JPH0346882Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、定盤上に被切削材を載置し、該被切
削材の厚さに応じて昇降部を一対の昇降送りネジ
軸により昇降動作し、被切削材を、モーターによ
り駆動される昇降部の下部の送りローラーによつ
て搬送しながらモーターにより駆動される昇降部
の下部の鉋胴により切削するようにした自動鉋
盤、更に詳しくはその昇降部の保持手段に関する
ものであつて、この種自動鉋盤は、左右のガイド
部材の下端に定盤を固定し、該定盤上に左右に一
対の昇降送りネジ軸を回転自在に、かつ並行に立
設し、該昇降送りネジ軸に鉋胴及び送りローラー
を有する昇降部を螺装し、左右のガイド部材の上
部に横架したハンドル軸をもつて一対の昇降送り
ネジ軸を回転することで上記昇降部が左右のガイ
ド部材に昇降動案内され、上記定盤との間隔を切
削間隔に調整可能に構成されている。

上述のように昇降部の昇降送り手段が昇降送り
ネジ軸と、これが螺装されるネジ孔とで形成され
ているものでは、上記昇降部を円滑、かつ楽に昇
降動作可能ならしめるには、上記ネジ軸とネジ孔
との螺合部には多少のガタが必要であるが、反面
そのガタが切削時にあつて昇降部の振動を誘発す
る要因となる為、被切削材の切削面が平滑に仕上
げ面を得られなかつたり、又左右の螺合部のガタ
に誤差がある場合は昇降部が何れか一方へ傾き、
切削面が傾斜する等切削精度を所定値以上向上さ
せることができない問題点がある。

又、従来、木工機において、上端が支持ホルダ
ーにより固定された２本の上下ガイドバーの下端
に上下摺動ベースを固定して一体的に枠組み形成
し、これを、ベツトに穿設した孔に上記上下ガイ
ドバーを挿通することにより上下動可能となし、
別途設けた上下送り手段によつて上下動して上下
摺動ベースに設けた刃物部により柄、柄孔を加工
可能に形成すると共に、上記ベースと支持ホルダ
ー間にあつて、上下ガイドバーに圧縮バネを外装
してなるものは特公昭61−34963号公報に開示さ
れている。

そして上記圧縮バネは、ベツトに上下動自在と
した２本の上下ガイドバーと支持ホルダーと上下
摺動ベースの重量をベツトに対してバランスさせ
る為に介在させてあり、これにより上下摺動ベー
スの上下動操作を上下送り手段によつて楽に行な
い得るようにしたものであるから、この木工機に
おいても前述の問題点を有するものである。

そこで本考案は上述問題点に鑑みて検討の結
果、前述した自動鉋盤において、前述鉋盤と昇降
部との間にあつて、一対の昇降送りネジ軸に圧縮
コイルバネを外装し、このバネ力により昇降部を
上方へ弾撥付勢せしめて構成することによつて、
極めて簡単な構造により上記昇降部と昇降送りネ
ジ軸との螺合ガタを吸収除去でき、もつてこの種
自動鉋盤の切削精度の向上を図り得るようにした
のがその目的である。

以下本考案を図示の実施例に基いて詳述すれ
ば、自動鉋盤は、第１図ないし第３図に示したよ
うに、定盤１と、昇降部２と、左右のガイド部材
３と、２本の昇降送りネジ軸４，４と、２本の圧
縮コイルバ３０，３０とで構成されている。

上記定盤１は上面１′が平滑に形成されていて、
その上面１′と同一高さ、ないしはそれより僅か
に高く２本のローラー５，５が前後配置として回
転自在に、かつ並行に軸支してあると共に、その
前部と後部には、平面略コ字形状のローラーリン
ク６，６が、その基端部近傍をスプリングピン７
等によつて上下方向へ回動可能に枢着してあつ
て、その先端部には夫々ローラー８が上記ローラ
ー５，５と並行に軸支されており、該ローラー８
は高さを定盤上面１′に対して調整可能としてあ
る。

