JP5616707B2 - 部材固定用釘 - Google Patents

部材固定用釘 Download PDF

Info

Publication number
JP5616707B2
JP5616707B2 JP2010158137A JP2010158137A JP5616707B2 JP 5616707 B2 JP5616707 B2 JP 5616707B2 JP 2010158137 A JP2010158137 A JP 2010158137A JP 2010158137 A JP2010158137 A JP 2010158137A JP 5616707 B2 JP5616707 B2 JP 5616707B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tip
nail
shape
angle
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010158137A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012021550A (ja
Inventor
新次 藤田
新次 藤田
祐樹 魚田
祐樹 魚田
孝一 富永
孝一 富永
国偉 殷
国偉 殷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KMEW Co Ltd
Original Assignee
Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd
KMEW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd, KMEW Co Ltd filed Critical Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd
Priority to JP2010158137A priority Critical patent/JP5616707B2/ja
Priority to RU2011128601/12A priority patent/RU2485362C2/ru
Priority to CN2011101997080A priority patent/CN102330726A/zh
Publication of JP2012021550A publication Critical patent/JP2012021550A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5616707B2 publication Critical patent/JP5616707B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、部材を固定する釘に関し、より詳しくは、窯業系の外壁材を固定する釘に関する。
従来、建物等の外壁に外装板等の外壁材を下地材に取り付けるため、釘を使って固定する方法が利用されている。すなわち、釘の頭部を叩き、その先端部を外壁材に打ち込んで部材を下地材に固定する方法である。
図6に、従来の釘の一例を示す。図示の釘は、釘頭となる頭部3と、頭部3と連結した細長い棒状の軸部2と、軸部2の端部から先端に向かって先細りし、先端が尖って頂部9が形成された略円錐形状の先端部1とにより構成されている。そして、図6(b)に示すように、先端部1は、先端の広がり角度θ(円錐形の頂角)が角度の小さい鋭角(20〜50°程度)となって形成されている。このような釘は、通常、図5(a)に示すように、先端部1の側面4が複数の平坦な切削面5(図示の形態では4面)により形成されている。つまり、図5(a)の釘では、先端部1が正四角錐形状に形成されている。この種の釘(先尖り釘)は先端が鋭く尖っているため、引き裂き強度が大きく、打ち込みに必要な力を小さくすることができるという特徴がある。また、先端が尖って点状になっているので狙いのポイントに確実に打ち込みやすいという特徴がある。
