JPH0345547A - セラミクスシート用組成物およびセラミクスシートの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、セラミクスシート用組成物およびセラミク
スシートの製造方法に関するものである。

［従来の技術および発明が解決しようとする課Ｈ従来、
セラミクスシート用原料組成物としては、高分子化合物
をバインダとして用い、セラミクス原料を有機溶剤また
は水で混練したものが使用されている。このような組成
物は、一般にドクターブレード法、押出法またはロール
法によって薄膜とし、この薄膜を加熱乾燥して溶媒また
は水を揮発させてシート状に形成し、その後このシート
を焼成することによってセラミクスシートとしている。

しかしながら、このような従来の方法では、加熱乾燥を
急激に行なうとひび割れ等の発生を生じるので、徐々に
乾燥しなければならず、製造速度が遅いという問題があ
った。

このような問題を解消するため、特開昭６３−６４９５
３号公報では、エチレン性不飽和結合を少なくとも１個
有する紫外線硬化型液状加工物をバインダとして用いる
方法が提案されている。この方法によれば、紫外線照射
により硬化させるので、薄膜の作製速度を速めることが
できる。しかしながら、エチレン性不飽和結合によるラ
ジカル反応型の樹脂であるため、嫌気性が強く、また硬
化収縮率が大きい。このため、スラリの貯蔵安定性が悪
く、またグリーンシート作製の際の寸法精度が悪いとい
う問題があった。

この発明の目的は、このような従来の問題を解消し、貯
蔵安定性に優れ、かつ硬化収縮率の小さなセラミクスシ
ート用組成物およびセラミクスシートの製造方法を提供
することにある。

［課題を解決するための手段］ 請求項１の発明は、セラミクス原料と、分子内にエポキ
シ基を少なくとも１個以上有する樹脂と、活性エネルギ
線照射によるカチオン重合開始能を有する化合物とを含
むことを特徴とする、セラミクスシート用組成物である
。

この発明においてセラミクス原料は、特に限定されるも
のではなく、通常のセラミクスシートと同様に、各種の
酸化物、炭化物、窒化物および水酸化物等の微粉末を使
用することができる。また、有機金属化合物も使用する
ことができる。

この発明において、分子内にエポキシ基を少なくとも１
個以上有する樹脂は、いわゆるエポキシ樹脂が該当する
。エポキシ樹脂であれば特に限定されることはない。ま
た、必要に応じて有機溶剤で希釈して使用することがで
きる。

この発明において、活性エネルギ線照射によるカチオン
重合開始能を有する化合物とは、紫外線、電子線および
放射線などの活性エネルギ線の照射により、カチオン重
合を開始させることのできる触媒である。

請求項２の発明は、セラミクスシートの製造方法の発明
であり、セラミクス原料と、分子内にエポキシ基を少な
くとも１個以上有する樹脂と、活性エネルギ線照射によ
るカチオン重合開始能を有する化合物とを含むセラミク
スシート用組成物からなる薄膜を形成し、この薄膜に活
性エネルギ線を照射して硬化させ、硬化させた薄膜を焼
成させる各ステップを備えている。

この発明において薄膜を形成させる方法は、ドクターブ
レード法、シート引上げ法、押出法およびロール法など
の通常のセラミクスシートの薄膜形成方法を使用するこ
とができる。

この発明に従えば、まずセラミクス原料と、分子内にエ
ポキシ基を少なくとも１個以上有する樹脂と、活性エネ
ルギ線照射によるカチオン重合開始能を有する化合物と
、必要な場合には溶剤とを混練して、所定の粘度を有す
るセラミクスシート用組成物を作製する。

この組成物をドクターブレード法などにより薄膜状に成
形し、場合によっては短時間の加熱乾燥を行なう。また
、加熱乾燥が不要な場合もある。

次に、形成した薄膜に、紫外線、電子線または放射線な
どの活性エネルギ線を照射しカチオン重合を開始させて
硬化させる。

また、照射工程においてフォトマスクを用いて所定の部
分にのみ活性エネルギ線を照射し現像処理を行なうこと
により、バターニングしたグリーンシートを製造するこ
とができる。

硬化させた薄膜は焼成により脱バインダを行なう。この
脱パインダニ程において、昇温速度は、グリーンシート
の厚みや密度等に応じて適宜に調整する。通常１０〜ｂ ３００〜６００℃程度に１０分〜１０時間程度保持する
。その後、さらに高温に加熱し、セラミクス原料の焼結
を行なう。

