JPH0342811Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は複数個の吊り下げ枠を環状に回転する
ように設けた回転収納装置に関するものである。

［背景技術］ 一般に多数の収納物を押し入れ家具などに吊り
下げて収納する場合、奥の方に収納したり、奥の
方に収納された物を取り出したりするときにはそ
の手前に収納した物を一旦取り出す必要があり、
収納物の出し入れが非常に面倒になるものであ
る。この問題をなくすため最近、環状の上レール
の下方に上レールに沿つて複数個の吊り下げ枠を
配置すると共に複数個の吊り下げ枠を回転自在に
連結し、上レールに走行自在に取り付けた複数個
のランナーに上記吊り下げ枠を回転自在に吊り下
げ、吊り下げ枠を上レールに沿つて回転させて収
納や取り出しができるようにした回転収納装置も
提案されているが、この回転収納装置にあつては
収納物を吊り下げる吊り下げ枠は上レールに吊り
下げられているだけなので、吊り下げ枠を回動す
るとき吊り下げ枠が揺れて安定よく吊り下げ枠を
回動することができないという欠点があつた。

［考案の目的］ 本考案は叙述の点に鑑みてなされたものであつ
て、本考案の目的とするところは吊り下げ枠の下
部もガイドして吊り下げ枠が揺れず吊り下げ枠を
安定よく回動でき、しかも下ガイドに沿つてガイ
ドされる被ガイド部材を簡単に取り付けることが
できる回転収納装置を提供するにある。

［考案の開示］ 本考案回転収納装置は、環状の上レール１の下
方に上レール１に沿つて複数個の吊り下げ枠２を
配置すると共に複数個の吊り下げ枠２を回転自在
に連結し、上レール１に走行自在に取り付けた複
数個のランナー３に上記吊り下げ枠２を回転自在
に吊り下げた回転収納装置において、吊り下げ枠
２の下方に下ガイド４を上レール１と対応するよ
うに設け、吊り下げ枠２の下部に略逆Ｕ字状の取
り付け部材１９を取着し、下ガイド４に沿つて転
動するガイドローラ２０を有する被ガイド部材Ａ
の上部に略逆Ｕ字状の被取り付け部材２１を設
け、上記取り付け部材１９に被取り付け部材２１
を嵌合して取り付け部材１９の側片と被取り付け
部材２１の側片とに連結ねじ具２２を水平方向に
締結したものであつて、上述のように構成するこ
とにより従来例の欠点を解決したものである。つ
まり、吊り下げ枠２の下方に下ガイド４を上レー
ル１と対応するように設け、吊り下げ枠２の下部
に設けた被ガイド部材Ａのガイドローラ２０を下
ガイド４に沿つて転動するようにしたことによ
り、吊り下げ枠２の下部がガイドされて吊り下げ
枠２が揺れなく吊り下げ枠２を安定よく回動でき
るようになり、しかも吊り下げ枠２の下部に略逆
Ｕ字状の取り付け部材１９を取着し、ガイドロー
ラ２０を有する被ガイド部材Ａの上部に略逆Ｕ字
状の被取り付け部材２１を設け、上記取り付け部
材１９に被取り付け部材２１を嵌合して取り付け
部材１９の側片と被取り付け部材２１の側片とに
連結ねじ具２２を水平方向に締結したことによ
り、吊り下げ枠２の下部に被ガイド部材Ａを水平
方向の連結ねじ具２２の挿通にて簡単に取り付け
られるようになつた。

