JPH0790959A - 間仕切壁の設置方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工場生産が可能な壁パネルにより間仕切壁
を構成し得ると共に、上記壁パネルを現場にて容易に設
置できるように成す間仕切壁の設置方法を提供すること
にある。 【構成】 壁パネル本体の一側辺部に沿って凸係合部
５を設けると共に、同壁パネルａ他側辺部に沿って凹係
合部４を設けて壁パネルａを構成し、上記壁パネルａの
上下端部に止着金物６を取付固定し、該止着金物６の止
着部を壁パネルａ側方へ向けて突出させ、その壁パネル
ａを床面ｂと天井面ｃとの間に垂直に嵌め込み、上下止
着金物６を床面ｂ及び天井面ｃに止着し、上記壁パネル
ａの隣に次の壁パネルａを同様に嵌め込み、隣合う両壁
パネルａの凸係合部５と凹係合部４とを係合させると同
時に、後から設置した壁パネルａの上下両止着金物６を
床面ｂ及び天井面ｃに対して止着するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、間仕切りの設置方法
に関し、さらに詳しくは間仕切壁を構成する壁パネルを
工場にて製造し、該壁パネルを現場にて容易に組み付け
て間仕切壁を構成することのできる間仕切壁の設置方法
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、部屋の内部を間仕切壁により仕切
る際には、間仕切壁を設置する箇所の壁の下地を行なっ
た後、図８にて示すように木材若しくは軽量鉄骨により
枠１０１を組み上げ、この枠１０１に対してボード１０
２，１０３を貼り付けることにより設置していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図８にて示した間仕切
壁の設置作業は、壁下地、枠組み付け、ボード貼りと３
種類の行程からなり、各行程別に異なる職人が現場に入
って作業を行なっていた。よって、現場における行程管
理が大変であると共に、昨今の職人不足から工期の遅れ
やコストの上昇を招くことになり、また、職人の技量に
より仕上がりにばらつきがある等の問題があった。尚、
従来の間仕切壁には、図９及び図１０にて示すように、
床面と天井面との間に支柱２０１を定間隔を置いて立設
し、この支柱２０１の間にパネルを嵌め込んで壁面を構
成するものもあるが、上記した間仕切はあくまでもオフ
ィス等で簡易的に使用される物であり、一般の居住用部
屋の間仕切壁としては使用されることはない。また、間
仕切壁の表面には支柱が露出することになり、図８にて
示すものとは構造も外観も異なるものである。

【０００４】本発明の目的は、工場生産が可能な壁パネ
ルにより間仕切壁を構成し得ると共に、上記壁パネルを
現場にて容易に設置できるように成す間仕切壁の設置方
法を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために本考案の間仕切壁の設置方法は、壁パネル本体の
一側辺部に沿って凸係合部を設けると共に、同壁パネル
他側辺部に沿って上記凸係合部を嵌め込んで係合させる
凹係合部を設けて壁パネルを構成し、上記壁パネルの上
端部及び下端部に止着金物を各々取付固定し、該止着金
物の止着部を壁パネル側方へ向けて突出させ、その壁パ
ネルを間仕切箇所の床面と天井面との間に垂直に嵌め込
み、上下止着金物を床面及び天井面に止着し、上記壁パ
ネルの隣に止着金物を取り付けた次の壁パネルを同様に
嵌め込み、隣合う両壁パネルの凸係合部と凹係合部とを
係合させると同時に、後から設置した壁パネルの上下両
止着金物を床面及び天井面に対して止着するものであ
る。

【０００６】

【作用】以上の手段によれば、壁パネル本体の一側辺部
に沿って凸係合部が設けられると共に、同壁パネル本体
の他側辺部に沿って上記凸係合部が係合する凹係合部が
設けられる。上記したように構成した壁パネルは、工場
で製造することが可能であり、壁パネルとして完成した
状態で現場に運び込まれる。現場において上記壁パネル
の上下両端部には各々止着金物を取り付ける。これによ
り両上下両止着金物の止着部が壁パネルの側方へ突出す
る状態となる。止着金物を取り付けた壁パネルは、室内
における間仕切壁の設置位置における床面と天井面との
間に垂直に立てた状態で嵌め込み、上下両止着金物を例
えば釘等を使用して床面と天井面とに止着する。これに
より上記した壁パネルは上下両止着金物を介した止着力
により床面と天井面との間に取付支持される。

