JPH0543774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【0001】

【産業上の利用分野】 本考案は、温められた加
熱蒸気を霧化し、鼻孔に噴射する吸入式温熱治療
装置に関するものである。

【0002】

【従来の技術】 従来、鼻孔に蒸気を噴射させる
吸入式温熱治療装置としては、特公平２−57431
号公報に開示されたものが知られていた。

【0003】 前記鼻孔に蒸気を吸入させる温熱治療
装置では、１槽の容器（ハウジング）内に水を注
入して、これを加熱霧化して鼻孔に吸入させるよ
うにしたものであつて、容器２内に注入された水
に漬けるチユーブ状電極９，１０を備えた栓３が
容器に螺合されると共に、吸入マスク１７内に拡
散した蒸気を送気するため、ノズル１４の上方の
通路１６のベンチユリ１５の上方部がラツパ状に
開口されている。

【0004】

【考案が解決しようとする課題】 しかしなが
ら、前記従来の吸入式温熱治療装置では、栓３に
チユーブ状電極９，１０の上方部を埋設する必要
があるため、製造に手間がかかり高価になると共
に、容器２内の水が残り少なくなつた場合、チユ
ーブ状電極９，１０が水より露出したしまい熱効
率が悪いという問題点があつた。

【0005】 また、従来の吸入式温熱治療装置で
は、栓３のラツパ状に拡開した通路１６はノズル
１４から分離して設けられているために、蒸気の
拡散が充分でないという問題点があつた。

【0006】 本考案は前記従来のような問題点を解
決することを目的とする吸入式温熱治療装置を提
供しようとするものである。

【0007】

【課題を解決するための手段】 本考案は、中間
に断熱用の空〓部を設けた二層構造を有する上方
を開口した有底の円筒形状のハウジングの内側底
板の中央に熱伝導板を固定して、前記ハウジング
内部を注入槽とすると共に、前記熱伝導板の下面
に電熱ヒーターを付設し、且つ前記ハウジングの
上方開口部に蓋体が密嵌固定され、更に蓋体の中
央部には、中央部にベンチユリを形成し、その
上，下部にラツパ状に拡開した噴射口と吸引口を
連設した噴射ノズルが貫通固定され、且つ前記蓋
体の側方部には、前記噴射ノズルの上面位置に開
口した導管を先端に水平状態に保持した逆Ｌ字状
の送水管を貫通固定するという手段を採用するこ
とにより、上記問題点を解決した。

【0008】

【作用】 上記構成より成る本考案によれば、注
水槽内の水が残り少なくなつても、熱伝導板下面
に付設された電熱ヒーターによつて加熱される。
また、注水槽内の水が沸騰すると、蒸気は噴射ノ
ズルのラツパ状の噴射口より拡散して噴射され
る。

【0009】

【実施例】 本考案の実施の一例を図について詳
細に説明するに、中間に断熱用の空〓部１ａを設
けた二層構造を有する上方を開口した有底の円筒
形状のハウジング１の内側底板１ｂの中央にステ
ンレス鋼製の熱伝導板２を固定して、前記ハウジ
ング１の内部を水を注入する注入槽３とすると共
に、前記熱伝導板２の下面に電熱ヒーター４を付
設する。

【0010】 前記ハウジング１の上方開口部には蓋
体５が密嵌して固定され、且つ該蓋体５の中央部
には噴射ノズル６が貫通固定されている。前記噴
射ノズル６は中央部が径小でベンチユリ７を形成
すると共に、該ベンチユリ７の上，下方にはラツ
パ状に拡開された噴射口８と吸引口９とが夫々連
設されて形成されている。そして、前記噴射口８
は蓋体５の上方へ突出され、且つ前記吸引口９は
注入槽３に開口されて、噴射ノズル６が蓋体５に
固定されている。

【0011】 また、蓋体５の側方部には、前記噴射
ノズル６の噴射口８の上面位置に開口した導管１
０を先端に水平状態で保持した逆Ｌ字状の送水管
１１が貫通固定され、且つ該送水管１１の底部は
熱伝導板２近くまで延長されている。

【0012】 前記蓋体５の上方外周縁部には起立壁
１２が周設されると共に、該起立壁１２には適宜
間隔を置いて複数個の空気注入孔１３が穿設され
ており、更に前記起立壁１２の外周面に嵌合して
摺接回動できる垂下壁１４を上板１５の外周縁に
垂設すると共に、前記垂下壁１４に前記空気注入
孔１３と連通する複数個の空気流入調整孔１６を
穿設して調整キヤツプ１７が形成され、且つ該調
整キヤツプ１７を起立壁１２に嵌合することによ
り、前記蓋体５と調整キヤツプ１７とにより囲繞
された空気調整室１８が形成される。

