JPH0345532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は畝に栽植した玉ねぎの畝の両側に垂れ
下がつた茎葉を畝の高さ又は垂れ下がつた茎葉の
長さに応じてこれを確実に掻き上げる玉ねぎ掘取
機における茎葉掻上げ装置に関する考案である。

（従来の技術） 本考案は実願昭60−145909号考案として先きに
提案した玉ねぎ掘取機の改良である。

この先きに提案した玉ねぎ掘取機は、畝の両側
に垂れ下つた茎葉を車台の前部左右に垂下する放
射状の爪を有する１対の掻上げロータで掻上げ、
この１対の掻上げロータの間に横架するハンマー
カツタにより茎葉を切取り、車台後部に備える水
平な掘取刃により地中の根部を掘出すものであ
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら畝には高低があり、又玉ねぎはそ
の生育状態により畝の側面に垂れ下がる茎葉に長
短がある。

本考案は畝の高さに応じ又は畝の側面に垂れ下
がつた茎葉の長さに応じて掻上げロータの位置を
昇降させ、茎葉を正確に掻上げることを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） 車台１の前方左右に垂下するチエンケースＡの
下端には爪先きを畝の両側面にのぞませる掻上げ
ロータ６をそれぞれ架設する。

チエンケースＡの上端に連繋軸Ｃにより屈伸自
在に連結する伝動チエンケースＢの基部は車台に
横架する動軸Ｘに旋回自在に連設する。車台１の
前方左右に固着する突出台Ｆの側面に一定位置で
ハンドルＨを旋回自在に係合させ、ハンドルＨの
雄螺子部を伝動チエンケースＢの側面に備える雌
螺子部Ｄに螺合する。

車台の突出台ＦとチエンケースＡとは揺動杆Ｅ
により連結する。

（作用） ハンドルＨを正転又は逆転すると、チエンケー
スＡは揺動杆Ｅおよび伝動チエンケースＢの基部
を支点に上昇又は下降し、これに応じてチエンケ
ースＡの下端における掻上げロータ６の位置も昇
降する。

（実施例） 図面に示す実施例において車台１にはエンジン
２を搭載する。

３は車台１の前方下部に設けたハンマーカツタ
であり、車台１に架設される横軸３ｂの外周に放
射状に切取刃３ａを有する。この切取刃３ａは、
第２図に示すように２枚刃をボルトナツトで揺動
自在に横軸３ｂに取りつけ、ハンマーカツタ３の
回動時には遠心力によつて横軸３ｂに対して直立
する。また、このハンマーカツタ３の横軸３ｂ
は、エンジン２の出力軸２ａから複数のベルトを
介して所定方向に回動される。

４はエンジン２の出力軸２ａからベルトを介し
て減速回転するように車台１の左右に取付けた駆
動車輪であり、この駆動車輪４は畝７をまたいで
車台１を支持しつつ前進する。

５はハンマーカツタ３の下方に配置され、玉ね
ぎの茎葉を本実施例の前進に伴つてしごき上げる
複数本の案内杆であり、その基端を車台１に取付
位置を長短に調整自在に固定するとともにその先
端を鋭利に形成する。

６は車台１の前部左右に設けた放射状の爪６ａ
を有する一対の掻上げロータである。この掻上げ
ロータ６は、その爪先を畝７の両側面にのぞませ
るとともにその回転軸を駆動車輪４とは逆方向に
回転するようにエンジン２の出力軸２ａとベルト
を介して連結する。

掻き上げロータ６の爪６ａは、図示のように放
射状に例えば６個設けるとともに、各爪６ａを内
側に湾曲させた形状とし、畝７の側面に垂れ下が
つた茎葉を掻き上げ易いようにする。

８は駆動車輪４と同様に畝をまたぐとともに、
車台１を案内させる一対の前輪であり、車台１の
前部に固定される。この前輪８は、調整具９およ
び止ねじ１０の調整によつて上下に移動でき、畝
７の高さに応じて案内杆５の地中への進入深さや
ハンマーカツタ３の地表への接近具合を調整す
る。

