JPH0348855Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、通信機における同軸線等を接続する
コネクタの取付構造に関するものである。

（従来技術） 一般に、同軸線電気回路を接続する際に使用す
る同軸コネクタにおいては、通信機器のケース等
に取り付ける場合、そのコネクタに接続されるコ
ネクタ付ケーブルのケーブル材料がソリツドジヤ
ケツトケーブルであると、接続すべきコネクタ間
の寸法誤差とケーブルの寸法誤差を可能な限り小
さくする必要がある。しかしやたらに寸法誤差を
小さくすることは経済的でない。そのために接続
すべきコネクタ間のいずれか一方のコネクタをい
くらか可動出来るようにしてその接続を容易に
し、しかも通常の公差の接続ケーブルで接続が可
能となるようにしている。そのため従来はコネク
タの取付用フランジより全体にひとまわり大きな
寸法のほぼ同形状のフランジ収容部をもつコネク
タ取付構造の内部にコネクタを収容し、その寸法
内でコネクタがＸ，Y2方向に可動出来るように
していた。しかしこの構造では、コネクタがねじ
込みによつて接続を完成させる型の場合、ねじ込
みにより回転トルクが発生した時はコネクタフラ
ンジとコネクタ取付構造との間にＸ，Ｙいずれの
方向にも寸法差を設けているために、左右方向に
回転する余地があり、コネクタとソリツドジヤケ
ツトケーブルとの組立部がその回転トルクによつ
て破壊する恐れがあつたり、あるいはもう一方の
コネクタ側にケーブルによつて回転トルクが伝達
され、接続がゆるんでしまう等の不具合があつ
た。

図面の第３図を参照して従来構造を具体的に説
明すれば、図中１は従来のコネクタ可動取付構造
の本体である。この本体１は、コネクタ２を収容
し、コネクタのフランジ２′の形状寸法X′，Y′，
Z′に対応してＸ，Ｙ方向に移動必要量だけ可動す
るような各々Ｘ，Ｙ，Ｚの寸法をもつ穴１′を有
する。この本体１と金具３とをねじ穴３′を介し
ねじ４によつて組み合せることによつて収容を完
了してその内部をＸ，Ｙ方向に自由に可動させ、
相手のコネクタ付接続ケーブル（図示省略）との
位置的かん合を良くし、接続を容易にしている。
しかしＸ，X′とＹ，Y′と寸法差が一面にあるた
めに、相手方のコネクタを接続する際、ねじによ
る結合を行うと、ねじ込む回転トルクにより、コ
ネクタのフランジ２′はコネクタの中心線まわり
の回転を生じ、コネクタ２とソリツトジヤケツト
ケーブル２″との組立部に無理がかかり、破壊す
る恐れや、ケーブル２″により回転トルクが伝達
され、もう一端がコネクタであつた場合はその接
続がゆるんだりすることも考えられる。

（考案の目的） 本考案の目的は、これらの欠点をなくし、コネ
クタの接続時に回転トルクが発生することがあつ
てもその回転トルクをケーブルに出来る限り伝達
しないようにし、コネクタ取付構造とコネクタフ
ランジとの寸法差をコネクタが可動出来る最少の
寸法としてしかもＸ，Ｙ方向に従来必要とされた
量だけ可動するようにＸ方向とＹ方向の可動構造
を分離させたコネクタの可動取付構造を提供する
ことにある。

（考案の構成） 本考案に係るコネクタの可動取付構造は、コネ
クタの矩形状フランジ部を収容するための本体部
および該本体部と係合する金具から成るコネクタ
可動取付構造において、前記本体部は、前記コネ
クタの矩形状フランジ部の相対する２組の辺の内
の一方の組の辺の長さよりやや大きく該矩形状フ
ランジ部の他方の組の辺が十分移動可能な寸法を
有する矩形状の穴と、先端が突起状で前記金具と
嵌合するためのガイド部とを有し、前記金具は、
前記ガイド部と嵌合しかつ前記他方の組の辺の長
さ方向に対しては該ガイド部よりやや大きく前記
一方の組の辺の長さ方向に対しては該ガイド部が
十分移動可能となる寸法のガイド部挿入穴を有し
て成るものである。

