JPH0343210B2 - - Google Patents
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- JPH0343210B2 JPH0343210B2 JP57208491A JP20849182A JPH0343210B2 JP H0343210 B2 JPH0343210 B2 JP H0343210B2 JP 57208491 A JP57208491 A JP 57208491A JP 20849182 A JP20849182 A JP 20849182A JP H0343210 B2 JPH0343210 B2 JP H0343210B2
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Landscapes
- Treating Waste Gases (AREA)
- Colloid Chemistry (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
Description
本発明は高濃度のマグネシウム系スラリーに関
する。 水酸化マグネシウムはアルカリ性物質として、
排煙の脱硫剤や廃酸の中和剤として広く用いられ
ている。水酸化マグネシウムは弱アルカリ性の物
質であり、同じ用途に用いられる苛性ソーダに比
較して危険性はほとんどない。さらに、マグネシ
ウムは2価のイオンとして作用するため、苛性ソ
ーダに比較して、7割の重量で同じ量の酸を中和
することができるなどの特徴を有する。 水酸化マグネシウムは固体であり、水に微量し
か溶けないため、苛性ソーダのように液体として
使用することができない。水酸化マグネシウムの
この欠点を補うために、水酸化マグネシウムをス
ラリーとして用いる方法が開発されている。この
スラリー化を、排煙脱硫や廃酸の中和を行う個々
の現場で実施すると、人手を要すること、粉体が
飛散して環境の悪化を招くなどのため、普通に
は、製造工場でスラリー化したものを個々の現場
に輸送する方法が行なわれている。ところが、現
在一般に使用されているスラリーは水酸化マグネ
シウムの含有率が30%前後であり、水酸化マグネ
シウムの輸送効率としてはかなり低いものとなつ
ている。水酸化マグネシウムの輸送効率が低いこ
とはスラリーの輸送できる範囲ぎ限定され、また
輸送範囲内であつてもコストの高い水酸化マグネ
シウムを使用することになる。 スラリー中の水酸化マグネシウムの含有率を上
げ、水酸化マグネシウムの輸送コストを引き下げ
る試みはいくつか行なわれている。そのひとつ
に、脱水した水酸化マグネシウムのケークを水酸
化マグネシウムスラリーに混合し、スラリー中の
水酸化マグネシウムの濃度を高める方法がある。
この方法を現在我国で広く行なわれている海水マ
グネシアの製造工程で得られる水酸化マグネシウ
ムに適用すると、水酸化マグネシウムの含有率が
35%以上では著るしく粘度が上り、含有率40%以
上では流体として扱えない程度にまで粘度が上昇
する。したがつて、水酸化マグネシウムのスラリ
ーをタンクローリーなどの通常の液体輸送の手段
で輸送できるのは水酸化マグネシウムの濃度で37
〜38%が限度とみられている。 本発明は、水酸化マグネシウムと微粉砕した酸
化マグネシウムを配合することにより、水酸化マ
グネシウムに換算して極めて輸送効率の高いスラ
リーを見出したものである。 本発明は比表面積15m2/g以下の酸化マグネシ
ウムの含有率が5〜60重量%、水酸化マグネシウ
ムの含有率が5〜40重量%で、酸化マグネシウム
と水酸化マグネシウムの合計含有率が40〜65重量
%で残部が水であり、スラリーを構成する粒子の
95%以上が44μm以下でかつ、塩酸未溶解残渣が
5%以下である酸化マグネシウム−水酸化マグネ
シウムスラリーである。 酸化マグネシウムは水和性の強い物質であるた
め、水に懸濁させてスラリー化すると、媒体であ
る水と反応し、スラリー状態が保てないのではな
いかとの懸念があつた。しかしながら、実際にス
ラリー化を行つてみると、冬期で一週間以上、夏
期でも一昼夜程度の間のスラリー状態を保つこと
は、さして困難でないことが判明した。本発明の
酸化マグネシウム−水酸化マグネシウムスラリー
は、水酸化マグネシウムスラリーと同様に使用さ
れるので、輸送期間中高濃度のスラリー状態が保
てればそのひとつの目的は達せられる。すなわ
ち、輸送の終つたスラリーは従来の水酸化マグネ
シウムスラリーと同程度の濃度まで稀釈すれば、
以後の取扱は従来使用されている水酸化マグネシ
ウムスラリーと同様に行うことができる。 本発明のスラリーに用いる酸化マグネシウムの
