JPH0346158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は防音ドアに関し、特に低音域の共鳴透
過の影響の少ない防音ドアに関する。

ドア框に化粧パネルを取付けた通常のドアは、
低音域の共鳴透過によりどうしても防音効果は小
さい。そのため、防音ドアとしては適さない。ド
アを厚くすれば防音効果は得られるが、ドア自体
の制約や取付け開口部との整合性の点からドア全
体を肉厚化することは困難とされている。

本考案は、このような通常のドアの防音効果に
ついて種々に検討した結果、面板部分を表・裏化
粧パネルの間に空気層を設けて形成し、その空気
層の厚さを少くとも部分的に70mm以上にすること
により、防音効果の大きいドアが得られることを
見出し、前記化粧パネルの少くとも一方を凸状形
にすることにより、本考案を完成したものであ
る。

次に、本考案の実施例を図面に従つて具体的に
説明する。

第１図及び第２図は本考案の一般的な防音ドア
を示したもので、図において１はドア框、２はこ
のドア框に囲まれた面材部分を構成する化粧パネ
ルを示す。化粧パネル２はドアの面材部分の表・
裏面を構成し、これらの化粧パネルは空気層３を
介して設けられている。

本考案において、化粧パネルの少くとも一つは
１つの凸状部を有しており、かつ該凸状部におけ
る前記空気層の最大厚さｄが70mm以上を有してい
る。かかる凸状部は第１図及び第２図に例示する
ように、面材部分の化粧パネルを外方向に突出さ
せて通常は一つ形成すれば足りる。また、ドアの
外観あるいは構造的な面から通常は表・裏面の一
方は平板とし他方を外方向に突出させるが、必要
に応じ両面の化粧パネルの外方向に突出させても
良い。

表・裏面の化粧パネルの間に形成される空気層
は、これら化粧パネルの曲面形状によりその厚み
は連続的に変化し、一般的にはドア框に近い周辺
ほどその厚みを減少し凸状部が形成される中央部
で最大厚みとなる。そして、大きな防音効果を得
るには、この空気層の最大厚みｄが70mm以上であ
ることが重要である。この空気層の厚みが70mm以
下になると、低音域の共鳴透過により特に低音に
対する防音効果はどうしても低下してしまうから
である。

なお、化粧パネルの材質は特に限定されない
が、気密性で高比重の例えば特殊FRPあるいは
繊維補強されたセラミツク系ボードが好適してお
り、表・裏面でその材質を変えることができる。
またこれらの化粧パネルはドア框に直接に取付け
るほか、面材部分を予め事前形成しておき、これ
をドア框に組み合せても良い。

以上の説明では、化粧パネルの凸状部を比較的
シヤープな陵線により形成しているが、凸状部は
第４図に示すように円滑な曲面で形成しても良
い。更に化粧パネルの間に形成される空気層に
は、通常例えばガラス繊維のような吸音材を充填
する。

本考案は上述の構成により、第５図に示すよう
に従来のドアが曲線ｂのように低周波数域で透過
損失が小さくなり、防音効果が低下するのに、本
考案に係るドアは面材部分を構成する表・裏面の
化粧パネルの間に形成する70mm以上の空気層によ
り曲線ａのように改善され、良好な防音効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る防音ドアの正面
図、第２図はその側面図、第３図は第１図Ａ−Ａ
線部における断面図、第４図は本考案の他の実施
例に係る防音ドアの側面図、第５図は本考案に係
る防音ドアと従来のドアの透過損失を示す説明図
をそれぞれ示す。 図において１はドア框、２は化粧パネル、３は
空気層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ドア框に囲まれた面材部分が空気層を介して
   設けられた表・裏面の化粧パネルから構成さ
   れ、これらパネルの少なくとも一方は、ドア框
   に近いほどその厚みが減少し、その中央部では
   最大厚みとなる１つの凸状部を有しており、か
   つ前記空気層の厚さは前記パネルの凸状部の中
   央部で最大となる一方、ドア框に近い周辺ほど
   厚さは減少するように変化しており、その空気
   層の最大厚さが70mm以上であることを特徴とす
   る防音ドア。 ２ 面材部分の一方の化粧パネルは平板状であ
   り、他方の化粧パネルが凸状部を有している実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の防音ドア。