図5(b)に、従来の釘の他の一例を示す。図示の釘は、ポイントレスタイプと呼ばれるものであり、先端部1が先細りすることなく端面11を有する円柱形状に形成されている(特許文献1参照)。端面11は、長手方向と垂直な平坦面として形成されたり、あるいは、中央が内側に凹んだ面として形成されたりする。この種の釘は先端部1の端面11によって外壁材を打ち抜くことができ、窯業系材料に打ち込んでもクラック(割れ)を生じにくくさせることができるという特徴がある。
特開2000−213142号公報 特開2005−54811号公報
しかしながら、上記のような釘においては、それぞれにおいて欠点があった。
図5(a)のような釘(先尖り釘)においては、弾性の小さい材料において割れが生じやすく、特に窯業系の外壁材においてクラックが生じやすいという問題があった。さらに、表面に凹凸模様が付された外壁材においては、部材の引き裂き時に模様に沿った力がかかりやすく、クラックがより生じやすくなっていた。
また、図5(b)のようなポイントレス釘においては、クラックを低減することができるものの、先端が面状になっているため外壁材内部に入りにくく、打ち込むのにかなり力を要し、金槌などの人力の釘打ち工具を使用した方法(いわゆる手打ち)では打ち込むことができないという問題があった。そのため、たとえ少ない箇所であっても釘打ちのために電動式等の釘打ち機を使用しなければならず、施工に手間がかかることがあった。また、先端が面状になっているため釘の位置決めがしにくく、精度よく釘を打ち込むことが難しかった。また、打ち込みの際に下地を破断して打ち込むことから下地に対する引き抜き強度が小さくなり、打ち込み後も抜けやすいという問題があった。さらに、施工後、外壁材の裏面や胴縁に花咲が発生しやすいという問題や、釘が曲がってしまい保持力が弱くなるという問題があった。なお、花咲とは、釘が打ち込まれた部材の裏側の領域がはじけ飛んで割れてしまう現象をいう。
そして、上記のような先尖り釘とポイントレス釘の問題に鑑みて、図5(c)〜(f)に示すような種々の形状の釘も提案されている。
図5(c)の釘は、図5(a)の釘において、先端の広がり角度θをより大きく、例えば50〜90°程度にしたものである。しかしながら、このような形状の釘は、先尖り釘とポイントレス釘の中間的性能を有するにとどまり、その特徴がトレードオフの関係となって、角度θを大きくすればクラックが生じにくくなるものの人力で打ち込むことが難しく、逆に、角度θを小さくすれば人力で打ち込みやすくなるもののクラックが生じやすくなるという問題があり、クラック低減と手打ち性とを両立させることが難しかった。
図5(d)の釘は、図5(c)の釘よりもさらに先端の広がり角度θを大きく、例えば90°を超える鈍角にしたものである。このような形状の釘は、クラックは生じにくいが、ポイントレスの形状に近づくため、人力で打ち込むことができないという問題があった。さらに、先端部1の側面4の傾斜が緩やかなため、釘を製造する際に、先端部1を精度よく加工することが難しいという問題もあった。
図5(e)の釘は、先端部1を平坦な二つの半円状の切削面5で形成したものであり、チーゼルタイプと呼ばれるものである。このような形状の釘は、図5(d)と同様の問題があるのに加え、先端部1の先端が線状に形成されているため、打ち込んだ際に特定の方向にそって部材が割れやすいという問題があった。
図5(f)の釘は、先端部1が長手方向に先細りするとともにその端部が端面11によって形成されており、先端部1が円錐形状の頂点側を切除した形状に形成されている(特許文献2参照)。端面11は、平坦面あるいは中央が内側に凹んだ面として形成されている。このような形状の釘は、図5(b)の形態の特徴と図5(c)の形態の特徴とを合わせもつが、先端が尖っていないため、依然、人力での打ち込みができないという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、打ち込みによるクラックを低減させることができるとともに、打ち込みに必要な力を小さくして人力での打ち込みを可能にすることができる部材固定用の釘を提供することを目的とする。
本発明の部材固定用釘は、頭部と、棒状の軸部と、軸方向に先細りする先端部とにより構成される部材固定用釘であって、前記先端部は、軸方向に対しての傾斜が先端になるほど徐々に小さくなるように形成され、先端の広がり角度が25〜90°であり、前記先端部の側面が凹曲面に形成されていることを特徴とする。
