JPH0347480Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はチエンソーを幹の外周に沿つて螺旋状
に回動上昇させることにより、枝打を行う枝打機
において、チエンソー部支持体を幹側へ傾斜させ
て、支持体の小型化を達成した枝打機のチエンソ
ー部支持体に関するものである。

（従来技術） 従来より、駆動輪と遊動輪とで幹を抱持して自
装する原動機により駆動輪を駆動して幹を上下行
し、また幹から所定距離隔てた機体の上方へチエ
ンソー部支持体を突出させ、このチエンソー部支
持体の先端へチエンソー部を配備することにより
チエンソーを機体上方へ起立させ、自装する原動
機の動力をチエンソーと駆動輪とへ伝達して、チ
エンソーを幹の外周に沿つて螺旋状に回動上昇さ
せることにより枝打を行う枝打機がある。

この種の枝打機においては、第３図に示すよう
に、全体形状を逆Ｌ字型に成型されたチエンソー
部支持体６が、機体の一部であるミツシヨンケー
ス４の水平な上面へ垂直に固定されていた。

ところで、チエンソー部９を除いて、枝打機に
おける機体の最も内側に位置するミツシヨンケー
ス４は、チエンソー５により切断された枝の切跡
や幹８表面のこぶ等と干渉しないように幹８表面
との間隙を所定量以上の距離Ｌ２に設定されてい
る。

したがつて、ミツシヨンケース４の上面へ垂直
に固定したチエンソー部支持体６の先端中心部
は、枝打ちに際してのチエンソー５と幹８表面と
の好適距離Ｌ３に較べ、大きく幹８から離反する
こととなる。

一方、チエンソー部９は枝切断後の切跡突出量
をできるだけ小さくするために幹８表面とチエン
ソー５を可能な範囲で近接状に保持する必要があ
る。

そのため、チエンソー部支持体６はチエンソー
５の装着部である先端部６ｂを水平状に幹８側へ
延伸させなければならなず、延伸させた先端部６
ｂはチエンソー部支持体６の重量を増加させるう
えに、材料の損失を生じ製造コストを増大させる
等の不具合がある。

（目的） そこで、本考案は上記不具合に鑑み、チエンソ
ー部支持体を幹側へ傾斜させることにより、不要
部を取り除いてチエンソー部支持体を小型化し得
る枝打機のチエンソー部支持体を提供せんとする
ものである。

（構成） 本考案に係わる枝打機のチエンソー部支持体の
特徴とするところは、幹から所定距離隔てた機体
の上方へチエンソー部支持体を突出させ、該支持
体の先端へチエンソー部を配備してチエンソーを
機体上方へ起立させ、自装する原動機の動力を駆
動輪と前記チエンソーへ伝達して前記チエンソー
を幹に沿つて回動上昇させることにより枝打を行
う枝打機において、前記チエンソー部支持体の先
端部を基部に対して幹表面側へ傾斜させることに
より、前記チエンソーを幹の表面へ近接させると
ともに、チエンソーをチエンソー部支持体の先端
部から略垂直状に上方へ起立させて設けた点にあ
る。

（効果） 本考案によれば、上記構成により、機体と幹と
の間隙を十分に確保することができ、 加えて、チエンソー部支持体の先端は幹側へ移
動するることになり、先端部の移動量分だけ、幹
側へ水平状に延出した先端部を切除することが可
能となり切除部分の材料費を節減できるとともに
その切除部分の重量だけ軽量化でき、 更にチエンソー部支持体が小型化したことによ
り利用可能なスペースが造成される利点がある。

また、チエンソーが傾斜することなく略垂直状
に起立していることから、その先端が幹へ突つ込
むことなく良好な枝切断ができ、枝切断のあとが
きれいで高品質の木材に仕上られる。

さらに、前記重量の軽量化は動力の省力化、機
械搬送の容易化につながり好適であるとともに、
チエンソー部支持体の先端部が幹と反対側の外方
へ突出していないので切断枝が引つ掛かりにくい
利点もあり、また、機体平面視での重量中心を幹
中心側に近ずけることができ、このため回動の際
円心方向への機械の振動、揺動に好都合であり、
さらに、上記利用可能なスペース造成の利点は、
エンジンや燃料タンク等が幹側の有利な位置に寄
せられることにもつながるのである。

