JPH0347529A - カプセル化粒子の製造方法 - Google Patents

カプセル化粒子の製造方法

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JPH0347529A
JPH0347529A JP1180392A JP18039289A JPH0347529A JP H0347529 A JPH0347529 A JP H0347529A JP 1180392 A JP1180392 A JP 1180392A JP 18039289 A JP18039289 A JP 18039289A JP H0347529 A JPH0347529 A JP H0347529A
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toner
shell material
dispersion
water
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JP1180392A
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English (en)
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Yasuhisa Akashi
恭尚 明石
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野] 本発明は、電子写真法、静電印刷法、磁気記録法などに
用いられるマイクロカプセル型トナーのカプセル化粒子
の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、電子写真法、静電印刷法、磁気記録法などに用い
られるトナーとしては、主としてバインダーとしての樹
脂に染顔料、あるいは必要に応じて磁気材料を分散、混
練した上で、粒径が5〜30μmの微粒子に粉砕したも
のが用いられている。
このようなトナーに要求される特性としては、現像性、
定着性、耐久性、安定性、環境特性等に優れていること
であり、一種の材料でこれらすべての特性を満足させる
ことは極めて困難であるが、機能分離型トナーすなわち
定着性の良好な材料を芯材材とし、その周囲を現像性に
優れた材料で被覆する、いわゆるマイクロカプセル型ト
ナーを用いることにより上記の課題を解決することがで
きる。このようなマイクロカプセル型トナーとしては、
特公昭54−8104号公報等に開示されているように
、軟質物質を芯材材とし、その周囲を硬質樹脂で被覆し
たマイクロカプセル型トナーが提案されている。
また、マイクロカプセル化技術としては、従来より色々
の方法が提案されている(例えば、近藤保著、「マイク
ロカプセル」、三共出版、1977、等)。主だった方
法としては、スプレードライヤー法、静電合体法、液中
乾燥法、界面重合法、相分離法、1n−situ重合法
があり、これらを単独あるいは組みあわせた方法等が取
られている。
カプセル化の工程においてスプレードライヤ法、すなわ
ち、殻材料を溶解あるいは分散させた溶液中に芯粒子を
分散させ、二流体ノズルまたはディスクアトマイザ−を
用いて分散液を吐出させ、芯粒子表面に殻材料を被覆す
る方法を行なった場合、粒子同士が合体して、粗大粒径
のカプセルトナーが得られたり、殻材料のみから成るフ
リーシェルと呼ばれる粒子が副生されることもある。ま
た、界面重合法を用いた場合には、重合に時間を要し、
トナー同士の合一が生じ、生産性が低下する。更にこの
方法では利用できる材料の選択の幅が非常に狭いため、
得られたカプセルトナーとしての特性、例えば摩擦帯電
特性等を適切にコントロールすることが極めて困難にな
る。
殻材料に対し、十分な溶解性を示すいわゆる「良溶媒」
を用いて殻材料を溶解させた溶液中に、実質的に殻材料
を溶解し得ない非溶媒を添加することにより、良溶媒中
に分散あるいは溶解している殻材料を析出させ、芯粒子
表面上に被覆させる相分離法では、良溶媒中に芯粒子を
分散させる工程において、芯粒子を構成しているバイン
ダーが、該良溶媒に溶解しないことが必須である。もし
芯材料の一部が良溶媒に溶解した場合には、得られる殻
膜中に芯材料が混入し、トナーの摩擦帯電特性の不安定
化、およびトナー担持体であるスリーブの汚染などを招
く、更には殻材料が非溶媒の作用で析出する際に副生ず
る摩擦帯電特性の高い前記フリーシェルが、現像工程に
おけるカブリやスリーブ上のトナー層のムラ等の発生原
因となりやすい、このように相分離法を用いたカプセル
化法においては、殻材料に対する良溶媒および非溶媒の
選択が極めて重要である。すなわち、これらの選択を誤
ると、殻材料の析出点が早すぎた場合、製品の安定性お
よび再現性が乏しくなり、逆に析出点が遅すぎると製造
装置が大きくなり、かつ芯粒子に対する溶媒量が大きく
なるため、生産性の低下を招き、溶媒の回収利用も困難
となる。
更には相分離法における温度制御も極めて微妙かつ複雑
なものになり、殻材料析出終了後、分散液からカプセル
粒子を取り出す、濾過工程の段階で、トナー層が固まり
、いわゆるケーキングが生じてしまうことがある。
〔発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上記問題点を解決した優れたトナー用
マイクロカプセル化粒子の製造方法を提供することにあ
り、特に相分離法を用いて製造する際に、濾過工程にお
けるケーキングの発生を防止し、トナーの凝集または合
一することなく、被覆の完全性が高く、フリーシェルの
発生を抑制した、機能分離性に優れたトナー用のマイク
ロカプセル化粒子を再現性よく生産する製造方法を提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結
果、相分離法によるカプセル化において、水と相溶性の
ない殻材料の、水および該殻材料と相溶性の有る有機溶
媒から成る溶液中に、予め水系媒体中で形成せしめた芯
粒子を分散させ分散液を得る分散工程、該分散液から殻
材料を析出させる析出工程、該殻材料を析出させた分散
液を濾過して、該カプセル化粒子を取り出す濾過工程か
らなるカプセル化粒子の製造に際し、分散工程における
溶液中の水と有機溶媒の重量比率(X)としたとき、濾
過工程における分散液の水と有機溶媒の重量比率(Y)
が(X)の1.5〜10倍となるように水の量を調整し
て行なうことにより達成し得ることを見出した。
以下、本発明の詳細な説明する。以下の記載において量
比を表わす「%」および「部」は特に断わらない限り重
量基準とする。
本発明に用いられる芯粒子を構成する芯物質としては、
ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン、パラフィン
、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸金属
塩、高級アルコールなどのワックス類;エチレン−酢酸
ビニル樹脂、環化ゴムなどが、単独でもしくは2種以上
混合して、又は反応によりこれらの芯物質を与える原料
として使用できる。
本発明において、より好ましく用いられる芯物質として
は、 (a)印加重量がlOgで15秒秒間型を保持せしめた
ビッカース硬度が2〜8 kg/mm”である硬度付与
作用を有する樹脂、 (b) 20℃における臨界表面張力が15〜40dy
ne/cmである離型性付与作用を有する樹脂、(c)
圧縮弾性率が0.1〜50kg/mm”である定着性付
与作用を有する樹脂、 のうち少なくとも2種の樹脂を含む混合物を、予めラジ
カル発生剤の存在下にて熱処理せしめた熱処理物を含む
結着樹脂が挙げられる。
ここで用いられる (a)の硬度付与作用を有する樹脂
としては、印加重量が10gで15秒秒間型を保持せし
めたビッカース硬度が2〜8 kg/mm”を示す物質
が好ましく用いられる。
ここに硬度付与作用とは、■−旦得られた芯粒子をカプ
セル化する際、印加される外力に対し、芯粒子の形態変
化、破砕を抑制すること、■得られたカプセルトナーに
於いては、トナーの充填工程又は放置中にトナーに印加
される外力に対し、抵抗性を付与すること、且つ、■現
像工程における所望の磁界下に於いて、トナー担持体た
るスリーブの回転に伴なうスリーブ・トナー間、スリー
ブ・ブレード(トナー層厚規制手段)間、トナー・トナ
ー間での抵抗力を付与すること、又は■転写工程後に於
いて潜像担持体たるドラム上に残存するトナーをクリー
ニングする際、クリーニング部材とドラムとの間の摺擦
に対し、適度の強度を付与することをいう。
本発明においては、ビッカース硬度は、明石製作所製微
小硬度計(MVK−F)を用いて測定することかできる
。硬度測定方法はJIS Z2244に準拠したもので
あり、この方法においては、印加重量が10gで所要時
間が15秒となるように負荷速度を設定し、試験温度を
23±5℃にて測定する。
このような硬度付与作用を有する樹脂の具体例を挙げれ
ば、ビッカース硬度が2〜8 kg/mm2のもの、例
えばカルナバワックス(ビッカース硬度Hv=3.6k
g/mm” ) %キャンデリラワックス(Hv=4.
