JPH0348837B2 - - Google Patents

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JPH0348837B2
JPH0348837B2 JP59088773A JP8877384A JPH0348837B2 JP H0348837 B2 JPH0348837 B2 JP H0348837B2 JP 59088773 A JP59088773 A JP 59088773A JP 8877384 A JP8877384 A JP 8877384A JP H0348837 B2 JPH0348837 B2 JP H0348837B2
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sliver
spherical
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Jugoro Masuda
Minoru Yoshida
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Kanebo Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0348837B2 publication Critical patent/JPH0348837B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、嵩高にして、かつ圧縮率が大きく、
回復性にすぐれ、しかも軽量で保温性に富むダウ
ンライクな球状詰綿材料を製造する方法ならびに
その装置に関するものである。
(従来の技術) 従来、詰綿材料として天然のもの、合成したも
のなど種々のものが使われてきたが、なかでも天
然の羽毛が防寒衣料や寝具類の中綿としてその優
れた諸性質から世界中で重宝されて来た。しかし
ながら、この天然羽毛は生産量が極めて限られて
いるために非常に高価なものとなつており、近時
これを人工的に生産せんとする試みがなされてい
る。
ところが、その精妙なる構造と、他に類のない
優れた諸性質、例えばコンパクトに収納できる高
圧縮性と初期の嵩高性並びに収納後再使用時の嵩
高回復性、就中、機械的な力による回復性(ビー
トバツク性)にすぐれ且つソフトな肌ざわりを示
すなどの特質を兼備えねた詰綿材料は未だ実現さ
れていないのが現状である。
そこで、本発明者らはかかる現状に鑑み、上記
特質をもつ詰綿材料の実現を果すべく鋭意研究を
行ない、その結果、さきに特願昭57−43384号に
よつて好適な詰綿材料を提供し、更に特願昭57−
165838号にもつてかかる天然ダウンの特質を備え
た詰綿材料の製造方法ならびに装置を提案した。
即ち、塊形成に必要な所要量だけ分離・独立させ
た短繊維集合体を1面は直線運動により、他の1
面は円運動により互いに交叉する方向に運動する
対向摩擦面間に導入し、該摩擦面間で前記両運動
により前記独立させた所要の短繊維集合体に実質
的に球状の形態を付与する方法並びに装置であ
る。
ところで、上記詰綿材料の製造方法ならびにそ
の装置においては供給するスライバーより塊形成
に必要な所要量だけを分離・独立させるに際して
従来よりこの種操作に通常行なわれている機械的
延伸作用が採用されて来た。そのため、カツター
ローラーが当然の如く必要とされ、該ローラーに
スライバーが捲きついたり、分離不良を起すなど
のトラブル発生を避け得なかつた。
そこで、本発明者らは、更にかかる所要量の短
繊維集合体の分離、独立の手段について改善を図
るべく検討を重ね、機械的延伸作用によることな
く圧縮空気の気流作用を利用することに着目し、
種々の方法を試みた。その結果、気流作用によつ
て発生するエアーの負圧吸引力によつて充分、任
意所要量の短繊維集合体を分離、独立させること
ができ、しかも、カツターローラーを必要としな
いことから前記の捲付、分離不良などのトラブル
をなくすなど、種々の利点が得られることを知見
するに至つた。
(発明が解決しようとする問題点) かくして、本発明は従来の機械的な延伸力によ
