JPH0346311Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は曲管部や段差等の複雑な経路を有する
管路でも自動的にフレキシブルなコイルワイヤー
を推進、推進させて管路の測長や特定個所の検
出、内部調査、障割物の除去等の各種作業を行な
うようにした管路挿通装置に関するものである。

曲管部等の複雑な経路を有する管路にコイルワ
イヤーを挿通させて作業を行なう従来技術として
は排水管清掃装置があり、この装置はコイルワイ
ヤーを収容した収納容器を回転自在に支持し、管
路に挿通したコイルワイヤーを、該収納容器の回
転により回転させて作業を行なうものである。し
かしながらこの装置はコイルワイヤーの回転と推
進を連動させて自動的に行なうものではなく、そ
の推進は回転させていない状態に於いて人が直接
コイルワイヤーを手で持つて収納容器から引き出
して行なつたり、回転をさせながら行なう場合に
は収納容器を動かして行なうものである。従つて
作業が煩雑であるばかりでなく、例えば管路の測
長を行なう場合には、コイルワイヤー自体に目盛
を附さなければならないから、実質的に非常に難
かしい。かかるコイルワイヤーの推進を自動的に
行なおうとする試みも行なわれているが、未だ満
足のいくものがないというのが現状である。

本考案は以上の従来装置の欠点を解消するもの
で、即ちコイルワイヤーを等価的にねじシヤフト
と見傚してねじを用いた推進案内機構を構成する
ことにより、該コイルワイヤーの推進を収納容器
の回転によつて自動的に行なえるようにし、そし
て管路の測長等も容易に行なえるようにしたもの
である。本考案はこのように収納容器によりコイ
ルワイヤーの回転させて推進案内機構により推進
させるものであるから、挿通中に閊え等によつて
トルクが発生し、これが収納容器内にも伝達され
る。従つてこの収納容器が、前記排水管清掃装置
の収納容器のようにコイルワイヤーを、広い収納
空間に自由に巻き込んで収納する構成であると、
前記トルクによりコイルワイヤーにねじれ等の力
が作用して非常に乱雑となり、円滑なコイルワイ
ヤーの推進が行なえなくなる事態が発生し易い。

本考案はこのような欠点も解消し、収納容器に
於けるコイルワイヤーの収納を合理的に行なつ
て、該コイルワイヤーに大きなトルクが加わつた
場合にも収納されているコイルワイヤーが乱雑に
ならないようにし、以つて該コイルワイヤーの推
進を常時円滑に行なえるようにすることを目的と
するものである。以下実施例に基づいて詳細に説
明すると次の通りである。

符号１は一側を先細りに形成してコイルワイヤ
ー２の出入部３を構成した回転対称な外側穀体で
あり、該外側穀体１の内側同軸状に該外側穀体１
の内面と対応する外面を有する内側穀体４を設け
て、該外側穀体１と内側穀体４間に、前記コイル
ワイヤー２の径よりも若干広い間隔の収納空間５
を設けた収納容器Ａを構成する。ここで前記外側
穀体１は先細りで回転対称形状であれば、傾斜の
緩やかな円錐形状と傾斜の急な円錐台形状を組み
合わせた形状とする他、適宜である。尚、符号６
で示す一点鎖線が回転対称軸を示すものである。
しかして前記収納容器Ａを該回転対称軸６に対し
て回転自在に基体７に支持すると共に、一側を適
所８に固定した前記コイルワイヤー２を前記収納
空間５に螺旋状に収納すると共に、他側を前記出
入部３から導出させる。図示例に於いては収納容
器Ａを縦型に支持しているが、横型であつても良
いし、斜めに支持しても良いことは勿論である。
符号９は歯車１０を介して収納容器Ａを回転させ
るモータ等の回転駆動源であり、また符号１１は
前記出入部３に隣接して基体７に支持し、前記コ
イルワイヤー２を推進させる推進案内部である。
該推進案内部１１はコイルワイヤー２を等価的に
ねじシヤフトと見做して、ねじを用いた推進案内
機構を構成するもので、具体例としては例えば前
記コイルワイヤー２の案内路１２に、該コイルワ
イヤー２の周囲を分割した複数個所（図示例に於
いては２個所）に対応して突起１３，１３′、…
を設け、夫々の突起１３，１３′、…は前記コイ
ルワイヤー２の線間の凹部内に突出させて、これ
を推進自在に支持した構成が挙げられるが、この
他コイルワイヤー２をその回転により推進可能で
あれば適宜構成で良い。