8kg/mm” )等の天然ワックス類、ポリエチレン
ワックス等の合成ワックス類がある。
仮にビッカース硬度が2 kg/mm”未満である樹脂
を用いた場合には、現像工程において、スリーブとトナ
ーとを相対的に移動せしめる外力によりトナーが破壊さ
れ、スリーブ上にトナー癒着が生じる。その結果、トナ
ーとスリーブ間に働く本来の機能、例えば十分な摩擦帯
電の発生、及びトナー粒子相互の凝集を防ぐ働きが減少
し、スリーブ上のトナー屡の塗布ムラの原因になる。一
方、ビッカース硬度が8 kg/mm”を超える硬度付
与作用を有する樹脂を用いた場合には、トナーの圧力定
着性が不十分となる。
特に好ましい硬度付与作用を有する樹脂としては、酸価
が0〜2(より好ましくは0〜1)の範囲にあるカルナ
バワックスが好ましく用いられる。
仮に酸価が2を超えるカルナバワックスを用いると、分
散剤存在下で水系分散媒中にて芯材を微粒化せしめる際
、カルナバワックスが自己乳化するため、芯粒子として
極めて広い粒度分布をもつものしか得られない。
更に、カルナバワックスは極めて硬度が高く、比較的溶
融粘度が低いため、微粒化に必要な攪拌動力が小さくて
すみ、通常用いられる攪拌装置を用いた場合も、目的と
する微粒化が良好に達成できる。
カルナバワックスの更に好ましい点は、芯粒子形成時に
おいて、用いる磁性体を内包する作用が極めて良好なこ
とである。
一方、本発明に用いられる (b)の離型性付与作用を
有する樹脂としては、臨界表面張力が20’Cにおいて
15〜40dyne/cmを示す樹脂が好ましく用いら
れる。その具体例を挙げれば、ポリフッ化ビニル(臨界
表面張カニγc =28dyne/am ) 、テフロ
ン(γc=18.5)、ポリエチレン(γc =31)
 。
ポリイソブチン(γc =27) 、エチレン−プロピ
レン共重合体(γc =28) 、エチレン−テトラフ
ロロエチレン共重合体(γc=26〜27)、エチレン
−ビニルアセテート共重合体(γc =37) 、イソ
ブチン−イソプレン共重合体(γc =27) 、ポリ
プロピレン(γc=29〜34)、ポリメチルメタクリ
レート(γc =39) 、ポリ塩化ビニル(γC=3
9)等がある。特にγCC旬月5〜0dyne/cmの
もの、例えば、ポリフッ化ビニル、テフロン、ポリエチ
レン等が好ましい。
仮に臨界表面張力が15dyne/cm未満である離型
性付与作用を有する樹脂を用いた場合には、芯物質中に
含有される (a)の硬度付与作用を有する樹脂、(C
)の定着付与作用を有する樹脂、及び殻材料との間に十
分なる相互作用が発揮されず、芯物質の均一分散性、更
には外力に対する芯粒子と殻膜との眉間剥離性に対し効
果が期待できない。他方、臨界表面張力が40dyne
/amを超える離型性付与作用を有する樹脂を用いた場
合には、吸水性が高いため、高湿下に於いて画像濃度の
低下及びドラム上のトナー膜形成(フィルミング)が生
じ易くなる。更に湿式にて芯粒子を形成せしめる際には
、芯粒子の自己乳化が生じ、芯粒子として著しく粒度分
布の広いものしか得られない。
更に、本発明において (c)の定着性付与作用を有す
る樹脂としては、圧縮弾性率が0.1〜50kg/mm
2を示す樹脂が好ましく用いられる。
本発明において、この圧縮弾性率は、JIS−に720
Bに準拠し測定することができる。測定条件は以下の通
りである。すなわち、島津製作所■製島津オートグラフ
DC3−2000を用い、直径12mm高さ30mmに
成型された試料片を加圧面に置き、試験速度毎分9mm
で加圧せしめ、得られた圧縮応力−歪曲線の始めの直線
部分の勾配から圧縮弾性率を算出する。
本発明に好ましく用いられる定着性付与作用を有する樹
脂の具体例としては、パラフィンワックス、ポリアミド
樹脂、ミクロクリスタリンワックス、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等が挙げられる。特に好ましくは圧縮弾性
率が0.1〜50kg/+m”のもの、例えば、パラフ
ィン155(日本精蝋社製;圧縮弾性率E = 10k
g/mm”) 、S P O145(日本精蝋社製: 
E = 15kg/mm”) 、ポリマイド S−4Q
E (三洋化成社製; E = 12kg/mm”) 
、ミクロクリスタリンワックス(日本ケミカル社製;E
=26kg/mm”)がある。
この定着性付与作用を有する樹脂は、トナーの未定着画
像を定着器で被定着物に定着する際、トナーが定着器か
らの応力に十分感応し易いようにする作用を有する事が
必要である。しかしながら、トナーが外力に対し過度に
変形しすぎると、被定着物の内部まで変形が及ぶため、
トナーと被定着物との間の界面強度は増加するが、布、
消しゴム等による摺擦に対しては、定着画像の耐久性が
逆に弱くなる。
仮に圧縮弾性率がO,1kg/mm”以下である定着性
付与作用を有する樹脂を用いた場合には、画像が「つぶ
れ」たり、「にじみ」を生じたりする。他方、圧縮弾性
率が50kg/mm”を超える定着性付与作用を有する
樹脂を用いると、定着物が被定着物から「はがれ」ろな
と、定着性能が著しく低下する。
本発明に用いられる硬度付与作用、離型性付与作用、定
着性付与作用を有する樹脂の結着樹脂中の含有量として
は、芯物質中の全結着樹脂を100部として、樹脂(a
)が5〜60部、好ましくは10〜50部、樹脂(b)
が5〜60部、好ましくは10〜50部、樹脂(c)が
20〜90部、好ましくは20〜80部の比率である事
が好ましい。
本発明においては、前記したように上記の (a)硬度
付与作用、(b)離型性付与作用、(C)定着性付与作
用を有する樹脂の3成分のうち、少なくとも2種の樹脂
を含む混合物をラジカル発生剤の存在下にて熱処理して
芯物質の結着樹脂とすることが好ましい。
この熱処理により生起する反応は、ラジカル発主剤ある
いは加熱により発生するラジカルによる水素引き抜き反
応、分子内あるいは分子間の架橋反応等のラジカル反応