つて分離するのではなく、圧縮空気を狭い間隙よ
り送ることによつて発生する気流の噴射力及びエ
ゼクター作用による吸引力を利用してスライバー
を任意所要量の短繊維群に分離、独立させること
によつて前記従来のトラブルを解消することを目
的とするものである。
又、本発明の他のもう一つの目的は上記分離さ
れた短繊維群を1つの短繊維塊に集合することで
あり、更にこれを球状成型装置に送り球状形態を
付与せしめ詰綿材料として好適な物性を与えるこ
とである。
(問題点を解決するための手段) しかして、上記目的を達成する本発明の特徴
は、球状形態の詰綿として摩擦形成するに先立
ち、供給されるスライバーを圧縮空気の気流によ
り生ずる負圧領域中に導入し、1つはその噴射対
流による吸引力によつて塊形成に必要な所要量だ
けの短繊維群を分離独立させることであり、他の
1つはその分離された短繊維群を分離機構と連続
された空気排出孔を多数有する多孔円筒管に導入
し、その底部に密接した多孔コンベア上に短繊維
集合体を形成せしめ、前記摩擦作用による球状形
態を実質的に付与する方法ならびに該方法を実施
するに好的な装置、即ち、スライバーを間歇的に
供給するフイードローラー及びその先端の任意の
部分を把持するニツプローラーからなるスライバ
ー供給機構と、前記供給機構に近接してその供給
経路に設置された圧縮空気の噴射吸引作用により
前記供給スライバーを所要量分断する分断機構
と、前記分断機構に接続し、噴射された空気を系
外に排出し短繊維群のみを塊状集合せしめる多孔
円筒状集合機構及び前記集合機構と密接して集合
した短繊維群を受止し、所要量の短繊維集合体を
形成すると共に、後続工程へ間歇的に搬送する多
孔コンベアを含む送出機構からなり、前記供給機
構と分離ならびに集合機構、更に送出機構を互い
に連動させかつ間歇的に駆動せしめる如く構成し
た点にある。
以下、更に上記本発明の詳細な態様を説明する
と、先ず、上記本発明における基本的な特徴の第
1は圧縮空気をエアームーバーの円筒管内部周囲
に設けられた針孔状あるいはスリツト状の間隙よ
り導入し、発生する強力な気流中にスライバーを
導入することによつて所要量の短繊維群に分離す
ることである。次いで第2は該短繊維群が後続配
置の多孔円筒管に導入され周囲に設けた多数の排
出孔より空気のみを排出せしめ、分散している短
繊維群を塊形成することである。そして、第3と
して前記短繊維群を塊形成するにあたり、該多孔
円筒管の底部に短繊維群を受止する多孔コンベア
を設け、該多孔コンベアは噴射時には前記多孔円
筒管底部と密着して、繊維塊を受止すると同時に
その底部からも空気を排出し、該円筒管が上部に
駆動して底部と該多孔コンベア面が離れると同時
に駆動して繊維塊を次の成型装置へ間歇的に搬送
することである。そして、以上の3つの各機構は
夫々が間歇的かつ有機的に連動し、これらを多数
並置することにより連続的に多量の維樹塊を供給
し得ることである。
ここで、本発明に用いるエアームーバーは原理
的にオリフイス現象により空気流を起し、負圧に
よる吸引力を発生し得る構造のものであれば市販
されている何れのものでも利用することができ
る。
そして、上記エアームーバーは供給されるスラ
イバー粗糸の引き抜き強さに応じてそのスリツト
より噴射する圧縮空気の圧力を調節する。この時
の圧縮空気の圧力は通常、0.5Kg/cm2〜15Kg/cm2
であり、より好ましくは1〜7Kg/cm2である。も
し圧力が強過ぎるとそれに比例して風量が多くな
るため分離された短繊維が空気排出孔より飛散し
たり、又、排出孔が目詰りしたりして短繊維塊に
ならない。又逆に弱い場合はスライバーの分離が
不確実となり短繊維塊になり難い。
一方、スライバー粗糸の引き抜き強さは繊維素
材及び単繊維の表面摩擦係数や捲縮状態により、
又、粗糸の太さにより異なるため、分離の際の空
気圧はその時のスライバー粗糸の引き抜き強度に
応じて適宜設定しなければならない。通常の引き
抜き強力は40g/g以下である。
次に分離された独立の該短繊維群を短繊維塊に
形成せしめるが、この時は空気を系外に排出しな
ければならず、従つて多孔円筒管が用いられる。