本発明にあっては、前記先端部の側面複数の切削面からなるものであってもよい。
本発明の部材固定用釘によれば、先端部が軸方向に対しての傾斜が先端になるほど徐々に小さくなるように形成されていることにより、先端部の先端が尖るとともに先端部の軸部との境界付近が傾斜して外側に広がるので、打ち込みに必要な力を小さくして人力での打ち込みを可能にすることができるとともに、打ち込みによるクラックを低減させることができ、打ち込み性と打ち抜き性とをともに向上することができる。
本発明の実施の形態の一例を示し、(a)は全体図、(b)は長手方向に沿って見た図((a)の右側面図)、(c)は一部拡大図、(d)は説明図、(e)は(a)のイ−イ断面図、(f)は(b)のロ−ロ断面図の一部の図である。 本発明の実施の形態の他の一例を示し、(a)は一部の斜視図、(b)は長手方向に沿って見た図、(c)は(a)のロ−ロ断面図である。 本発明の実施の形態の他の一例を示し、(a)及び(c)は長手方向に沿って見た図、(b)は(a)の形態の断面図、(d)は(c)の形態の断面図である。 本発明を説明する参考形態一例を示し、(a)は一部の断面図、(b)は(a)の形態の一部の斜視図、(c)は一部拡大図、(d)は(c)の形態の一部の斜視図、(e)は一部拡大図である。 (a)〜(f)は従来の釘の先端部の各一例である。 従来の釘の一例を示し、(a)は全体図、(b)は一部の拡大図である。
図1は、部材固定用釘の実施の形態の一例を示している。部材固定用釘は、直線状に延伸する棒状の軸部2と、軸部2と長手方向の一端で連結する頭部3と、軸部2と長手方向の他端で連結し、軸方向X(釘先端に向かう長手方向)に先細りする先端部1とにより構成されている。図1(c)(f)では、軸方向Xを白抜き矢印で示している。
部材固定用釘は、適宜の金属材料で形成することができ、例えば、鉄製やステンレス製とすることができる。
頭部3は、釘頭となるものであり、外壁材等の部材の釘打ちの際に、金槌等の釘打ち工具によって端面が軸方向Xに打たれる部分である。通常、頭部3は軸方向Xに見た形状が円形状に形成されている。釘打ちがしやすいように、また、引き抜き強度を確保するため、通常、頭部3の直径は、軸部2の直径よりも大きく形成されている。頭部3は端面が長手方向に凸曲する曲面状に形成されていても、平面状に形成されていてもよい。また頭部3の端面には、+字状や−字状のドライバ溝が設けられていてもよい。
軸部2は、通常、断面形状が円形状に形成されている。軸部2の直径は、特に限定されるものではないが、例えば、1〜5mm程度に設定することができる。また、軸部2の軸方向Xの長さによって部材固定用釘の全長(軸方向Xの長さ)が概略決まるものであり、部材固定用釘の全長は、例えば、10〜100mm程度に設定することができる。
図示の形態においては、軸部2には、胴部表面の少なくとも一部にリング状の突起10が複数形成されている。リング状の突起10は、軸部2の長手方向での中間部において、軸部2の胴部表面の周方向にリング形状を呈して複数配置されている。このリング状の突起10は軸部2の全体に形成してもよいし、先端部1寄りあるいは頭部3寄りに形成してもよい。突起10を軸部2に設けることにより、下地に対する引き抜き強度を増加させることができる。また、突起10は螺旋状であってもよく、隣り合う突起10,10により螺旋状のネジ溝が形成されてもよい。その場合、ネジ釘として部材にねじ込むことができる。それぞれの突起10は、径方向に、すなわち軸方向Xと垂直な方向に突出していてもよいが、頭部3側にやや傾斜して突出していることがより好ましい。その場合、突起10の先端がストッパーとなって引っ掛かり、打ち込んだ釘が抜けにくくなって、釘の引き抜き強度をさらに増加させることができる。なお、突起10は形成されていなくてもよい。