【０００７】次の壁パネルは、上下端部に止着金物を取
り付けた後、上記した前の壁パネルの隣に嵌め込み、隣
合う両壁パネルの凸係合部と凹係合部とを係合させる。
次いで後から設置した壁パネルの上下両止着金物を前記
したと同様に床面と天井面に対して止着する。以後、必
要な枚数の壁パネルを先に設置した壁パネルの隣に順次
嵌め込んで取付固定し、間仕切壁を構成する。設置され
た個々の壁パネルは上下端部に設けた止着金物により床
面と天井面とに対して止着される。また、隣合う壁パネ
ル同士の間では、パネル側辺部同士の接合部において凸
係合部と凹係合部とが嵌まり合った状態で係合して一体
化する。

【０００８】

【発明の効果】本発明は以上説明した如きものであるか
ら、以下に列記する効果を奏する。 （1 ）間仕切壁を構成する壁パネルを工場にて製造する
ことができるので、均一で品質の良い壁パネルを使用し
て従来と同様な間仕切壁を構成することができ、仕上が
りも良好である。 （2 ）壁パネルの組み付けが大変簡単であり、経験の少
ない作業者でも短時間で失敗なく設置することができ
る。また、設置箇所の床面から天井面までを一枚の壁パ
ネルで施工することができ、従来の施工方法のようにパ
ネルを中間で接続する必要がないので、施工性がよく、
壁パネルの種類も１種類で足りることになる。 （3 ）組立職の作業者だけで設置作業を行なうことがで
きるので、従来のように職種の異なる職人が交代で作業
を進めていた場合と比較すると、現場における行程管理
も容易であり、工期の短縮を図ることができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施を図面に基づいて説明
する。図１にて示す間仕切壁は、工場にて製造した多数
枚の壁パネルａを室内における間仕切壁の設置箇所に沿
って横一列に組み付けることにより構成し、壁の略中央
部には通り抜け用のドアｄを設けてある。

【００１０】壁パネルａは、図５にて示すように標準的
な室内における床面から天井面までの寸法より幾分大き
めの長さ（２４００ミリ程度）を有する縦長状の単位パ
ネルであり、木製角材若しくは軽量鉄骨からなるスタッ
ト１の一側に沿って数本の横材２を定間隔をおいて取付
けることにより骨組みを構成し、その骨組みの表裏両面
に、木製合板等からなるボード３ａ，３ｂを接着して固
定することにより構成してある。上記したスタット１は
壁パネルａ全長にわたる長尺角材であり、外側面に沿っ
て係合溝１ａが凹設してある。上記係合溝１ａには横材
２先端の係合先端２ａが嵌合する。また、上記スタット
１の外側面は表裏両面のボード３ａ，３ｂの側縁部より
半分程突出させ、その突出部分より壁パネルａ一側辺に
沿う凸係合部５を構成してある。

【００１１】横材２はスタット１の下端から上方へ向け
て定間隔をおいて適宜本数、例えば４本設けてあり、各
横材２の先端は表裏両面のボード３ａ，３ｂの側縁部よ
り所定量内側に引っ込めて位置させてある。これにより
両ボード３ａ，３ｂの側縁部の間に平面視コ形の凹係合
部４が構成される。この凹係合部４は上記した凸係合部
５がぴったりと嵌合し、各横材２の係合先端２ａがスタ
ット１の係合溝１ａ内に嵌挿された状態となる。即ち、
上記壁パネルａの一側辺部に沿って凸係合部５が設けら
れると共に、同壁パネル他側辺部に沿っては上記凸係合
部５を嵌め込んで係合させる凹係合部４が構成され、同
様に構成される複数の壁パネルａ側辺部同士を付き合わ
せて凸係合部５と凹係合部４とを係合させることによ
り、複数の壁パネルａを横一列に連結できることにな
る。