この多孔円筒管は噴射される短繊維群の中より空
気のみを系外に排出させるため、該円筒管の直径
及び円筒管の孔の大きさ、孔の占める面積、更に
は円筒管に対する孔の位置や分布などがそれに応
じて選定される。この円筒管の好ましい直径はス
ライバー粗糸の太さにもよるが、概して10〜10mm
の範囲内であり、通常、20〜50mmが最も好まし
い。この径が余り大きいと空気量が多く必要とな
り、又短繊維のまとまりが悪くなる。又、装置の
スペースも過大となるなど好ましくない。
次に該円筒管に占る孔の総面積比は概して5〜
50%が好ましく、15〜30%が更に好ましい。これ
が50%以上となると空気が瞬時に排出されるた
め、短繊維塊として集合せしめることが難しい。
又、全く孔がないと空気の逃げ場がなくなり短繊
維が逆噴射してくる。
上記円筒管に設ける空気の排出孔の直径は8mm
〜2mmが望ましく、8mm以上では短繊維が空気と
共に系外に排出され飛散してしまい短繊維塊を形
成することができない。一方、孔の径が小さ過ぎ
ると孔が短繊維により目詰りを起し空気の排出を
阻害するため短繊維塊を形成し得なくなる。
更に上記多孔円筒管のエアー排出孔の孔の分布
もスライバーより分離された短繊維群を繊維塊と
するために重要な因子であり、水平方向ではその
円周より放射状に平均して空気が排出するように
排出孔を設けることが肝要である。又、垂直方向
では円筒管の中央部より上部側を少なくし、下部
側を多くすることにより噴射された繊維群を円筒
管の底部に繊維塊として容易に集合せしめられ、
しかも空気の排出が効果的に行なわれる。通常、
上部と下部の孔の分布比は10〜40%対90〜60%の
範囲であり、短繊維の種類や空気圧などを考慮に
入れて適宜変えることが好適である。
なお、上記本発明による詰綿製造に用いられる
短繊維集合体は既知の詰綿製造によると同様、例
えば特定の短繊維AとBとを適当な割合で混合し
た後、フラツトカード、ローラーカード等の開繊
機にかけて充分に開繊混合し、適当な太さのスラ
イバー粗糸を作り、これを本発明の方法、装置で
必要な大きさの繊維塊に分離形成することによつ
て得られる。
ここで、前記分離された独立した短繊維集合体
の重量は好ましくは5〜1000mg、より好ましくは
40〜650mgである。
そして上記短繊維集合体に配合する各短繊維の
好適な例としては、短繊維Aは、ポリエステル、
ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、羊
毛、絹等、各種の天然あるいは合成繊維がある
が、就中、ポリエステル系繊維は効果面より最も
好ましい。この短繊維Aの繊度は、3〜10デニー
ルが用いられ、4〜7デニールであれば一層好ま
しい。また捲縮率として、15%以上有することが
好ましく、18%以上であればより好ましい。但
し、捲縮率の上限は、製造面からの制約により30
%程度である。短繊維Aの繊度と捲縮率は、特定
の範囲から外れて繊度が大き過ぎると、圧縮し難
くなり、感触も粗硬になる等の問題が現われ、逆
に繊度や捲縮率が小さ過ぎると嵩高に乏しく、腰
のないへたり易いものになる等の欠点が出る。
尚、ここでいう捲縮率とは2mg/デニール負荷
時の繊維長をa,50mg/デニール負荷時の繊維長
をbとすれば(b−a)×100/b(%)で表わさ
れるものである。
又、上記短繊維Aの繊維長は、20〜100mmが良
く、30〜80mmであれば一層好ましく、これより長
くても短かくても球状に成型し難い。なお、単一
の繊維長のみでなく、繊維長の異なるものを用い
ても良い。
一方、前述したもう1つの短繊維Bとしては、
ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリ
エチレン等、各種の合成繊維が用い得るが、中で
もポリエステル系繊維は本発明の諸効果が得易く
て好ましい。短繊維Bの繊度は、短繊維Aのそれ
より小さく、且つ0.7〜4デニールが好ましく、
1〜3デニールであればより好ましい。また、捲
縮率は、15%以下が良く、10%以下であればより
好ましく、7%以下であればさらに好ましい。こ
