JPH0344662Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、その上に各種の物品を載置して搬送
を行なうための搬送用パレツトに関する。

【考案の概要】

本考案は、中空の押出し成形体から成る桁の上
下にそれぞれ中空の合成樹脂製のパネルを固着し
て搬送用パレツトを組立てるようにしたものであ
つて、軽量でしかも大きさを任意に変更すること
ができるパレツトを安価に提供しようとするもの
である。

【従来の技術】

各種の物品を載置して搬送を行なうために、従
来より搬送用パレツトが用いられている。従来の
搬送用パレツトは木から作られており、桁の上下
にそれぞれ板を釘付けしたものであつた。このよ
うなパレツト上には各種の物品が載置され、フオ
ークリフトのフオークを挿入して搬送を行なうよ
うになつていた。

【考案が解決しようとする問題点】

従来の木製の搬送用パレツトは、比較的安価に
組立てることが可能だが、ダニなどの害虫が発生
し易く、不衛生であるという欠点を有している。
また水を含むと重量が非常に大きくなるという欠
点がある。このような欠点を克服するために、合
成樹脂製の搬送用パレツトが提案されている。と
ころが従来の合成樹脂製のパレツトは、射出成形
によつて成形されたものであるために、価格が高
くなるばかりでなく、無空の成形体によつて構成
されていたために、重量も比較的大きいという欠
点があつた。さらに寸法を変更するためには、射
出成形用の金型を新たに作直す必要があり、この
ために寸法の変更が面倒になつていた。 本考案はこのような問題点に鑑みてなされたも
のであつて、軽量であつてしかも衛生的で、さら
に寸法の変更が容易な搬送用パレツトを安価に提
供することを目的とするものである。

【問題点を解決するための手段】

本考案は、その上に物品を載置して搬送を行な
うためのパレツトにおいて、押出し成形された中
空の桁と、押出し成形された中空のパネルとを具
備し、複数本の桁を横方向に並べて配し、それら
の上下にそれぞれ中空のパネルを配して結合ピン
で上下の桁に固着するとともに、桁の端部の開口
をキヤツプによつて閉じるようにしたものであ
る。

【作用】

従つて本考案によれば、中空の桁と中空のパネ
ルとによつてパレツトが組立てられることにな
り、その重量が軽くなる。また木を使つていない
ために不衛生になり、さらには押出し成形体を用
いているために、搬送用パレツトのコストを安価
にすることが可能になる。

【実施例】

以下本考案を図示の一実施例につき説明する。
第１図は本実施例に係る搬送用パレツトを示すも
のであつて、この搬送用パレツトは、上側の中空
のパネル１１と下側の中空のパネル１２とをそれ
ぞれ備えるようになつており、これらのパネル１
１，１２は中空の押出し成形体からなる桁１３の
上下にそれぞれ結合されるようになつている。上
下のパネル１１，１２は、第２図に拡大して示す
ように、その内部が中空になつており、連結部１
４によつて上下の板状体の部分がそれぞれ連結さ
れる構造になつている。また桁１３は第３図に拡
大して示すように補強用の中間壁１５を介して外
側の構造体の部分が結合された状態で成形される
ようになつている。そしてパネル１１，１２と桁
１３とは、ともに押出し成形によつて成形された
成形体から構成されている。 つぎにこれらの結合あるいは組立ての方法につ
いて説明すると、第５図に示すように、上下のパ
ネル１１，１２は結合ピン１６によつて桁１３に
結合されるようになつている。結合ピン１６は中
心部を貫通するように心棒１７を備えており、ピ
ン１６をパネル１１，１２と桁１３とを貫通する
ように挿通させた後に、心棒１７を叩くことによ
つて、その根元部分が広がつて膨出部１８が形成
されることになる。この後にピン１６の頭部は切
断されて除去されるようになつている。これによ
つて上下のパネル１１，１２は桁１３の上下面に
それぞれ結合されることになる。従つてパネル１
１，１２と桁１３とを貫通する穴をドリルによつ
て形成するとともに、この穴に結合ピン１６を挿
通し、心棒１７を叩くだけで結合動作が行なわれ
るようになり、容易に結合を行なうことが可能に
なる。なおこのようなピン１６による結合に代え
て、接着、溶着等の方法によつてパネル１１，１
２を桁１３に結合するようにしてもよい、 桁１３の端部は開放された状態になつているた
めに、この端部を閉じるためのキヤツプ１９を装
着する。キヤツプ１９は第４図に拡大して示すよ
うに、端面から突出するように連結板２０を備え
ており、しかも連結板２０には爪２１が設けられ
ている。従つてキヤツプ１９を桁１３の側面側開
口に挿入するように結合すると、連結板２０に形
成されている爪２１が桁１３の係合孔２２に係合
されるようになり、これによつてキヤツプ１９で
桁１３の側端側開口が閉じられることになる。こ
の後にさらに必要に応じて、接着あるいは溶着に
よつて完全に桁１３の側端の開口をシールするよ
うにしてもよい。またパネル１１，１２の側面側
開口については、溶着によつて押潰して中空部分
を閉じるようにしている。従つてパネル１１，１
２の中空部分あるいは桁１３の中空部分が外部か
ら安全にシールされることになり、外部から水や
異物が侵入することが防止され、衛生的な搬送用
パレツトを提供することが可能になる。 このように本実施例に係る搬送用パレツトは、
中空の上下のパネル１１，１２を中空の桁１３の
上下にそれぞれ結合するようにしているために、
搬送用パレツト全体の重量が従来の木製のパレツ
トに比べて著しく軽量化される。また従来の無空
の合成樹脂製のパレツトに比べても、その重量が
軽くなるばかりでなく、価格的にも非常に有利に
なる。またこのような搬送用パレツトは、上下の
パネル１１，１２と桁１３とをそれぞれ所定の寸
法に切断してピン１６で結合するだけで組立てを
行なうことができるために、必要に応じて容易に
組立てが可能になる。また寸法を変える場合に
は、パネル１１，１２あるいは桁１３の長さを変
更すればよく、このために寸法の変更に容易に対
応することが可能になる。さらに押出し成形体１
１，１２，１３を利用して組立てるようにしてい
るために、寸法の変更に対応して金型を変更する
必要がなくなり、形状あるいは大きさの変更にフ
レキシブルに対応することが可能になる。また全
体を１つの成形体とするものでないために、パレ
ツトの大きさに対応する大きな金型が必要でなく
なる。 以上本考案を図示の一実施例につき述べたが、
本考案は上記実施例によつて限定されることな
く、本考案の技術的思想に基いて各種の変更が可
能である。例えば第６図に示すように、上下パネ
ル１１，１２間に介装される桁１３を複数個に分
割することによつて、側面側にもフオーク挿入孔
２６を形成することが可能になり、前後に形成さ
れているフオーク挿入孔２５と側面側のフオーク
挿入孔２６のうちのいずれかを選択的に利用する
ことが可能になる。また中間に配される中空の押
出し成形体から成る桁１３についても、その断面
形状は各種に変更可能であつて、第７図〜第１６
図に示すような各種の変形例に置換えることが可
能である。 またキヤツプ１９として第１７図および第１８
図に示す構造のものを用いるようにしてもよい。
この変形例に係るキヤツプ１９は、連結板２０の
側面に爪２１を備えるとともに、キヤツプ１９の
両側にはそれぞれ保護用リブ２８が形成されるよ
うになつている。このように保護用リブ２８を設
けることによつて、フオークリフトのフオークか
ら爪２１を保護することが可能になる。さらに爪
２１がキヤツプ１９の側面に形成されているため
に、係合孔２２に係合した爪２１が上下のパネル
１１，１２によつて覆われることがなくなり、こ
れによつて後からキヤツプ１９を取外すことが可
能になる。