以下本考案を実施例により詳述する。

第１図、第２図、第３図に示すように上レール
１は断面リツプ付コ字状で全体が長円形の環状に
形成されており、上レール１の内周側に配置した
上フレーム７に取り付けてあり、上フレーム７の
両端部より下方に上連結筒８を垂下してある。こ
の上レール１を有する上フレーム７は上方に配置
してあり、床上には第８図、第９図に示すように
上フレーム７に対応するように下フレーム９を配
置してあり、下フレーム９には下連結筒１０を突
設してある。上フレーム７と下フレーム９との間
には上連結筒８と下連結筒１０との間に位置する
ように支柱１１を配置してあり、支柱１１の上端
は上連結筒８に連結してあり、支柱１１の下端は
下連結筒１０に連結してある。下フレーム９の外
周には長円形の環状の下ガイド４を装着してあ
り、下ガイド４は上記上レール１と対応してい
る。下ガイド４は金属、合成樹脂、ゴム等よりな
る帯板状であつて、板厚方向が水平方向を向くよ
うに配置してあり、上部のガイド部４ａが下フレ
ーム９の上端より上方に突出している。吊り下げ
枠２は第３図に示すように上下に長い矩形枠状に
形成され、吊り下げ枠２を上レール１の周方向に
複数個配置してある。上レール１には第６図に示
すように複数個のランナー３を走行自在に取り付
けてあり、ランナー３に回転自在に取り付けたラ
ンナー軸１２の下端を夫々吊り下げ枠２の上片の
両端に回転自在に装着してある。吊り下げ枠２の
上部間には夫々上連結アーム１３を配置してあ
り、上連結アーム１３の両端をランナー軸１２に
回転自在に取着して吊り下げ枠２の上部同士を回
転自在に連結してある。この吊り下げ枠２の両側
片間には第３図に示すようにハンガーパイプ１４
が架設され、ハンガーパイプ１４の両端が止めね
じ１５にて固定されている。また第４図、第５図
に示すように吊り下げ枠２の両側片間には吊り下
げフレーム１６が架設され、吊り下げフレーム１
６の両端が止めねじ１５にて固定されている。こ
の吊り下げフレーム１６の爪部１６ａに網篭１７
を引つ掛け係止し得るようになつている。また第
１３図に示すように吊り下げ枠２の下片には略逆
Ｕ字状の取り付け部材１９を設けてあり、取り付
け部材１９の側片には取り付け孔２３を穿孔して
ある。被ガイド部材Ａは第１ボルト２４、Ｕ字状
の被取り付け部材２１、ナイロンのような合成樹
脂のワツシヤ２５、下連結アーム１８、ナイロン
のような合成樹脂のカラー２６、ベアリングのよ
うなガイドローラ２０、ワツシヤ２７、ナツト２
８、連結板２９、第２ボルト３０、ナイロンのよ
うな合成樹脂のカラー３１等にて構成されてい
る。第１ボルト２４は被取り付け部材２１の底片
の透孔に挿通し、ワツシヤ２５を介して下連結ア
ーム１８の端部の透孔１８ａに挿通し、さらにワ
ツシヤ２５を介してカラー２６に挿通し、さらに
ガイドローラ２０に挿通し、第１ボルト２４の下
端にワツシヤ２７を介してナツト２８が螺合さ
れ、連結板２９の一端の透孔２９ａにはカラー２
６の細径部２６ａが挿通され、第２ボルト３０は
連結板２９の他端の透孔２９ｂに挿通し、カラー
３１及びガイドローラ２０に挿通し、第２ボルト
３０の下端にワツシヤ２７を介してナツト２８が
螺合される。このようにして第１１図に示すよう
に被ガイド部材Ａが組み立てられ、次のように吊
り下げ枠２に取り付けられる。吊り下げ枠２の取
り付け部材１９に被取り付け部材２１を嵌合して
取り付け部材１９の取り付け孔２３と被取り付け
部材２１の上下に長い長孔３３とを対応させ、ボ
ルト・ナツトよりなる連結ねじ具２２を取り付け
孔２３と長孔３３とに水平方向に挿通して締結
し、第１０図、第１２図に示すように被ガイド部
材Ａを取り付ける。このように被ガイド部材Ａを
取り付けると隣合う吊り下げ枠２の下部同士が下
連結アーム１８にて回転自在に連結される。しか
も連結ねじ具２２で締結するとき長孔３３にて上
下することにより被ガイド部材Ａの取り付け高さ
を上下に調整できる。また上記のようにして被ガ
イド部材Ａを取り付けると、連結ねじ具２２を水
平に挿通して簡単に取り付けることができる。つ
まり、第１４図に示すように第１ボルト２４をガ
イドローラ２０からカラー２６、連結板２９、ワ
ツシヤ２５、下連結アーム１８を介して吊り下げ
枠２の下片に挿通し、第１ボルト２４の上端にナ
ツト２８を締め付けるようにするとドライバー３
４のような工具が入りにくくて締め付けができな
いという欠点があるが、上記のようにすると簡単
に被ガイド部材Ａを取り付けることができる。こ
の被ガイド部材Ａの一対のガイドローラ２０が下
ガイド４のガイド部４ａの両側に位置するように
配置され、ガイド部４ａに沿つてガイドローラ２
０が転動するようになつている。