れらが上記の如き特定範囲からはずして繊度や捲
縮率が大きくなり過ぎると圧縮し難く、感触が粗
硬となり、またコンパクトに収納していたものを
再使用する際に、これを軽く叩くなどしたときの
嵩回復性、所謂、ビートバツク性が悪くなり、逆
に繊度が小さ過ぎると嵩高に乏しく腰のないもの
になる等の欠点が出る。短繊維Bの繊維長は20〜
100mmが好ましく、30〜80mmであれば一層好まし
い。そして、これよりも長くても短かくても球状
成型が難しくなる。なお、この場合も繊維長の異
なるものを用いてもよい。
短繊維A及びBは一成分のみよりなる繊維のみ
でなく、異質の重合体、粘度の異なる同種の重合
体などを同芯乃至偏芯、又はサイドバイサイド型
に複合した所謂、複合繊維をも含むものである。
また、短繊維A及びBには中空繊維及び多孔性繊
維も含まれる。特に短繊維Aには中空複合繊維を
使用すると捲縮を与え易く、しかも堅牢であり、
更に軽くて嵩高性にすぐれ、保温性も良いため好
ましい。この場合、中空率は通常5〜30%程度で
ある。
本発明においては、上記の特定された短繊維A
及びBを更に下記のように特定の比率で配合する
ことが好適である。即ち、短繊維Aの配合比率は
90〜10重量%が好ましく、80〜20重量%であれば
より好ましく、70〜30重量%であればさらに好ま
しい。一方、短繊維Bの配合比率は10〜90重量%
が好ましく、20〜80重量%であればより好まし
く、30〜70重量%であればさらに好ましい。この
範囲を越えて短繊維Aが多いと圧縮し難く、感触
粗硬となり、ビートバツク性も悪くなり、逆に短
繊維Bが多いと、嵩高性が乏しく、腰もなくビー
トバツク性も不良となる。
なお、本発明の効果を損ねわない範囲で短繊維
A、短繊維B以外の成分、例えば素材、繊度、捲
縮率の異なるものなどを20%程度以下配合しても
良い。これらの繊維としては、ポリアミド、ポリ
エステル、ポリプロピレン等の合成繊維や羊毛、
絹等の天然繊維がある。
また、本発明においては低融点合成繊維を配合
してもよい。低融点合成繊維としては前記短繊維
よりも低い融点、即ち通常200℃以上、好ましく
は30℃以上低い融点をもつ成分を少くとも一部に
有するものである。即ち、低融点合成繊維には上
記の如き低融点成分単独からなるものの他、低融
点成分と、これとは上記温度差以上の高融点を有
する異質もしくは同質の重合体などをサイドバイ
サイド型又は同芯乃至偏芯型に複合した所謂コン
ジユゲート繊維をも含むものである。
上記の低融点成分としては、ポリエステル系、
ポリアミド系、ポリエチレン等のポリマーの他、
各種変性ないし共重合したポリマーも含まれる。
低融点合成繊維の繊度は、熱融着に際して、細い
と接着密度が高くなり、又太いと接着強度が大き
くなるため、通常1〜15デニール、好ましくは
1.5〜10デニールである。一方、繊維長は、通常
2〜200mm、好ましくは5〜100mmである。
低融点合成繊維は、前記繊維100重量部に対し、
100重量部以下、好ましくは2〜50重量部、更に
好ましくは3〜40重量部、特に好ましくは4〜30
重量部配合混綿するとよい。低融点合成繊維の配
合量が100重量部を越えると、中綿材料が粗硬と
なるばかりでなく、嵩高性等の他の物性が低下す
る。
かくして上記のような空気の気流作用を利用し
かつ短繊維スライバーを素材として同様材を気流
内に導入し、空気の風圧により分離した後、成型
機を経て球状形態の詰綿材料を得るが、この詰綿
材料は上記各短繊維A及びBの各繊維が互いにも
つれ合つて構成された直径10〜50mm、密度0.03
g/cm3以下の実質的に均一な密度の球状体からな
るものである。各繊維が互いにもつれ合つている
とは、繊維1本に着目した場合に、周辺に存材す
る1本乃至複数万の他の繊維と互いに交差した
り、ねじれ合つたりしてもつれ合つているもので
あつて、糸巻きに糸を巻いた様に単に重なり合う
だけで成るものではない。
また実質的に均一な密度の球状体とは、球状あ
るいはこれに近い形状のみでなく、細長いものや
扁平に近いものなどの繊維塊を含むもので、要す
るに従来の連続した綿層と異なり、独立した繊維