（実施例） 以下この考案の具体的な実施例を図面を参照す
ることにより、詳細に説明する。

第１、第２図は枝打機を示し、１…は駆動輪で
あつて自装する原動機２により駆動され、３は前
記駆動輪１…に対向して配備された遊動輪であ
り、また４はミツシヨンケースであり、前記駆動
輪１…とチエンソー５とへ前記原動機２の動力を
伝達するミツシヨン等を内包し、該ミツシヨンケ
ース４の上方へはチエンソー部支持体６を突設し
てある。

第４図は前記チエンソー部支持体６を示し、基
部６ａは機体７の一部である前記ミツシヨンケー
ス４における幹８への可及的近接位置へ固定さ
れ、そして先端部６ｂは最上部の走行輪１，２よ
り少なくとも上方へ延伸するとともに幹８側へ傾
斜している。前記基部６ａの位置と前記ミツシヨ
ンケース４の幹８側壁面との距離Ｌ２はできるだ
け小さい方が好適であるが構造上限界がある。

また、９は前記チエンソー部支持体６の先端部
６ｂへ配備されたチエンソー部であつて、機体上
方へ略垂直状のもとに起立状に突出させてある。
該チエンソー部９は、前記チエンソー部支持体６
の先端に固定されるチエンソーバー１０と、該チ
エンソーバー１０に周回された前記チエンソー５
と、該チエンソー５の先端部に装備された枝セン
サー１１とからなる。

ところで、本例においては、前記チエンソー支
持体６の中心部にチエンソー駆動軸１２が挿通さ
れてあり、該チエンソー駆動軸１２の下方部は前
記ミツシヨンケース４内のベベルギヤーと伝動連
結されるとともに、上方部は前記チエンソー支持
体６の先端部６ｂの内部に設けられたベベルギヤ
ーによりスプロケツト軸１３と伝動連結されてい
る。なお、前記スプロケツト軸１３の端部にはス
プロケツト１４を装着して前記チエンソー５と噛
合させている。

以上により作用を説明する。

ミツシヨンケース４と幹８表面との相対距離Ｌ
２は、好適な運転を可能にするには一定以上の距
離が必要である。

一方チエンソー５と幹８表面の相対距離Ｌ３は
枝の切跡をできるだけ短くするために、幹８をチ
エンソー５で傷つけない範囲で小さくした方が好
ましい。

つまりチエンソー部９ならびにミツシヨンケー
ス４は機能上それぞれ略々所定の好適な位置があ
り、一般的にミツシヨンケース４がチエンソー部
９より幹８から離反した位置に設定される。

したがつて、チエンソー部９とミツシヨンケー
ス４とを最短距離で連結するためには、チエンソ
ー部支持体６は第４図に示すようにチエンソー部
支持体６の先端部６ｂを幹８側へ傾斜させる必要
がある。

図中、Ｌ５はチエンソー部支持体６の先端部６
ｂを幹８側へ傾斜させる前の支持体６の中心と幹
８との距離であり、Ｌ６は傾斜させた後ちの距離
をしめす。

このように、チエンソー部支持体６を傾斜せさ
ると傾斜による先端部６ｂの移動量Ｌ１だけ先端
部６ｂの幹８側を切除することができ、第３図に
示す従来例に較べ前記移動量Ｌ１だけ小型化でき
ることとなる。

【図面の簡単な説明】

第１、第２図は本考案に係わる枝打機を示す正
面図ならびに平面図、第３図は従来のチエンソー
部支持体を示す側面図、第４図は本考案を実施し
たチエンソー部支持体を示す側面図である。 符号、１……駆動輪、２……原動機、５……チ
エンソー、６……チエンソー部支持体、６ａ……
基部、６ｂ……先端部、７……機体、８……幹、
９……チエンソー部、Ｌ２……所定距離。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 幹８から所定距離Ｌ２隔てた機体７の上方へチ
   エンソー部支持体６を突出させ、該チエンソー部
   支持体６の先端へチエンソー部９を配備してチエ
   ンソー５を機体７上方へ起立させ、自装する原動
   機２の動力を駆動輪１…と前記チエンソー５へ伝
   達して前記チエンソー５を幹８に沿つて回動上昇
   させることにより枝打を行う枝打機において、前
   記チエンソー部支持体６の先端部６ｂを基部６ａ
   に対し幹８表面側へ傾斜させることにより、前記
   チエンソー５を幹８表面へ近接させるとともに、
   チエンソー５をチエンソー部支持体６の先端部６
   ｂから略垂直状に上方へ起立させて設けたことを
   特徴とする枝打機のチエンソー部支持体。