［発明の作用効果］ 請求項１の発明では、バインダとして分子内にエポキシ
基を少なくとも１個以上有する樹脂を用い、この樹脂を
活性エネルギ線照射に感応する開始剤により重合させて
いる。従来のようにラジカル重合によりバインダを重合
し硬化させるものでないので、嫌気性がなく、貯蔵安定
性に優れている。また、硬化収縮率が小さいので、グリ
ーンシート作製の際の寸法精度を従来よりも向上させる
ことができる。さらに、接着強度が大きいので、グリー
ンシートの強度を大きくすることができる。

請求項２の製造方法の発明では、活性エネルギ線を照射
して硬化させるものであるため、セラミクスシートの生
産速度を速めることができる。

［実施例］ 実施例１ エポキシ当量が１８０〜１９０であるビスフェノールＡ
型エポキシ樹脂（商標名エピコート８２８、油化シェル
株式会社製）２０重量部と、活性エネルギ線照射による
カチオン重合開始能を有する化合物であるトリアリルス
ルホニウム塩（商標名ＵＶＥ１０１４．米国ゼネラルエ
レクトリック社製）２重量部と、平均粒径０．４μｍの
アルミナ１００ｆｆｉｆｆｉ部と、溶剤としてのメチル
エチルケトン３０重量部を混練し、ドクターブレードで
、ポリイミドフィルム上に４０μｍの厚みの薄膜を形成
させた、次に、この薄膜を赤外線で５分間乾燥した後、
８０Ｗ／ｃｍの高圧水銀灯で５００ｍＪ／ｃｍ２照射し
、バインダを硬化させてグリーンシートを作製した。

このグリーンシートを毎時２００℃で５００℃まで昇温
し、５００℃に１５分間保持して脱バインダを行なった
。その後、毎時６００℃の速度で１０００℃まで昇温し
、１０００℃で２０分間保持して仮焼成を行ない、続い
て毎時２００℃で１５００℃まで昇温し、１５００℃で
３０分間保持して焼結を行ない、セラミクスシートを得
た。

表１には、グリーンシート作製時間、グリーンシートの
強度、および紫外線照射により硬化させた際の硬化収縮
率を示した。

従来例１ 実施例１で用いたのと同じアルミナのセラミクス原料１
００重量部に対して、バインダ樹脂としてのポリビニル
アルコールを２０重量部、イオン交換水を４０重量部添
加して、セラミクスシート用組成物を作製し、これをド
クターブレード法で実施例１と同様に薄膜状に成形し、
次に加熱乾燥により水を揮発させてグリーンシートを作
製した。

このグリーンシートを焼成してセラミクスシートを得た
。表１に、グリーンシートの作製時間、グリーンシート
の強度、および硬化収縮率を示した。

従来例２ 重合度４のポリエチレングリコールの末端にアクリレー
ト基が結合した紫外線硬化型化合物（商標名４ＥＧＡ−
Ａ、共栄社油脂化学工業株式会社製）１００重量部に、
非水溶性の光重合開始剤ベンジルメチルケタール（商標
名イルガキュア６５１、チバガイキ社製）１５重量部を
混合し、バインダを作製した。このバインダの樹脂とし
ての４０重量部相当分に実施例１と同様の平均粒径０゜
４μｍのアルミナ１００重量部を加えて混練し、ドクタ
ーブレード法によりポリイミドフィルム上に４０μｍの
厚みの薄膜を形成させた。この薄膜に紫外線を照射して
、硬化させグリーンシートを得た。このグリーンシート
を焼成して脱バインダを行ない、セラミクスシートを得
た。

表１に、グリーンシートの作製時間、グリーンシートの
強度、および硬化収縮率を示した。

（以下余白） 表１ 表１の結果から明らかなように、この発明に従う実施例
のものは、従来例１のものに比ベグリーンシートの作製
時間が短縮され、かつシート強度が高められている。ま
た、従来例２のものよりも硬化収縮率が小さく、グリー
ンシート作製の際の寸法精度を向上させることができる
。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）　セラミクス原料と、分子内にエポキシ基を少な
   くとも１個以上有する樹脂と、活性エネルギ線照射によ
   るカチオン重合開始能を有する化合物とを含むことを特
   徴とする、セラミクスシート用組成物。
2. （２）　セラミクス原料と、分子内にエポキシ基を少な
   くとも１個以上有する樹脂と、活性エネルギ線照射によ
   るカチオン重合開始能を有する化合物とを含むセラミク
   スシート用組成物からなる薄膜を形成し、 前記薄膜に活性エネルギ線を照射して硬化し、前記硬化
   させた薄膜を焼成させる各ステップを備える、セラミク
   スシートの製造方法。