である。ラジカル発生剤を作用させる場合、樹脂を溶解
する有機溶媒の如き溶剤の非存在下で行なうことが、上
記熱処理を行う上で好ましい。
ラジカル発生剤として重合開始剤を使用する方法は、ラ
ジカルの発生が比較的低い温度で、容易且つ確実である
ので好ましい。
重合開始剤としては、ペルオキシド化合物(下記第1表
にその具体例を示す。)、クメンヒドロペルオキシドな
どのヒドロペルオキシド類;ジーtert−ブチルペル
オキシドなどのアルキルペルオキシド:ベルオクソ硫酸
カリウム、ベルオクソ硫酸アンモニウム、過酸化水素、
2.3−アゾビスイソブチロニトリル等のいわゆるラジ
カル重合開始剤が好適に用いられる。
安全性、入手しやすさ、反応性の良好な点からは、過酸
化水素、n−ブチル−4,4−ビス(tert−プチル
パーオキシバレエート)(例えば日本油脂■製パーへキ
サV) が特に好ましい。
本発明において、ラジカル発生剤の存在下で熱処理を施
すことにより、従来では全く予想されなかった特徴、つ
まり芯物質中に含有される硬質付与作用成分、離型性付
与作用成分さらに定着性付与作用成分等の相分離、及び
経時変化に伴なう成分の移行が防止でき、結果的に機械
的、電子写真特性的に均一な芯粒子を生成させることが
可能となる。
本発明においては、上記芯物質を用い水系媒体中で芯粒
子を造粒せしめる方法が有効である。特に分散剤を利用
し造粒することが効果的であり、水系媒体中にて用いる
離水溶性分散剤は、得ようとする芯粒子に対し十分に小
さな粒径を有する事が有効である。つまり分散剤の粒径
が非常に小さいと、分散剤粒子表面がエネルギー的に著
しく活性化されているため、分散剤粒子の芯粒子表面上
への選択的付着性が増大する。
本発明において、水等の極性溶媒を芯粒子の分散媒体と
して用いる場合に於いては、分散剤にも極性の強い官能
基を具備させる事が有利であり、これら分散剤が芯粒子
表面上を占有する事で、イオン的能力相互作用により、
更に所望する芯粒子の微粒化が可能となる。又、このよ
うな官能基を有効に生かす事により、例えば必要としな
い時には、分散剤を除去せしめる事も期待される。つま
り、所望の粒径を得ようとした場合には、難水溶性分散
剤の添加量を任意に選択する事で可能となる。
しかしながら、このように選択された分散剤を用いただ
けでは、芯粒子表面上にのみ選択的に且つ均一に分散剤
が付着するとは限らず、均一な粒子を得ようとするには
不十分な場合がある。分散剤を芯粒子表面上に均一に付
着させるためには、微粒化しようとする芯物質中に、該
分散剤として、水系媒体中にて解離し誘起する電荷と反
対電荷を誘起せしめるカチオン性付与化合物、またはア
ニオン性付与化合物を組み合わせる事が好ましい。
例えば、水中でアニオンとして解離しつる分散剤の代表
例としてはシリカ、ベントナイト等があり、これに対す
るカチオン性付与化合物としては一般に疎水性アミンが
用いられる。特に好ましくは、芯物質に含まれる他の成
分と十分相溶性の高いカチオン性付与化合物として、長
鎖の脂肪族アミン、又はポリエチレンとアミン基を含有
するモノマーから生成せしめたグラフト用化合物等があ
る。具体的にはデュオミンT(ライオン・アーマ−社)
、ポリエチレンワックスを加熱溶解せしめた後、アミノ
基含有ビニル単量体とラジカル開始剤とを含む非プロト
ン性極性溶媒を加入、再び加熱する事により得られたア
ミノ変性ワックス等がある。
他方、水中でカチオンとして解離しつる分散剤としては
、例えば酸化アルミニウムがある。これに対するアニオ
ン性付与化合物としては、疎水性長鎖脂肪族カルボン酸
、例えばステアリン酸、オレイン酸等がある。又長鎖脂
肪族ジカルボン酸、無水カルボン酸例えばCaα−オレ
フィンと無水マレイン酸との反応物、またはその半エス
テル等がある。
本発明に用いられる芯粒子は、上述したような芯物質を
用い、各種製法により製造することが可能である。この
ような芯粒子製造法としては、例えば、直流電圧を印加
し、ディスクアトマイザ−から芯物質を吐出させる特開
昭58−216736号公報記載の方法を用いる静電霧
化方法、二流体ノズルを用い芯粒子を形成させる特開昭
59−120263号公報記載の溶融スプレ一方法、水
系媒体中で造粒する特開昭59−127G62号公報記
載の懸濁造粒法が好ましく用いられる0本発明に於いて
は、前記したごとく、芯物質を水系媒体中で造粒し、芯
粒子を製造する方法を用いることが、粒度分布がシャー
プになる点から好ましいが、芯粒子製造法は、このよう
な製造方法に限定されるものではない。
本発明に用いられる芯粒子の平均粒径は、体積平均粒径
として、0.4〜99μm、更には4〜19μmが好ま
しい。
本発明においては、磁性カプセルトナーな製造するため
には、芯物質中に、磁性粒子を含有させる。
芯物質中に含有せしめる磁性物質としては、鉄、コバル
ト、ニッケル或いはマンガン等の強磁性の元素及びこれ
らの元素を含むマグネタイト、フェライト等の合金、化
合物などである。この磁性物質を着色剤(の全部又は一
部)と兼用させてもよい、更に、この磁性物質の粒子は
、各種疎水化剤(例えばシランカップリング剤、チタン
カップリング剤)、界面活性剤等により処理されていて
もよい、この磁性物質の含有量は、芯物質中の全ての樹
脂100部に対して、15〜180部(更には50〜1
50部)が好ましい。
本発明の芯物質中には、着色剤を磁性物質と併用して用
いる事もできる。このような着色剤としては、例えば、
各種のカーボンブラック、アニリンブラック、ナフトー
ルイエロー、モリブデンオレンジ、ローダミンレーキ、
アリザリンレーキ、メチルバイオレットレーキ、フタロ
シアニンブルー、ニグロシンメチレンブルー、ローズベ
ンガル、キノリンイエロー等が挙げられる。
着色剤の添加量は、芯物質の結着樹脂100部に対し、
 0.1〜20部が好ましい。
更に、これら芯物質の結着樹脂と磁性物質(必要に応じ
て着色剤)とからなる芯物質の溶融混合物の、 120