比表面積は、大きい程活性が高く、排煙脱硫等に
用いたときの反応性も期待されるが、反面、水と
の反応性も高まる。酸化マグネシウムが水和反応
を起すと、スラリー粘度が高まり、はなはだしい
ときには固化の現象を示す。酸化マグネシウムの
比表面積が15m2/g以下なら、比較的安心して使
用することができ、8m2/g以下なら、さらに安
心して用いることができる。酸化マグネシウムの
比表面積が、小さくなると、排煙脱硫等に用いた
場合の反応性の低下が予想されたが、比表面積1
m2/g以下の酸化マグネシウムでも、水酸化マグ
ネシウムとの混合を兼ねた湿式粉砕を行えば十分
に実用化できることが認められた。 酸化マグネシウムの含有率は60%を越えると、
スラリーの粘度が上昇するだけでなく、ある程度
水和が進行すると、粘度が急上昇し、固結する現
象が顕著になる。また、酸化マグネシウムの含有
率が5%より少ない場合には、スラリー濃度が十
分に高まらず、発明の効果が小さくなる。以上の
ことを考慮して、酸化マグネシウムの含有率は10
〜40%であることがとくに望ましい。 水酸化マグネシウムの含有率がスラリー粘度に
与える影響は酸化マグネシウムの含有率に比較し
てはるかに大きい。例えば、酸化マグネシウムは
含有率60%でも、スラリーの形態を保つている
が、水酸化マグネシウムでは含有率50%でほぼ完
全にケークの状態になる。スラリーの輸送効率を
高める上からは、水酸化マグネシウムの含有はむ
しろ好ましくないようにもみられる。しかし、水
酸化マグネシウムには、スラリーの粘度を粒子の
沈降を防ぐ範囲内に保つ作用、酸化マグネシウム
の水和による粘度上昇を緩和する働きが認められ
た。 スラリー中の粒子の大きさは小さい程反応性が
高く、使用するのに都合のよいことが多い。しか
し、粒子をいたずらに小さくすることは粉砕等の
費用がかさむことになり得策ではなく、必要最小
限の条件を満すようにすべきである。本発明の場
合、粒子の大きさは、使用時の条件から95重量%
以上の粒子が44μmの篩を追加することが必要で
あり、ほぼ全部の粒子が44μmの篩を通過するこ
とがとくに望ましい。 塩酸未溶解残渣は反応に役立ないばかりでな
く、使用後は残渣としての処理が必要となるの
で、なるべく少ないことが望ましい。ただし、排
煙脱硫にしろ排酸の中和にしろ、最終的な排水処
理の工程には過の工程があるのが普通であり、
残渣は未燃焼カーボン、排水中の懸濁物とともに
除去される。残渣が5%までは、未燃焼カーボン
などに比較してとくに多いわけではなく許容され
る範囲とみられるが2%以下にすることがより望
ましい。 本発明のスラリーは、海水マグネシアの製造工
程で得られる水酸化マグネシウムスラリーに天然
のマグネサイトを軽焼して得られる酸化マグネシ
ウムを配合し、ボールミルで湿式粉砕混合する方
法でも得られる。海水マグネシアの製造工程で得
られる水酸化マグネシウムは高純度で品質も安定
しているので、その添加割合を加減することによ
り、純度が低く、組成の一定しない天然の酸化マ
グネシウムを用いても、一定品質のスラリーを得
ることができる。我国の資源、エネルギー事情を
考えればこの方法は大きな意義をもつものとみら
れる。 以下実施例により本発明を説明する。 実施例 1 比表面積12m2/gの酸化マグネシウムと水酸化
マグネシウムを各々20重量%になるように配合
し、ホモジナイザーで分散させ均一なスラリーと
した。このものの44μm篩上は0.2%であり塩酸未
溶解残渣は0.5%であつた。この原料の化学組成
を下記に、また配合後のスラリーの粘度は2.2ポ
イズ、一昼夜放置後の粘度は2.7ポイズでスラリ
ー状態を保つた。この配合したスラリーを塩化鉄
を主成分とする排水に1.2当量加え、排水のPHの
値の変化を実測した結果を図−1に示す。 なお、比較のため前記水酸化マグネシウムのみ
からなるスラリーについて排水のPHの値の変化を
測定し、その結果を図−1に示す。図−1に示す
通り酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとよ
りなるスラリーは秀れた反応性を持つことが分
る。
する。 水酸化マグネシウムはアルカリ性物質として、
排煙の脱硫剤や廃酸の中和剤として広く用いられ
ている。水酸化マグネシウムは弱アルカリ性の物
質であり、同じ用途に用いられる苛性ソーダに比
較して危険性はほとんどない。さらに、マグネシ
ウムは2価のイオンとして作用するため、苛性ソ
ーダに比較して、7割の重量で同じ量の酸を中和
することができるなどの特徴を有する。 水酸化マグネシウムは固体であり、水に微量し
か溶けないため、苛性ソーダのように液体として
