JPH0349852Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラツクミキサ車に付設され、ミキ
サドラム内の生コンを排出する際に使用されるシ
ユート装置に関する。

トラツクミキサ車は、生コンをミキサドラムで
攪拌してその凝固を防止すると共に品質を維持し
ながらこれを打設現場まで運搬するものであり、
打設現場においては、コンクリートポンプ車を介
して打設場所にその生コンを供給する場合が多
い。第５図はトラツクミキサ車１の生コンをコン
クリートポンプ車２に供給している状態を示すも
ので、トラツクミキサ車１の車体後部をコンクリ
ートポンプ車２の後部に接近させ、走行中は格納
状態にあるシユート装置３のシユート本体４を、
その固定を解いて旋回かつ起立させて図示の如く
コンクリートポンプ車２のホツパ５上に位置させ
た後、ミキサドラム６を逆転させて生コンを排出
しホツパ５内に供給する。

ところで、上記シユート装置３は、第６図およ
び第７図に示すように、ミキサドラム６の後方位
置に設けられた取付座７を中心として回転部材８
が水平面内で回転自在に取り付けられ、かつ、こ
の回転部材８に、主シユート部４ａとこの主シユ
ート部４ａにピン３０を介して取付けられた補助
シユート部４ｂとから成る上記シユート本体４が
上下に起倒自在に取付けられて成り、シユート本
体４は主シユート部４ａの下面に一端を上記回転
部材８の下端に他端を置き、各々の先端が上下に
回動自在になつているアーム部材９によつて筒部
９ａとロツド部９ｂとを伸縮させることにより上
下に起倒できる構造となつている。そして、その
シユート本体４の旋回及び起倒は作業者の手動操
作によりなされている。しかしながら、近年、作
業性の向上を図る目的から、このシユート本体４
の旋回及び起倒操作を自動化することが要望され
てきており、第８図および第９図に示すように、
アーム部材９の代わりに、パワーユニツト１０に
よつて作動される油圧シリンダより成る起倒シリ
ンダ（起倒装置）１１を用いたものが開発され
た。ところが、この装置は、シユート本体４の起
倒操作のみ自動化したものであり、その旋回操作
は依然手動によつて行うものであつた。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、
シユート本体の旋回及び起倒を完全に自動化し
て、作業者の労働負担を軽減し、生コンの排出作
業の効率を一段と高めたトラツクミキサ車におげ
るシユート装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本考案は、ミキサ
ドラムの後方位置に設けられた取付座に回転部材
が水平面内で回転自在に取付けられ、かつ、この
回転部材には、ミキサドラム内の生コンを排出す
るシユート本体が上下に起倒自在に取付けられる
と共に、このシユート本体には、該シユート本体
を上下に起倒させる起倒装置が付設されて成るト
ラツクミキサ車におけるシユート装置において、
上記回転部材の下端に、この回転部材と同軸的に
第一スプロケツトホイールが軸線を上下方向に向
けて固着され、かつ、この第一スプロケツトホイ
ールの近傍であつてその前方に第二スプロケツト
ホイールを第一スプロケツトホイールと対をなし
て配設されると共に、これら一対のスプロケツト
ホイールにチエーンが巻回され、また、このチエ
ーンには該チエーンを往復動させる駆動シリンダ
が付設したものである。

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第４図
を参照して説明する。

図中７で示す取付座は、ミキサドラム６の支持
架台１２の後面にブラケツト１３を介して取付け
られたもので、軸線を上下方向に向けて配設され
た円筒部材７ａの上面に固定フランジ７ｂが固着
されて成る。この取付座７に、下方に枢軸８ａが
設けられた可動フランジ８ｂの上面に支持部材８
ｃが備えられて形成された回転部材８が、その枢
軸８ａを上記円筒部材７ａに互いの軸線を重合さ
せて挿通せしめ、かつ、その可動フランジ８ｂを
上記固定フランジ７ｂ上に載置されて、水平面内
で回転自在に取付けられ、この回転部材８の支持
部材８ｃの上端に、シユート本体４がピン１４を
介して取付けられている。

