JP2740802B2 - 予熱器付き蒸発装置 - Google Patents

予熱器付き蒸発装置

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JP2740802B2 JP63111071A JP11107188A JP2740802B2 JP 2740802 B2 JP2740802 B2 JP 2740802B2 JP 63111071 A JP63111071 A JP 63111071A JP 11107188 A JP11107188 A JP 11107188A JP 2740802 B2 JP2740802 B2 JP 2740802B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、蒸発器に供給する被加熱液を、蒸発器に
おける加熱に先立って予熱するための予熱器を具備した
蒸発装置に関するもので、例えば熱回収装置における作
動流体の予熱に利用することができる。
〔従来の技術〕 蒸発器は液体を加熱して蒸発に変えるためのもので、
液体を熱源流体との間で熱交換させ、蒸発の潜熱を熱源
流体から奪うことによって蒸発させる。そして、一般
に、同じ熱源流体でもって、より高温の蒸気を得るため
に予熱がおこなわれる。この場合、予熱用の熱源を蒸発
器の熱源と共用することが考えられる。
すなわち、第2図に示すように、通常蒸発温度T4は (熱源流体の出口温度T2)−ΔTp で与えられるところ、予熱をおこなうことによって、第
3図に示すように、熱源流体の蒸発器出口温度がT2から
T2′に上がるまで、それに対応して蒸発温度をT4から
T4′まで高くすることができる。
たとえば特開昭60−138212号公報の第1図には蒸発器
と予熱器に熱源流体としての地熱水を直列に流すことが
示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、熱源流体に対して蒸発器と予熱器を単
に直列に接続すると、熱源流体の圧力損失が(蒸発器に
おける損失+予熱器における損失)となってしまう。
そこでこの発明の目的は、圧力損失の上昇を伴わない
予熱を可能ならしめることである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、熱源を蒸発器と共用する予熱器を具備し
た蒸発装置において、熱源流体を、蒸発器および予熱器
にシリーズに流すのでなく、それぞれに分流させてパラ
レルに供給するようにした。すなわち、この発明の予熱
器付き蒸発装置は、熱源を蒸発器と共用する予熱器を具
備した蒸発装置において、熱源流体の供給路を蒸発器の
上流側で分岐させ、一方を蒸発器に接続するとともに他
方を予熱器に接続することにより、熱源流体を蒸発器と
予熱器とに分流させてパラレルに供給し、蒸発器と予熱
器を通過後の熱源流体を合流させるようにしたことを特
徴とする。
〔作用〕
熱源流体は蒸発器の上流側でわかれてそれぞれ蒸発器
および予熱器へ供給される。したがって、熱源流体の圧
力損失は(蒸発器における損失または予熱器における損
失)となり、予熱器を付設することによる圧力損失の増
大を避けることができる。さらに、熱源流体の流量を一
定とすれば、分流させることにより蒸発器および予熱器
における流量が低下し、圧力損失は一層減少する。
〔実施例〕
以下、図面に示す実施例について説明する。
第1図は予熱器付き蒸発装置を含む熱回収装置を示し
ている。この熱回収装置は、フロン等の作動流体を用
い、例えば工場やプラントからの温排水であるとか地熱
水等を熱源として、ランキンサイクルに基づき作動す
る。すなわち、熱源流体との熱交換によって作動流体を
蒸発せしめる蒸発器(2)と、この蒸発器(2)で発生
した高温・高圧の作動流体蒸気によって回転駆動するよ
うにした蒸気原動機(4)と、仕事を終えて蒸気原動機
(4)から排出される低圧の作動流体蒸気を冷却して凝
縮せしめる凝縮器(6)と、凝縮した作動流体を再び蒸
発器(2)へ送る循環ポンプ(8)とを閉ループに接続
して構成されており、蒸気原動機(4)の出力軸を発電
機(10)と連結させてある。
蒸発器(2)の機能は、液相の作動流体に熱源流体か
ら蒸発の潜熱を奪わせ、高温・高圧の作動流体蒸気を発
生させることにある。そして、このときの作動流体の蒸
発湿度が高いほど熱回収装置の出力は大きくなる。
予熱器(12)は蒸発器(2)に供給される作動流体を
予熱して、蒸発器(2)における蒸発温度を高める働き
をする。
予熱器(12)はその熱源を蒸発器(2)と共用する
が、熱源流体の供給路(14)は参照符号(14a)(14b)
で示すように蒸発器(2)の上流側で分かれており、蒸
発器(2)および予熱器(12)にそれぞれ熱源流体がパ
ラレルに供給される。このため、熱源流体の圧力損失
は、蒸発器における損失または予熱器における損失のう
ちどちらか大きい方となる。すなわち、仮に蒸発器
(2)および予熱器(12)における圧力損失がどちらも
1kg/cm2とすると、両者に熱源流体をシリーズに流すと
きは圧力損失は2kg/cm2となるが、図示のようにパラレ
ルに流すときは1kg/cm2にしかならない。
さらに、熱源流体の流量を一定とすれば、分流させる
ことによって蒸発器(2)および予熱器(12)における
熱源流体の流量は減少するので、圧力損失がいっそう低
減することになる。このことは、熱源流体を豊富に確保
できる場合にはとりわけ有利である。すなわち、熱源流
体が豊富であれば、圧力損失が低減する分流量を増やす
ことによって、圧力損失は従来と同じでも発電量を増や
して所内率を低くおさえることができるからである。な
お、ここに、所内率とは、当該システムの所要動力に対
する発電量の割合をいう。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、予熱器を付
設しても圧力損失の増大を招くことがないため、予熱に
よる出力アップを有効に図ることができるほか、当該蒸
発装置を使用するシステムの所内率をおさえる上で極め
て有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例たる蒸発装置を含んだ熱回収
装置のブロック線図、 第2図は予熱器を具備しない蒸発器における流体の温度
変化を示す線図、 第3図は予熱器を付設した蒸発器における流体の温度変
化を示す線図である。 2:蒸発器 12:予熱器 14、14a、14b:加熱流体の供給路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱源を蒸発器と共用する予熱器を具備した
    蒸発装置において、熱源流体の供給路を蒸発器の上流側
    で分岐させ、一方を蒸発器に接続するとともに他方を予
    熱器に接続することにより、熱源流体を蒸発器と予熱器
    とに分流させてパラレルに供給し、蒸発器と予熱器を通
    過後の熱源流体を合流させるようにしたことを特徴とす
    る予熱器付き蒸発装置。
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