JPH034753Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、エンジンの側端部に設けられた冷却
フアンにより冷却風を取入れるようにしてなるエ
ンジンの冷却構造に関し、特に草などの異物が侵
入し難いように改良されたエンジンの冷却構造に
関する。

＜従来の技術＞ 従来、汎用小型エンジンとしての空冷エンジン
にあつては、冷却フアンにより冷却風を取入れ、
その冷却風をフアンカバーなどによりシリンダ外
周部へ導いてエンジンを冷却するようにしている
ものが多い。

ところで、上記したような汎用小型エンジンを
用いた草刈り機などにあつては、刈取つた草など
の異物が冷却風と共に吸引され易く、冷却風取入
れ口などに詰まると冷却効果などが減少してエン
ジンの性能が低下するなどの不都合を生じる場合
がある。

そこで、冷却風取入れ口に、冷却フアンと一体
的に回転しかつ多数の小孔を有するスクリーング
リツドを設け、刈取つた草などの異物を排除する
ようにすることも考えられるが、このような構造
に於ても効果的な異物の排除及び目詰りの防止が
困難であつた。

＜考案が解決しようとする問題点＞ このような従来技術の問題点に鑑み、本考案の
主な目的は、冷却フアンにより冷却風を取入れる
形式のエンジンに於て、冷却風と共に侵入する異
物を効果的に排除し得る改良されたエンジンの冷
却構造を提供することにある。

＜問題点を解決するための手段＞ このような目的は、本考案によれば、エンジン
に冷却風を取入れるべく該エンジンの側端部に設
けられた冷却フアンと、該冷却フアンと同軸的か
つ一体的に取付けられ、複数の小孔を有するスク
リーングリツドとを有するエンジンの冷却構造で
あつて、前記スクリーングリツドが、前記冷却風
の流入してくる側の面に回転中心近傍から外周部
に向けて放射状に複数配設されたフアンを有する
ことを特徴とするエンジンの冷却構造を提供する
ことにより達成される。

＜作用＞ このように、冷却フアンと同軸的かつ一体的に
回転可能なスクリーングリツドにフインを回転中
心近傍から外周部に向けて放射状に設けることに
より、半径方向外向きに流れる風が生じ、冷却風
と共に入込む異物を、風の流れにより入込みにく
くすると共に回転するフインにより跳ね飛ばし、
スクリーングリツド部にて好適に排除することが
できる。

＜実施例＞ 以下に添付の図面を参照して本考案を特定の実
施例について詳細に説明する。

第１図は、本考案に基づく冷却構造を有する小
型汎用エンジンの全体を示す分解図である。

エンジン１の側方に突出する出力軸２にはフラ
イホイール３が一体的に回転するように枢支され
ている。フライホイール３の外周面にはギヤ部４
が形成されており、ギヤ部４と噛合し得るセルモ
ータ５がエンジン１本体に固設されている。

フライホイール３の外側から冷却フアン６が、
フライホイール３と一体的に回転するように、図
示されないボルトにより固着され、更にその外側
からスクリーングリツド７が、出力軸２の遊端部
に形成された小径部２ａに嵌装され、最遊端部に
形成されたねじ部２ｂに螺合するナツト８により
出力軸２と一体的に固着される。そして、それら
の外側からフアンカバー９によりフライホイール
３、冷却フアン６、スクリーングリツド７が覆わ
れる。

第２図は、本考案に基づく冷却構造の要部断面
図であるが、第１図及び第２図に良く示されるよ
うに、スクリーングリツド７には軸方向に穿設さ
れた多数の小孔１１が設けられていると共に、冷
却風の流入する側の面７ａには４枚のフイン１２
が放射状に90゜等間隔にて、回転中心近傍から外
周部に至るまで湾曲して取付けられている。フイ
ン１２は例えばゴム樹脂からなり、その両端部に
設けられた係合突部１３によりスクリーングリツ
ド７の所定の位置に穿設された孔に係着してい
る。

スクリーングリツド７はフイン１２が取付けら
れた面７ａを軸線方向外向きに若干突出するよう
に形成されており、その外周部には鍔１５が半径
方向外向きに一体に形成されている。また、フア
ンカバー９がフライホイール３及び冷却フアン６
を外囲するように設けられており、その開口端部
９ａがフイン取付面７ａの外周近傍部まで達し
て、鍔１５を覆うように開設されている。即ち、
スクリーングリツド７はそのフイン取付面７ａを
開口部８ａから突出していることになる。尚、上
記面７ａを覆うように、図示されない防護網が設
けられている。

このようにして構成されたエンジンの冷却構造
に於ては、セルモータ５によりエンジン１が始動
して回転すると、冷却フアン６も回転し、第２図
に示されているように、冷却風がエンジン１側に
向けて矢印Ａで示す向きに取入れられる。この
時、草などの異物が冷却風と共に吸引される場合
があるが、スクリーングリツド７が回転している
ため、一体的に回転するフイン１２により矢印Ｂ
で示す向きに風の流れが生じている。そのため、
上記異物は風の流れにより入込みにくくなると共
に回転するフイン１２により跳ね飛ばされるた
め、好適に外方へ排出されることとなる。

＜考案の効果＞ このように本考案によれば、スクリーングリツ
ドにフインを配設するのみで、スクリーングリツ
ドよりエンジンに向けて侵入する異物を好適に排
出することができるばかりでなく、冷却風量を減
少することなく上記効果を奏することができるた
め、その効果は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に基づくエンジンの冷却構造
を用いた汎用小型エンジンの全体を示す分解斜視
図である。第２図は本考案に基づくエンジンの冷
却構造を示す要部断面図である。 １……エンジン、２……出力軸、２ａ……小径
部、２ｂ……ねじ部、３……フライホイール、４
……ギヤ部、５……セルモータ、６……冷却フア
ン、７……スクリーングリツド、７ａ……面、８
……ナツト、９……フアンカバー、９ａ……開口
端部、１１……小孔、１２……フイン、１３……
係合突部、１４……孔、１５……鍔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エンジンに冷却風を取入れるべく該エンジンの
   作動により回転する冷却フアンと、該冷却フアン
   と同軸的かつ一体的に取付けられ、複数の小孔を
   有するスクリーングリツドとを有するエンジンの
   冷却構造であつて、 前記スクリーングリツドが、前記冷却風の流入
   してくる側の面に回転中心近傍から外周部に向け
   て放射状に複数配設されたフインを有することを
   特徴とするエンジンの冷却構造。