JPH0343574B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、温度検出器の断線検出方法に関す
る。

従来、温度検出に使用されているサーミスタ
は、その周囲温度が非常に低くなると急激に電気
抵抗値が大きくなる。

このような温度状態において、該サーミスタを
使用して温度測定をする場合においては、該抵抗
値が大となることより、温度測定中における該サ
ーミスタ間の測定電圧は電源電圧と接近した値と
なる。その結果、該測定中において、サーミスタ
と測定器を接続する電線が断線した場合は、果し
て、サーミスタ自体が抵抗値を大にした結果によ
るものであるか、あるいは該電線の断線によるも
のであるか、簡単に判断出来なくなる欠点を有し
ている。

本発明の目的は、上記のような欠点を解消した
温度検出器の断線検出方向を提供することにあ
る。

以下、実施例に基づいて、本発明を説明する。

第１図は、本発明における温度検出器の断線検
出方法を使用した、該断線検出装置の一実施例
を、電子回路図によつて示したものである。

第１図において、１ａおよび１ｃは比較器１に
おける一方および他方の入力であり、１ａは、図
示していない回転検出器からの電気信号が送信さ
れてくる配線であり、該回転検出器は、図示して
いない自動車におけるエンジン回転を検出する検
出器である。

配線２ａは、クロツクパルスが入力してくる配
線であり、１ｄおよび１ｅは比較器１の出力配線
である。

タイマー２における出力配線２ｂは、フリツプ
フロツプ回路３における一方の入力であり、配線
１ｅはフリツプフロツプ回路３における他の入力
となつている。

それぞれの端子７には、一定の電圧電源が接続
し、端子７からの配線６ａには抵抗器６ｂを介設
し、配線６ａは比較器６における一方の入力に接
続し、フリツプフロツプ回路３における出力配線
３ａは、抵抗器３ｂを介して、配線６ａに接続し
ている。

端子７からの配線は、抵抗器５ｃおよびサーミ
スタ温度計４を介して、接地されており、抵抗器
５ｃとサーミスタ４との接続部は、配線５ａおよ
び演算増巾器５を介して、配線５ｂに接続し、配
線５ｂはサーミスタ４が検出した温度を電気的に
出力している検出部となつている。

サーミスタ４は、図示していない上記エンジン
に付設し、該エンジンにおける水温あるいは油温
を計測するためのものである。

配線５ｂは、比較器６における他方の入力とな
つており、比較器６における出力配線６ｃは、図
示していないブザーあるいは警報ランプに接続し
ているものである。

以上の構成において、その作用を下記に説明す
る。

サーミスタ４は、周知のように、その温度が低
下する程、その電気抵抗値を増大させる特性を有
している。

そのため、このような低温状態における配線５
ｂの電圧は、端子７に与えられている一定の電圧
によつて規制され、そのような低温の領域TLに
おいては、第３図に示すように一定の値VOとな
る。

そのような低温の状態から、サーミスタ４にお
ける周囲温度が上昇してくると、サーミスタ４に
おける抵抗値が小さくなつてくることより、端子
７および抵抗器５ｃからサーミスタ４を介して、
接地側へ電流が流れる量が増大するようになる。

その結果、該周囲温度Ｔが上昇してゆくと、配
線５ｂの電圧Ｖは低下し、その特性は第３図にお
けるｃ４のような特性となる。

なお、ここで演算増巾器５は、電流増巾の役目
を果しているものである。

上記のような、第３図における特性Ｃ４によつ
て、サーミスタ４における周囲温度を測定出来る
ものであるが、説明の便宜上、第１図において
は、配線５ｂにおける電圧Ｖの測定をする計測器
を割愛している。

次に、配線６ａ側の作用について説明する。

図示していないエンジンがスイツチオンによつ
て回転し始めると、配線１ａにはその回転速度に
比例した電圧が生じ、該電圧が配線１ｃにおける
一定の電圧より高くなると、比較器１は出力配線
１ｄにおける出力電圧を低下させる。

すなわち、配線１ｄに生じている電圧は、第２
図における特性C1dのようになり、第２図におけ
ｔ１時点は、出力配線１ａの電圧が、配線１ｃの
電圧を越えた時点である。

なお、配線１ｃの電圧は、エンジンのアイドリ
ング状態における回転速度に相当している。

上記のように、配線１ｄにおける電圧が、第２
図における特性C1dのように低下すると、該低下
の信号によつて、タイマ２が時間計測を開始し、
t1時点から所定の時間toを経過しとt2時点におい
て、タイマ２は出力配線２ｂに、特性c2bに示す
電圧信号を発信し、その信号によつてフリツプフ
ロツプ回路３は配線３ａにおける電圧をC3a（第
２図）のように低下させる。

ここで、配線３ａにおける電圧が高いときは、
配線６ａ側から抵抗器３ｂを介して流れる電流が
小となり、その結果、このときの配線６ａにおけ
る電圧は、高い電圧値VHとなつている。

これに対し、配線３ａにおける電圧が低くなつ
たときは、配線６ａの側から抵抗器３ｂを介して
配線３ａに流れる電流が大となるため、配線６ａ
における電圧は低い電圧値VLとなる。

すなわち、t2時点において、配線３ａにおける
電圧がC3aのように低下したことにより、配線６
ａにおける電圧は、VHからVLに低下し、その
特性は第３図における特性C6aのようになる。

上記のような配線６ａにおける電圧変化におい
て、配線６ａにおける電圧と、サーミスタ４が低
温となつている時における配線５ｂの飽和電圧
VOとの関係は、 VH＞VO＞VL (1) に設定してある。