以上の構成に於いてモータ９等の回転駆動源に
より収納容器Ａを所定方向に回転させると、コイ
ルワイヤー２も軸６の回りに回転し、従つて該コ
イルワイヤー２は、これをねじシヤフトと見做し
てねじを用いた推進案内機構を構成する推進案内
部１１により推進されて前進し、次第に収納容器
Ａ内の出入部３から回転導出する。こうして曲管
部１４等を有する管路１５を自動的に挿通させる
ことができ、先端等に設けた適宜構成の作動部材
１６により管路１５の内部調査や障害物の除去等
を行なえる他、コイルワイヤー１の前進距離（ま
たは後退距離）はコイルワイヤー１の回転数、即
ち収納容器２の回転数に比例することから、かか
る回転数を知ることにより挿通した管路１５の測
長を容易に行なうことができる。そして収納容器
２を逆回転させると、コイルワイヤー１は推進案
内部８に於いて逆に推進された後退し、こうして
管路１５に挿通されていたコイルワイヤー１を自
動的に収納容器２に戻して収納空間５に螺旋状に
収納することができる。

尚、実施例として、前記収納空間５を密閉に構
成すると共に、推進案内部１１を前記出入部３と
密閉的に連結した構成とし、該推進案内部１１の
外側に密閉用ホース１８の接続部１７を設け、該
接続部１７に一端を接続した密閉用ホース１８の
他端を、挿通すべき管路１５の開口端部に接続し
て、前記コイルワイヤー２を前記密閉用ホース１
８内を経て管路１５に挿通するようにすれば、気
体等の管路１５にも使用可能となる。

以上の作業に際して、曲管部１３その他の個所
に於ける作動部材１５の閊え等によつて大きなト
ルクが加わると、このトルクは収納空間５内に収
納されているコイルワイヤー２の部分にも伝達す
るが、この収納空間５は該コイルワイヤー２の径
よりも若干広い間隔程度であるので、伝達された
トルクはコイルワイヤー２を単に内側穀体４の外
面もしくは外側穀体１の内面に押し付けるだけあ
つて、該コイルワイヤー２が収納空間５内でねじ
れたりして配置し乱し、乱雑となることがない。
かくして本考案はコイルワイヤー２を常に前記収
納空間５に整然と螺旋状に収納することができる
ので、コイルワイヤー２を軸６の回りに均一に回
転させ、円滑に推進させることができる。

本考案は以上の通り、コイルワイヤーを等価的
にねじシヤフトと見做してねじを用いた推進案内
機構を構成することにより、該コイルワイヤーの
推進挿通を収納容器の回転によつて自動的に行な
えるようにしたので、管路の挿通作業を非常に容
易に行なうことができると共に、該コイルワイヤ
ーの挿通距離は収納容器の回転数と比例すること
になることから、管路の測長や特定個所の検出も
容易に行なえるという特徴がある。殊に本考案
は、一側を先細りに形成して、管路に挿通すべき
コイルワイヤーの出入部を構成した回転対称な外
側穀体の内側同軸状に、該外側穀体の内面と対応
する外面を有する内側穀体を設けて、該外側穀体
と内側穀体間に、前記コイルワイヤーの径よりも
若干広い間隔の収納空間を設けた収納容器を構成
し、かかる収納空間にコイルワイヤーを螺旋状に
収納する構成としたので、管路に挿通されている
コイルワイヤーの部分の大きなトルクが加わつ
て、これが収納容器内の部分に伝達されても、収
納されているコイルワイヤーかねじれたりして配
置を乱し、乱雑となることを効果的に防止するこ
とができ、該コイルワイヤーが長い場合にも常に
前記収納空間に整然と螺旋状に収納することがで
きるので、コイルワイヤーの推進を常時均一に円
滑に行なうことができるという特徴がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図は全
体構成の説明図、第２図は第１図の要部の拡大断
面説明図、第３図ａ，ｂは夫々第２図の要部の拡
大断面図、Ｘ−Ｘ線断面図である。 符号、Ａ……収納容器、１……外側穀体、２…
…コイルワイヤー、３……出入部、４……内側穀
体、５……収納空間、６……回転対称軸、７……
基体、８……適所、９……回転駆動源、１０……
歯車、１１……推進案内部、１２……案内路、１
３，１３′……突起、１４……曲管部、１５……
管路、１６……作動部材、１７……接続部、１８
……密閉用ホース。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一側を先細りに形成して前記コイルワイヤー
   の出入部を構成した回転対称な外側穀体の内側
   同軸状に、該外側穀体の内面と対応する外面を
   有する内側穀体を設けて、該外側穀体と内側穀
   体間に、前記コイルワイヤーの径よりも若干広
   い間隔の収納空間を設けた収納容器を構成し、
   該収納容器を前記回転対称軸に対して回転自在
   に基体に支持すると共に、一側を適所に固定し
   た前記コイルワイヤーを前記収納空間に螺旋状
   に収納して、他側を前記出入部から導出させる
   構成とすると共に、前記基体に前記出入部に対
   応して前記コイルワイヤーの推進案内部を設
   け、前記収納容器を回転させて前記推進案内部
   により、該収納容器内のコイルワイヤーを回転
   導出させる構成としたことを特徴とする管路挿
   通装置。 (2) 収納空間は密閉に構成すると共に、前記出入
   部と密閉的に連結した推進案内部の外側に密閉
   用ホースの接続部を設けたことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の管路挿通装
   置。