JPH0342119B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般家庭において使用する脱水機付
の洗濯機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 一般に洗濯槽内に水と洗剤を入れて洗剤液を作
り、ついで洗濯物を投入し、撹拌して洗濯した
後、洗濯物を取り出し、脱水かご内に入れて遠心
脱水を行なうと、洗濯物に吸収されている洗剤液
は脱水され、機体外へ排水されていた。近年、省
資源の面から、この脱水された洗剤液を再度洗濯
槽に回収し、さらに洗濯に使用する要求があり、
種々の提案がなされている。例えば、脱水された
洗剤液をポンプにて洗濯槽内に回収する方法があ
つたが、この場合には、ポンプを別に設けねばな
らず、また従来は渦巻式ポンプを使用していたの
で、泡立つた洗剤液には多くの空気を含んでお
り、ポンプにおける損失が大きく、性能が悪かつ
た。このため脱水かごを外包して洗剤液を受ける
脱水槽内より早く排水して回収できないため、脱
水かごの回転により撹拌されて、さらに泡立ち
し、その結果脱水かご回転に抵抗として働いて回
転のスピードアツプを妨げ、脱水モータに大きな
負荷となつて作用する等の多くの欠点があつた。
また、脱水かごの上方に脱水用小孔を集中させ、
脱水かご内に洗濯物とともに含まれている洗剤液
は、遠心力により脱水かご上方より脱水し、脱水
槽の上方側壁周囲には前記脱水用小孔より少し低
い位置に樋等より形成された溝部にて受けること
により洗剤液を回収し、洗濯槽への流路を形成す
ることにより、脱水された洗剤液を再び洗濯槽へ
戻す方法もあつた。この場合、脱水かご内に洗濯
物が投入される際には、通常バランスよく投入さ
れることは少ないので、脱水モータにより脱水か
ごが起動する時に、脱水かごが多少なりとも振れ
回りを生じて回転を始め、その時に脱水かごと脱
水槽とが接触して起動不良を起こさないように、
通常は25mm以上の間隙を有するように設定してい
た。また一般に、洗濯物の重量に対して含まれる
洗剤液の重量は３倍近くにもなり、脱水かご内に
洗濯物を定格容量まで押し込むと、その投入の間
に洗濯液が脱水用小孔より流れ出し、前述の脱水
かごと脱水槽の間隙より、回収されることなく排
水経路を介して機外へ排出されてしまう欠点があ
つた。また脱水かごの回転数が小さい場合には、
遠心力が小さいために脱水された洗剤液が溝部ま
で到達せず、前述の間隙より排出されてしまう欠
点があつた。このように、脱水かごが中〜高速で
回転時における遠心力により脱水された洗剤液を
回収するまでの損失は、かなり大きいものとな
り、洗剤液の回収効率が低いという問題点を有し
ていた。

発明の目的 本発明は、このような従来の問題点を解消し、
簡単な構成にして、洗剤液の回収の効率の向上を
はかつた洗濯機を提供するものである。

発明の構成 本発明の洗濯機は、洗濯槽と、これを並設した
脱水槽と、上方部に複数の脱水用小孔を有し、そ
れより低い位置に内側角度が90度よりも若干小さ
い断面略逆Ｌ字状をなす合成樹脂等よりなる環状
の案内部材を締付け固定した脱水かごと、脱水槽
内に前記環状の案内部材より低い位置に脱水かご
からの脱水液をうけて、これを洗濯槽へ導く溝部
とを備え、この溝部に開閉操作手段により開閉自
在とした溢水口と開口部を設えたものである。し
たがつて案内部材を内側角度が90度よりも若干小
さい断面略逆Ｌ字状とし、内周径を説水かご外径
よりも若干大きくし、内周長を脱水かご外周長と
等しくしたことにより、案内部材を脱水かごに締
付け固定すると、案内部材が合成樹脂等で構成さ
れているため応力を受けて内側角度は締付け固定
以前よりも小さくなるものである。そこで洗濯物
を脱水かごに投入する際に脱水用小孔より流れ出
る洗剤液は案内部材をつたわり、内側へ回り込む
ことなく溝部へとかれるとともに、脱水かごの低
速回転時において脱水された洗剤液も案内部材を
つたわつて溝部へと導かれ、脱水かごの中〜高速
回転時における洗剤液の回収と合いまつて、洗濯
物の脱水による洗剤液の回収効率を高めることが
できるものである。