塊であれば良い。そして、これらの表面部、中間
部、中心部の繊維の詰まり具合を見た場合に、特
に表面部に繊維が密に存在する等のことがなく、
全体として実質的に均一な密度で繊維が存在する
ものである。その直径は、10〜50mmが好ましく、
20〜40mmであれば一層好ましい。密度は0.03g/
cm3以下が好ましく、0.02g/cm3以下であればなお
好ましい。直径が小さ過ぎると嵩が減り、逆に大
き過ぎると繊維塊の接触部分に隙間ができ保温性
が低下して好ましくない。また、密度が高すぎる
と嵩高性に劣り、圧縮もし難くなり感触も硬くて
好ましくない。 なお、前記短繊維集合体に低融
点合成繊維を配合したものは、熱風、赤外線等に
より後工程で該繊維の融点以上、前記繊維の融点
以下の温度で加熱融着させればよい。
また、詰綿材料構成要素の一部又は全部を配合
前に、あるいは繊維塊とした後に油剤、シリコン
系、弗素系等の平滑剤で処理して繊維間静摩擦係
数を0.45以下、好ましくは0.20以下とするとよ
い。この場合、弾性重合体や柔軟剤等を併用して
もよい。
そして、本発明の詰綿材料は適当な側地に包む
などして布団などの寝装品や防寒保温を必要とす
る衣服等に用いられる。
(実施例) 次に本発明の前記詰綿材料の製造装置の実施例
を添付図面を参照しつつ説明し、併せて製造方法
の実施例をも説明する。
先ず製造装置の実施例であるが、第1図は本発
明詰綿材料の製造装置の1例を全体的に示し、ス
ライバーを送り込む供給機構()と、該供給さ
れたスライバーを空気負圧により引き抜き独立し
た短繊維群に分離する吸引分断機構()と、分
断短繊維群を集合しそれを受止して繊維塊に形成
し、送出する集合及び送出機構()の各部を連
設し、次の球状成型機構()に接続することに
よつて構成されている。
このうち、供給機構()はスライバーSを収
容したケンス(図示せず)より該スライバーSを
取り出し、給送する複数のガイドローラー1と、
ガイドリング2、フイードローラー3、ニツプロ
ーラー4より構成されており、フイードローラー
3及びニツプローラー4は互いに同調された任意
の速度で間歇駆動しながら一定の長さのスライバ
ーを供給するようになつている。一方、供給され
たスライバーSを小さな短繊維群に分離する吸引
分断機構()はニツプローラー4の下方で吸引
口5、キツプ6、スリツトプレート7、スリーブ
8、エア送入口9、エアー室10、及び噴射口1
0′を有して構成されており、第3図により明ら
かな如く噴射口10′の下端には集合、送出機構
()の多孔円筒管11が連なつている。
そこで、図示例においてニツプローラー4によ
り把持されたスライバーの先端部が吸引口5の入
口に供給されると、任意所要の圧力の圧縮空気が
コンプレツサー(図示せず)よりエアー送入口9
を通して一定時間送られ、エアーは円周に設けら
れたエアー室10よりスリツトプレート7のスリ
ツトよりスリーブ8下端の噴射口10′に向けて
勢いよく噴射される。この時、一定方向に強い気
流作用が起り、吸引口5近傍は負圧状態となつて
吸引口5の入口まで供給されたスライバーが周囲
のエアーとともに引き抜かれるようにして短繊維
群となつて分散され、噴射口10′を経て、これ
に連結されている多孔円筒管11に向かつて噴射
される。次いで分離された短繊維群を集合せし
め、繊維塊として受止し、次の球状成型機構
()へ送る前記集合送出機構()は前記多孔
円筒管11と、その下部で間歇的に回動する多孔
コンベア13からなり、多孔円筒管11はエアー
排出孔12を下部に多く段階的に有しており、所
要範囲で上下方向に上下動可能でその底部は、エ
アー噴射中は多孔コンベア13の面と密着した状
態よりなる。即ち、エアーと共に上記噴射口1
0′より噴射された短繊維群は、該多孔円筒管1
1を通過する際、円筒管周囲の多数の排出孔12
及び底部に接している多孔コンベアー13の排出
孔より空気のみを系外に排出せしめ、該多孔コン
ベアー上に繊維塊S′を形成する。そして、該繊維
塊が形成されると多孔円筒管11は所定の高さ迄
上部に持ち上がり、それに稍遅れて多孔コンベア
ー13が所定の距離を駆動回動して、前記繊維塊