使用することができない。水酸化マグネシウムの
この欠点を補うために、水酸化マグネシウムをス
ラリーとして用いる方法が開発されている。この
スラリー化を、排煙脱硫や廃酸の中和を行う個々
の現場で実施すると、人手を要すること、粉体が
飛散して環境の悪化を招くなどのため、普通に
は、製造工場でスラリー化したものを個々の現場
に輸送する方法が行なわれている。ところが、現
在一般に使用されているスラリーは水酸化マグネ
シウムの含有率が30%前後であり、水酸化マグネ
シウムの輸送効率としてはかなり低いものとなつ
ている。水酸化マグネシウムの輸送効率が低いこ
とはスラリーの輸送できる範囲ぎ限定され、また
輸送範囲内であつてもコストの高い水酸化マグネ
シウムを使用することになる。 スラリー中の水酸化マグネシウムの含有率を上
げ、水酸化マグネシウムの輸送コストを引き下げ
る試みはいくつか行なわれている。そのひとつ
に、脱水した水酸化マグネシウムのケークを水酸
化マグネシウムスラリーに混合し、スラリー中の
水酸化マグネシウムの濃度を高める方法がある。
この方法を現在我国で広く行なわれている海水マ
グネシアの製造工程で得られる水酸化マグネシウ
ムに適用すると、水酸化マグネシウムの含有率が
35%以上では著るしく粘度が上り、含有率40%以
上では流体として扱えない程度にまで粘度が上昇
する。したがつて、水酸化マグネシウムのスラリ
ーをタンクローリーなどの通常の液体輸送の手段
で輸送できるのは水酸化マグネシウムの濃度で37
〜38%が限度とみられている。 本発明は、水酸化マグネシウムと微粉砕した酸
化マグネシウムを配合することにより、水酸化マ
グネシウムに換算して極めて輸送効率の高いスラ
リーを見出したものである。 本発明は比表面積15m2/g以下の酸化マグネシ
ウムの含有率が5〜60重量%、水酸化マグネシウ
ムの含有率が5〜40重量%で、酸化マグネシウム
と水酸化マグネシウムの合計含有率が40〜65重量
%で残部が水であり、スラリーを構成する粒子の
95%以上が44μm以下でかつ、塩酸未溶解残渣が
5%以下である酸化マグネシウム−水酸化マグネ
シウムスラリーである。 酸化マグネシウムは水和性の強い物質であるた
め、水に懸濁させてスラリー化すると、媒体であ
る水と反応し、スラリー状態が保てないのではな
いかとの懸念があつた。しかしながら、実際にス
ラリー化を行つてみると、冬期で一週間以上、夏
期でも一昼夜程度の間のスラリー状態を保つこと
は、さして困難でないことが判明した。本発明の
酸化マグネシウム−水酸化マグネシウムスラリー
は、水酸化マグネシウムスラリーと同様に使用さ
れるので、輸送期間中高濃度のスラリー状態が保
てればそのひとつの目的は達せられる。すなわ
ち、輸送の終つたスラリーは従来の水酸化マグネ
シウムスラリーと同程度の濃度まで稀釈すれば、
以後の取扱は従来使用されている水酸化マグネシ
ウムスラリーと同様に行うことができる。 本発明のスラリーに用いる酸化マグネシウムの
比表面積は、大きい程活性が高く、排煙脱硫等に
用いたときの反応性も期待されるが、反面、水と
の反応性も高まる。酸化マグネシウムが水和反応
を起すと、スラリー粘度が高まり、はなはだしい
ときには固化の現象を示す。酸化マグネシウムの
比表面積が15m2/g以下なら、比較的安心して使
用することができ、8m2/g以下なら、さらに安
心して用いることができる。酸化マグネシウムの
比表面積が、小さくなると、排煙脱硫等に用いた
場合の反応性の低下が予想されたが、比表面積1
m2/g以下の酸化マグネシウムでも、水酸化マグ
ネシウムとの混合を兼ねた湿式粉砕を行えば十分
に実用化できることが認められた。 酸化マグネシウムの含有率は60%を越えると、
スラリーの粘度が上昇するだけでなく、ある程度
水和が進行すると、粘度が急上昇し、固結する現
象が顕著になる。また、酸化マグネシウムの含有
率が5%より少ない場合には、スラリー濃度が十
分に高まらず、発明の効果が小さくなる。以上の
ことを考慮して、酸化マグネシウムの含有率は10
〜40%であることがとくに望ましい。 水酸化マグネシウムの含有率がスラリー粘度に
与える影響は酸化マグネシウムの含有率に比較し
てはるかに大きい。例えば、酸化マグネシウムは
含有率60%でも、スラリーの形態を保つている
が、水酸化マグネシウムでは含有率50%でほぼ完
全にケークの状態になる。スラリーの輸送効率を
高める上からは、水酸化マグネシウムの含有はむ
しろ好ましくないようにもみられる。しかし、水
酸化マグネシウムには、スラリーの粘度を粒子の
沈降を防ぐ範囲内に保つ作用、酸化マグネシウム
の水和による粘度上昇を緩和する働きが認められ