【考案の効果】

以上のように本考案は、中空の上下のパネルを
横方向に並べて配された複数本の、中空の桁の上
下に結合して結合ピンによつて固着するようにし
ているために、搬送用パレツト全体の重量が従来
の木製のパレツトに比べて非常に軽量になる。ま
た従来の無空の合成樹脂製のパレツトに比べて
も、その重量が軽くなる。また中空であるために
合成樹脂の使用量も非常に少なくなり、これによ
つて価格的にも有利になる。 またこのような搬送用パレツトは、上下のパネ
ルと桁とをそれぞれ予め十分な長さに押出し成形
しておき、その後に所定の寸法に切断してピンを
用いて結合固着するだけで組立てを行なうことが
できるために、使用する際に必要に応じて容易に
組立てが可能になる。また寸法を変える場合には
上下の中空のパネルあるいは中空の桁の切断長を
変更すればよく、このために寸法の変更に容易に
対応することが可能になる。 さらに押出し成形されたパネルと桁とを用い、
これらをそれぞれ適当な長さに切断して組立てる
ようにしているために、寸法の変更に対応して金
型を変更する必要がなく、形状あるいは大きさの
変更にフレキシブルに対応できるようになる。ま
た全体を１つの成形体とするものではないので、
パレツトの大きさに対応する大きな金型が必要で
なくなる。従つて金型が小型になるばかりでな
く、そのコストも非常に安くなる。 また桁の端部の開口をキヤツプで覆うようにし
ているために、外部から水や異物が桁の中空部分
の中に侵入することが防止され、これによつて衛
的な搬送用パレツトが提供できるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る搬送用パレツ
トを示す分解斜視図、第２図はこのパレツトに用
いられる上下の中空のパネルの断面図、第３図は
同桁の断面図、第４図は桁の端部に装着されるキ
ヤツプの外観斜視図、第５図は結合の構造を示す
縦断面図、第６図は変形例に係る搬送用パレツト
の外観斜視図、第７図〜第１６図は変形例に係る
桁の縦断面図、第１７図は変形例に係るキヤツプ
の正面図、第１８図は同外観斜視図である。 なお図面に用いた符号において、１１，１２…
…中空パネル、１３……桁（中空の押出し成形
体）、１４……連結部、１５……補強用中間壁、
１９……キヤツプ、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 その上に物品を載置して搬送を行なうためのパ
   レツトにおいて、 押出し成形された中空の桁と、押出し成形され
   た中空のパネルとを具備し、 複数本の前記桁を横方向に並べて配し、それら
   の上下にそれぞれ前記中空のパネルを配して結合
   ピンで前記桁に固着するとともに、前記桁の端部
   の開口をキヤツプによつて閉じるようにしたこと
   を特徴とする搬送用パレツト。