JPH0342409Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、レンズ鏡筒、特に互に光軸方向に
摺動する鏡筒の嵌合構造に関する。

（従来技術） 合焦或いはズーミングのため、互に光軸方向に
移動する鏡筒はレンズ系に一般に用いられてい
る。これらの移動機構は、ヘリコイドネジ或はカ
ム溝によるものが殆んどであるが、これらは樹脂
成形により所要の精度を得ることが難しく、コス
ト低下の実現が困難であつた。

また、嵌合摺動によるものは、構造は簡単であ
るが、摺動のためのクリアランスによるガタを生
じ、高精度のレンズ移動を実現することは難し
い。

最近、摺動筒の一方に溝を設け、弾性的に該溝
に係合する部材を他方の摺動筒に固定することに
よつて、摺動を滑らかにすることが提案されてい
る。（例えば、実開昭55−1386007、同昭55−
123914、同昭57−39012） しかしこれらは、円周方向すなわち摺動筒相互
の回転についてはガタ防止の作用を持ち、或いは
摺動抵抗を小さくするものではあつても、径方向
については配慮されておらず、摺動筒軸の保持等
については依然として問題の残るものであつた。

（考案の目的） この考案は、摺動筒間に円周方向、径方向の両
方向に弾性的に圧接する部材を配置することによ
り、相互の嵌合精度に頼らず、ガタつきのない、
作動荷重、感触の良好なレンズ鏡筒を得ようとす
るものである。

（考案の構成） 第１図、第２図は、それぞれこの考案の一実施
例の筒軸方向及びそれに直角な方向の断面を示
す。内側摺動筒１と外側摺動筒２は、クリアラン
スｄを有する状態で嵌合される。この実施例で
は、外側摺動筒２の内面に、軸方向にのびる直線
案内溝２ａが設けられ、内側摺動筒１の外面には
第３図に示すような摺動板３が固定され、上記の
案内溝２ａ中に嵌合し、摺動する。

摺動板３は、摺動筒１，２の径方向に湾曲し、
案内溝２ａの底に圧接し弾性変形しうる径方向圧
片３ａと、円周方向に弾性変形でき、案内溝２ａ
の両側壁に圧接摺動する円周方向圧片３ｂを有
し、中央部をビス４止めされている。

この案内溝と摺動板は、円周に複数個設けられ
る。また、摺動筒の長さ方向に複数個の摺動板を
設ける方が筒軸を一定に保つに都合が良い。案内
溝と摺動板を外筒、内筒の何れに設けてもよいこ
とは云う迄もない。

（考案の効果） この考案は上記の構成により次の顕著な効果を
奏する。

摺動筒はクリアランスｄを有しているので、
その形状の不正確さ、表面あらさ等の影響を受
けない。それ故、樹脂成形による等、製造コス
トを低減することが可能となる。

単一の摺動板によつて径方向、円周方向のガ
タを同時に防止できるので、簡単な構造によつ
て良好な摺動性能を得ることができる。

摺動板を摩擦係数の小さい材料で作れば、作
動感触を良くできる。一方、摺動筒の材質は別
に選べるので、コスト上昇、成形の難易等の問
題を生じないですむ 摺動筒はクリアランスを持つているので、温
度変化などによつて膨張・収縮しても、摺動が
不円滑になる恐れがなく、作動の信頼性が高ま
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、この考案のレンズ鏡筒の軸
方向及びそれと直角な方向の断面図、第３図は摺
動板の斜視図である。 １：内側摺動筒、２：外側摺動筒、２ａ：直線
案内溝、３：摺動板、３ａ：径方向圧片、３ｂ：
円周方向圧片、４：ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相互に摺動する摺動筒を有し、該内外の摺動筒
   は相互間にクリアランスを有すると共に、一方の
   摺動面に複数の案内溝を、他方の摺動筒には上記
   案内溝に嵌合摺動する摺動板を固定し、該摺動板
   は摺動筒の径方向に弾性変形可能な径方向圧片
   と、円周方向に弾性変形可能な円周方向圧片とを
   有することを特徴とするレンズ鏡筒。