た。 スラリー中の粒子の大きさは小さい程反応性が
高く、使用するのに都合のよいことが多い。しか
し、粒子をいたずらに小さくすることは粉砕等の
費用がかさむことになり得策ではなく、必要最小
限の条件を満すようにすべきである。本発明の場
合、粒子の大きさは、使用時の条件から95重量%
以上の粒子が44μmの篩を追加することが必要で
あり、ほぼ全部の粒子が44μmの篩を通過するこ
とがとくに望ましい。 塩酸未溶解残渣は反応に役立ないばかりでな
く、使用後は残渣としての処理が必要となるの
で、なるべく少ないことが望ましい。ただし、排
煙脱硫にしろ排酸の中和にしろ、最終的な排水処
理の工程には過の工程があるのが普通であり、
残渣は未燃焼カーボン、排水中の懸濁物とともに
除去される。残渣が5%までは、未燃焼カーボン
などに比較してとくに多いわけではなく許容され
る範囲とみられるが2%以下にすることがより望
ましい。 本発明のスラリーは、海水マグネシアの製造工
程で得られる水酸化マグネシウムスラリーに天然
のマグネサイトを軽焼して得られる酸化マグネシ
ウムを配合し、ボールミルで湿式粉砕混合する方
法でも得られる。海水マグネシアの製造工程で得
られる水酸化マグネシウムは高純度で品質も安定
しているので、その添加割合を加減することによ
り、純度が低く、組成の一定しない天然の酸化マ
グネシウムを用いても、一定品質のスラリーを得
ることができる。我国の資源、エネルギー事情を
考えればこの方法は大きな意義をもつものとみら
れる。 以下実施例により本発明を説明する。 実施例 1 比表面積12m2/gの酸化マグネシウムと水酸化
マグネシウムを各々20重量%になるように配合
し、ホモジナイザーで分散させ均一なスラリーと
した。このものの44μm篩上は0.2%であり塩酸未
溶解残渣は0.5%であつた。この原料の化学組成
を下記に、また配合後のスラリーの粘度は2.2ポ
イズ、一昼夜放置後の粘度は2.7ポイズでスラリ
ー状態を保つた。この配合したスラリーを塩化鉄
を主成分とする排水に1.2当量加え、排水のPHの
値の変化を実測した結果を図−1に示す。 なお、比較のため前記水酸化マグネシウムのみ
からなるスラリーについて排水のPHの値の変化を
測定し、その結果を図−1に示す。図−1に示す
通り酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムとよ
りなるスラリーは秀れた反応性を持つことが分
る。
【表】
ネシウム
(%)
実施例 2 比表面積6m2/gの天然のものの酸化マグネシ
ウムと、海水マグネシア製造工程で得られる水酸
化マグネシウムスラリーを配合し酸化マグネシウ
ム15重量%、水酸化マグネシウム32重量%のスラ
リーをつくり、このものを湿式のボールミルで粉
砕し、排煙脱硫用のスラリーとした。この排煙脱
硫用のスラリーの粒度を測定したところ、98%が
44μm以下であり、塩酸未溶解残渣を測定したと
ころ1.8%であつた。このものの粘度は7.3ポイズ
液温26℃で3昼夜放置後の粘度は9.4ポイズでス
ラリー状を保つた。その後排煙脱硫用途に用いた
が従来の水酸化マグネシウムスラリーと同等の脱
硫効率が得られた。 用いた酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシ
ウムの分析値を以下に示す。
(%)
実施例 2 比表面積6m2/gの天然のものの酸化マグネシ
ウムと、海水マグネシア製造工程で得られる水酸
化マグネシウムスラリーを配合し酸化マグネシウ
ム15重量%、水酸化マグネシウム32重量%のスラ
リーをつくり、このものを湿式のボールミルで粉
砕し、排煙脱硫用のスラリーとした。この排煙脱
硫用のスラリーの粒度を測定したところ、98%が
44μm以下であり、塩酸未溶解残渣を測定したと
ころ1.8%であつた。このものの粘度は7.3ポイズ
液温26℃で3昼夜放置後の粘度は9.4ポイズでス
ラリー状を保つた。その後排煙脱硫用途に用いた
が従来の水酸化マグネシウムスラリーと同等の脱
硫効率が得られた。 用いた酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシ
ウムの分析値を以下に示す。
【表】
ネシウム
(%)
実施例 3 比表面積1.6m2/gの天然ものの酸化マグネシ
ウムと、海水マグネシア、製造工程で得られる水
酸化マグネシウムスラリーを配合し、酸化マグネ
シウム40重量%水酸化マグネシウム20重量%のス
ラリーをつくり、このものを湿式のボールミルで
粉砕し、排煙脱硫用のスラリーとした。この排煙
脱硫用のスラリーの粒度を測定したところ、96%
が44μm以下であり、塩酸未溶解残渣を測定した