又定盤１の左右両側部裏面には台木９，９が前
後方向へ長く突出して固定してあつて安定設置可
能としてある。

又、上記昇降部２は、その本体をなすローラー
ケース１０の下部中央部に左右方向へ長く設けた
空胴部１１内に鉋胴１２が回転自在に軸支されて
いると共に、該鉋胴１２の前後両側には送りロー
ラー１３，１３が鉋胴１２と並行に回転自在に軸
支してあり、更に適所にはモーター１４を固定し
て、その冷却風の排出口１５が上記空胴部１１の
上部にあつて当該鉋胴１２の長さ方向に開口して
あり、上記空胴部１１の上部にダストカバー１６
を固定することによつて、一側に開口した切削屑
の排出口１７が上記空胴部１１及び排出口１５と
連通状態に設けてあり、モーター１４の冷却風を
利用して切削屑を上記排出口１７から外部に排出
可能に形成されている。

又上記ローラーケース１０の左右両側端部１０
ａ，１０ａは左右のガイド部材３，３に摺動自在
に係合可能なるよう形成してある。

又、上記左右のガイド部材３，３は、横断面略
コ字形状にプレス加工等によつて成形されてい
て、その上下両端部には、内側へ曲成された上端
屈曲部３ａと下端屈曲部３ｂを一体に備え、該下
端屈曲部３ｂを上記定盤１の左右両側端部にボル
ト（図示せず）にて固定することによつて上記定
盤１上に起立対向されていると共に、その両上端
屈曲部３ａ，３ａにネジ１９…止めにより固定し
て上部カバー２０は左右のガイド部材３，３に架
設一体化してあり、このことによつて正面略形
状に形成されている。なお１８は台木止めボルト
である。

又、上記上部カバー２０の中央部長さ方向には
凹部２１が設けてあつて、該凹部２１内に取手２
２が出没可能に装着してある。

又、上記一対の昇降送りネジ軸４，４は、その
下端部に周設した溝４ａにセツトプレート２３を
適合し、該セツトプレート２３をボルト２４…に
て上記定盤１上に固定することによつて回転自在
に起立保持されていると共に、上端部は上記ガイ
ド部材３，３の上端屈曲部３ａの裏面にボルト２
５…にて固定したホルダー２６の縦孔２６ａに回
転自在に嵌合させてあつて、上記左右のガイド部
材３，３の内部中心に位置させてある。

そして上記両昇降送りネジ軸４，４のネジ部４
ｂ，４ｂと、前記ローラーケース１０の両側端部
１０ａ，１０ａに貫通形成したネジ孔１０ｂ，１
０ｂを螺合して、該両側端部１０ａ，１０ａを左
右のガイド部材３，３に設けられた案内凹部３
ｃ，３ｃに上下方向へ摺動自在に係合されること
によつて前記昇降部２は左右のガイド部材３，３
に昇降動自在に案内されると共に、上記両昇降送
りネジ軸４，４の回転によつて昇降動可能に支承
されている。

又、この両昇降送りネジ軸４，４の回転手段
は、上記ホルダー２６，２６の横孔２６ｂに端部
を嵌合して回転自在に左右のガイド部材３，３に
架設したハンドル軸２７と上記両昇降送りネジ軸
４，４を歯車伝達機構２８，２８で連動連結し、
上記ハンドル軸２７の一端にはハンドル２９を付
設して形成させてある。

かくして上記両昇降送りネジ軸４，４はハンド
ル２９を正、逆回転操作することによつて同一角
度だけ回転される。

そして更に本案は、上記一対の昇降送りネジ軸
４，４の下側部に圧縮コイルバネ３０，３０を外
装し、その上端部を上記ローラーケース１０の下
部に、その下端部は上記定盤１の上面１′もしく
は左右のガイド部材３，３の下端屈曲部３ｂ，３
ｂに夫々突き合せして支承し、バネ力を昇降部２
の自重に対抗する方向（図において上方）へ付勢
せしめるをもつて上記昇降送りネジ軸４，４の各
ネジ部４ｂと、上記ローラーケース１１のネジ孔
１０ｂとの螺合ガタを吸収除去可能に構成してあ
る。

