JPH0345206B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はスクリユーエキスパンダのような容
積式膨張機を使用した熱回収装置に関するもので
ある。

従来の技術 廃熱の有効利用方法としてランキンサイクルを
応用した熱回収装置が既に知られている。例えば
特開昭60−144594号公報は、工場排水等の熱源か
ら廃熱を動力として回収するようにした装置を開
示している。この従来の装置は第２図に示すよう
に、廃熱を熱源としてフロン等の作動流体を加熱
して蒸発せしめるための蒸発器 ２と、蒸発器で
発生した高温、高圧の作動流体蒸気によつて回転
駆動する容積式膨張機すなわちこの場合スクリユ
ーエキスパンダ４と、このスクリユーエキスパン
ダから排出される仕事を終えて低圧となつた作動
流体蒸気を冷却して凝縮せしめるための凝縮器６
と、作動流体を循環させるためのポンプ８とを、
閉ループに接続して構成されており、スクリユー
エキスパンダ４の出力軸は発電機等の負荷１０と
連結する。

発明が解決しようとする問題点 熱需要が無いときは容積式膨張機への作動流体
蒸気の供給を止めて装置の稼働を停止するのであ
るが、一旦停止した容積式膨張機を始動させるに
は大きな起動トルクを要し、しかも同期回転数に
達するまでには時間が掛かるため、急な負荷変動
には到底追従することができない。また、容積式
膨張機を同期回転数に制御するためには種々多数
の計器類を必要とするうえにシーケンスも非常に
複雑となり、制御技術上およびコスト、メンテナ
ンス上問題が多い。

この発明は、このような従来の問題点を解消し
て、簡単な構成で急激な負荷の立ち上がりに即座
に対応できるようにした熱回収装置を提供せんと
するものである。

問題点を解決するための手段 この発明は、廃熱を利用して作動流体を加熱し
これを蒸発せしめる蒸発器と、発生した作動流体
蒸気で回転駆動する容積式膨張機と、容積式膨張
機から作動流体蒸気を受け取りこれを冷却して凝
縮せしめる凝縮器と、作動流体を循環させるため
のポンプとを包含してなる熱回収装置において、
容積式膨張機に少なくとも所定の回転数を保持す
るに足る量の作動流体蒸気を常に供給する手段を
設けることによつて、上記の目的を達成するもの
である。

かかる手段は、蒸発器と容積式膨張機とを接続
する作動流体の管路に設けるコントロールバルブ
の上流側と下流側を連絡するバイパスでもよい
し、もしくは該コントロールバルブが閉弁時でも
完全に閉塞することなく一定流量の作動流体の流
過を許容する構造であれば前記のバイパスは省略
できる。

作 用 熱需要がないときなどでも容積式膨張機は耐え
ず所定の回転数を維持するため、大きな起動トル
クを要することなく即座に所望の回転数に上げる
ことができる。

実施例 この発明の実施例を示す第１図を参照すれば、
熱回収装置は蒸発器１２、容積式膨張機１４、凝
縮器１６、およびポンプ１８を包含しており、こ
れらは作動流体〔例えばフロン〕を流す管路２２
で直列に接続されて閉じた作動流体ループを構成
する。

蒸発器１２には工場排水等の熱源水を供給する
管路２４が接続されており、蒸発器１２はその熱
源水からの熱でもつて作動流体を加熱して蒸発せ
しめるように機能する。発生した作動流体蒸気は
容積式膨張機１４の入口へ送られる。容積式膨張
機１４の一例としてスクリユーエキスパンダを挙
げることができる。スクリユーエキスパンダはス
クリユーコンプレツサと構造を同じくし、蒸発器
１２からの高温、高圧の作動流体蒸気が内部を次
第に膨張しながら進むことによつて回転駆動を受
け、その出力軸に回転運動を取り出すようにした
ものである。仕事を終えて低圧になつた作動流体
蒸気は容積式膨張機１４の出口から凝縮器１６へ
進む。凝縮器１６には河川水等の冷却水を供給す
る管路２６が接続されており、凝縮器１６はその
冷却水でもつて作動流体蒸気を冷却して凝縮せし
める。凝縮した作動流体はポンプ１８で再び蒸発
器１２へ送られ、以後同様のサイクルをたどりつ
つ作動流体ループ内を循環する。

容積式膨張機１４の出力軸は回収した熱エネル
ギーの用途に応じて発電機やポンプなどといつた
負荷２０に接続する。容積式膨張機１４と蒸発器
１２とを接続する作動流体の管路２２の途中にコ
ントロールバルブ２８を設け、これを負荷２０の
運転状態に応じて開閉操作するべ、く負荷２０と
電気的に接続する。すなわち、負荷２０の特定の
運転状態を示す所定の物理的その他のパラメータ
に基づいてコントロールバルブ２８に閉止信号を
送り、コントロールバルブ２８を閉じさせる。こ
のとき、コントロールバルブ２８の上流側と下流
側を連絡するバイパス３０が存在するため、一定
の作動流体が流過し続け、その結果容積式膨張機
１４はコントロールバルブ２８が全閉のときでも
所定回転数を保持する。したがつて、負荷２０が
休止状態から急に稼働を開始すべきときでも、容
積式膨張機は多大の起動トルクを要することなく
即座に所望の回転数に達することができる。

なお、別の実施例として、閉弁時でも完全に閉
塞することなく一定流量の作動流体の流過を許容
しうる弁構造のコントロールバルブを採用しても
よく、その場合には上述のバイパス３０を省略す
ることができる。

発明の効果 以上説明したとおりこの発明は、簡単な構成
で、負荷の急激な立ち上がりにも充分対応し得、
したがつて著しい負荷変動に着実に追従し得る熱
回収装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例たる熱回収装置のブ
ロツク線図、第２図は従来例たる熱回収装置のブ
ロツク線図である。 １２……蒸発器、１４……容積式膨張機、１６
……凝縮機、１８……ポンプ、２０……負荷、２
２……作動流体管路、２４……熱源水管路、２６
……冷却水管路、２８……コントロールバルブ、
３０……バイパス。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 作動流体を加熱して蒸発せしめるための蒸発
   器、 蒸発器にて発生した作動流体蒸気により回転駆
   動する容積式膨張機、 容積式膨張機からの作動流体蒸気を冷却して凝
   縮せしめるための凝縮器、および 作動流体を循環させるためのポンプ を包含してなり、上記容積式膨張機に少なくとも
   所定の回転数を保持するに足る量の作動流体蒸気
   を常に供給するようにしたことを特徴とする熱回
   収装置。 ２ 蒸発器と容積式膨張機とを接続する作動流体
   の管路にコントロールバルブを設けると共に該コ
   ントロールバルブの前後をバイパスで連絡せしめ
   たことを特徴とする特許請求の範囲の記載１の熱
   回収装置。 ３ 蒸発器と容積式膨張機とを接続する作動流体
   の管路にコントロールバルブを設け、該コントロ
   ールバルブが閉弁時でも一定流量の作動流体蒸気
   の流過を許容するようにしたことを特徴とする特
   許請求の範囲の記載１の熱回収装置。