そして、本発明の部材固定用釘にあっては、先端部1が軸方向Xに対しての傾斜が先端になるほど徐々に小さくなるように形成されている。図示の形態では、図1(c)〜(f)に示すように、先端部1と軸部2との境界縁8から、先端部1の先端で尖った点状の頂部9まで、連続的に徐々に先端部1の側面4の傾斜が小さくなっている。すなわち、軸方向Xと垂直な方向から見た先端部1の端縁が内側に湾曲しており円弧状(R形状)になっている。このように、先端部1が徐々に傾斜が小さくなるように形成されることによって、頂部9を鋭く尖らせることができるとともに、先端部1の軸部2との境界縁8付近を急傾斜させて外側に広がらせて末広状に形成することができ、打ち込み性(侵入性)と打ち抜き性(パンチ性)とを両立して向上させることが可能となるものである。すなわち、釘を打ち込んだ際に、先端部1と軸部2との境界縁8によって、軸方向Xに部材を打ち抜きながら釘を侵入させることができ、クラックを低減することができる。また、鋭く尖った先端部1の頂部9によって、釘を打ち込んだ際に、部材に釘をより侵入しやすくさせることができ、人力による打ち込みをより容易にすることができる。しかも、頂部9は先端が鋭く尖った点状になっているので、釘を打ち込む際に位置決めをしやすくすることができる。なお、境界縁8は、釘表面が凸曲した断面略く字状に形成されているが、径方向に尖った線状であっても、角が丸められた滑らかな凸曲縁であってもよい。
また、本発明の部材固定用釘においては、図1(d)で示すように、先端の広がり角度θが25〜90°の範囲になるように先端部1が形成されている。ここで、先端の広がり角度θとは、先端部1を円錐形として見た場合の先端部1の頂角θ(先端角度)のことである。すなわち、頂角θとは、頂部9と、先端部1と軸部2との境界縁8上にあり円中心に対向する二つの点Q1,Q2とを結ぶ二本の直線L1,L2がなす角度のことである。また、部材固定用釘では、頂部9から先端部1と軸部2との境界縁8上の点Q1に引いた直線L1と、頂部9を通り軸方向Xと平行な直線L3(円錐形の垂線)とがなす角度[半頂角:(1/2)×θ]が、12.5〜45°の範囲となっていると言ってもよい。
そして、部材固定用釘においては、先端の広がり角度θが25°より小さいと打ち抜き性(パンチ性)が悪くなり、この角度θが90°より大きいと打ち込み性(侵出性)が悪くなるため、先端の広がり角度θを25〜90°の範囲に設定するものである。ここで、打ち込み性と打ち抜き性の両立をさらに図るために、先端の広がり角度θの下限を40°、45°又は60°としてもよく、この角度θの上限を80°又は70°としてもよい。
なお、後述のように、複数の切削面5により先端部1の側面4が形成される場合は、隣り合う切削面5,5の境界線(稜縁6)上の点を点Q1として取るようにする。すなわち、先端部1と軸部2との境界縁8と稜縁6との交点である稜点7を、中心軸(頂部9を通り軸方向Xと平行な直線L3)を中心に回転させ、その軌跡により描かれる円を円錐形の底面とし、頂部9を円錐形の頂点として、先端部1を円錐形状に見るようにするものである。つまり、先端の広がり角度θは、頂部9と稜点7とを結ぶ直線が軸方向Xに対してなす角度の2倍の角度と言うこともでき、また、この角度θは、二つの稜点7が軸部2の円周上に対向して配置される場合は、頂部9とそれぞれの稜点7とを結ぶ二本の直線がなす角度と言うこともできる。
ところで、頂部9は軸方向Xに向かって尖っている。この頂部9(先端部1の尖った部分)は、軸部2の中心軸(軸部2を断面視したときの円中心における垂線)の延長線上にあってもよいが、これに限定されるものではない。
図示の形態では、図1(d)に示すように、先端部1の側面4は、先端部1を円錐形状に仮想して見た場合に、仮想される円錐の側面よりも凹んで形成されている。
ここで、先端部1の側面4の傾斜については、具体的には、曲率半径Rによって設定することが可能である。そして、打ち込み性と打ち抜き性とを両立させるためには、曲率半径Rが1.5〜40mmであることが好ましい。
また、先端部1の側面4の傾斜については、側面4上の点において頂部9に向かう方向に接線Mを引き、接線Mが軸方向Xに対してなす角度(傾斜角度λ)によって設定することも可能である。すなわち、図1(f)の切断面端面の図に示すように、図示の形態においては、側面4上に、軸方向Xに三つの点(境界縁8寄りの点、中央の点、頂部9寄りの点)を取り、それぞれの点における傾斜角度をλ1、λ2、λ3とした場合、λ1>λ2>λ3、の関係が成り立つようにする。このとき、境界縁8付近での傾斜角度λは、大きい方が好ましく、例えば、45°以上や60°以上などに設定することができる。一方、頂部9付近での傾斜角度λは、小さい方が好ましく、例えば、45°以下や30°以下などに設定することができる。
