JPH0342905B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 米国のバテルメモリアルインステイチユートの
出願に係る特願昭59−503776号に吸入式温熱治療
装置（以下バテル装置という）が開示されてい
る。

本発明はこのような吸入式温熱治療装置におけ
る吸入具の改良に関するものである。

（従来技術） 本発明が適用されるバテル特許について第２図
を参照して説明する。バテル装置は円筒形容器２
により形成されたハウジング１を備え、この容器
はそれに螺合された栓３によつて閉じられてい
る。栓３の側面に形成した溝５内に配置したＯリ
ング４によつて栓３と円筒形容器２との間をシー
ルしている。

容器２の壁は、断熱層７で囲繞されたステンレ
ス鋼製の内壁６と、プラスチツク材料で形成され
た外板８とで構成される。

栓３はその対称軸と同心的でかつ互いに同軸的
な２本のチユーブ状電極９および１０を保持して
いる。これらのチユーブ状電極９，１０は２本の
導線１１および１２によつて夫々交流電源Ｓに接
続されていると共に、その上部には開口９ａおよ
び１０ａが夫々設けてある。

通路１３は栓３を軸方向に貫通しており、上端
のノズル１４のところで終つている。このノズル
１４はベンチユリ１５の首部内に突出している。
ベンチユリ１５は吸入マスク１７内に通ずる通路
１６と栓３を直径方向に貫通する通路１８との合
流部に形成されている。通路１８はベンチユリ１
５の首部を外気に連通するものである。容器２の
底部とノズル１４とは毛細管１３ａにより結ばれ
ている。

このような構成であつて次の様に作動するる。
容器２の内壁６にマークした水位まで水を注入す
る。チユーブ状電極９および１０を備えた栓３を
容器２に螺合し、電極を交流電源Ｓに接続する。
これらの電極間を電流が流れると水が加熱され
る。約１〜２分後に水が沸騰すると、生成された
蒸気は圧力下で通路１３および１４を通つて逃
れ、ベンチユリ１５の首部の領域に負圧を発生さ
せ、ベンチユリ１５は通路１８から空気を吸い込
む。ベンチユリ１５は、約20℃の大気と100℃の
水蒸気との混合により水でほぼ飽和された約43℃
の混合気を形成する。

容器２内に加わる高圧とノズル１４の領域に作
用する負圧とにより、或る程度の量の水が吸い上
げられ、毛細管１３ａの出口で霧化されて２〜
20μｍの水滴となる。これらの水滴は吸入マスク
１７内で鼻粘膜に付着され、鼻粘膜を適当に加温
して鼻粘膜の加熱効率を向上させる。

（発明により解決しようとする課題） さて、上述したバテル装置における吸入マスク
は鼻のみでなく、顔面の皮膚にも吸入蒸気が作用
する。本発明はこのように顔面の皮膚に作用する
のを防止し、鼻孔内に直接吸入できるようにした
吸入具を提供しようとするものである。

（発明による課題の解決手段） 合成樹脂等で筒状に成形され一端に鼻孔部にフ
イツトするＶ形凸部を有する本体部を有し、該本
体部の側胴には前記Ｖ形凹部と整合しかつ角度を
なして設けた外向舌状片を、又該外向舌状片の基
部にあるいは又その両側部にも余剰混合気排出用
の穴を設け、さらに前記Ｖ形凹部の底部中央部に
吸入側に凹の逆Ｕ字形バツフル板を設けた。

（実施例） 第１図に基いて説明する。１９は本発明に係る
吸入具である。吸入具１９は合成樹脂等で成形さ
れ、その本体部２０が筒状をなし、その一端が接
続部２１となつており、他端は鼻孔にフイツトす
るようＶ形凹部２２となつている。Ｖ形凹部２２
の底部には吸入側に凹の逆Ｕ字形バツフル板２３
が一体に取付けられ、混合気は該バツフル板の両
側から吸入されるようにしている。

２４は本体部２０に角度θを以て外向一体に設
けられた舌状片で、前記Ｖ形凹部２２と同心に設
けられている。２５は舌状片２４の付根の本体部
２０の側胴に設けた余剰混合気排出用の穴であ
る。この穴２５は吸入に必要な蒸気を超えた余剰
蒸気気がこゝから舌状辺２４によつて顔面を避け
て排出するために設けてある。

なお、余剰混合気排出用の穴２６を両側部に設
けてもよい。

（作用） 接続部２１を第２図のベンチユリー部外側に嵌
挿する。そして容器２内で蒸気を発生する。ベン
チユリ１５の部分でつくられた約43℃の空気と蒸
気との混合気は吸入具１９側に流れてくるが、こ
れを鼻孔１２Ｖ形凹部２２を当てがつて所定時間
吸入する。

この吸入時に余剰混合気は、穴２５から舌状片
２４に沿つて矢印方向へあるいは側部の穴２６か
ら排出され、顔面にかゝらない。

又Ｖ形凹部２２の底部に設けた逆Ｕ字形バツフ
ル板２３によつて空気−蒸気混合気はバツフル板
２３の両側から両鼻孔に達し鼻孔と鼻孔間の皮膚
を加熱し、不快感を与えないよう機能する。

（効果） 合成樹脂等で筒状に成形され、一端に鼻孔にフ
イツトするＶ形凹部を設けたので、水蒸気−空気
の混合気は直接鼻孔内に入り、顔面に蒸気が当る
ことがない。

又Ｖ形凹部と整合した舌状片とその基部の穴を
設けたので、余剰混合気は舌状片によつて顔を避
けて排出され、長時間に吸入をしても不快感がな
い。

さらにＶ形凹部の底にバツフル板を設けたの
で、これによつて蒸気−空気の混合気が鼻孔間の
皮膚部を直撃しないので、不快感を抱かせること
がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る吸入器の斜視図。第２図
は本発明吸入器が適用される公知温熱治療装置の
断面図。 図において；Ｓ……交流電源、１……ハウジン
グ、２……円筒形容器、３……栓、４……Ｏリン
グ、５……溝、６……内壁、７……断熱層、８…
…外板、９，１０……チユーブ状電極、９ａ，１
０ａ……開口、１１，１２……導線、１３……通
路、１３ａ……毛細管、１４……ノズル、１５…
…ベンチユリ、１６……通路、１７……吸入マス
ク、１８……通路、１９……吸入具、２０……本
体部、２１……接続部、２２……Ｖ形凹部、２３
……バツフル板、２４……舌状片、２５，２６…
…穴。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 合成樹脂等で筒状に成形され、一端に鼻孔部
   にフイツトするＶ形凹部２２を有する本体部２０
   を有し、該本体部の側胴には前記Ｖ形凹部と整合
   しかつ角度をなして設けた外向舌状片２４を、又
   該外向舌状片の基部に余剰混合気排出用の穴を設
   け、さらに前記Ｖ形凹部の底部中央部に吸入側に
   凹の逆Ｕ字形バツフル板２３を設けたことを特徴
   とする吸入式温熱治療装置における吸入具。 ２ 外向舌状片２４の両側部に余剰混合気排出用
   の穴を設けたことを特徴とする請求項１記載の吸
   入式温熱治療装置における吸入具。