℃におけるすり速度10sec−’で測定したみかけ粘
度は、すり速度0.5sec−’で測定したみかけ粘度
の175以下であることが、トナーの定着性、製法上か
ら望ましい。
このように、すり速度が早くなると、みかけ粘度が低く
なることは、一般にチキソトロピー性と呼ばれるが、こ
のチキソトロピー性の高い芯物質は、圧力定着時の圧力
ローラー間におけるすりによるトナーの変形を助長し、
定着性を向上させる。
又、後記するように、この芯物質を溶融混線後、水系媒
体中に投入して、乳化剤等の存在下にてホモミキサー等
による強力な剪断力を付与することにより造粒する方法
においては、該剪断時、芯物質のみかけ粘度が低くなる
ことによって、造粒性が向上し、一方、剪断後は、みか
け粘度が高くなることにより、粒同士の合一や、粒子内
部の着色剤、磁性体等の凝集、偏りが抑制される。
粘度の測定方法においては各種の粘度計が用いられるが
、本発明では回転二重円筒(ローター)型粘度計を用い
ている。
ローター型粘度計の場合、すり速度りは次式により求め
られる。
Rc:カップ半径(cm) Rb:ローター半径(am) ω:ローター回転角速度 N:回転数(rpm) また、すり応力Sは、 S= M/2πRb”h(h:
ローター高さ(cm) 、  M:粘性トルク)であり
、粘度ηはη=S/D  (η;粘度)であるから、粘
度計のローターの形状からトルクを測定すれば、すり速
度、粘度を知ることができる。
また、一般に圧力定着性を有する結着樹脂は、比較的低
溶融粘度のため、溶融混線時、着色剤、磁性体等の顔料
と結着樹脂との間でのシェア(剪断力)が働かず、この
ため顔料の結着樹脂中への分散が不十分となり易い傾向
がある。その結果、トナー粒子内部に着色材料が存在し
ない粒子、あるいはトナー粒子中の着色材料が偏在する
粒子が多数生成し、これがトナーとしての性能を低下さ
せ、ひいてはトナーの画像性、耐久性、安定性などに悪
影響をおよぼす傾向がある。
従って、トナー粒子中の顔料粒子(磁性体粒子を含む)
の粒径は、5μm以下、好ましくは2μm以下になるよ
うに分散させることが望ましい、このために、従来トナ
ー成分の溶融分散法として用いられていた二本ロール、
二軸型押出機ニーダ−などよりも、メディアを用いた、
アトライター類、ボールミル類、サンドミル類により、
充分長い時間溶融混線、分散することが望ましい。
顔料物質の分散の程度を見るためには、トナーをエポキ
シ樹脂などの包埋樹脂中に分散させ硬化した後に、ミク
ロトームなどで超薄切片にし、透過型の電子顕微鏡で観
察することにより知ることができる。又、粒度ゲージ(
例えばグラインドゲージ、ヨシミツ精機株式会社製■型
)を用いることによっても、顔料物質の分散性を知るこ
とができる。
一方、本発明に用いられる殻材料としては、相分離法に
用いられる溶媒に対して十分な溶解性と、溶媒を除去し
た際良好な成膜性を有する必要性から、樹脂特性として
数平均分子量が5000〜40000 、更には100
00〜30000を有し、交錯成長の発生しない高分子
化合物が好ましく利用できる。一般的には、モノマーを
組み合わせた共重合体が好ましく利用できる。具体的に
は、以下にあげるようなモノマーからなるホモポリマー
、コポリマーの如き樹脂がある。
スチレン(St) 、p−クロルスチレン、p−ジメチ
ルアミノ−スチレンなどのスチレン及びその置換体;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル
、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル
、メタクリル酸n−ブチル(BMA)、メタクリル酸N
、N−ジメチルアミノエチルエステル(DM) 、アク
リル酸N、N−ジメチルアミノエチルエステル、メタク
リル酸N、N’−ジエチルアミノエチルエステル(DE
) 、アクリル酸N、N−ジエチルアミノエチルエステ
ル、メタクリル酸2−ピペリジノエチルエステル、アク
リル酸2−ピペリジノエチルエステル、メタクリル酸2
−メチルアミノ−2−メチル−1−プロパツールエステ
ル、アクリル酸2−メチルアミノ−2−メチル−1−プ
ロパツールエステル、などのアクリル酸あるいはメタク
リル酸のエステル又はエステル誘導体;無水マレイン酸
(MA)あるいは無水マレイン酸のハーフエステル、ハ
ーフアミドあるいはジエステルイミド、ビニルピリジン
、ビニルカルバゾール、5−エチル−2−ビニルピリジ
ン、2−メチル−5−ビニルピリジン、N、N−ジビニ
ルアニリン、トランス−1,2−ビス(2−ピリジル)
エチレン、2−ビニルキノリン、 2−(N、N−ジメ
チルアミノ)−4−ビニルピリミジン、4−ビニルピリ
ミジン、3−シンナモイルピリジン、4−メタクリルオ
キシベンジリデンアニリン、ジアリルメラミン、2.4
−ジメチル−6−とニル−トリアジン、 4.6−ジア
ミツー2−ビニルトリアジン、N−ビニルイミダゾール
等の含窒素ビニル;ビニルホルマール、ビニルブチラー
ル等のビニルアセタール;塩化ビニル、アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル等のビニルモノマー:塩化ビニリデン、
フッ化ビニリデン等のビニリデンモノマー−エチレン、
プロピレン等のオレフィンモノマーである。又、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリスルホネート、ポリア
ミド、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ樹脂、ロジ
ン、変成ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪
族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、メラミ
ン樹脂、ポリフェニレンオキサイドの様なポリエーテル