こゝで、上記圧縮コイルバネ３０，３０には、
昇降部２を押し上げするのに充分な弾撥力を有す
るものが用いられることはもとよりであり、又両
昇降送りネジ軸４，４のネジ部４ｂ，４ｂと、上
記ローラーケース１０の両ネジ孔１０ｂ，１０ｂ
は夫々同一ピツチに形成されていることは勿論で
ある。

尚第２図においてＷは被切削材を示す。

而して上記構成において、これを用いて被切削
材Ｗを切削する時は、定盤１と、その前側部のロ
ーラー８に被切削材Ｗの前端部を第２図に示した
如く載置し、その厚さに応じてハンドル２９を回
転することにより一対の昇降送りネジ軸４，４を
所定方向に回して昇降部２を下降させ、前側部の
送りローラー１３が第２図に示す如く被切削材Ｗ
の上面にほぼ接触する間隔位置まで下降させる。

この場合、モーター１４は昇降部２の下降に先
だつて始動させてもよく、又は下降した後モータ
ー１４を始動するようにしてもよい。

従つてモーター１４によつて鉋胴１２と送りロ
ーラー１３，１３は駆動回転されるので、被切削
材Ｗは第２図において右方向へ送りローラー１
３，１３によつて搬送されながら鉋胴１２によつ
て切削される。

このようにして被切削材Ｗが搬送し終つた時点
でその上面の切削を終了する。

次いで一度切削した面を再切削する場合は、被
切削材Ｗをそのまゝの状態で返送させ、又他の面
を切削する場合は返送、反転させて、上述と同様
に定盤１上に載置することによつて所望面を切削
することができる。

又、上記昇降部２は圧縮コイルバネ３０，３０
によつて常時上方向へ付勢されているので当該昇
降部２の螺合ガタはバネ力によつて除去される
為、水平状態に保持されており、従つて上述のよ
うに下降させると鉋胴１２と送りローラー１３，
１３は全て被切削材Ｗの上面に対して均等に接触
するので段差を生じることなく平滑に切削できる
のである。

因に昇降部２と昇降送りネジ軸４，４間に螺合
ガタがあると、これを下降して被切削材Ｗの上面
に接触する際、そのガタの分だの昇降部２が前後
に傾く等するので、前後の送りローラー１３，１
３を均一に被切削材Ｗに接触できなくなり、これ
が為被切削材Ｗの２本の送りローラー１３，１３
による送り動作が送りローラーの一端のみ接触し
ての送りとなり鉋胴１２は傾斜するため被切削材
Ｗは左右方向に傾斜して切削される。

尚、上記鉋胴１２は、カツターブロツク１２ａ
にカツター１２ｂをカツター押え１２ｃを介して
ボルト１２ｄにて脱着自在に固定することによつ
て形成されており、又この鉋胴１２は、モーター
１４の図示しない軸とベルト等の巻掛伝達機構で
連動連結されており、一方上記送りローラー１
３，１３は上記モーター軸と歯車伝達機構等によ
つて連動連結した図示しない減速機の軸３１とチ
エン等の巻掛伝達機構等で連動されていて、夫々
はモーター１４によつて駆動回転されるようにな
つている。

