JPH0344421Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は残材処理装置を備えた剪断機に関する
ものである。

［考案の技術的背景と従来装置の問題点］ 本考案は剪断機に関わり、更に詳細には剪断機
の固定下刃のほぼ延長線位置に、剪断残材の把持
側端を通過させる長穴を設け、該長穴のパスライ
ン面での面積を占める残材受台を設け、該残材受
台の一部に残材受台の上面が水平状態から残材が
滑動落下するまでに揺動させる揺動駆動装置を設
けた剪断機に関するものである。

従来、例えば薄板鉄板などの定尺材から所望の
幅の鉄板を剪断するには、剪断機の切り落し側
（可動上刃側）にバツクゲージを設け、これに定
尺材などの前端を手持ちして後端を押しつけて剪
断機を行なうのが一般的であつた。

しかしギヤツプシヤーを使つて剪断機の能力以
上の追い切りをする場合に一人の作業員で安全作
業を進める場合やブランキングシヤー（上下の刃
が途中から直角をなして連続していて一挙に隣接
する二辺を剪断するシヤー）の場合には、前方端
辺に数値制御の板材把持移動位置決め装置を使用
するのが能率的である。

この数値制御の板材移動位置決め装置を使用し
た場合に問題になるのは、前記した定尺板材など
の少くとも一辺に把持爪のつかみ代が必要で、多
くの場合にこのつかみ代は残材として残り、作業
員が手作業でテーブル上から取り出す必要があつ
たのである。

［考案の目的］ 本考案の目的は、上記したように数値制御の板
材移動位置決め装置を使用した場合に発生する残
材を、人手を要せずに残材ボツクスなどに収容す
る装置を設けて、作業能率の高い剪断機を得るこ
とを目的としたものである。

［考案の概要］ 本考案では剪断機の固定下刃のほぼ延長線位置
に、剪断残材の把持側端を通過させる長穴を設
け、該長穴のパスライン面での面積を占める残材
受を設け、該残材受台の一部に残材受台の上面が
水平状態から残材が滑動落下するまでに揺動させ
る揺動駆動装置を設けて作業能率が高くて安全な
剪断機を得たのである。

［考案の実施例］ 図面にもとづいて本考案の好適実施例を詳細に
説明する。

第１図、第５図はブランキングシヤー１の前方
（第１図の斜め右下、第５図の右側）に数値制御
の板材移動位置決め装置３を備えた斜視図及び側
面図で、第４図の平面図に本考案の残材処理装置
５が示してあり、第６図には第４図の−断面
矢視図が示してある。

第１、第４、第５図に例示したブランキングシ
ヤー１は、前方の可動上刃７が途中で直角に方向
を変えた後方へ向う可動上刃９となつている。
（第１図参照） また可動上刃７，９と対応する固定下刃１１，
１３が直角折れ曲りの周辺のテーブル１５に固着
してあり、ブランキングシヤー１と、残材処理装
置５の前方には、例えば定尺板材１７を水平に支
承するワークテーブル１９が上面に多数のフリー
ボールベアリング２１を植設して設けてある。

このフリーボールベアリング２１は前記した直
角をはさむブランキングシヤー１のテーブル１５
の上面と残材処理装置５の上面にも設けてあり、
これらの上面が形成する平面が定尺板材１７のパ
スライン２３（第６図参照）である。

前記ワークテーブル１９には前後方向に２本の
溝２５，２５が設けてあつて、この溝の中でパル
スモータなどの電動機２７でリードスクリユ２９
が正逆転させられ、この回転によつてリードスク
リユ２９と螺合するナツト部材（図示省略）を内
蔵するキヤレツジベース３１が前後方向（第４図
の左右方向）に移動位置決めされる。

またキヤレツジベース３１にとりつけたパルス
モータなどの第２の電動機３３によつて正逆転駆
動される第２のリードスクリユ３５に螺合するナ
ツト部材を内蔵するキヤレツジ３７がキヤレツジ
ベース３１の後側面に設けたガイドレール３９に
案内されて、左右方向（第４図の上下方向）に移
動位置決めされる。

したがつてキヤレツジ３７の後側面に間隔を調
整自在に取りつけた把持爪装置４１と板材を前方
に引き込む引込み装置４３によつて基準位置に把
持された定尺板材１７は、前記可動上刃７，９と
固定下刃１１，１３に対して所望の位置に移動位
置決めされることが理解できるであろう。