（考案の好適な実施形態） 以下、本考案を、図面を参照しながら、実施例
について説明する。

第１図は本考案の実施例に係るコネクタの可動
取付構造の横断面図であり、第２図ａは本考案に
適用される金具３の正面図、第２図ｂは同じく本
考案に係る可動取付構造本体１の正面図であつ
て、互いの寸法関係を図示したものである。な
お、第１図は第２図ｂの本体を組み付けた場合の
Ａ−Ａ線に沿う位置で断面したものである。本体
１は、コネクタ２を収容しコネクタのフランジ
２′に適応する穴１′を有し、また金具３は、コネ
クタ２と同軸ケーブル２″との組立部２が挿通
される組立部挿入用穴３を有する。この組立部
挿入用穴３は、コネクタ２と同軸ケーブル２″
との組立部２が本体１および金具３内部でＸあ
るいはＹ方向に移動必要量だけ可動できるように
該組立部２の外径より大きくなつている。本体
１の穴１′はフランジ２′のX′寸法に対して可動
できる最少の寸法を備えたＸ寸法とし、Ｘ方向の
移動はその穴１′で制限しフランジ２′のY′寸法
に対して可動必要量を十分確保出来るような大き
さのＹ寸法とした穴形状としてある。一方、Ｘ方
向の十分大きな可動は本体１を金具３との係合を
もたせて可動出来るようにするため、突出したガ
イド部１″を本体１の４隅に設け、金具３のガイ
ド部挿入穴３″と係合するようにする。ガイド部
挿入穴３″の寸法ａはガイド部１″の寸法a′より大
きく可動必要量を十分確保する。またガイド部挿
入穴３″の穴間隔寸法ｂは、対辺のガイド部１″と
のb′寸法より少く小さくガイド部１″がＹ方向に
動けるだけの最少の寸法とする。そしてＸ方向は
可動出来るようにしてＹ方向を制限する。これら
により、コネクタをＸ，Ｙ方向に可動させて、ケ
ーブルに伝達するようにし、これによつて回転ト
ルクを最少限とするコネクタ取付構造とする。さ
らにガイド部１″には本体１を金具３と組立るた
めにガイド部先端に爪となる突起部を設け、本体
１の材料の弾性を利用し金具３に係合するように
ガイド部挿入穴３″に挿し込み組み立てる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、コネクタのフラ
ンジ部と該フランジ部を収容する構造体（本体
部）との係合で一方向移動可能とし、前記本体部
と該本体部を受ける金具との係合で前記一方向移
動と直交する方向に移動可能となるようにして、
コネクタの位置を２次元的に可動させ、かつコネ
クタ結合の際に回転トルクを同軸ケーブルに伝達
しないようにしたものである。

これらの構造により、ケーブルに伝達される。
回転トルクを最少のものとし、コネクタとケーブ
ルとの組立部に無理な力が負荷されない構造とな
り、あるいはケーブルによつて回転トルクが伝達
され、もう一方にコネクタがあつた場合、そのコ
ネクタの結合をゆるめるような虞れはなくなる。
しかも組立工数は従来より少なくなるなど種々の
効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例に係るコネクタの可
動取付構造の横断面図、第２図ａは本考案に適用
される金具の正面図、第２図ｂは本考案に係る可
動取付構造本体の正面図、第３図は従来のコネク
タ可動取付構造を分解して示した斜視図である。 １……コネクタ可動取付構造本体、１″……本
体のガイド部、２……同軸コネクタ、２′……コ
ネクタのフランジ部、２″……同軸ケーブル、２
……同軸ケーブルとコネクタとの組立部、３…
…コネクタ可動取付構造の金具、３″……ガイド
部挿入穴、３……同軸ケーブルとコネクタとの
組立部挿入用穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コネクタの矩形状フランジ部を収容するための
   本体部および該本体部と係合する金具から成るコ
   ネクタ可動取付構造において、 前記本体部は、前記コネクタの矩形状フランジ
   部の相対する２組の辺の内の一方の組の辺の長さ
   よりやや大きく該矩形状フランジ部の他方の組の
   辺が十分移動可能な寸法を有する矩形状の穴と、
   先端が突起状で前記金具と嵌合するためのガイド
   部とを有し、 前記金具は、前記ガイド部と嵌合しかつ前記他
   方の組の辺の長さ方向に対しては該ガイド部より
   やや大きく前記一方の組の辺の長さ方向に対して
   は該ガイド部が十分移動可能となる寸法のガイド
   部挿入穴を有することを特徴とするコネクタ可動
   取付構造。