上記のように回転収納装置が形成され、たとえ
ば押し入れ家具のような収納空間内にセツトして
使用される。しかして吊り下げ枠２を上レール１
の周方向に押したり引いたりするとランナー３が
走行して吊り下げ枠２が回動し、適宜の吊り下げ
枠２を収納空間の開口側に位置させて収納物の吊
り下げ収納や収納物の取り出しができる。また吊
り下げ枠２を回動する際、下ガイド４のガイド部
４ａの両側にガイドローラ２０が位置した状態で
転動して吊り下げ枠２が揺れたりしない。

［考案の効果］ 本考案は叙述のように吊り下げ枠の下方に下ガ
イドを上レールと対応するように設け、吊り下げ
枠の下部の被ガイド部材のガイドローラを下ガイ
ドにてガイドされるようにしたので、吊り下げ枠
の下部がガイドされて吊り下げ枠が回動して吊り
下げ枠が揺れなく吊り下げ枠を安定よく回動でき
て収納物を収納したり取り出したりするのが便利
にできるものであり、しかも吊り下げ枠の下部に
略逆Ｕ字状の取り付け部材を取着し、ガイドロー
ラを有する被ガイド部材の上部に略逆Ｕ字状の被
取り付け部材を設け、上記取り付け部材に被取り
付け部材を嵌合して取り付け部材の側片と被取り
付け部材の側片とに連結ねじ具を水平方向に締結
したので、吊り下げ枠の下部に被ガイド部材を水
平方向の連結ねじ具の挿通にて簡単に取り付けら
れるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図は
同上の正面図、第３図は同上の上レールと吊り下
げ枠とを示す斜視図、第４図は同上の吊り下げ枠
に網篭を取り付けた状態の側面図、第５図は同上
の網篭を取り付ける状態の斜視図、第６図は同上
の吊り下げ枠の取り付け状態の断面図、第７図は
同上の支柱の斜視図、第８図ａ，ｂは同上の下ガ
イドと下フレームを示す平面図及び正面図、第９
図は同上の下ガイドを示す斜視図、第１０図は同
上の吊り下げ枠の下部を示す正面図、第１１図は
同上の被ガイド部材を示す斜視図、第１２図は同
上の被ガイド部材を取り付けた状態の断面図、第
１３図は同上の被ガイド部材の分解斜視図、第１
４図は被ガイド部材の取り付け状態の比較例の断
面図であつて、１は上レール、２は吊り下げ枠、
３はランナー、４は下ガイド、１９は取り付け部
材、２０はガイドローラ、２１は被取り付け部
材、２２は連結ねじ具、Ａは被ガイド部材であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 環状の上レールの下方に上レールに沿つて複数
   個の吊り下げ枠を配置すると共に複数個の吊り下
   げ枠を回転自在に連結し、上レールに走行自在に
   取り付けた複数個のランナーに上記吊り下げ枠を
   回転自在に吊り下げた回転収納装置において、吊
   り下げ枠の下方に下ガイドを上レールと対応する
   ように設け、吊り下げ枠の下部に略逆Ｕ字状の取
   り付け部材を取着し、下ガイドに沿つて転動する
   ガイドローラを有する被ガイド部材の上部に略逆
   Ｕ字状の被取り付け部材を設け、上記取り付け部
   材に被取り付け部材を嵌合して取り付け部材の側
   片と被取り付け部材の側片とに連結ねじ具を水平
   方向に締結して成る回転収納装置。