先端部1においては、その側面4が複数の切削面5により構成されていることが好ましい一形態である。図1の形態では、側面4は、形状の等しい4つの切削面5からなり4面で構成されている。切削面5は通常、切削加工により形成される面であるが、切削面5の形成方法は切削加工に限定されるものではない。図示の形態では、切削面5は、平面ではなく、隣り合う切削面5,5の境界である稜縁6を外縁とし、内側に滑らかに凹曲した凹曲面として形成されている。このような凹曲した切削面5となることによって側面4の軸方向Xに対する傾斜を連続的に徐々に小さくすることができる。稜縁6は円弧状の線であってもよいし、直線状であってもよい。直線状の稜縁6の場合、この稜縁6は仮想円錐形状の側面上の点になっていてもよい。そして、図1(e)に示すように、図1の形態では、先端部1の断面形状は正方形の各辺が内側に湾曲した形状となっている。なお、切削面5の凹曲を複数の平面(例えば3つの平面)で形成してもよい。また、稜縁6は断面く字状に凸曲する部分となるが、角が尖って形成されていても角が丸められて形成されていてもよい。
また、先端部1の側面4は、単数の切削面5により構成されていてもよい。図2の形態では、稜縁6がなく、外周に亘って円弧状に内側に凹曲した滑らかな凹曲面によって側面4が構成されている。すなわち、この形態では、軸方向Xの各位置における側面4の傾斜及びその傾斜の変化度合いが、周方向に亘って略等しく形成されている。そして、図2(c)に示すように、先端部1の断面形状は円形状となる。このような形状になれば、頂部9をより鋭く尖らせることが可能となる。
図3に、複数の切削面5が設けられた他の形態を示す。図3(a)(b)は6面の切削面5が設けられた例、図3(c)(d)は8面の切削面5が設けられた例である。切削面5の数は、図示のものに限られるものではなく、2面や3面でも、あるいは、5面、10面、12面、16面などにもすることができる。側面4を複数の切削面5により形成すれば、先端部1の加工が容易になる。先端部1の断面形状において、各稜縁6上の点を結んで形成される図形は正多角形であることが好ましい。その場合、異方性が少なくなり、釘が部材に対して垂直に侵入しやすくなる。ただし、切削面5が多いと切削加工に手間がかかり、また凹曲面を広くとることができにくいので、切削面5は少ない方がよい。したがって、特に、切削面5を4面にすることが好ましい。4面にすることで、異方性のない形状を少ない面数で形成することができ、生産性を向上することができる。また、4面であれば、各切削面5の面積を広くとることができ、切削面5をより大きく凹曲させることが可能である。
図4(a)(b)に、先端部1の他の形態を示す。図示の形態では、境界縁8付近の軸方向Xに対する先端部1の傾斜が90°より大きく鈍角に形成され、その後、先端に向かって徐々に連続的に小さくなるように、先端部1が形成されている。すなわち、先端部1は軸方向Xと反対方向に外周に亘って凹んだ凹部12と、凹部12から軸方向Xに突出する突出部13によって構成されている。このような形状であれば、突出部13の尖りにより打ち込み性を向上することができるとともに、凹部12と軸部2との境界縁8によって打ち抜き性を向上することができる。突出部13は、円錐形状であっても、側面が凹曲された円錐形状であっても、あるいは稜縁6を有し、側面が平面又は凹曲面の多角錐形状であってもよい。
図4(c)(d)に、先端部1の他の形態を示す。図示の形態では、先端部1の軸部2との境界領域に、軸方向Xに略垂直な平面(境界面14)が形成されている。すなわち、境界縁8における先端部1の傾斜角度λが90°に形成されている。そして、境界面14から円錐形状(又は多角錐形状)の突出部13が先端に向かって突出して形成されている。したがって、先端部1は、不連続で、段階的に先端に向かって傾斜が小さくなっている。このような形状であれば、突出部13の尖りにより打ち込み性を向上することができるとともに、境界面14によって打ち抜き性を向上することができる。突出部13は円錐形状であっても、側面が凹曲された円錐形状であっても、あるいは稜縁6を有し、側面が平面又は凹曲面の多面錐形状であってもよい。
