JPH0342982Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、IC等の小形電気素子を合成樹脂
にて封止する封止成形用金型装置に関する。

従来の技術 従来、IC等の小形電気素子の封止成形装置で
マルチプランジヤ方式のものは、等圧シリンダ部
及び主トランスフアシリンダ部が金型部から完全
に分離されていて、下金型部は成形用プレスの可
動プラテン上に取付けられ、等圧シリンダ部と主
トランスフアシリンダ部とは可動プラテンより下
方のベースプラテン上に取付けられていたのであ
る。そのため、金型をプレスに設置する場合に、
多数のプランジヤと夫々のポツトとの位置合せに
手数を要し、更に金型設置後にプランジヤの作動
不良が生ずるという問題があつた。

また、マルチプランジヤ方式の金型は、１本プ
ランジヤ方式の金型型を設置する汎用のトランス
フアモールドプレスに取付けて使用することが不
可能であつて専用プレスを必要とし、設備費が高
くなるという問題もある。

考案が解決しようとする問題点 本案の目的は、従来のマルチプランジヤ方式の
封止成形装置における前記の問題を解決し、汎用
のトランスフアモールドプレスに設置でき、しか
もこの設置に際して多数プランジヤと夫々のポツ
トとの位置合せが不要な封止成形用金型装置を提
案するにある。

問題点を解決するための手段 本案は、小形電気素子の封止成形用金型装置で
あつて、トランスフアモールドプレスの可動プラ
テン上に、主トランスフア油圧シリンダ及びトラ
ンスフア油圧シリンダにより案内昇降するマルチ
プランジヤ用等圧シリンダ装置と、マルチプラン
ジヤ用等圧シリンダ装置の上方において可動プラ
テン上に設置される下金型とを有することを特徴
とする。

作 用 上金型部をトランスフアモールドプレスの上部
固定プラテンに取付け、本案金型装置を上記プレ
スの可動プラテン上の上下の金型が正しく型締め
される位置に取付ける。金型の開閉は可動プラテ
ンの下部に設けた別の油圧シリンダにて行うが、
等圧シリンダ装置とこれを支持する主トランスフ
ア油圧シリンダは金型装置を構成する基台中に設
けられ、基台に下金型が固定され、更に下金型下
部にエジエクタを内蔵しているので、本案金型装
置は一体としてモールドプレスの可動プラテン上
に設置することができ、したがつて、従来の１本
プランジヤ方式のトランスフアモールドプレスを
使用することができる。等圧シリンダ装置は主ト
ランスフア油圧シリンダの加圧の下で各ポツト内
の溶融樹脂を各キヤビテイ内で等圧注入し、成形
後はエジエクタにより成形品をキヤビテイから突
き上げる。

実施例 第１図は本案の封入成形装置を通常の１本プラ
ンジヤ方式のトランスフアモールドプレスに設置
した使用状態を示す概略立面図であり、１対のガ
イドポスト１の上端に固定したトツププラテン２
の下面に上金型部３を、また可動プラテン４上に
下金型部５を夫々対向固定し、可動プラテン４を
図示しない油圧シリンダにより昇降して上金型６
と下金型７との開閉を行う。８ａ，８ｂは型締め
直前に互に凹凸嵌合して型合せを行う凹凸ピン、
９は上下金型の精密型合せを行う凹凸嵌合部であ
る。

第２図ないし第４図は下金型部５の詳細を示
す。但し第２図において下金型部５は中心面Ｘ−
Ｘの一半のみを示している。下金型部５は可動プ
ラテン４上に固定される基台１０に中心面Ｘ−Ｘ
に対し対称で且つ中心面Ｘ−Ｘと平行する水平の
溝１１を有し、この溝１１内に、中心面Ｘ−Ｘと
直角の中心面Ｙ−Ｙに関し対称の位置に可動板１
２を昇降自由に配設する。したがつて、可動板１
２は都合４個設けられる。