また、上記シユート本体４には従来同様シリン
ダ部１１ｂの基端がピン１１ｃを介して上記回転
部材８の枢軸８ａの所定位置に上下方向の相対回
動のみを許容されて取付けられた起倒シリンダ１
１がピン１１ｄを介して連結され、この起倒シリ
ンダ１１のピストンロツド１１ａを伸縮作動させ
ることによりシユート本体４がピン１４を中心と
して上下に起倒せしめられるようになつている。

さらに、上記回転部材８の枢軸８ａの下端軸線
上には、第一スプロケツトホイール１５が、キー
１６によつて回り止めがなされ、エンドプレート
１７によつて下方への抜け止めがなされて固着さ
れている。また、この第一スプロケツトホイール
１５より若干前方の位置には、アイドラ軸１８が
その軸線を上下方向に向けて、枢軸８ａの軸線と
平行に上記ブラケツト１３に更に他のブラケツト
１９を介して固定して取付けられ、このアイドラ
軸１８の下端軸線上に、上記第一スプロケツトホ
イール１５と対をなす第二スプロケツトホイール
２０が、エンドプレート２１により下方への抜け
止めがなされて回転自在に取付けられている。そ
して、これら第一スプロケツトホイール１５と第
二スプロケツトホイール２０にエンドレス状のロ
ーラチエーン２２が巻回され、また、軸線を前後
方向に向けて上記支持架台１２及び上記ブラケツ
ト１３に固定されたシリンダブラケツト２３に取
付けられた油圧シリンダより成る駆動シリンダ２
４のピストンロツド２４ａの先端がこのローラチ
エーン２２において直線を構成する範囲内に、連
結部材２５を介してローラチエーン２２に連結さ
れている。またさらに、この駆動シリンダ２４
は、支持架台１２の近傍に設置され、上記起倒シ
リンダ１１を駆動するパワーユニツト１０に接続
されている。そして、この駆動シリンダ２４を伸
縮作動させることにより、ローラチエーン２２を
所定範囲内で往復移動させ、これにより第一、第
二スプロケツトホイール１５，２０を回転させ
て、回転部材８に取付けられたシユート本体４を
水平方向に旋回させることができるようになつて
いる。

なお、図において、符号２６は第二スプロケツ
トホイール２０の位置を調整してローラチエーン
２２の取付けや取外しおよびテンシヨン調節を行
うための押しボルト、２７はチエーンカバー、２
８は上記パワーユニツト１０を作動して各シリン
ダ１１，２４を作動させるための操作スイツチボ
ツクス、２９は連結部材２５のガイドである。

しかして、打設現場でトラツクミキサ車１の生
コンをコンクリートポンプ車２に供給する場合、
トラツクミキサ車１の車両の後退と共に、もしく
は、その前に、走行中は格納状態にあるシユート
本体４を起立かつ旋回させてホツパ５の上方に位
置させ、次いでミキサドラム６を逆転させて生コ
ンを排出しホツパ５内に供給するが、上記構成の
シユート装置ではシユート本体４の起立及び旋回
を自動で行うことができる。すなわち、起倒シリ
ンダ１１のピストンロツド１１ａを伸長させる
と、シユート本体４がピン１４を中心に上方に回
動して所定高さまで起立させられる。また、駆動
シリンダ２４のピストンロツド２４ａを伸縮して
その先端の連結部材２５をガイド２９に沿つて移
動させると、ローラチエーン２２が所定範囲内で
往復動せしめられ、これにより第一、第二スプロ
ケツトホイール１５，２０が回転させられる。そ
して、第一スプロケツトホイール１５の回転が回
転部材８に伝わつて、シユート本体４が水平方向
に旋回させられる。

