JPH0350084Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は例えば貨物自動車の荷台に装設して荷
役作業能率を向上させるローラコンベア装置に関
する。

「従来の技術」 例えば特公昭44−25812号公報に、ローラコン
ベア上の運搬物が一定速度を超える場合、自動的
に制動して速度調整を行うようにした手段があ
る。また実開昭50−67587号公報に、ローラコン
ベア下方にブレーキライニングをエヤチユーブで
適宜昇降させることによつて、ローラコンベアを
非ブレーキ或いはブレーキ状態とするようにした
手段がある。さらに実開昭56−106944号公報に、
物品載置面より上下にローラの搬送作用面を作動
筒体でもつて昇降させることによつて、積荷の移
動及び移動阻止を図るようにした手段がある。

「考案が解決しようとする問題点」 しかし乍ら上記第１手段の場合、コンベアロー
ラ上の運搬物が一定の速度を超える場合にのみに
限り速度調整が行われるが、一定の速度以上或い
は運搬途中での停止保持などの場合には何らの規
制も行われず、したがつて貨物自動車の荷台に装
設するコンベアローラ上に、運搬物を積載させて
の移動作業などにあつては、運搬物を移動自在な
ものとさせて、運搬物や荷台を破損させたり、車
のバランスを不安定なものとさせる欠点があつ
た。また第２手段の場合、ローラコンベアの全行
程或いは複数箇所にブレーキライニングやエヤチ
ユーブの設置を必要とするばかりでなく、エヤチ
ユーブを作動させるためエヤ駆動源も必要とさせ
る構造及び経済上の問題があり、さらに第３手段
の場合にも、作動筒体でもつてローラを昇降動作
させるための駆動源の必要があるばかりでなく、
ローラの支持体ごと昇降させる必要があるなどの
経済及び構造上での問題がある。

「問題点を解決するための手段」 然るに本考案は、多数並設するキヤリアローラ
上に、荷物を載せて移動させるようにした構造に
おいて、各キヤリアローラを遊転軸支するローラ
軸を、下動可能にローラ支持マツト上に支持する
弾性体を設けると共に、各キヤリアローラに臨ま
せるローラ支持マツトのローラ摩擦面とローラ間
に一定のローラ回転許容隙間を形成させ、各キヤ
リアローラ上に荷物荷重の加わる弾性体の一定以
上の圧縮変形時、前記支持マツトのローラ摩擦面
にローラを圧接させるように構成したものであ
る。

「作用」 而して本考案によれば、前記ローラとマツトと
の間に一定の隙間の形成される荷物１つ毎の積降
し時には、前記ローラ上の積載重量を小とさせマ
ツトとローラ間に隙間を確保して、ローラを自由
回転させての荷物の滑走移動を自在とさせた荷物
積降し作業を行わしめる一方、前記ローラに一定
荷重以上の力が加わる荷物を多数積載しての保管
時などには、前記ローラをマツトに圧着させてロ
ーラの回転を規制し、荷物積載位置での停止保持
を図るもので、極めて構造簡単にして経済的で、
しかも各ローラの１つ１つが制動機能を有するた
めローラ上での荷物の停止保持も確実で、特に振
動や衝撃の多い自動車の荷台などにこのコンベア
を装設しての使用に推奨される。

「実施例」 以上本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は要部の拡大断面図、第２図は全体の
背面図、第３図は同平面図であり、軽貨物自動車
１の荷台２に３つのローラコンベア３…を敷設す
るもので、該コンベア３は荷物を上面に載せて滑
走移動させる複数のキヤリアローラ４…と、各ロ
ーラ４を遊転軸支させる軸５…と、荷台２の前後
長さと略同じ長さに形成するコンベアフレーム
６，６とで構成し、前記ローラ４を昇降自在に支
持して上昇方向に弾圧支持する手段と、前記ロー
ラ４の下降動作により該ローラ４を制動する手段
を備えている。

前記支持手段は、前記軸５両端をフレーム６の
昇降ガイド溝７に上下動自在に嵌合させると共
に、前記軸５両端とガイド溝７底部に形成するバ
ネ溝８，９間に弾圧体である圧縮バネ１０を設
け、前記バネ１０力でもつて軸５をガイド溝７上
側に圧着させ、後述する摩擦板１１との間に隙間
Ｌを設けてローラ４を回転可能な高さに支持した
ものである。

一方前記制動手段は、フレーム６，６間で荷台
２上面に摩擦板であるゴムマツト１１を敷設し、
前記ローラ４が荷重によりバネ１０力に抗し下動
したときマツト１１上面との間で摩擦力（制動
力）を得るようにしたものである。