図4(e)に、先端部1の他の形態を示す。この形態では、先端部1は、傾斜角度λが段階的に徐々に小さくなるように形成されている。図示のものでは三段で構成されているが、二段あるいは四段以上の複数段であってもよい。また、先端部1の形状は、断面円形状になったものを図示しているが、断面が正方形形状や多角形形状であってもよい。
図4(e)の形態では、先端部1は、軸部2側において境界縁8に接続された突出基部13aと、先端側において頂点9を設けた略円錐形状の突出先部13cと、突出基部13aと突出先部13cとを連結する突出中部13bとにより構成されている。突出基部13a、突出中部13b及び突出先部13cはそれぞれ、断面形状が相似形状で連続的に徐々に小さくなるように形成されており、先端に向うほど、すなわち突出基部13aよりも突出中部13bの方が、また、突出中部13bよりも突出先部13cの方が、縮尺変化の度合が小さく(緩やかに)なるように形成されている。つまり、突出基部13aの側面における傾斜角度λ1、突出基部13bの側面における傾斜角度λ2、突出先部13cの側面における傾斜角度λ3は、λ1>λ2>λ3の関係となっている。なお、突出基部13aの傾斜角度λ1、突出基部13bの傾斜角度λ2、及び、突出先部13cの傾斜角度λ3は、図示のように一定であってもよいが、それぞれの傾斜角度がそれぞれ個別に先端になるほど徐々に小さくなるように形成されていてもよい。また、突出基部13a、突出中部13b、突出先部13cの側面は凹曲面に形成されていてもよいし、複数の切削面で形成されていてもよい。そして、図4(e)の形態では、このような形状になることによって、突出部13(突出先部13c)の尖りにより打ち込み性を向上することができるとともに、末広状となった突出基部13aによって打ち抜き性を向上することができるものである。
なお、本発明では人力(手打ち)による打ち込み性について述べたが、釘の打ち込みを釘打ち機で行ってもよい。また、釘打ちする部材は外壁材に限られることはなく、内壁などの壁材や、屋根材などに使用してもよい。また、部材は窯業系の部材に限られることはなく、木材等の適宜の材質の部材に使用してもよい。
以上のように、本発明の部材固定釘によれば、先端部1の傾斜が徐々に先端に向かって小さくなることによって、先尖り釘のような打ち込み性と、ポイントレス釘のようなうち抜き性とを両立させることができ、特に窯業系の外壁材において、クラック、花咲を低減させ、手打ちにより簡単に釘を打ち込んで外壁材を取り付けることができるものである。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
[試験例1]
ステンレス釘(SUS304)による窯業系外壁材への打ち込み試験を行った。試験に使用した釘を以下に示す。
(実施例1)
先端の広がり角度θが60°であり、切削面5が形状の等しい4つの凹曲面で形成され、軸部2に複数の突起10が形成された、図1の形態のような形状の釘を用いた。凹曲面の軸方向Xの曲率半径は5mmであった。
(実施例2)
先端の広がり角度θが60°であり、先端部1が断面円形状で側面4が内側に凹曲した、図2のような先端形状の釘を用いた。凹曲面の軸方向Xの曲率半径は5mmであった。なお、軸部2及び頭部1については実施例1と同様の形状である。
(比較例1)
先端の広がり角度θが30°であり、切削面5が形状の等しい4つの平面で形成された、図5(a)のような先端形状の釘を用いた。なお、軸部2及び頭部1については実施例1と同様の形状である。
(比較例2)
先端部1が軸方向Xに垂直な端面11となった、図5(b)のような先端形状の釘(ポイントレス釘)を用いた。軸部2及び頭部1については実施例1と同様の形状である。
(比較例3)
先端の広がり角度θが60°であり、切削面5が形状の等しい4つの平面で形成された、図5(c)のような先端形状の釘を用いた。なお、軸部2及び頭部1については実施例1と同様の形状である。
(比較例4)
先端部1が、形状の等しい2つの平坦な半円状の切削面5で形成された、図5(e)のような先端形状の釘(チーゼルタイプ)を用いた。なお、軸部2及び頭部1については実施例1と同様の形状である。切削面5,5がなす角度(面の広がり角度)は60°である。
(試験方法)