このように、上記シユート装置にあつては、起
倒シリンダ１１と駆動シリンダ２４によつてシユ
ート本体４の起倒と旋回を同時に自動的に行うこ
とができるので、第６図と第７図に示す手動のも
のの、また、第８図と第９図に示す半自動のもの
に比し、セツト時間の短縮ができ、作業効率が高
まり、作業者の労働負担が軽減される。

ところで、従来は、コンクリートポンプ車２の
運転者もしくは補助作業者が上記シユート本体４
の操作を行つている。前記二者が不在のときはト
ラツクミキサ車の運転手が一旦運転席から降りて
操作している。ところが、打設作業はこの操作の
間にも継続して進められるものであり、コンクリ
ートポンプ車２の運転者及び補助作業者は打設作
業自体に専念させておくのが好ましい。このた
め、上記シユート本体４の操作はトラツクミキサ
車１の運転者が行うのがよいが、運転者は車両の
後退等を行わなければならない上、急いで生コン
を排出せねばならない場合もあり作業負担が多く
なる。ところが、また、上記において、上記各シ
リンダ１１，２４のスイツチをトラツクミキサ車
１の運転席に設備しておけば、運転者は運転席に
居たままで各シリンダ１１，２４を遠隔操作する
ことができ、上記シユート装置では、シユート本
体４の操作を運転席から降りることなく自動で行
うことができるわけであるから、トラツクミキサ
車１の運転者の作業負担を増加させることはな
く、しかも、コンクリートポンプ者２の運転者等
を打設作業に専念させることができる。さらに、
ミキサドラム６の回転制御装置と連係作動させて
上記シユート本体４の姿勢を制御するようにする
こともできる。

以上説明したように、本考案のシユート装置
は、シユート本体の起倒を起倒装置により、ま
た、その旋回を駆動シリンダによりそれぞれ自動
的に行うようにしたものであるから、トラツクミ
キサ車の生コンの排出作業の効率が高められてト
ラツクミキサ車の運転者の労働負担が軽減され、
また、コンクリートポンプ車の運転者や補助作業
者がシユート本体の操作に煩わされることなく打
設作業に専念でき、したがつて、打設作業の効率
も高まり、省人化も可能となる。さらに、構造が
簡単で実施が容易であり、しかも、従来のものを
改造することも簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は側面図、第２図は第１図の−
矢視断面図、第３図は第２図の−矢視断面
図、第４図は第１図の−矢視図である。ま
た、第５図はトラツクミキサ車からコンクリート
ポンプ車への生コンの供給状態を示す側面図、第
６図は従来の手動の装置を示す背面図、第７図は
同側面図、第８図は従来の半自動の装置を示す側
面図、第９図は第８図の−矢視図であ
る。 ４……シユート本体、８……回転部材、１１…
…起倒シリンダ（起倒装置）、１５……第一スプ
ロケツトホイール、２０……第二スプロケツトホ
イール、２２……ローラチエーン、２４……駆動
シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミキサドラムの後方位置に設けられた取付座に
   回転部材が水平面内で回転自在に取付けられ、か
   つ、この回転部材には、ミキサドラム内の生コン
   を排出するシユート本体が上下に起倒自在に取付
   けられると共に、このシユート本体には、該シユ
   ート本体を上下に起倒させる起倒装置が付設され
   て成るトラツクミキサ車におけるシユート装置に
   おいて、上記回転部材の下端に、この回転部材と
   同軸的に第一スプロケツトホイールが軸線を上下
   方向に向けて固着され、かつ、この第一スプロケ
   ツトホイールの近傍であつてその前方には第二ス
   プロケツトホイールが第一スプロケツトホイール
   と対をなして配設されると共に、これら一対のス
   プロケツトホイールにはチエーンが巻回され、ま
   た、このチエーンには該チエーンを往復動させる
   駆動シリンダが付設されて成ることを特徴とする
   トラツクミキサ車におけるシユート装置。