【００１２】また、上記した壁パネルａ最上部に設けた
３００ミリ程度の調節範囲ｅにおいてはスタット１と表
裏両ボード３ａ，３ｂとの間の接着固定を行なわないで
おき、現場で行なう床面と天井面間の寸法測定に基づい
て上記調節範囲ｅから余分な部分を容易に切り落とすこ
とができるようにしてある。

【００１３】尚、壁パネルは図６にて示すように構成し
てもよい。この壁パネルａ１は、スタット１と平行に縦
材１２を設け、これらの表裏両面にボード１３ａ，１３
ｂを貼着して構成したものであり、パネルａ１の一側辺
部と他側辺部に沿って凸係合部１５と凹係合部１４を設
けてある。

【００１４】上記のように構成した壁パネルａ，ａ１
は、工場において製造することが可能である。壁パネル
を工場生産することによれば、品質が均一で仕上がりが
良好なものを能率的に製造することがてきるようにな
る。尚、間仕切壁設置後、上記壁パネルａ，ａ１の表裏
両面を化粧クロスや塗装等により仕上げるようにする。

【００１５】壁パネルａの上下端に取り付ける止着金物
６は、隣合った状態で設置される壁パネルａの上端縁部
同士及び下端縁部同士を連結すると共に、天井面ｃ及び
床面ｂに対して止着する為の金物であり、帯状鋼板を断
面コ形に折り曲げ形成し、その一半部を壁パネルａ一側
辺側の上下端に嵌着し、他半部をパネルａの一側へ向け
て突出させた状態で取付る。止着金物６は現場において
壁パネルａ上端を切断し、パネルａの寸法調節を行なっ
た後に取り付ける。止着金物は図７にて示すように構成
してもよい。この止着金物１６は、スタット１の上端部
に嵌着する枠体１６ａと突出片１６ｂとからなり、突出
片１６ｂには釘や木ねじ等を通す孔１６ｃが穿設してあ
る。

【００１６】次に、上記壁パネルａを使用して行なう間
仕切壁の設置方法を図１乃至図４に基づいて説明する。

【００１７】まず現場室内における間仕切壁設置位置に
おける床面ｂと天井面に沿って壁パネルａを設置する墨
打ちを行なう。また、１枚目の壁パネルａを取り付ける
ため部屋の外壁内面にスタット１と同様な角材７を釘等
を使用して取付固定しておく。

【００１８】工場にて製造した壁パネルａは必要枚数現
場に運び込み、墨打ちした間仕切壁設置位置における床
面ｂと天井面ｃとの間の寸法に合わせてパネル上端の調
節範囲ｅから余分な部分を切断する。

【００１９】上記壁パネルａの上下両端部に止着金物６
を嵌合して取り付ける。（止着金物６の取付けかたは、
図５示の壁パネルａならば、図１示、図２示、図３示な
どのようにスタット１に被嵌して取付け、図６示の壁パ
ネルａ１ならば、スタット１１のみに又は５００ミリ位
の長さの止着金物６をスタット１１と縦材１２との両方
に被嵌して取付ける。）これにより両上下両止着金物６
の一半部が壁パネルａの側方へ突出する状態となる。

【００２０】止着金物６を取り付けた最初の壁パネルａ
は室内における床面ｂと天井面ｃとの間に垂直に立てた
状態で嵌め込み、上縁と下縁とを墨に合わせ、外壁内面
に取り付けた角材７に凹係合部４を嵌合させる。

【００２１】そして、上記状態を保ったまま上下両止着
金物６を床面ｂと天井面ｃとに釘又はビス等により止着
する。これにより１枚目の壁パネルａは上下両止着金物
６を介した止着力により床面と天井面との間に取付支持
される。また、外壁内面の角材７に嵌合された凹係合部
４を釘またはビス等により角材７に対して固定する。