上記の実施例及び比較例の各釘について、背部に木胴縁を配置して窯業系外壁材に釘打ちを行い、割れ(クラック)、打ち込みやすさ、木胴縁(下地)に対する引き抜き強度を評価した。
割れについては、割れが全く見られない(◎)、割れがほとんど見られない(○)、割れが少し見られる(△)、割れが多く見られる(×)、として評価した。
打ち込みやすさについては、人力で容易に打ち込める(○)、人力で打ち込めることは可能であるがかなりの打ち込み力が必要である(△)、人力では打ち込めず釘打ち機を使用した(×)、として評価した。
引き抜き強度については、引き抜き強度が高い(○)、引き抜き強度が低い(×)、として評価した。
(結果)
結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例の釘は、釘打ち部の割れ・塗装のはがれがなく、手打ちで打ち込みやすく、引き抜き強度が高いことが確認された。
Figure 0005616707
[試験例2]
ステンレス釘(SUS304)を用い、細かい凹凸模様が付された窯業系外壁材への打ち込み試験を行った。試験に使用した釘を以下に示す。
(実施例3)
先端の広がり角度θが70°であり、切削面5が形状の等しい4つの凹曲面で形成され、軸部2に複数の突起10が形成された、図1の形態のような形状の釘を用いた。
なお、稜縁6は曲線状であり、稜縁6の軸方向Xの曲率半径Rは、4mmである。
また、軸部2の直径は、2.3mmである。釘の全長は40mmである。先端部1の軸方向Xの長さは1.8mmである。突起10はリング状であり、リング高さは2.5mmである。突起10のピッチ(隣り合う突起10間の距離)は、1.1mmである。
(比較例5)
先端の広がり角度θが26°であり、切削面5が形状の等しい4つの平面で形成された、図5(a)のような先端形状の釘を用いた。なお、軸部2及び頭部1については実施例3と同様の形状である。
(比較例6)
先端部1が軸方向Xと垂直な端面11となった、図5(b)のような先端形状の釘(ポイントレス釘)として、軸部2の直径が2.3mmの釘(比較例6)を用いた。なお、それ以外の形状については実施例3と同様の形状である。
(比較例7〜10)
先端の広がり角度θ以外は、比較例5と同じ形状であり、角度θが100°(鈍角)である釘(比較例7)、角度θが50°である釘(比較例8)、角度θが70°である釘(比較例9)、角度θが80°である釘(比較例10)、を用いた。
(釘打ち試験)
上記の実施例及び比較例の各釘について、背部に木胴縁を配置して、表面に凹凸模様が付された窯業系外壁材に釘打ちを行い、割れ(クラック)を評価した。外壁材は、凹凸模様の異なるもの2種類を使用した。試験は、釘を外壁材に10点打ち込んで行った。
なお、ポイントレス釘(比較例6)及び広がり角度θが鈍角の釘(比較例7)については、手打ちができないため釘打ち機を使用した。
外壁材の釘打ち部の割れについて、目視で確認し、次の7段階で評価した。
1:著しいクラック且つ剥離あり
2:大きなクラック且つ剥離あり
3:大きなクラック又は剥離あり
4:小さなクラック且つ微細な剥離あり
5:小さなクラック又は微細な剥離あり
6:微細なクラック或いは極微細な剥離あり
7:クラック等の損傷は全くない。
(結果)
結果を表2に示す。なお、数値は釘打ち10点の平均である。
表2に示すように、実施例3の釘は、特に先端の広がり角度θの大きさが同じである比較例9の釘に比べて格段にクラックが低減されていた。
ところで、比較例6のようなポイントレス釘を無理に手打ちすると、釘が曲がり、胴縁の裏面花咲が見られた。また、比較例5のような先端が尖った鋭角の釘を外壁材(矩形状)の端部に打つと、端縁から20mmの位置において外壁材にクラックが生じた。また、比較例8〜10のような角度θが50°以上の釘を手打ちすると、釘が曲がるものがあった。また、比較例7のような角度θが100°の釘を手打ちすると、釘が入りながら侵入角度(外壁材表面に対する釘の角度)が変わり、また胴縁の裏面花咲が見られた。本発明の部材固定用釘を用いれば、これらの不具合が改善されるものである。
Figure 0005616707
1 先端部
2 軸部
3 頭部
4 側面
5 切削面
6 稜縁
7 稜点
8 境界縁
9 頂部
10 突起
11 端面
12 凹部
13 突出部
14 境界面
θ 広がり角度
λ 傾斜角度