樹脂、或いはチオエーテル樹脂等の単独重合体、或いは
共重合体、若しくは混合物が使用できる。
また、本発明に用いられる溶媒としては、以下のような
条件(1)〜(4)のうち1つ以上を具備するものが好
ましい。
(1)殻材料が、酸性化剤(あるいは塩基性化剤)の存
在化で、プロトン付加体(あるいは解離体)を安定して
形成できる溶媒であることが好ましい。つまり、酸性化
剤(あるいは塩基性化剤)の添加で、殻材料が水系媒体
中に完全に可溶化できる極性の強い溶媒であることが好
ましい。
本発明において、極性の強い溶媒とは、十分水と混合し
得る、溶解度パラメーター(「ポリマーハンドブック」
第2版■337〜359に記載)が11.0以上の溶媒
を意味する。
(2)殻材料が不溶化する際の溶液の粘度を実質的に増
大させない溶媒である事が好ましい、殻材料析出時の粘
度が増加する溶媒を用いた系に於いては、この系の攪拌
が十分に行なわれなくなり、結果として、析出した殻材
料粒子が芯粒子表面に選択的に凝集できず、独立に殻材
料粒子のみからなるフリーシェルが多数副生ずると共に
、凝集・合一したカプセルトナーの割合が増大する。
(3)溶媒の回収再利用の面から、低沸点溶媒が好まし
い。
(4)芯材材を実質的に溶解しない溶媒である事が好ま
しい。
つまり、芯粒子を水系媒体中に分散せしめる際、芯材材
が可溶化すると、次の工程で殻材料が析出する際、磁性
粒子(または着色剤等)を含まない芯材材を核としてカ
プセル化されたトナーが副生したり、可溶化した芯材材
が、殻材料の析出する初期に発生する微少な油滴な不安
定化させるため、芯粒子を含まないフリーシェルが副生
し易い。
本発明において好ましく用いられる溶媒の具体例を下記
第2表に示す。本発明に於いては、水のみからなる単一
溶媒を用いてカプセル化する事が最も好ましいが、上記
した条件を満たすには、通常、水と低級アルコールから
構成される混合溶媒系が特に好ましく用いられる。この
場合、水と低級アルコールとの混合比率は、用いる殻材
料の特性に大きく左右されるが、一般に、水に対する低
級アルコールの重量比(低級アルコールの重量/水の重
量)を (E)とし、殻材料の数平均分子量を10、0
00で割った値を (N)とした場合、これらの配合比
(DJが D=E/N=0.05〜6 の範囲に含まれるように混合されることが好ましく、更
には、D=0.1〜4となるような割合で混合される事
が特に好ましい。
第2表極性溶媒の具体例 上記配合比(D)が0.05より小さい場合には、水系
媒体に可溶化する殻材料が規制され、特に溶解性の面か
ら高分子量の樹脂が利用できない。更には、−旦酸性化
剤の助けで可溶化した殻材料が、(好ましくは塩基性化
剤の働きで)析出する際の殻材料溶液の粘度が極めて高
くなり、十分な攪拌が行なわれず、フリーシェル及び合
一されたトナーが発生し易くなる。
一方、配合比(D)が6より大きい場合には、殻材料が
析出する際の溶液の粘度は低くなり、攪拌への負荷は軽
減されるが、逆に殻材料の膨潤や一部可溶化が生じ、カ
プセル化後に於いても、殻材料が固化し難く、後処理工
程が極めて複雑化する。更には、析出する殻材エマルジ
ョン粒子の安定性が乏しく、選択的に芯粒子表面への吸
着が行なわれにくくなり、容器等への殻材料の機械付着
が発生し易くなる。
磁性体を含有する芯粒子に対し使用される溶媒量は、少
ない程生産性の面から好ましいが、溶媒100部に対し
、芯粒子が通常10〜50部の範囲で、カプセル化が実
施されることが好ましい。
本発明に於いては、殻膜を平滑化するため、他の極性溶
媒を水系媒体中に更に添加する事も可能である。このよ
うな他の極性溶媒としては、例えば、エチレングリコー
ルジアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル
、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセ
ロソルブ類ニアセトニトリル、ジオキサン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチル尿素等の極性非プロトン供与性溶媒等が
利用できる。
本発明において、水系媒体中に酸性化剤(あるいは塩基
性化剤)の助けで可溶化される殻材料の濃度は、通常水
系媒体100部に対し、 0.5〜20部(特に好まし
くは1.0〜IO部)の濃度で用いることが好ましい。
上記殻材料濃度が0.5部未満の場合、製造装置が大き
くなり、更に溶媒回収に多大の負荷がかかる。一方、該
殻材料濃度が20部を越えると、殻材料が析出する時に
溶液の粘度が増大して十分攪拌することができず、フリ
ーシェルが増加するのみならず、合一したトナーも多数
発生する。
本発明に於けるカプセル化は、加熱、または常温下で行
なうこともできるが、殻材料を芯粒子表面に完全に被覆
させること、もしくは殻材料の機械付着を抑制し、更に
は芯材料の溶出を防ぐために、カプセル化は一10〜+
30℃の温度下で行なう事が好ましい、このカプセル化
温度が一10℃より低いと、装置の複雑化及びランニン
グコストの上昇を招く。
一方、カプセル化温度が+30℃を越えると、殻材料の
機械付着及び芯材料の溶出が増大する傾向があるので好
ましくない。
本発明において、塩基性化剤としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアガ
ス、アンモニア水等の無機塩基類;及びエチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン等の
有機塩基類が好ましく用いられるが、アンモニア水が特
に好ましく用いられる。
一方、本発明において酸性化剤としては、塩酸、硫酸、
リン酸等の無機酸類;及びギ酸、酢酸、コハク酸等の有
機酸類が好ましく用いられるが、酢酸が特に好ましく用
いられる。
本発明に用いることのできる他の相分離法によるカプセ