【0013】 また、前記調整キヤツプ１７の上板１
５の中央には、前記噴射ノズル６と中心線が一致
すると共に、下面が空気調整室１８に開口された
案内筒１９が立設され、且つ該案内筒１９には、
鼻孔に装着可能で、且つ霧化された蒸気を吸入で
きるような形状に、ゴム等の柔軟材により形成さ
れた鼻孔吸入具２０が載置されている。なお、図
中２１はタイマーである。

【0014】 次に、実施例の作用について説明す
る。 調整キヤツプ１７と蓋体５を取り外して注入槽３
内に所定量の水を注入し、次に前記蓋体５をハウ
ジング１に嵌合固定して、蓋体５の起立壁１２に
調整キヤツプ１７を嵌合して吸入の準備が完了す
る。そして、電熱ヒーター４に通電すると熱伝導
板２が加熱されることにより、注入槽３内の水が
徐々に加熱されて沸騰し、前記沸騰した水が蒸気
となつて噴射ノズル６から上方へ噴射されると、
注入槽３内の水に差し込まれた送水管１１の先端
の導管１０に負圧を生じさせて、前記注入槽３内
の加熱された湯水を送水管１１を介して上昇せし
めて導管１０から水滴状にして流出させ、該湯水
を前記噴射ノズル６日ら噴射された蒸気と混合し
て霧化状態で、案内筒１９を経て鼻孔吸入具２０
を介して鼻孔内に吸入させるのである。

【0015】 前記噴射ノズル６は、中央にベンチユ
リ１７を形成し、その上，下方部にラツパ状に拡
開された噴射口８と吸引口９が連設されているた
め、前記ベンチユリ１７によつて注水槽３内の蒸
気が多量に吸引され、更に噴射口８から拡散され
て噴射されると共に、導管１０から流出する水滴
状の湯水を拡散させ、その拡散状態のまま案内筒
１９内に誘導されるのである。

【0016】 鼻孔内に吸入される湯水と蒸気の混合
物の温度が高い場合は、調整キヤツプ１７を回動
させて、該調整キヤツプ１７の空気流入調整孔１
６と蓋体５の起立壁１２の空気吸入孔１３とを合
致させて空気調整室１８へ外気を流入せしめて、
該外気と前記湯水および蒸気の混合物とを混合せ
しめて温度を下げる。その温度の調整は適宜調整
キヤツプ１７を回動させて、空気流入調整孔１６
と空気吸入孔１３とで空気の流入開口を広くした
り、狭くしたりして調整し、空気調整室１８への
空気の流入量を調整して行う。

【0017】

【考案の効果】 本考案は上述のようであるか
ら、注入槽内の水の加熱は、熱伝導板下面に付設
した電熱ヒーターにより行うので、注入槽内の水
が残り少なくなつても全く関係なく加熱できて熱
効率がよく、蓋体には電極を埋設する必要もない
ので製造が簡単であり、また噴射ノズルの噴射口
がラツパ状に拡開されており、既に噴射ノズルか
らの噴射の時点で拡散されているために、導管か
ら流出した水滴状になつて湯水を拡散して混合
し、案内筒へ誘導させて鼻孔吸入具から噴霧状態
で吸引されるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案吸入式温熱治療装置の縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１……ハウジング １ａ……空〓部 １ｂ……内側底板 ２……熱伝導板 ３……注入槽 ４……電熱ヒーター ５……蓋体 ６……噴射ノズル ７……ベンチユリ ８……噴射口 ９……吸引口 １０……導管 １１……送水管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中間に断熱用の空〓部を設けた二
   層構造を有する上方を開口した有底の円筒形状の
   ハウジングの内側底板の中央に熱伝導板を固定し
   て、前記ハウジング内部を注入槽とすると共に、
   前記熱伝導板の下面に電熱ヒーターを付設し、且
   つ前記ハウジングの上方開口部に蓋体が密嵌固定
   され、更に蓋体の中央部には、中央部にベンチユ
   リを形成し、その上，下部にラツパ状に拡開した
   噴射口と吸引口を連設した噴射ノズルが貫通固定
   され、且つ前記蓋体の側方部には、前記噴射ノズ
   ルの上面位置に開口した導管を先端に水平状態に
   保持した逆Ｌ字状の送水管を貫通固定したことを
   特徴とする吸入式温熱治療装置。