ここで上記(1)式に示す関係が所定の時間toを境
として設けていることは、下記の理由によつてい
るものである。

すなわち、サーミスタ４における周囲温度が非
常に低温となつているときは、上述したように、
配線５ｂにおける特性が、第３図の領域TLに示
すように、一定の電圧VOの値となり、その値
は、端子７における一定電圧と、抵抗器５ｃおよ
び演算増巾器５のみの特性によつて決まつてしま
う。

他方、上記の構成において、サーミスタ４が断
線した場合においても、配線５ｂにおける電圧
は、Ｃ４０に示すような一定の値VOとなつてし
まう。

それは、サーミスタ４が断線したときは、端子
７における一定電圧と、抵抗器５ｃおよび演算増
巾器５の特性のみによつて、配線５ｂにおける電
圧が決定され、それらの特性は、温度に無関係な
一定値であるからである。

その結果、このような低温領域TLにおいては、
サーミスタ４が断線している場合と、断線してい
ない場合との区別がつかないこととなり、サーミ
スタ４が断線しているかどうかの電気的な判定
は、この領域TLより温度Ｔが高い領域で行う必
要がある。

ここで、温度Ｔが高くなる領域は、エンジンが
所定の時間ウオーミングアツプを行なつているう
ちに必ず達する領域であり、その所定の時間は、
エンジンによつて定まる値であり、第３図におけ
る所定の時間toは、その所定の時間に相当させて
いるものである。

また、上記断線の判定は、上記の理由によつ
て、Ｔ＞TLの領域において、断線特性Ｃ４０と
温度特性Ｃ４との間に、VLなる基準の電圧を設
定し、この基準電圧VLと配線５ｂにおける電圧
とを比較して行なえばよい。

そこで、エンジンにおけるウオータジヤケツト
等の温度が所定の時間toを経過して上昇するまで
は、基準電圧をVOの値より大なるVHとして、
基準となる範囲から除外しておき、該to時間以後
においては、基準電圧をVOよりわずかに低い
VLに設定しているものである。

以下、該基準電圧と配線５ｂにおける電圧の比
較についての作用を説明する。

比較器６は、配線６ａの側の電圧が配線５ｂの
側の電圧より高いとき、出力配線６ｃに電力を出
力せず、逆の場合において、電力を出力するもの
となつている。

そこで、上記のように、エンジンにおける水温
等が所定の温度に上昇するまで、すなわちエンジ
ンの作動開始から所要時間toが経過するまでは、
配線６ａにおける基準電圧がVHとなつており、
そのVHの値は、必ず配線５ｂにおける電圧より
高い値となつている。

そのため、エンジンが回転を開始してからto時
間を経過するまでは、出力配線６ｃに電力を出力
せず、その結果、警報ランプを点燈させる等の作
用もなく、サーミスタ４の断線判定を行なわない
ものとなつている。

次に、該to時間が経過すると、配線６ａにおけ
る基準電圧がVLに設定され、ここで、もしサー
ミスタ４が断線しているとすると、配線５ｂにお
ける電圧はVOとなり、且つVLはVOより低い値
であることより、比較器６は、そのことによつて
出力配線６ｃに電力を出力し、その電力によつて
警報ランプを点燈し、あるいは警報ブザーを鳴ら
して、運転者に警報を与える。

以上の説明から明らかなように、本発明の効果
は下記のとおりである。

エンジンの作動を開始してからその作動温度が
所定の温度以上に上昇するまでのエンジン低温と
なつている所定の時間の間は、温度検出器が断線
に等しい特性を示す温度状態が存在しうるため、
この間、第２の配線６ａにVHの高い信号値を出
力させてその断線検出を事実上拘束し、その所定
の時間経過後、VLの一定信号値を出力させた第
２の配線６ａの出力値と温度検出器からの第１の
配線５ｂからの出力値を比較して、温度検出器の
断線を確実に判断することを可能にしている。

その結果、本発明における温度検出器の断線検
出方法は、重要な制御回路における温度検出の部
分に使用されても、該断線時には、即時にその断
線を判断することが可能となつて、該断線に対し
て適切な処置を行なうことが可能となるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明における温度検出器の断線検
出方法を使用するための電子回路図を示したもの
であり、第２図は、第１図における各部の電圧特
性を示し、第３図は、第１図における配線５ｂの
電圧特性を示したものである。実施例に使用した
符号は、下記のとおりである。 １および６：比較器、２：タイマ、３：フリツ
プフロツプ回路、４：サーミスタ、５：演算増巾
器、７：電源端子。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動車のエンジンに付設し且つ周囲温度に逆
   比例して電気抵抗値を低下させる特性を有した温
   度検出器は、電源に接続した抵抗器と接地との間
   に直列に接続し、その抵抗器とその温度検出器と
   の接続部から前記電気抵抗値を計測する第１の配
   線を接続し、その第１の配線における出力電圧は
   前記周囲温度が所定の温度以下においては一定の
   電圧（VO）の特性となる関係の上記周囲温度計
   測において、 前記エンジンの作動開始から所定の時間経過ま
   では前記一定の電圧よりも高い電圧を出力し、且
   つその所定の時間経過後にはその一定の電圧より
   僅かに低い電圧（VL）を出力する第２の配線の
   出力電圧値が、前記第１の配線からの出力電圧値
   と比較され、その第２の配線の出力電圧値がその
   第１の配線からの出力電圧値より低い状態におい
   て警報信号を発信し、その逆の状態においてはそ
   の警報を発信させないようにした温度検出器の断
   線検出方法。