ル化の例としては、良溶媒として極性非プロトン供与性
媒体のみを利用し、非溶媒としては水および/またはプ
ロトン供与性溶媒としてアルコール類を併用して用いる
方法である。カプセルトナーの殻膜を形成する高分子重
合体を溶媒に溶かした溶液のなかにこの溶媒に溶けない
固体芯粒子を溶液中に均一に分散した分散液を作り、さ
らに該高分子重合体、および該芯粒子に対しては溶解性
がなく、該溶媒とは自由に混和する非溶媒を徐々に分散
液中に添加し、均一に混合することによって、良溶媒中
に該高分子重合体に冨む微小な油滴を析出させるという
方法を利用した相分離法である。
このときの析出に要する良溶媒の混合エンタルピーは5
 Kcal/mo1以下であり、析出する温度を非溶媒
の融点以下にコントロールすることが必要である0発生
した油滴は次第に芯粒子表面に集合し、結果的に液相被
覆を形成し、さらにこの被覆を固化させた後に得られた
カプセルトナーな分離することにより製造される。
殻材料が析出する殻材料を溶解した良溶媒と非溶媒の混
合エンタルピーは、以下の様にして算出される。
殻材料を溶解した溶液に非溶媒を加え殻材料が析出する
時の系の化学ポテンシャルは(1)式のように表わされ
る。
μ=μ。+RTlnX+   ・・・・・・・・・・・
・(1)表わされる。
l X・=n + + n * + n@  ・・・・・・
・・・・・・(2)(1)式を温度に関し偏微分し、式
を整理すると(3)式が得られる。
γ1nX +−△H アT   RT・    −−−−−−−°−(3)(
3)式を積分し1nX+と1/Tの関係をプロットしそ
の傾きを求めると混合のエンタルピーが得られる。具体
的には100ccの良溶媒に対し殻材料を2.5g可溶
化せしめた均一溶液を予め一定の温度下にコントロール
する。これに非溶媒を漸次滴下することにより曇りが消
えなくなる点を析出点と称し、各種の溶液温度−5,−
10,−20,−30゜−35℃について各々析出点で
の非溶媒のモル分率と温度をプロットしたところ良好な
直線性が得られ、その傾きから殻材料が析出する際の殻
材料を他方、非溶媒のモル分率(xl)は(2)のよう
に溶解した良溶媒と非溶媒の混合エンタルピーが得られ
るものである。析出の時の混合エンタルピーが5にCa
t/mo1以上の場合に於いては、良溶媒に溶解した殻
材料が非溶媒を多量に添加しても析出しずらく、且つ、
析出に対する温度依存性が大きいため温度管理がむずか
しく製造上極めて不利である。好ましくは、殻材料が析
出する際の殻材料を溶解した良溶媒と非溶媒の混合エン
タルピーが0、O2N2 Kcal/mo+の系が有効
である。析出の混合エンタルピーが0.旧にCal/m
ol以下だと良溶媒に溶解した殻材料がわずかの非溶媒
の添加量で析出してしまい、非溶媒の添加スピード管理
がむずかしくカプセル化の再現性及び安定性に対して極
めて不利である。
本発明の特長である相分離によりカプセルトナーを得る
方法においては殻材料の析出する際の温度が、非溶媒の
融点以下に管理される事が必要である。仮に非溶媒の融
点以上でカプセル化を行う場合には予め芯粒子を良溶媒
中に分散せしめる際芯材材が可溶化し、次工程で非溶媒
を添加した時、着色剤を含まない芯粒子を核としたカプ
セル化されたトナーが副生じたり、可溶化した芯材材が
殻材料の析出する初期に発生する微少な油滴な不安定化
させるため芯粒子を含まないフリーシェルを副生じ易い
更に本発明において非溶媒を良溶媒芯粒子分散をコント
ロールする事が好ましい。
ここで、:良溶媒中の殻材料濃度(g/β)。
B:良溶媒量(β)、C:非溶媒添加量速度(nu化に
時間がかかり生産効率がはなはだ低下する。
分散液の温度コントロールが難しくなる他、カプセルト
ナー同士の合一やフリーシェルが生じ好ましくない。
本発明の相分離法を用いるカプセル化工程においては、
殻材料を溶解せしめた良溶媒中に分散剤及び分散助剤を
併用し用いる事も可能である。具体例としては、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、有機酸、有機アミン等が
ある。
本発明の製造法によるカプセルトナーに荷電制御、流動
性付与、着色等の目的で各種染顔料、疎水性コロイド状
シリカ等を添加または混合することも可能である。カプ
セルトナーの体積平均粒径は3〜20μmが好ましい。
更に好ましくは8〜15μmが有効である。該トナーは
、着色染顔料を1〜30重量%含んだ、更に好ましくは
5〜15重量%を含んだ軟質固体芯の周囲を硬質材料で
0.旧〜2μm、好ましくは0.1〜0.6μmの厚さ
に被覆したものである。
以上、カプセル化の方法について述べたが、いずれの方
法においても、殻材料が析出した段階では、殻材料と芯
材材の接着があまり密接でなく、この状態で濾過、すな
わち分散液から該カプセル化粒子を固液分離する工程に
おいて、トナー層がかたまってしまうといつケーキング
現象がおこり、トナーの合一が併産してトナー性能に悪
影響をおよぼすことになる0本発明者らはこの防止策と
して鋭意研究の結果、分散工程よりも濾過工程で、水と
有機溶媒の重量比率を増やすことでトナーの合一に効果
があることが理解された。すなわち、分散工程における
溶液中の水(a)と有機溶媒(b)との重量比率(X) としたとき、濾過工程における分散液の水を(c)とし
たときの分散液中の水(c)と有機溶媒の比率(Y) とするカプセル化方法である。上記配合比が1.5より
も小さい場合には、カプセル殻材の固化が完全に行なわ
れず、上記のように濾過の際にトナー層のケーキングが
おこり、トナー同志が合一してしまう、また、配合比カ
月0よりも大きい場合には、殻材料の膨潤や一部可溶化
が生じ、また殻材料が固化し難く、後処理が極めて複雑
化するうえ、回収溶媒量も増加する。また、水と有機溶
媒との混合エンタルピーが大きくなり、温度制御が困難
になるという不利な点もある。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