なお第４図と第５図には、ワークテーブル１９
の２本のリードスクリユ２９の間に昇降自在な吸
着装置４５付きのターンテーブル４７が設けてあ
る状態が示してある。

かくて第３図に示した定尺板材１７のブランキ
ング作業計画図に従つて、第２図に示したように
固定下刃１１，１３に対する位置決めと剪断作業
が行なわれると、例えば４９のようにＬ字形の残
材が前方辺縁を把持爪装置４１に把持された状態
で残る。

本考案の剪断機であるブランキングシヤー１に
は第４図をもつとも明らかなように、固定下刃１
１のほぼ延長線位置に残材４９の把持側端を通過
させる長穴５１が設けてあつて、この長穴５１の
パスライン２３面（第６図参照）での面積を占め
る残材受台５３が設けてある。

この残材受台５３は、そのアーム５５の一部が
残材処理装置５の一部に設けた水平軸５７のまわ
りを残材受台５３の上面が水平状態から残材が滑
動落下するまでに揺動自在なベルクランク５９状
に設けてあつて、例えば揺動装置をなす流体圧シ
リンダ６１に駆動されて揺動する。

したがつて把持爪装置４１によつて、残材受台
５３上に移動された残材４９は、前記揺動によつ
て斜めに滑動落下し、ワークテーブル１９の長穴
５１に面して垂設したシユートガイド６３に案内
されて残材収納箱６５に収納される。

残材４９が残材受台５３の幅よりせまい場合
は、残材４９の重心が残材受台５３の上面面積内
にあるから問題はないが、前記したように例えば
残材４９がＬ字形をして、Ｌ字形部分の後方端が
残材処理装置５の上面テーブル上にまで延びて配
置される場合は、前記揺動の初期に残材４９が前
方に滑動してワークテーブル１９との間にブリツ
ジを構成することがある。

本考案の実施例では残材処理装置５の後方（第
１図、第６図の左側）から支柱６７を立設し、ア
ーム６９を前方に延長してその先端の残材受台５
３の上方に流体圧シリンダ７１をほぼ垂直に設
け、そのピストンロツド７３の下端に残材受台５
３の長手方向に下面が反球状の複数の弾性パツド
７５を備えた残材４９の押圧装置７７を設けた。

したがつて本考案の実施例の押圧装置７７を備
えたために、残材４９が残材受台５３より奥行方
向に幅が広くても揺動の初期には残材４９を残材
受台５３の上面に押圧していて、前記したような
ブリツジ現象をおこさない効果を得たのである。

［考案の効果］ 以上詳記したところから明らかなように、本考
案の技術思想を具現した剪断機は定尺板材などか
ら追い切りを含む剪断作業を行なうのに前方に数
値制御の板材移動位置決め装置を利用しており、
その固定下刃のほぼ延長線位置に残材処理装置を
備えて、残材の把持側前端を通過させる長穴を経
て、残材受台を揺動して残材を残材収納箱に集積
するのを自動的に行なうことができるから作業能
率の高い残材処理が安全に行なえる効果を得た。

またこの装置は既存の剪断機に後付けでも装着
が容易であり、更にＬ字形の残材でも集積可能で
あり、残材受台の揺動と簡単な押圧装置を設けた
程度なのでコスト安に供給できる効果を得たので
ある。

なお本考案の技術思想を逸脱することなく設計
変更が容易であることも明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は剪断機の一例としてのブランキングシ
ヤーの斜視図、第２図はブランキング作業の固定
下刃との関係位置の説明図、第３図はブランキン
グ作業計画図、第４図は本考案の実施例剪断機の
平面図、第５図は第４図の−断面矢視図、第
６図は第４図の−断面矢視図、第７図は第６
図の−矢視図である。 図面の主要部を表わす符号の説明、１……ブラ
ンキングシヤー、３……板材移動位置決め装置、
５……残材処理装置、１１……固定下刃、１３…
…固定下刃、４９……残材、５３……残材受台、
６５……残材収納箱、７５……弾性パツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 剪断機の固定下刃のほぼ延長線位置に、剪断
   残材の把持側端を通過させる長穴を設け、該長
   穴のパスライン面での面積を占める残材受台を
   設け、 該残材受台の一部の残材受台の上面が水平状
   態から残材が滑動落下するまでに揺動させる揺
   動駆動装置を設けたことを特徴とする剪断機。 (2) 前記残材受台の上方に前記剪断残材を残材受
   台の上面に押圧して一体的に揺動自在な押圧装
   置を設けたことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載の剪断機。