各可動板１２が設置される溝１１の底部にスト
ローク小なる主トランスフア油圧シリンダ１３の
油圧室となる竪穴１４を穿設し、これに嵌入した
ピストン１５のロツド１６の上端を可動板１２に
ねじこみ固定する。１７は竪穴１４の上端部に螺
入したロツドカバー、１８はオイルシールであ
る。各竪穴１４の両側に垂直孔１９を穿設し、こ
れに挿入固定したブツシユ２０内にガイドロツド
２１を嵌入させて、その上端を可動板１２にナツ
ト２２により固定し、可動板１２が水平状態で昇
降するように案内させる。

可動板１２上に固定したマルチプランジヤ用等
圧シリンダ装置２３は、シリンダ１３により可動
板１２と一体に昇降するとともに、Ｘ−Ｘ面に平
行する垂直面ａ−ａ内に所定間隔をもつて併設し
た多数（本実施例では６個）の等圧油圧シリンダ
２４を有し、各シリンダ２４のピストンロツド２
５をコネクタ２６によりプランジヤ２７の下端に
結合する。等圧油圧シリンダ２４には周知手段に
よつて等圧が付与され、常時はプランジヤ２７を
下金型上面より注入樹脂用スペースだけ低く保持
する。

基台１０上に、等圧シリンダ装置２３が通りう
る角孔２８を具えた断熱板２９を介して下型受板
３０を固定し、下型受板３０に等圧シリンダ装置
２３の昇降通路を囲む角孔３１を設ける。この角
孔３１内に下型受板３０と面一にブロツク３２を
嵌装し、これに等圧シリンダ２４と同心の孔３３
を穿設し、該孔３３にてコネクタ２６を昇降案内
するとともに、孔３３の上部にポツト３４の下端
部を嵌入させる。

ポツト３４は、下型受板３０上に固定したサポ
ートブロツク３５と、その上部に固定した下金型
７とを貫通して設けられ、ポツト中間部に突設し
たフランジ３６をサポートブロツク３５の上面に
形成した環状凹所内に嵌入させ、下金型７にてフ
ランジ３６の上面を押えて固定する。プランジヤ
２７は下端がコネクタ２６に固着され、上端と中
間部がポツト３４の内面に摺接して、樹脂注入圧
力に対して安定に案内支持されている。

下金型７にはポツト３４の両側においてＸ−Ｘ
面と平行し水平方向に長いチエイスブロツク３９
を面一に埋設し、これに設けたキヤビテイとポツ
ト３４の上端外面との間に樹脂通路４０を設け
る。上金型６もチエイスブロツク３９ａを有し、
型閉じ状態においてポツト３４と樹脂通路４０と
を連通する樹脂通路４１を有する。

サポートブロツク３５にチエイスブロツク３９
の直下においてこれと平行する横溝４２を設け、
その中に上下直列に組合せた皿ばね４３により下
方に付勢された金具４４，４５を設け、キヤビテ
イ直下において両金具４４，４５間に、１対のエ
ジエクタピン４６の下端頭部を挟持し、エジエク
タピン４６を下金型７の孔を貫通させて、上端が
キヤビテイ４７の内面と面一となるように保持し
ておく。

上金型６にも下金型７におけると同様にエジエ
クタピン（図示せず）とその上端固定金具が設け
られており、該エジエクタピンは別の皿ばねによ
り下方へ付勢されて、型開き時にはエジエクタピ
ン下端がキヤビテイ内に突出するが、型閉じ時に
は、サポートブロツク３５に垂直に固定した押上
げロツド（図示せず）が該エジエクタピンを取付
けた、金具４５と同様の金具の両端を突き上げ
て、該エジエクタピンの下端をキヤビテイ内面と
面一に保持する。４８はサポートピラーである。