ところ4.2%であつた。このスラリーの粘度は1.9
ポイズであり14時間で輸送したのちの粘度は2.1
ポイズであり、輸送先で同量の水を加えて、排煙
脱硫用途に用いたが従来の水酸化マグネシウムス
ラリーと同等に使用することができた。 用いた酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシ
ウムの分析値を以下に示す。
(%)
実施例 3 比表面積1.6m2/gの天然ものの酸化マグネシ
ウムと、海水マグネシア、製造工程で得られる水
酸化マグネシウムスラリーを配合し、酸化マグネ
シウム40重量%水酸化マグネシウム20重量%のス
ラリーをつくり、このものを湿式のボールミルで
粉砕し、排煙脱硫用のスラリーとした。この排煙
脱硫用のスラリーの粒度を測定したところ、96%
が44μm以下であり、塩酸未溶解残渣を測定した
ところ4.2%であつた。このスラリーの粘度は1.9
ポイズであり14時間で輸送したのちの粘度は2.1
ポイズであり、輸送先で同量の水を加えて、排煙
脱硫用途に用いたが従来の水酸化マグネシウムス
ラリーと同等に使用することができた。 用いた酸化マグネシウムおよび水酸化マグネシ
ウムの分析値を以下に示す。
【表】
ネシウム
(%)
(%)
図−1は、実施例1及び比較例における排水の
PH値の変化を示すグラフである。
PH値の変化を示すグラフである。
Claims (1)
- 1 比表面積15m2/g以下の酸化マグネシウムの
含有率が5〜60重量%、水酸化マグネシウムの含
有率が5〜40重量%で、酸化マグネシウムと水酸
化マグネシウムの合計含有率が40〜65重量%で残
部が水であり、スラリーを構成する粒子の95%以
上が44μm以下でかつ、塩酸未溶解残渣が5%以
下であることを特徴とする酸化マグネシウム−水
酸化マグネシウムスラリー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57208491A JPS5998728A (ja) | 1982-11-30 | 1982-11-30 | 酸化マグネシウム−水酸化マグネシウムスラリ− |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57208491A JPS5998728A (ja) | 1982-11-30 | 1982-11-30 | 酸化マグネシウム−水酸化マグネシウムスラリ− |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5998728A JPS5998728A (ja) | 1984-06-07 |
JPH0343210B2 true JPH0343210B2 (ja) | 1991-07-01 |
Family
ID=16557036
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57208491A Granted JPS5998728A (ja) | 1982-11-30 | 1982-11-30 | 酸化マグネシウム−水酸化マグネシウムスラリ− |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5998728A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5134103A (en) * | 1991-02-04 | 1992-07-28 | Phillips Petroleum Company | Process for making magnesium oxide spheres |
ZA201400203B (en) * | 2011-07-22 | 2015-04-29 | Omya Int Ag | Micronized caco3 slurry injection system for the remineralization of desalinated and fresh water |
JP6662168B2 (ja) * | 2016-04-18 | 2020-03-11 | 宇部興産株式会社 | 酸性水中和剤及び酸性水中和処理方法 |
-
1982
- 1982-11-30 JP JP57208491A patent/JPS5998728A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5998728A (ja) | 1984-06-07 |
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