JPH0346188Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、内燃機関に用いる気化器のアイド
ルアジヤスターに関する。

気化器では、第１図に示すように、スロツトル
バルブを設けたスロツトルシヤフトＡの端にアー
ムＢを固定し、アームＢにボーデンワイヤを連結
し、アームＢを回動させてスロツトルバルブを開
閉するようになつている。一方、気化器のボデー
ＣにはブラケツトＤを締着し、ボデーＣにアイド
ルアジヤスターＥを螺合し、アイドルアジヤスタ
ーＥの先端にアームＢの一側が当るようにしてア
イドル開度を定めている。そして、アイドル開度
は、アイドルアジヤスターＥの螺合による出し入
れで調節するようになつている。

ところで最近のエンジンは、高出力化していて
発熱量も大きく、高速で連続運転したような場
合、気化器のボデーＣもエンジンの熱を受けて温
度上昇し、全体に熱膨張が起る。そしてブラケツ
トＤが、スロツトルシヤフトＡの上方に図に示す
ように離れた位置でボデーＣに締着されている
と、ボデーＣが膨張することによつてアイドルア
ジヤスターＥが図において上方に移動してアーム
Ｂとの位置が離れることになる。このため、アイ
ドル開度になるようにアームＢをアイドルアジヤ
スターＥに当てた場合、通常のアイドル開度位置
よりスロツトルバルブが閉じた位置で止り、エン
ジンのアイドル運転ができずにストツプすること
があるなどの不都合がある。

この考案は、かかることがないように改善した
もので、以下本考案を第２図及び第３図に示す実
施例について説明する。

第２図は、本考案の一実施例を示すもので、気
化器のボデー１内の空気通路に入れた蝶形のスロ
ツトルバルブがスロツトルシヤフト２に取着され
ており、スロツトルシヤフト２の外端にアーム３
が取着され、アーム３にボーデンワイヤが連結さ
れて、アーム３を回動することによつてスロツト
ルバルブを開閉する。矢印は開く方向を示す。ア
イドルアジヤスター４は、ブラケツト５に螺合さ
せて保持させてあり、螺合の適宜位置をバネ６で
保つことができるようになつている。アイドルア
ジヤスター４には、アーム３の一端面が当り、ア
イドルアジヤスター４の出し入れで、最低開度で
あるアイドル開度を調節する。ブラケツト５は、
ボデー１より大きくない熱膨張率を有する材料か
らなり、アイドルアジヤスター４が、スロツトル
シヤフト２の上方にあつて下向きに付けられてい
て、アーム３の一端の上面に当るようにした場
合、スロツトルシヤフト２を挾んでアイドルアジ
ヤスター４と逆のスロツトルシヤフト２より下側
の位置で、ビス７によりボデー１に締着する。

しかして、アイドルアジヤスター６は、エンジ
ンが暖機したときに、アーム３が最低開度である
アイドル開度で止るように位置を調節する。エン
ジンを高速連続運転して発熱量が多いきは、この
熱影響を受けて気化器のボデー１も温度上昇して
膨張するが、この膨張で、ブラケツト５の締着位
置即ちビス７の位置は、スロツトルシヤフト２の
下側で、ブラケツト５を下方に移動させ、これに
保持されたアイドルアジヤスター６も下方に移動
する。従つて、アーム３を閉じた場合、通常のア
イドル開度よりも早く、少し余分に開いた位置で
止る。これによつて、アイドル回転は若干高くな
るが、エンジンストツプすることはない。

第３図は、本考案の他の実施例を示すもので、
第２図に示すものに加えて、アーム３のアイドル
アジヤスター４が当る面を先端が高くなるように
斜面８に形成してある。これによつて、ボデー１
が膨張するとスロツトルシヤフト２とアイドルア
ジヤスター４の間が開き、アイドルアジヤスター
４の下端が斜面８の高い側に当るようになり、ア
ーム３は、スロツトルバルブを開き方向に若干変
化した位置で止り、アイドル回転が少し高くなつ
て、エンジンストツプを防ぐことができる。

以上説明したように、この考案は、スロツトル
バルブをスロツトルシヤフト端に連結したアーム
を回動させて開閉し、アームの端面をアイドルア
ジヤスターに当ててアイドル開度を調節するもの
において、アイドルアジヤスターを保持するブラ
ケツトをボデーと同等乃至はこれより小さい熱膨
張率を有する材料で形成し、このブラケツトを気
化器ボデーに締着する位置をスロツトルシヤフト
を挾んでアイドルアジヤスターと反対側に締着す
るようにしたので、気化器の熱膨張で、アイドル
アジヤスターが、スロツトルバルブを少し開く方
向に移動して、アームを止めることができる。こ
のため、アイドル回転が若干高くなり、アイドル
回転が低くなり過ぎてのエンジンストツプを防ぐ
ことができる。なお、図ではアームがスロツトル
シヤフトの下側にある場合を示してあるが、アー
ムが上側にある場合は、アイドルアジヤスターが
下から上向きになり、ブラケツトを締着する個所
はスロツトルシヤフトの上側になつて、逆の配置
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す側面図、第２図は本考案
の一実施例を示す側面図、第３図は本考案の他の
実施例を示す側面図である。 １……ボデー、２……スロツトルシヤフト、３
……アーム、４……アイドルアジヤスター、５…
…ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スロツトルバルブをスロツトルシヤフト端に連
   結したアームを回動させて開閉し、アームの端面
   をアイドルアジヤスターに当ててアイドル開度を
   調節するものにおいて、アイドルアジヤスターを
   保持するブラケツトを気化器ボデーと同等乃至は
   これより小さい熱膨張率を有する材料で形成し、
   このブラケツトを気化器ボデーに締着する位置を
   スロツトルシヤフトを挾んでアイドルアジヤスタ
   ーと反対側に締着するようにしたことを特徴とす
   る気化器のアイドルアジヤスター。