） 突子４の先端を木材の打付け位置に強く押し、
この状態で打込み部材１を打ち込めば、打込み位
置がずれることはなく、又、軸部３が木材を突き
進む時、突子４が軸部３を真つ直ぐに先導するた
め、打込み部材１を正しい位置に真つ直ぐ打ち込
むことが出来る。

突子４に接する木材の材料は、突子のくさび作
用によつて打込み方向と直交する方向に押し拡げ
られる。しかし、従来のように軸部の先端全体が
尖つているものに比べて、突子は小さく、押し拡
げ力は弱い。更に、四角錐状の突子４の稜線部４
１及び段部５の隆起部５１が切れ刃を役割を成
し、木の繊維を切断して押し拡げ力を一層小さく
する。しかも、軸部３の先端の段部５は突子４周
囲の木材の材料を下方に押し潰して、周囲材料の
密度を高めながら進むため、この押潰し力によつ
て、前述のような突子４のくさび作用による木材
の材料を側方向に押し拡げる力を半減させ、且つ
軸部周囲の材料の高密度化が軸部の抜け止め効果
を発揮する。突子４以外の軸部３は、一様太さの
丸軸であるから、該軸部には相手木質部材に割れ
を生じせしめる楔効果はなく、従つて、軸部３を
木材に打込んだとき、木口に割れは生じない。

（実施例） 第１図は本発明を釘に実施したものであり、軸
部３の一端に頭部２、他端の中央に四角錐状の突
子４を形成している。

突子４を囲む環状の段部５には直径線上に突子
４の稜線部４１に連続する先端が尖つた隆起部５
１を形成している。

尚、第２図、第３図の実施例では段部５は軸芯
に対し、略直角の平坦面となつているが、第８図
の如く、突子４の基端側から軸部の外周へ丸みの
ある緩やかな斜面５２を形成し、該斜面５２を段
部５１とすることも出来、この場合でも、木口の
割れを抑える効果がある。

上記釘は釘製造用の製釘機によつて、従来の釘
と同様にして能率よく製造出来る。

第５図は製釘機の取り付ける一対の型工具７，
７を示しており、釘の先端を圧造する型部７１に
前記段部５に対応する逃がし部７２を開設してい
る。

型工具７，７の間へ所定の長さ分だけ線材８を
送り込み、線材を挟んで線材と直交する方向から
対向して線材８に型工具７１を打込むことによ
り、第３図に示す先端に段部５を有する釘を形成
出来る。

本発明は２本の木材を接合するときに使用する
かすがいの両端の打込み軸部にも実施出来る等、
特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変形が可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る釘の正面図、第２図は同
上の先端部分の拡大図、第３図は同上の斜面図、
第４図は他の実施例の先端部分の断面図、第５図
は型工具の斜面図、第６図は同上の断面図、第７
図は従来の釘の打込み状態を示す斜面図、第８図
は他の実施例の先端部の拡大図、第９図は先端部
に特徴のある従来例の釘の要部の正面図である。 ３……軸部、４……突子、５……環状段部、５
１……隆起部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 打込み軸部３を有する釘、かすがい等の木質
   材への打込み部材において、一様太さの丸軸状打
   込み軸部３の先端中央に稜線部及び尖端を有す四
   角錐状の突子４及び該突子基端周囲の軸部端面に
   環状段部５を形成し、該段部には前記四角錐突子
   ４の稜線部４１に連続する先端の尖つた隆起部５
   １，５１を形成したことを特徴とする木質材への
   打込み部材。