而して、荷台２後方からコンベア３のキヤリア
ローラ４上面側に荷物Ａを載せ、これを１個づつ
前方に押出すことにより、フレーム６，６及び軸
５を介しマツト１１との間に隙間Ｌを保持した状
態でローラ４が支持されるから、このローラ４の
回転により荷物Ａを荷台２前側に滑走移動させる
ことができ、荷台２の前側から荷物Ａを順次積重
ねて荷積作業を完了するものである。然る後は第
５図に示す如く、２乃至４個の荷重によつてバネ
１０が圧縮され、ローラ４の下動によりマツト１
１との隙間Ｌがなくなり、ローラ４下面側がマツ
ト１１上面に圧着してローラ４の回転が規制され
る。この結果荷物Ａ載置面が固定面となり、自動
車１による運搬中の荷物Ａの自由動を阻止するこ
とができるものである。つまり前記バネ１０はロ
ーラ４が荷物Ａの１個づつを搬送する荷重では、
余り変形せずマツト１１とローラ４との間にまだ
隙間Ｌを形成させてローラ４の回転を自在とさせ
る一方、自動車１による運搬中などのローラ４上
に複数の荷物Ａが積重ねられた一定以上の荷重力
がローラ４に作用するとき、バネ１０を一定以上
に圧縮変形して軸５によるローラ４の支持高さを
低位なものとさせて、マツト１１上面にローラ４
を圧接させ、ローラ４の回転を規制するもので、
ローラ４で荷物A1つごとの搬送を行う荷物搬送
時或いはローラ４上に荷物Ａを多数積載させる荷
物保管時のローラ４上の荷物積載荷重の大小でも
つてローラ４の制動作用位置或いは非制動作用位
置の切換えを行うように構成したものである。

そして第６図及び第７図に示す如く、前記フレ
ーム６，６を可撓性ゴム１２，１２で形成し、こ
れにローラ４の軸５を軸支させる支持手段によつ
ても、上記と同様のブレーキ効果を得られる。

また第８図に示す如く、前記フレーム６，６に
軸支させる軸５外周面と前記ローラ４内周面とに
相互に噛合わす歯面５ａ，４ａを形成し、この軸
５とローラ４間に前記各歯面５ａ，４ａの噛合を
解除する弾性体である環状体１３を介在させるこ
とによつても、上記と同様のブレーキ効果を得ら
れる。

なお、前記コンベア３は例えば工場や倉庫にお
いて荷物搬送経路を形成する一般のローラコンベ
アとしても使用でき、広範囲の分野で利用可能で
ある。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、多数
並設するキヤリアローラ４上に、荷物Ａを載せて
移動させるようにした構造において、各キヤリア
ローラ４を遊転軸支するローラ軸５を、下動可能
にローラ支持マツト１１上に支持する弾性体１
０，１２を設けると共に、各キヤリアローラ４に
臨ませるローラ支持マツト１１のローラ摩擦面と
ローラ４間に一定のローラ回転許容隙間Ｌを形成
させ、各キヤリアローラ４上に荷物荷重の加わる
弾性体１０，１２の一定以上の圧縮変形時、前記
支持マツト１１のローラ摩擦面にローラ４を圧接
させたものであるから、前記ローラ４とマツト１
１との間に一定の隙間Ｌの形成される１つ毎の荷
物積降し時には、前記ローラ４上の積載重量を小
とさせてマツト１１とローラ４間に隙間を確保し
て、ローラ４を自由回転させての荷物Ａの滑走移
動を自在とさせた荷物積降し作業を行わしめる一
方、前記ローラ４に一定荷重以上の力が加わる荷
物を多数積載しての保管時などには、前記ローラ
４をマツト１１に圧着させてローラ４の回転を規
制し、荷物積載位置での停止保持を図るもので、
極めて構造簡単にして経済的で、しかも各ローラ
４の１つ１つが制動機能を有するためローラ上で
の荷物Ａの停止保持も確実で、特に振動や衝撃の
多い自動車の荷台２などにこのコンベア３を至適
に用いることができるなど顕著な効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部の拡大断面図、第２図は全体の背
面図、第３図は同平面図、第４図は第１図の部分
図、第５図は第１図の作用説明図、第６図はコン
ベアの変形例を示す平面説明図、第７図は同断面
図、第８図はキヤリアローラの変形例を示す断面
説明図である。 ３……コンベア、４……キヤリアローラ、１０
……圧縮バネ（弾圧体）、１１……ゴムマツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数並設するキヤリアローラ４上に、荷物Ａを
   載せて移動させるようにした構造において、各キ
   ヤリアローラ４を遊転軸支するローラ軸５を、下
   動可能にローラ支持マツト１１上に支持する弾性
   体１０，１２を設けると共に、各キヤリアローラ
   ４に臨ませるローラ支持マツト１１のローラ摩擦
   面とローラ４間に一定のローラ回転許容隙間Ｌを
   形成させ、各キヤリアローラ４上に荷物荷重の加
   わる弾性体１０，１２の一定以上の圧縮変形時、
   前記支持マツト１１のローラ摩擦面にローラ４を
   圧接させるように構成したことを特徴とするコン
   ベア装置。