JPH0349184Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は水洗式小便器、詳しくは一般住宅の便
所内に配備されるものに関する。

＜従来の技術＞ 従来、一般住宅の便所では大便器のみを配設す
るか、或いはそれに加えて手洗器を配設するスペ
ースしかなく、これら大便器及び手洗器以外に小
便器を配設するスペースはなかつた。

従つて、男子小便の際も大便器を使用していた
ので、大便器の周辺が汚れ易く不衛生になりがち
になつて掃除を頻繁にする必要があると共に節水
が計れず、小便器を設置したいとの要望があつ
た。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 本考案が解決しようとする問題点は、便所内の
スペースを広げずに大便器、手洗器及び小便器を
配備することである。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記問題点を解決するために本考案が講ずる技
術的手段は、小便器本体の前面に開設される開口
部を覆うに蓋体の一側部を、小便器本体又は壁面
に回動自在に取付け、該蓋体の前面に手洗い鉢を
形成したことを特徴とするものである。

＜作用＞ 本考案は蓋体を回動して小便器本体前面の開口
部を露出させることにより小便器として使用し、
開口部を蓋体で覆うことにより手洗器として使用
するものである。

＜実施例＞ 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

この実施例は第１図に示す如く小便器本体１が
床置き型である場合を示すものである。

小便器本体１は従来周知の構造のものであり、
その前面に後壁１ｂ及びボウル部１ｃへ臨む開口
部１ａを開設し、後壁１ｂの上部には給水室１ｄ
を区画形成する。

給水室１ｄは上面に後述する給水管４を接続す
る給水孔１ｅを開穿し、該給水管４より給水室１
ｄ内に流入した洗浄水をヨドカケ孔１ｆから後壁
１ｂに沿つて流下させると共に、リム通水路１ｇ
を介してタレ受け孔１ｈから流下させてボウル部
１ｃを洗浄する。

また、小便器本体１の前面には開口部１ａを覆
う蓋体２を設ける。

蓋体２は合成樹脂等により小便器本体１の前面
全体を覆う板状に形成され、その一側部を小便器
本体１の一側部に蝶番３等を介して前後回動自在
に取付けると共に、前面の適宜高さ位置に手洗い
開口部２ａを開設し該手洗い開口部２ａの口縁に
連続して手洗い鉢２ｂを凹設する。

手洗い鉢２ｂは小便器本体１の開口部１ａ内に
突出して形成され、底面を上記手洗い開口部２ａ
の下線より低い位置で略すり鉢状に形成すると共
にその中央に排水孔２ｃを開穿し、該排水孔２ｃ
には排水管２ｄを設ける。

排水管２ｄはフレキシブルな材料で形成され、
その上端を排水孔２ｃに接続し下端を上記ボウル
部１ｃに臨ませることにより、手洗い鉢２ｂ内に
給水された洗浄水をボウル部１ｃに排水する。図
示例では排水管２ｄの下端を小便器本体１の前面
に接続してリム通水路１ｇに連通させ、手洗い鉢
２ｂ内の洗浄水をリム通水路１ｇに排水してタレ
受け孔１ｈよりボウル部１ｃに流下させるように
している。

また、手洗い鉢２ｂの上面には上記排水孔２ｃ
に向つて吐水口部２ｅを設け、該吐水口部２ｅの
基部を蓋体２の裏面側へ貫通させてそれにフレキ
シブルな分岐管２ｆを接続し、この分岐管２ｆの
先端を前記給水管４の途中に配備し切換え水栓５
の分岐側出口に連絡せしめる。

切換え水栓５は従来周知の構造のもので、その
操作ハンドル５ａを前方へ突出し、該操作ハンド
ル５ａを一方向へ回動した時、給水源から供給さ
れる洗浄水を給水室１ｄへ給水し、他方向へ回動
した時分岐管２ｆへ給水すると共に、操作ハンド
ル５ａが中立状態ではどちらへも給水しないよう
になつている。

而して、斯る水洗式小便器は例えば第３図或い
は第４図に示す如く大便器６と共に便所の壁面Ａ
に沿つて配備され、蓋体２を回動して小便器本体
１の開口部１ａを露出させ切換え水栓５の操作ハ
ンドル５ａを回動すれば、用便後の後壁１ｂ及び
ボウル部１ｃが洗浄され、又蓋体２で小便器本体
１の開口部１ａを覆い手洗い開口部２ａから手洗
い鉢２ｂ内に手を挿入して切換え水栓５の操作ハ
ンドル５ａを回動すれば手の洗浄が可能となる。

一方、第５図に示すものは他の実施例であり、
このものは蓋体２の下端を小便器本体１の開口部
１ａと嵌め合う形状に形成し、開口部１ａのみを
覆うようにしたものである。

尚、前示実施例においては小便器本体１が床置
き型の場合を示したが壁掛け型のものでも良く、
又蓋体２の一側部を小便器本体１の一側部に前後
回動自在に取付けたが、これに限定されず例えば
便所の壁面Ａに前後回動自在に取付けても良く、
更に給水室１ｄ及び分岐管２ｆへの給水を切換え
水栓５により選択的に行つたが、これに限定され
ず例えば給水室１ｄへの給水をフラツシユバルブ
等で分岐管２ｆへの給水を単水栓等で別々に行つ
ても良い。

＜考案の効果＞ 本考案は上記の構成であるから、以下の利点を
有する。

蓋体を回動して小便器本体前面の開口部を露
出させることにより小便器として使用し、開口
部を蓋体で覆うことにより手洗器として使用す
るので、小便器と手洗器の設置スペースを兼用
することができて省スペース性に優れ、大便器
及び手洗器を配設した便所と同スペースの便所
内でも大便器、手洗器及び小便器をコンパクト
に配備することができる。

小便器はその前面に開設される開口部より後
壁やボウル部が見えるため外観が悪いと共に臭
気を発生し易く不潔感を感じるという欠点があ
るが、本考案の水洗式小便器は小便器として使
用しない時、蓋体で開口部を覆うことができる
ので、特に女性が便所を使用しても不潔感を感
じさせることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す水洗式小便器
の正面図で一部切欠して示し、第２図は同縦断側
面図、第３図及び第４図は大便器と共に便所内に
設置した状態を示す縮小横断平面図、第５図は他
の実施例を示す水洗式小便器の縦断側面図であ
る。 １…小便器本体、１ａ…開口部、２…蓋体、２
ｂ…手洗い鉢、Ａ…壁面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小便器本体の前面に開設される開口部を覆うに
   蓋体の一側部を、小便器本体又は壁面に回動自在
   に取付け、該蓋体の前面に手洗い鉢を形成してな
   る水洗式小便器。