X血■ユ 市販カルナバワックス(野田ワックス社製)1kgを2
4の四つロフラスコ中に取り、窒素雰囲気中にて容器内
を1〜2 mmHg迄減圧せしめた。この減圧状態を維
持しつつ、容器内を250℃まで加熱し、8時間反応さ
せた。この際得られたカルナバワックスの酸価は0.5
であった。
このカルナバワックス(ビッカース硬度Hv =3.6
 ) 400gと、ポリワックス655(ベトロライト
社製:rM界表面張力yc =31dyne/cm )
 200gと、更に5PO145(日木精蝋社製、圧縮
弾性率E=15kg/mm”) 400gとを212の
四つロフラスコ中に投入した後、n−ブチル−4,4−
ビス(tert−プチルパーオキシパレエート)(パー
へキサ■、日本油脂社製、10時間の半減期を得る温度
105℃)Igを添加し、容器内を150℃まで加熱し
て2時間加熱処理した。
更に、上記処方の混合物を、120℃にてアトライター
を用い、200rpmで3時間混練して芯物質を得た。
該混線物(芯物質)の120℃における、すり速度10
sec−’のみかけ粘度は600cps 、ずつ速度0
、5sec”のみかけ粘度は6500cpsであった。
又、混練物中のマグネタイト粒子の粒径は、最大1.5
μmであった。
他方、20βアジホモミキサー(特殊機化工業社製)中
に、予め水200βと、水中でネガに帯電する親水性シ
リカ(アエロシール#200 :日本アエロジル社製)
20gとを採取し、90℃に加温して分散媒とした。こ
のようにして得た分散媒中に、上記混線物(芯物質)1
kgを投入し、上記アジホモミキサーの周速20m/s
ec、バス回数6.9回/minの条件にて1時間造粒
を行なった。造粒終了後、熱交換機を用い、30℃まで
分散液を冷却した後、この分散液中に水酸化ナトリウム
50gを添加し、5時間攪拌を続けて、芯粒子を得た。
得られた球状芯粒子を蛍光X線分析法で分析したところ
、残存シリカの存在は観察されなかった。
更に、遠心分離機を用いて芯粒子の濾過、水洗を行ない
、粒度分布(コールタ−カウンターを用いて測定)が、
個数平均粒径9.1μm、体積平均粒径10.5μm、
体積平均粒径の変異係数が18,7%である芯粒子を9
5%の収率で得た。
一方、オートホモミキサー(特殊機化工業社製)と、温
度計と、pHメーターとを装着した1j2フラスコ中に
、イソプロピルアルコール320gと水80gとを採取
し、これに殻材料としてSt−MMA−OM[Mn= 
2.6万、Mw=6.7万、  Mw/Mn= 2.5
. Tg=85.5℃、共重合モル比60:30:10
112g(設定膜厚δ= 0.30μm)を加え、さら
に酢酸8.5gを加え上記共重合体樹脂を溶解させた。
この時のp)lは5.3であった。
系の温度を10℃に維持しつつ、上記で得た可溶化殻材
料溶液に、前記芯粒子100gを加え、回転数7000
rpmで5分間攪拌し、芯粒子を十分分散させた。
この分散液に、4.5Nアンモニア水溶液を漸次滴下し
、系のpHが9になるまで添加し続け、カプセル化を行
なった。
アンモニア滴下終了後水560gを加え、系の温度を1
0℃に維持しつつ、回転数700叶pmで30分間攪拌
させたあと、該分散液を濾過して、カプセル化粒子を取
り出した。濾過工程においては、濾過性は良く、トナー
層のケーキングといった現象は見られなかった。
得られたカプセルトナーの粒度分布は、個数平均粒径が
10.2μm1体積平均粒径11.5μm1体積平均粒
径の変異係数が18.3%であった。この粒度分布は、
フリーシェルおよび合一の少ない状態でカプセル化され
たことを示唆するものである。また、このカプセルトナ
ーの摩擦帯電量を米国特許第4.302.201号明細
書に記載の方法で測定したところ+17.7μcoul
/gであった。このことからも殻材料が芯粒子を十分被
覆していることが理解される。
得られたカプセルトナーにコーヒーミルにて負荷電性疎
水化シリカを外添せしめた後PC30(キャノン製複写
機、圧力定着)に適用し、画出しを行なったところ、十
分な画像濃度と定着性が得られた。
夫亘透ヱ 実施例1において得られた芯粒子100gを下記殻材料
の溶解された溶液中に溶液温度5℃下で回転数7000
rpm、 5分間分散させた。
この時のpHは9.2であった。該分散液中に該温度を
維持しつつ、氷酢酸を漸次滴下し、系のpHが4になる
まで滴下し続けてカプセル化を行なった。
氷酢酸滴下終了後、水200gを加え、系の温度を5℃
に維持しつつ、回転数7000rpmで30分間攪拌さ
せた後、該分散液を濾過して、カプセル化粒子を取り出
した。濾過工程においては、濾過性は良く、トナー層の
ケーキングは起らなかった。
得られたカプセルトナーの粒度分布は、個数平均粒径が
1000μm2体積平均粒径11.7μm1体積平均粒
径の変異係数が18.6%であった。この粒度分布は、
フリーシェルおよび合一の少ない状態でカプセル化され
たことを示唆するものである。このカプセルトナーを、
実施例1と同様の方法で摩擦帯電量を測定したところ−
17,7μcoul/gであり、このことからも殻材料
が芯粒子を十分被覆していることが理解される。
夫立廻旦 実施例1において得られた芯粒子100gを下記殻材料
の溶解された溶液中に、溶液温度−25℃下で分散せし
めた。
またトナーの摩擦帯電量は、+17.3μcou 17
gであった。
得られたカプセルトナーを、コーヒーミル中で負荷電性
疎水化シリカと混合させ、該外添トナーをPC3(lに
適用し、画出しを行なったところ、十分な画像濃度と定
着性が得られた。
分散はホモミキサーの回転数7000rpm、5分間行
ない、その後、該分散液中に該温度を維持しつつ、水を
0.5ml/分の速度で滴下させた。
殻材が該分散液から完全に析出し、カプセル化が終了し
た段階で、さらに水を150g加え、系の温度を保ちな
がら7000rpmで30分間攪拌させたあと、該分散
