JPH0348046Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、狭い場所でも蓋体の開閉操作が容易
になし得ると共に、蓋体を開いて容器本体内に内
容物を出・入れする際には、蓋体を容器本体の側
壁外方に収納できるようにした蓋付き運搬容器に
関する。

（従来技術） 上面が開口した容器本体を別体構造の蓋体で開
閉できるようにした運搬容器は、従来から公知で
ある。

しかしながら、容器本体と蓋体とが別体構造と
なつた運搬容器は、蓋体を取り外ずして容器本体
内に内容物を出・入れする際に、蓋体を紛失する
ことがあつた。

この問題を解決するために、従来は蓋体を容器
本体の側壁上縁部に蝶番で固定し、蓋体を回転さ
せて開閉できるようにしていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、かかる運搬容器は、蓋体を回転
させて容器本体を開閉する際に、蓋体が容器本体
の外方にはみだすために、狭い場所では蓋体の開
閉操作が困難であつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、かかる運搬用容器の問題点を解消し
たものであつて、上面が開口した角型の容器本体
Ａと、該容器本体の開口部を覆う蓋体Ｂとからな
り、前記容器本体Ａの側壁１の外面に蓋体Ｂを収
納できる拘止部３，３を突設すると共に、該拘止
部３には上下に連通したスライド溝３１を設け、
該スライド溝３１に蓋体Ｂの下端両側縁に突設し
たピン６を係合させ、蓋体Ｂを容器本体Ａの側壁
１の上縁部まで持ち上げスライド溝３１，３１の
上端部に係合したピン６，６を中心として内側に
回転させた際に、蓋体Ｂが容器本体Ａの開口部を
覆うようにしたものである。

即ち、本考案は、狭い場所でも蓋体の開閉操作
が容易になし得ると共に、容器本体内に内容物を
出・入れする際には、該蓋体を容器本体の側壁外
方に収納できるようにした蓋付き運搬容器を提供
するものである。

以下、本考案の具体的構成を図面に基づき詳細
に説明する。

（実施例） 第１図は本考案の一実施例を示す容器本体と蓋
体との展開斜視図、第２図は容器本体の側壁外方
に蓋体を収納した状態を示す要部平面図、第３図
は蓋体の他の実施例を示す斜視図であつて、図中
符号Ａは容器本体、Ｂは蓋体である。

容器本体Ａは、相対する一対の側壁１，２と底
壁とからなり、上面が開口した角型をなしてい
る。そして、一方の側壁１の外面両端部には、外
方に突出した拘止部３，３が設けられており、こ
の拘止部３，３に蓋体Ｂを収納できるようになつ
ている。これら拘止部３，３の相対する内側面に
は、上下に連通したスライド溝３１が設けられて
いる。他方の側壁２は、前記側壁１より蓋体Ｂの
厚み分だけ高くなつており、その内面中央部には
上面が側壁１の上縁部とほぼ同じ高さとなつた突
起２１が設けられている。

一方、蓋体Ｂは、容器本体Ａの上面開口部を覆
う２枚の半割板４，４からなり、各半割板４の長
辺側の両端縁には前記スライド溝３１に係合する
ピン６，６が突設しており、これと相対する側の
中央部には切欠き４１が設けられている。

この切欠き４１の半分は、蓋体を開く際の手掛
けとなる覆い板４２によつて覆われ、該覆い板４
２は半割板４の端縁から若干突出して設けられて
いる。

本考案の蓋付き運搬容器は、容器本体Ａの側壁
１の外面に突設した拘止部３，３に蓋体Ｂを収納
し、第２図に示したように、蓋体Ｂに突設したピ
ン６，６を各拘止部３，３の内側に設けたスライ
ド溝３１，３１に係合させたものである。

従つて、容器本体Ａの上面開口部を蓋体Ｂで閉
じる場合には、蓋体Ｂを容器本体Ａの側壁１の上
縁部まで持ち上げ、ピン６，６がスライド溝３
１，３１の上端部に係合した状態で蓋体Ｂを容器
本体Ａの内側に回転させる。この時、蓋体Ｂを構
成する各半割板４，４には、覆い板４２，４２が
設けられているので、これらの半割板４，４を同
時に内側に回転させ、一方の覆い板４２が他方の
半割板４の端部上面を押えるようにして閉じると
よい。

尚、第１図に示した実施例では、２枚の半割板
４，４からなる蓋体Ｂについて説明したが、本考
案の蓋体Ｂはこれに限定されるものではなく、側
壁２の高さがその幅より大きい場合には、第３図
に示したような一枚の板から構成することができ
る。

この場合には、第３図に示した如く単板５の一
端両縁に前記実施例と同様なピン６，６を突設
し、その他端側に切欠き５１を設けると共に手掛
け５２を設け、単板５の中央部を肉薄５３にして
半分に折り畳めるようにするとよい。勿論、この
実施例の場合にも蓋体Ｂは容器本体Ａの側壁外面
に突設した拘止部に収納され、該拘止部に設けた
スライド溝にピン６，６が係合して上下にスライ
ドし、容器本体Ａの開口部を開閉するものであ
る。

（考案の効果） 以上に述べた如く、本考案は、容器本体と、該
容器本体の開口部を覆う蓋体とからなる蓋付き運
搬容器に関するものであつて、容器本体の側壁外
面の両端部に蓋体を収納する拘止部を設け、該拘
止部には上下に連通したスライド溝を設けて、該
スライド溝に蓋体に突設したピンを係合させたも
のである。

従つて、容器本体内に内容物を収納した後、蓋
体を閉じる場合には、蓋体を側壁の上縁部まで持
ち上げ、しかる後蓋体を容器本体の内側に回転さ
せるだけで極めて簡単に行なえる。また、この状
態から蓋体を開く場合には、蓋体を垂直になるま
で起こし、次いで蓋体を側壁に沿わせ落し込むと
ピンがスライド溝に案内され、蓋体は拘止部に収
納される。

この様に、本考案の蓋付き運搬容器は、狭い場
所でも蓋体の開閉操作を極めて簡単に行うことが
できると共に蓋体は容器本体の側壁外面のスライ
ド溝を摺動させるようにしたので、容器内の収納
物品が側壁内面に接した状態で溝に収納されてい
ても、蓋体はこの収納物品に邪魔されることな
く、自由に上下に摺動させることができ、また収
納物品がスライド溝に挟まれることがなく、たと
え異物が付着したり、摺動部に異常が生じた場合
であつても異状状態の確認が迅速に行え、異状状
態の手直しも極めて容易に行えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す容器本体と蓋
体との展開斜視図、第２図は容器本体の側壁外方
に蓋体を収納した状態を示す要部平面図、第３図
は本考案の他の実施例を示す蓋体の斜視図であ
る。 Ａ……容器本体、Ｂ……蓋体、１，２……側
壁、３……拘止部、３１……スライド溝、４……
半割板、５……単板、６……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面が開口した角型の容器本体Ａと、該容器本
   体Ａの上面開口部を覆う蓋体Ｂとからなり、前記
   容器本体Ａの側壁１の外面に蓋体Ｂを収納できる
   拘止部３，３を突設すると共に、該拘止部３には
   上下に連通したスライド溝３１を設け、該スライ
   ド溝３１に蓋体Ｂの下端両側縁に突設したピン６
   をスライド自在に係合させ、蓋体Ｂを側壁１の上
   縁部まで持ち上げスライド溝３１，３１の上端部
   に係合したピン６，６を中心として内側に回転さ
   せた際に、蓋体Ｂが容器本体Ａの開口部を覆うよ
   うにしたことを特徴とする蓋付き運搬容器。