【００２２】２枚目の壁パネルａは、調節範囲ｅから余
分な部分を切断し、上下端部に止着金物６を取り付けた
後、上記したように取り付けた１枚目の壁パネルａの隣
に嵌め込んで上下辺部を墨に合わせ、一枚目の壁パネル
ａ一側の凸係合部５を２枚目の壁パネルａ他側の凹係合
部４に嵌め込んでぴったりと係合させる。この時、一枚
目の壁パネルａ上下端に突出する止着金物６に２枚目の
壁パネルａの上下両端部を嵌合させる。そして、２枚目
の壁パネルａの上下両止着金物６を釘又はビス等により
天井面ｃと床面ｂに対して止着し、２枚目の壁パネルａ
の凹係合部４に釘を打ちこれと係合する１枚目の凸係合
部５に対して固定する。

【００２３】以後、必要な枚数の壁パネルａを先に設置
した壁パネルａの隣に順次嵌め込んで上記したと同様に
取付固定し、墨に沿って間仕切壁を構成する。図１にて
示す実施例の場合は、部屋両側の外壁から中央へ向けて
壁パネルａを並列させ、中央に組み付けたドア枠２０に
対して左右から接続することによりドア２１付きの間仕
切壁を構成している。

【００２４】上記したように取付固定された個々の壁パ
ネルａは上下端部に設けた止着金物６により床面ｂと天
井面ｃとに対して止着される（図２，図３）。また、隣
合う壁パネルａ同士の間では、パネル側辺部同士の接合
部において凸係合部５と凹係合部４とが嵌まり合った状
態で係合して一体化し、一枚の間仕切壁を構成する（図
４）。

【００２５】凹凸両係合部４，５が係合した状態で一体
化する各壁パネルａは、現場において振動や衝撃が加え
られた場合でも隣合うパネルａ同士が別々にガタ付くよ
うなことがないので、ボード３ａ，３ｂに貼られる化粧
クロスや塗布される塗料が接合部において破損してしま
うような不具合がない。また、止着金物６の場合、隣合
う壁パネルａの上下端部の接合部同士を正確に保持した
まま挟持することができるので隣合う壁パネルａ間にお
けるずれ等を有効に防止することができる。さらに、上
記壁パネルａ，ａ１は、スタッド１，１１を利用して凸
係合部５，１５を構成しているので、施工性を向上する
ことができると共に、１本のスタッド１，１１が隣合う
壁パネルａ同士の接合部において共通する骨組みとして
機能するので他の骨組み材を削減することが可能であ
る。

【００２６】尚、最後の壁パネルａは、最初の壁パネル
ａ又は中間部位の壁パネルａと同様の取付け手段で取付
け止着する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の設置方法により構成した間仕切壁
を示す正面図。

【図２】 同間仕切壁を一部切欠して示す拡大正面
図。

【図３】 図２におけるIII-III 線断面図。

【図４】 図２におけるIV-IV 線断面図。

【図５】 壁パネルを一部切欠して示す斜視図。

【図６】 スタッドと縦材により骨組を構成した壁パ
ネルを示す一部切欠斜視図。

【図７】 止着金物を示す斜視図。

【図８】 従来の間仕切壁を示す斜視図。

【図９】 従来の簡易間仕切壁を示す正面図。

【図１０】 同間仕切壁の横断面図。

【符号の説明】

ａ・・・壁パネル ｂ・・・床面 ｃ・・・天井面 ４・・・凹係合部 ５・・・凸係合部 ６・・・止着金物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁パネル本体の一側辺部に沿って凸係
   合部を設けると共に、同壁パネル他側辺部に沿って上記
   凸係合部を嵌め込んで係合させる凹係合部を設けて壁パ
   ネルを構成し、上記壁パネルの上端部及び下端部に止着
   金物を各々取付固定し、該止着金物の止着部を壁パネル
   側方へ向けて突出させ、その壁パネルを間仕切箇所の床
   面と天井面との間に垂直に嵌め込み、上下止着金物を床
   面及び天井面に止着し、上記壁パネルの隣に止着金物を
   取り付けた次の壁パネルを同様に嵌め込み、隣合う両壁
   パネルの凸係合部と凹係合部とを係合させると同時に、
   後から設置した壁パネルの上下両止着金物を床面及び天
   井面に対して止着することを特徴とする間仕切壁の設置
   方法。