液を濾過してカプセル化粒子を取り出した。濾過工程に
おいては、濾過性は良く、トナーのケーキングといった
現象は見られなかった。
得られたカプセルトナーの粒度分布は、体積平均粒径カ
月1.2μmであり、フリーシェルおよびトナー同志の
合一といった現象は見られなかった。
上記処方の各成分を150℃にて溶融・混合し、空気温
度を120℃に設定した二流体ノズルにて噴霧・冷却・
固化した後、分級して芯粒子を得た。
コールタ−カウンターを用い、得られた芯粒子の粒度分
布を測定したところ、個数平均粒径が8.7μm、体積
平均粒径が1000μmであった。
上記芯粒子100gを用い、殻材料および溶媒は次のち
のを用いた。
コアの分散、およびカプセル化の条件は実、施例1と同
様にして行なった。カプセル化終了後、水300gを加
え、系の温度を10℃に保ちながら、回転数7000r
pm、 30分間攪拌させた後、該分散液からカプセル
化粒子を取り出した。なお、濾過時にトナーのケーキン
グは見られなかった。
得られたカプセルトナーの粒度分布は、体積平均で11
.0μmであり、フリーシェルおよびトナーの合一は見
られなかった。また、トナーの摩擦帯電量は+18.0
μcoul/gであった。
之軟■ユ 芯粒子の調整およびカプセル化については、実施例1と
全く同様にして行なった。アンモニア滴下終了後、水は
加えずにそのまま濾過操作を行ない、カプセル化粒子を
取り出そうとしたが、この段階でトナー層のケーキング
が発生した。また、濾過性も実施例1と比べると、かな
り悪いものであった。
得られたカプセルトナーの粒度分布は、体積平均粒径カ
月3.5μm、体積平均粒径の変異係数が45.0%で
あった。この粒度分布は、トナー同志の合一を示唆して
おり、殻材料と芯粒子との固化も完全ではないため、い
ったん芯粒子にくっついた殻材料がはがれてしまったこ
とにより生成したと考えられるフリーシェルの存在も確
認でき、このことはトナーの摩擦帯電量が+25.0μ
coul/gと高くなっていることによっても実証され
た。該カプセルトナーなコーヒーミルな用いて負荷電性
疎水化シリカを外添せしめた後、PC30に適用し、画
出しを行なったが、画像濃度は低く、画質もカブリ、飛
び散りの多いものしか得られなかった。
嵐校且ユ 芯粒子の調整およびカプセル化については、実施例3と
全く同様にして行なった。そして、殻材料が完全に析出
した段階で水の滴下を止め、そのまま濾過操作に移った
。この段階でトナー層のケーキングが見られ、濾過性に
ついても悪かった。
得られたトナーの体積平均粒径は14.5μmで、フリ
ーシェルおよびトナーの合一が見られた。該トナーな外
添後、PC30にて画出しを行なったが、画像濃度1画
質ともに低いレベルであった。
匿軟狙ユ 芯粒子の調整およびカプセル化については実施例1と同
様にして行なった。この分散液を5ρの反応器に移しか
えたのち、水1520gを加え、系の温度を10℃に維
持しつつ、回転数7000rpmで30分間攪拌させた
が、水と、イソプロピルアルコールの混合エンタルピー
増大による発熱で、30分後の系の温度は22℃まで上
昇した。該分散液を水洗・濾過してカプセル化粒子を取
り出したが、得られた粒子は殻材料が膨潤しており、顕
微鏡下で観察したところ、殻が破壊されている粒子が多
数存在しているのがわかった。得られたカプセルトナー
の粒度分布は体積平均粒径が11.5μmで、該変異係
数が40%であった。該トナーな外添後、PC:30に
て画出しを行なったが画像濃度1画質ともに低いレベル
であった。
〔発明の効果1 以上説明したように、本発明の方法により、相分離法を
用いたカプセル化において、分散液からカプセル化粒子
を取り出す濾過工程においてトナー同士の合一を防止す
ることができ、殻材料と芯粒子の固化が促進され、生成
したカプセルの凝集、合一が抑制され、フリーシェルの
発生を防止し、分散液からカプセル化粒子を取り出す濾
過工程における効率が改善されるようになる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 相分離法によるカプセル化において、水と相溶性のない
    殻材料の、水および該殻材料と相溶性の有る有機溶媒か
    ら成る溶液中に、予め水系媒体中で形成せしめた芯粒子
    を分散させ分散液を得る分散工程、該分散液から殻材料
    を析出させる析出工程、該殻材料を析出させた分散液を
    濾過して、該カプセル化粒子を取り出す濾過工程からな
    るカプセル化粒子の製造に際し、分散工程における溶液
    中の水と有機溶媒の重量比率(X)としたとき、濾過工
    程における分散液の水と有機溶媒の重量比率(Y)が(
    X)の1.5〜10倍となるように水の量を調整して行
    なうことを特徴とするカプセル化粒子の製造方法。
JP1180392A 1989-07-14 1989-07-14 カプセル化粒子の製造方法 Pending JPH0347529A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016039082A (ja) * 2014-08-08 2016-03-22 日本ゼオン株式会社 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極材料、電気化学素子電極及び電気化学素子

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JP2016039082A (ja) * 2014-08-08 2016-03-22 日本ゼオン株式会社 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極材料、電気化学素子電極及び電気化学素子

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