１１は上端を車台１の後部左右に前後揺動自在
に垂設する１対の振動杆である。

１２は掘取刃であり、左右の揺動杆１１の下端
に略水平に取付けた刃体１２ａとその後辺に接続
する複数本の土振落し杆１２ｂとからなる。この
土振落し杆１２ｂは、後方に行くに従い漸次上方
に向けて高く傾斜するように構成するとよい。そ
して、土振落し杆１２ｂの左右両側にさらに土振
落し杆１２ｃを複数本設け、掘取る玉ねぎの根部
が掘取刃１２の両側からこぼれ出ぬようにする。

また、刃体１２ａの左右両端は上方に垂直に延
長させ、その延長部は前述の振動杆１１にボルト
ナツトにより固着する。さらに、延長部の前縁に
は、土切り用の切刃を形成する。そして、掘取刃
１２の延長部には、振動杆１１に設けた複数個の
穴と係合する複数個の穴を設ける。従つて、この
穴の位置を変更することによつて、畝７の高さに
応じて掘取刃１２の地中への進入深さを調整可能
とする。

１３はエンジン２の出力軸２ａに連動する左右
の偏心輪で、これに接続する連杆１４の後端に振
動杆１１を軸着して振動杆１１を前後に激しく振
動させる。１４ａは操作用ハンドルである。

このような構成において、車台１は、畝７をま
たぐ駆動車輪４および前輪８の回転によつて前進
すると、まず畝７の両側面にのぞむ一対の掻上げ
ロータ６が旋回して畝７の両側面に垂れ下がつた
玉ねぎの茎葉を上方に掻き上げる。これと並行し
て、案内杆５によつて畝７の上面に垂れている玉
ねぎの茎葉も上方にしごき上げられる。

次に、第２図に示すように、車台１の前方下部
に架設したハンマーカツタ３の切取刃３ａが旋回
して、前述のように掻上げロータ６と案内杆５と
によつて上方に掻き上げられた状態の玉ねぎの不
要な茎葉を切りはねる。

さらに、振動杆１１に固着する掘取刃１２が前
後に振動しつつ畝７を切りくずし、地中に残つた
玉ねぎの根部を刃体１２ａによつて土振落し杆１
２ｂ，１２ｃ上に掘り出し、土を振落しつつ地表
に放出する。

（考案の効果） 本考案においては、単に左右のハンドルＨを正
逆に旋回することにより下端に掻上げロータ６を
架設する左右のチエンケースＡは伝動チエンケー
スＢおよび揺動杆Ｅに支持されつつ昇降するの
で、畝の高さが高い場合および畝の側面に垂れ下
つた茎葉が短い場合は掻上げロータ６の位置を上
昇させ、また畝の高さが低い場合および畝の側面
に垂れ下つた茎葉が長い場合は掻上げロータ６の
位置を下降させて茎葉を確実に畝の上に掻き上げ
て、これを後続のハンマーカツタで尽く切取る、
という効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の全体側面図、第２図は
要部を示す正面図。 １は車台、３はハンマーカツタ、６は掻上げロ
ータ、１２は掘取刃、Ａはチエンケース、Ｂは伝
動チエンケース、Ｃは軸、Ｄは雌螺子、Ｅは揺動
杆、Ｆは突出台、Ｈはハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車台の前部左右に放射状の爪を有する１対の掻
   上げロータを垂下すると共にその１対の掻上げロ
   ータの間に茎葉切取り用のハンマーカツタを横架
   し、車台の後部に備える掘取刃により地中の根部
   を掘出す玉ねぎ掘取機において、車台１の前方左
   右に垂下するチエンケースＡの下端には爪先きを
   畝の両側面にのぞませる掻上げロータ６をそれぞ
   れ架設し、チエンケースＡの上端に軸Ｃにより屈
   伸自在に連結する伝動チエンケースＢの基部は車
   台１に横架する動軸Ｘに旋回自在に連設し、車台
   の前方左右に固着する突出台Ｆの側面に一定位置
   で旋回自在に係合するハンドルＨの雄螺子部を伝
   動ケースＢの側面に備える雌螺子部Ｄに螺合さ
   せ、しかして車台の突出台ＦとチエンケースＡと
   を揺動杆Ｅにより連結して成る茎葉掻上げ装置。