以上説明したように本考案に係る自動鉋盤によ
れば、定盤１と、該定盤上面１′と対向するロー
ラーケース１０の下部に、モーター１４により駆
動される鉋胴１２及び送りローラー１３，１３を
軸支して形成した昇降部２と、上記定盤１を固定
し、昇降部２を昇降動自在に支承案内する左右の
ガイド部材３，３と、上記定盤１と昇降部２との
間隔を切削間隔に調整可能なるよう上記昇降部２
のローラーケース１０に設けた左右のネジ孔１０
ｂ，１０ｂに夫々螺合して上記定盤１上に回転自
在に立設され、かつ上記左右のガイド部材３，３
に架設したハンドル軸２７の回転により歯車伝達
機構２８を介して連動する一対の昇降送りネジ軸
４，４とを設けてなる自動鉋盤にあつて、上記定
盤１と昇降部２間にあつて、上記昇降送りネジ軸
４，４に上記昇降部２を上方へ弾撥付勢せしめる
よう圧縮コイルバネ３０，３０を外装すると共
に、上記ネジ軸４，４のネジ部４ｂ，４ｂと上記
ローラーケースの両ネジ孔１０ｂ，１０ｂとを同
一ピツチに形成することで、該昇降部２と一対の
昇降送りネジ軸４，４との間の螺合ガタを吸収可
能に設けたものであるから、被切削材Ｗの切削に
際して一対の昇降送りネジ軸４，４の回転によつ
て昇降部２がネジ送りされる際、介在した圧縮コ
イルバネ３０，３０の弾撥力を付勢した状態で昇
降部２は下降されることとなるので、上記昇降送
りネジ軸４，４と、昇降部２におけるローラーケ
ース１０のネジ孔１０ａ，１０ａの螺合ガタはバ
ネ力によつて吸収・除去されるので、上記昇降部
２は水平状態にガタ無く保持され、従つて切削時
に昇降部２が上下方向等に振動したり、一方向へ
傾斜等することがなくなるので、靉胴１２及び送
りローラー１３，１３が被切削材Ｗ上に均等に接
触されるをもつて、切削面に段差や傾斜を生じる
ことのない平滑な仕上げ面が得られ、この種自動
鉋盤の切削精度の向上を図り得ると共に、切削時
に、上述螺合ガタ吸収の為に特別な操作の必要も
なく、又昇降送りネジ軸４，４に圧縮コイルバネ
３０，３０を外装して極めて構造簡単に構成し得
るので安価に製作できるのみならず故障発生要素
もほとんど無いから耐久性に優れる等の実用的効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動鉋盤の平面図、第２
図は第１図における−線矢視縦断側面図、第
３図は第１図における−線矢視拡大縦断面図
である。 １……定盤、２……昇降部、３，３……左右の
ガイド部材、４，４……一対の昇降送りネジ軸、
１０……ローラーケース、１２……鉋胴、１３，
１３……送りローラー、１４……モーター、３０
……圧縮コイルバネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 定盤１と、該定盤上面１′と対向するローラー
   ケース１０の下部に、モーター１４により駆動さ
   れる鉋胴１２及び送りローラー１３，１３を軸支
   して形成した昇降部２と、上記定盤を固定し、昇
   降部を昇降動自在に支承案内する左右のガイド部
   材３，３と、上記定盤と昇降部との間隔を切削間
   隔に調整可能なるよう上記昇降部のローラーケー
   スに設けた左右のネジ孔１０ｂ，１０ｂに夫々螺
   合して上記定盤上に回転自在に立設され、かつ上
   記左右のガイド部材に架設したハンドル軸２７の
   回転により歯車伝達機構２８を介して連動する一
   対の昇降送りネジ軸４，４とを設けてなる自動鉋
   盤であつて、上記定盤と昇降部間にあつて上記昇
   降送りネジ軸に上記昇降部を上方へ弾撥付勢せし
   めるよう圧縮コイルバネ３０，３０を外装すると
   共に、上記ネジ軸のネジ部４ｂ，４ｂと上記ロー
   ラーケースの両ネジ孔１０ｂ，１０ｂとを同一ピ
   ツチに形成することで、該昇降部と一対の昇降送
   りネジ軸との間の螺合ガタを吸収可能に設けたこ
   とを特徴とする自動鉋盤。