を次の成型機へ間歇的に送出する。次に多孔コン
ベアー13が止まり、再び()及び()の部
分が下りて該多孔コンベアー13に密接し、最初
の状態となり、前記(()、()及び()の
各機構が間歇的且つ同調しながら繰り返し連続作
動し、スライバーを繊維塊に分離して次の球状成
型のために搬送する。
第2図は前記供給機構()及び吸引分断機構
()を多数併設した1例を図示したもの、又、
第3図はそれらの一部を示した外観図であり、供
給機構()及び前記分断機構()が多数並列
して配置されることによつて本発明方法の効率化
が図られる。
本発明の機構及び装置は、叙上の如き構成を具
備してなり、前述したように特定の短繊維A及び
Bを適当に混合した後、フラツトカード、ローラ
ーカード、ランダムウエバー等の開繊機にかけて
繊維を充分に開繊、混合したウエブを作成し、ス
ライバーSとなした後、これを供給装置を経て空
気圧を利用した分離装置を通して所要の繊維塊に
分離して送出装置により球状形態に成型する球状
成型機を含む成型機構に送出される。
以下、更に本発明方法の実施例を挙げて本発明
を具体的に説明する。
文中、部は重量部を示す。
実施例 繊度6デニール、繊維長51mmの中空複合ポリエ
ステルステーブル50部、繊度1.5デニール、繊維
長38mmのポリエステルステーブル30部、繊度3デ
ニール、繊維長51mmの融点110℃の低融点接着性
ポリエステルステーブル10部、及び巾03mm、長さ
35mmにカツトしたアルミニウム蒸着の捲縮糸10部
を配合し、予め混綿機で混綿した後、ローラーカ
ードでカーデイングを行ないカードウエブとした
後、該カードウエブを分割.収束してスライバー
となし、ケンスにとり、第1図に示した装置に供
給した。なお、中空複合ポリエステルステーブル
及びポリエテテルステーブルはシリコン系平滑剤
処理をしており、このスライバーの引抜強度は
15.3g/gである。
上記のゲレンが3g/mのスライバーを供給装
置のフイードローラーよりニツプローラーの先端
まで導入し、噴射空気圧3Kg/cm2で管径30m/
m、孔径3m/m、孔の面積比27%の多孔円筒管
を用い、60回/分のストローク数でスライバーを
連続的に塊状の繊維集合体に分離して多孔コンベ
アー上に繊維塊を形成し、次の球状成型機及び融
着機にて球状の詰綿を得た。この詰綿の数十個を
ランダムに採取しその重量を秤つたところ0.1
g/個に対し±15%であり、それらの直径も25〜
22m/mの範囲内であつた。
(発明の効果) 本発明は、以上の如く詰綿材料の製造において
供給されるスライバーより塊形状に必要な所要量
だけを分離独立させるに際し、機械的な延伸作用
によることなく、圧縮空気の気流作用即ち、圧縮
空気噴射により発生する負圧吸引作用を利用する
ものであり、従来の機械的延伸作用に必要とされ
ていたカツターローラーを不要ならしめるのみな
らず、該ローラーの不使用により該ローラーに対
するスライバーの捲付き、これによる分離不良な
どのトラブルをなくし、かつ、エアー使用による
分離であることから分離が引き抜きとなつて所要
量への分離独立が円滑となり、しかも前述の如く
構成短繊維が互いに絡み合つて球形状詰綿を形
成、保持し易く、詰綿材料の製造効率の向上面で
極めて顕著な効果が期待される。
しかも、本発明による製造装置は機械的延伸装
置を必要としないため簡易化され、又、エアーの
排出を多孔円筒管の排出孔によつて適宜調整する
ことが可能となつて各種繊維の種類、スライバー
太さ等に適切な状態をエアー量を噴射、排出量の
加減によつて容易に得ることができ、頗る広汎な
利用が可能である特長を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る製造装置要部の断面図、
第2図は同装置を並列に配置した使用態様を示す
概要図、第3図は要部外観斜視図である。、[1…
…ガイドローラー、2……ガイドリング、3……
フイードローラー、4……ニツプローラー]()
供給機構 、[5……吸引口、6……キツプ、7……スリツ
トプレート、8……スリーブ、9……エアー送入
口、10……エアー室、10′……噴射口]()