次に成形工程について説明する。先づ可動プラ
テン４を下げて型開きをしたとき、ピストンロツ
ド２５はすべて上限位置に加圧されており、また
プランジヤ２７の上端はポツト３４の上端より注
入樹脂量に必要な所定深さの位置にある。この状
態でポツト３４内に樹脂ペレツトを入れ、また封
入成形さるべきICを有するリードフレームＬを
下金具上の所定位置におく。

ついで可動プラテン４を図示しない別の油圧シ
リンダにより上昇させ、所定圧力で型閉じをす
る。等圧シリンダ装置２３にはエジエクト時に金
具４５の両端部４９を突き上げる垂直ロツド５０
が固定されており、前記型閉じ状態においては、
ロツド５０の上端は端部４９より下方に充分離れ
ている。

次にトランスフア油圧シリンダ１３を作動させ
て等圧シリンダ装置２３を上昇させると、各プラ
ンジヤ２７は樹脂を溶融させながら樹脂通路４
１，４０を通つてキヤビテイ内に等圧注入する。
樹脂注入を終了したとき（第３図の状態）、ロツ
ド５０の上端と端部４９の下面との間には僅かの
間隙があり、そのためエジエクタピン４６の下金
型７に対する位置は変らない。

樹脂硬化時間後に可動プラテン４を下げて型開
きをすると、前記押上げロツドの下降により上金
型のエジエクタピンが突出して成形品を上金型６
から離型させる。このとき下金型７のエジエクタ
ピン４６は皿ばね４３によりキヤビテイ内に突出
し得ないため、成形品は下金型７から離型せずに
下降する。

ついで油圧シリンダ１３を上方向に作動させる
と、ロツド５０の端部４９を皿ばね４３の押下力
に抗して押上げ、エジエクタピン４６をキヤビテ
イ内に突出させて成形品を下金型７から離型させ
る。これで１回の封止成形を終了する。

考案の効果 本案は上記構成を有し、主トランスフアシリン
ダとマルチプランジヤ用等圧シリンダ装置とを直
結して基台中に設け、基台上部にエジエクタを内
蔵するサポートブロツクを介して下金型を固定し
て下金型部を一体形成し、更にエジエクタに皿ば
ねを用いたことと、主トランスフア油圧シリンダ
が下金型のエジエクタ用シリンダの作用を兼ねる
ことから、下金型全体の高さを最小限にコンパク
トに形成することが可能となり、また、ロワーマ
ルチプランジヤ用金型従来の１本プランジヤ方式
のトランスフアモールドプレスに設置して使用す
ることが可能となり、従来必要とされた専用のト
ランスフアモールドプレスが不要となつて成形コ
ストを大幅に低減し得る効果があり、また従来の
如き、金型をプレスに設置する際に行われたポツ
トとプランジヤとの位置合せや、金型設置後のプ
ランジヤの動作不良が全くなくなり、従来これら
に要した手数を省いてコストを低減しうる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の一実施例を示し、第１図は本案金
型の使用状態を示す概略立面図、第２図は下金型
部の一半の半面図、第３図は一部を第２図のＡ−
Ａ線断面で示した立面図、第４図は一半に第３図
のＢ−Ｂ線断面を示した側面図である。 ４……可動プラテン、７……下金型、１０……
基台、１１……上部開口溝、１２……可動板、１
３……主トランスフア油圧シリンダ、１４……竪
穴、２３……マルチプランジヤ用等圧シリンダ装
置、２７……プランジヤ、３０……下型受板、３
４……ポツト、３５……サポートブロツク、４
０，４１……ゲート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小形電気素子の封止成形用金型装置であつて、
   トランスフアモールドプレスの可動プラテン上に
   主トランスフア油圧シリンダ及び主トランスフア
   油圧シリンダにより案内昇降するマルチプランジ
   ヤ用等圧シリンダ装置と、マルチプランジヤ用等
   圧シリンダ装置の上方において可動プラテンに設
   置される下金型とを有することを特徴とする封止
   成形用金型装置。