Claims (2)

  1. 頭部と、棒状の軸部と、軸方向に先細りする先端部とにより構成される部材固定用釘であって、前記先端部は、軸方向に対しての傾斜が先端になるほど徐々に小さくなるように形成され、先端の広がり角度が25〜90°であり、前記先端部の側面が凹曲面に形成されていることを特徴とする部材固定用釘。
  2. 前記先端部の側面が複数の切削面からなることを特徴とする請求項に記載の部材固定用釘。
JP2010158137A 2010-07-12 2010-07-12 部材固定用釘 Active JP5616707B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010158137A JP5616707B2 (ja) 2010-07-12 2010-07-12 部材固定用釘
RU2011128601/12A RU2485362C2 (ru) 2010-07-12 2011-07-11 Крепежный гвоздь
CN2011101997080A CN102330726A (zh) 2010-07-12 2011-07-12 固定钉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010158137A JP5616707B2 (ja) 2010-07-12 2010-07-12 部材固定用釘

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012021550A JP2012021550A (ja) 2012-02-02
JP5616707B2 true JP5616707B2 (ja) 2014-10-29

Family

ID=45482624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010158137A Active JP5616707B2 (ja) 2010-07-12 2010-07-12 部材固定用釘

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP5616707B2 (ja)
CN (1) CN102330726A (ja)
RU (1) RU2485362C2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5957416B2 (ja) * 2013-06-06 2016-07-27 北村精工株式会社 コンクリート用釘およびコンクリート用釘セット
DE102017106705A1 (de) * 2017-03-23 2018-09-27 Raimund Beck Nageltechnik Gmbh Nagel, insbesondere für den Einsatz in einem Nagelsetzgerät
EA201900327A1 (ru) * 2018-09-13 2020-03-31 Семен САМАРЧЯН Хирургический пин и пинодержатель

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US729336A (en) * 1902-08-21 1903-05-26 Caesar Hass Nail, spike, or other driven holdfast device.
AU3625571A (en) * 1970-12-14 1973-06-07 Omark Industries Inc Fastener
NO753298L (ja) * 1974-10-02 1976-04-05 Nordisk Kartro Ab
US4002098A (en) * 1975-05-07 1977-01-11 Textron, Inc. Notched head nail having a pair of depending annularly spaced radial abutment ribs and package thereof
DE3422841A1 (de) * 1983-06-29 1985-01-03 Friedrich Trurnit GmbH & Co KG Drahtstifte- und Metallwaren-Fabrik Kunststoffverarbeitung, 5990 Altena Hakennagel
JPS63259210A (ja) * 1987-04-14 1988-10-26 斉藤 敏定 木質材への打込み部材
SU1733738A1 (ru) * 1990-02-05 1992-05-15 Производственное объединение "Тульский комбайновый завод" Толевый гвоздь
US5788444A (en) * 1993-04-16 1998-08-04 Losada; Al Fastener assembly for use with a power actuated gun
JP2000213142A (ja) * 1999-01-21 2000-08-02 Misawa Homes Co Ltd 外装板の取付構造及び釘金物
JP2002146917A (ja) * 2000-11-16 2002-05-22 Purosetto Kk 鉄骨構造物用耐火被覆材の固定具
JP2005054811A (ja) * 2003-08-01 2005-03-03 Toray Amenity & Civil Engineering Co Ltd 部材固定用釘
JP2006022915A (ja) * 2004-07-09 2006-01-26 Amatei Inc 釘及び釘の製造方法
DE102006002238C5 (de) * 2006-01-17 2019-02-28 Böllhoff Verbindungstechnik GmbH Verfahren zum Herstellen einer Nagelverbindung sowie Nagel hierfür
JP2008051153A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Amatei Inc 釘とその製造方法
CN201137616Y (zh) * 2008-01-03 2008-10-22 张书平 一种钉子
CN201180715Y (zh) * 2008-02-19 2009-01-14 宁波爱维斯工贸有限公司 一种钉子

Also Published As

Publication number Publication date
RU2011128601A (ru) 2013-01-27
CN102330726A (zh) 2012-01-25
RU2485362C2 (ru) 2013-06-20
JP2012021550A (ja) 2012-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU626547B2 (en) Improvements in star fasteners
JP4938225B2 (ja) 切刃と除去可能頭部とを有するナール付きファスナー
JP5616707B2 (ja) 部材固定用釘
JP2010518337A (ja) 溝付き締結具
US20200298430A1 (en) Scoring knife
JP6816855B2 (ja) 打ち込み式ねじ釘
JP6419453B2 (ja) 切削工具および切削工具の製造方法
US9032662B2 (en) Fish hook with multiple convex facets
US11890155B2 (en) Dental file
JP2010269443A (ja) ドリル
US8555515B2 (en) Dry wall hand tool
JP4332511B2 (ja) 打ち込み式ファスナー
US6676528B1 (en) Tool for the manufacture of an offset head nail and a use of said tool
AU2012256241B2 (en) Fish hook with multiple convex facets
WO2021039743A1 (ja) 医療用縫合針
WO2021044719A1 (ja) 塗布体およびこの塗布体を備える塗布具
US20170030392A1 (en) Nail
JP4631983B2 (ja) 微細加工用工具および脆性材料の微細加工方法
US20070209131A1 (en) Basting brush having nubs formed on the brush elements
JP4537973B2 (ja)
JP3216630U (ja) 測量用丸型ネイル
US8656599B2 (en) Cutting tool
JP4349384B2 (ja) 微細加工用工具および脆性材料の微細加工方法
EP3488680B1 (en) Trimmer line and production method for same
CN105090196A (zh) 一种十字片状钢钉

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140819

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140912

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5616707

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150