吸引切断分離機構、[11……多孔円筒管、1
2……エアー排出孔、13……多孔コンベアー]
() 集合送出機構、S……スライバー、S′…
…繊維塊。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 供給スライバーより塊形成に必要な所要量の
    短繊維群を分離独立させ、これに球状形態を付与
    して球状詰綿材料を製造するに際し、前記供給ス
    ライバーを送出し、これをその先端より任意の部
    分で把持してスライバー送出方向に向かう圧縮空
    気噴射により生ずる負圧吸引力によつて該スライ
    バーを所要量の短繊維群に分離独立させることを
    特徴とする球状詰綿材料の製造方法。 2 供給されたスライバーを分離独立させる圧縮
    空気の圧力が0.1〜15Kg/cm2である特許請求の範
    囲第1項記載の球状詰綿材料の製造方法。 3 スライバーの引抜き強力が100g/g以下で
    ある特許請求の範囲第1項記載の球状詰綿材料の
    製造方法。 4 間歇的に供給されたスライバーを、その先端
    より任意の部分で把持してスライバー送出方向に
    向かう圧縮空気の噴射により生ずる負圧吸引力に
    よつて所要量の短繊維群に分離独立し、次いで該
    分離独立した所要量の短繊維群を多孔円筒管内で
    集合せしめ、独立した短繊維集合体となし、多孔
    コンベアにより成型工程に搬送することを特徴と
    する球状詰綿材料の製造方法。 5 独立短繊維集合体が50mg〜1000mgの重量を有
    する特許請求の範囲第4項記載の球状詰綿材料の
    製造方法。 6 スライバーを供給するフイードローラー及び
    その先端の任意の部分を把持するニツプローラー
    によりスライバーを供給する供給機構と、前記供
    給機構により供給されたスライバーを圧縮空気の
    噴射作用により生ずる負圧吸引がによつて所要量
    の短繊維群に切断する吸引分断機構と、前記吸引
    分断機構と接続していて噴射された空気を系外に
    排出し、短繊維群のみを塊状集合せしめる多孔円
    筒管からなる集合機構及び前記集合機構と空気噴
    射中は少くとも密接する如く設置され、集合した
    該短繊維群を受止し所要量の短繊維集合体を形成
    すると同時に間歇的に該集合体を搬送する多孔コ
    ンベアーからなる送出機構からなり、前記供給機
    構と吸引分断機構並びに集合、送出機構は互いに
    連動し且つ間歇的に駆動することを特徴とする球
    状詰綿材料の製造装置。 7 吸引分断機構に供給されたスライバーを分離
    する圧縮空気の圧力が0.1〜15Kg/cm2である特許
    請求の範囲第6項記載の球状詰綿材料の製造装
    置。 8 吸引分断機構のスライバーの引抜き強力が
    100g/g以下である特許請求の範囲第6項又は
    第7項記載の球状詰綿材料の製造装置。 9 多孔円筒管の直径が10〜100mmである特許請
    求の範囲第6項,第7項又は第8項記載の球状詰
    綿材料の製造装置。 10 多孔円筒管の孔の数の分布が水平方向では
    等間隔均一であり、垂直方向では中央より上部側
    が10〜40%、下部側が90〜60%の割合である特許
    請求の範囲第6〜9項のいずれか1項に記載の球
    状詰綿材料の製造装置。 11 多孔円筒管の孔の占める面積比が0〜50%
    であり、孔の最大径が8mm以下である特許請求の
    範囲第6〜10項のいずれか1項に記載された球
    状詰綿材料の製造装置。 12 多孔円筒管が所要の範囲で上下する特許請
    求の範囲第6〜11項のいずれか1項に記載の球
    状詰綿材料の製造装置。 13 多孔コンベアーの孔の面積比が20〜70%で
    ある特許請求の範囲第6〜12項のいずれか1項
    に記載の球状詰綿材料の製造装置。
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