実施例の説明 以下、添付図面に基づいて本発明の実施例につ
いて説明する。図面において、１は洗濯機の外
箱、２は操作スイツチ、３は脱水ふた、４は脱水
受カバー、５は脱水モータ６により回転脱水する
脱水かご、７は脱水かご５の上方部の周囲に多数
設けられた脱水用小孔、８は脱水用小孔７よりわ
ずかに下方に締付け固定された略環状で、内側角
度が90度よりも若干小さい断面略逆Ｌ字状の合成
樹脂等よりなる案内部材である。この案内部材８
は締付け固定以前の内周径が脱水かご５の外周径
よりも若干大きく設定してあり、内周長は脱水か
ご５の外周長と同一に設定することにより、締付
け固定時に脱水かご外周に内周壁９が密着するよ
うにしている。案内部材８は、端部において締付
け固定が容易に行なえる穴部１０と、この穴部１
０の内径より若干径大なる外径を有する略くさび
形状の係合部１１を有するとともに、脱水かご５
の位置決め用小孔１２と係合する小突起１３を内
周壁９に有している。１４は脱水かご５を収容
し、脱水された液を受ける脱水槽で、洗濯槽１５
と並設している。脱水層１４の上方側壁周囲には
前記案内部材８もり低い位置に樋等よりなる上方
開口状の溝部１６を形成している。この溝部１６
は溢水口１７へ連結され、底面は溢水口１７へ水
が流れやすいように傾斜させている。また、溝部
１６の途中の洗濯槽１５の側壁１５′には開口部
１８を設け、この開口部１８には、吐出口１９を
有し、かつ水平移動して吐出口１９と溢水口１７
とを同時に切換開閉させることができるコツク板
２０を装着した仕切板２１を装着している。２２
はベローズ、２３は脱水シヤフト、２４は脱水槽
１４の底部の排出口、２５はモータサスペンシヨ
ンである。第３図に示すように、案内部材８と溝
部１６とは、脱水かご５に洗濯物を定格容量投入
し、さらに洗濯物を中へ押し込んだ場合でも上下
方向にａmm（ａ＞３）の間隙を有する位置に設定
されている。また、溝部１６の底部は洗濯槽１５
の高水位表示位置より20mm以上高い位置に設定さ
れており、洗濯時に洗濯槽の水が吐出口１９から
逆流するのを高さの面からも防いでいる。また、
溝部１６の外周壁と案内部材８の外周端との間隙
ｂと脱水かご５の外周と脱水槽１４の内周壁との
間隙ｃとはｂ＞ｃなる関係を有し、かつ案内部材
８と溝部１６とはわずかに重なる様に設定してい
る。

上記構成において動作を説明する。案内部材８
の小突起１３を脱水かご５の位置決め用小孔１２
に係合させながら、案内部材８の穴部１０に略く
さび状の係合部１１を押し込み、案内部材８を脱
水かご５に締付け固定を行なう。締付け固定以前
の案内部材８の内周径は、脱水かご５の外周径よ
りも若干大きく、かつ締付け固定時には、弾性変
形により脱水かご５の外周にい内周壁９が密着す
る様に設定してあるため、案内部材８の断面の内
側角度が90度より若干小さい略逆Ｌ字状となつて
いるが、内周壁９が脱水かご５の外周により規制
されるた、内側角度はさらに小さく変形し、案内
部材８の上面は環状の傾斜面を呈することにな
る。洗濯槽１５にて洗濯した洗濯物を脱水かご５
に入れると洗濯物が多い場合には、洗濯物に含ま
れる洗剤液は脱水用小孔７の付近まで上昇し、脱
水用小孔７から流れ出し傾斜面を呈する案内部材
８に導かれて溝部１６へと流れ込み、さらに洗濯
物を脱水かご５の定格容量になるまで投入しても
この作用は変わらず、脱水用小孔７から流出した
洗剤液は、案内部材８が傾斜面を有しているた
め、内側へ回り込むことなく案内部材８の端部よ
りすみやかに流部１６へ流れ込み、コツク板２０
の切換えにより、溢水口１７を経て排水、あるい
は吐出口１９を経て洗濯槽１５へと回収される。
次に脱水モータ６により脱水かご５を回転させる
と、低速回転時には、脱水用小孔７より飛び出し
た洗剤液は、案内部材８に沿つて飛ばされて溝部
１６へと導かれ、さらに中〜高速回転時には脱水
用小孔７から飛び出した洗剤液は直接溝部１６に
達し、あるいは溝部１６の外周壁からはね返つて
さらに案内部材８により飛ばされて溝部１６へ導
かれ、前述のごとく溢水口１７あるいは吐出口１
９へと導かれる。したがつて締付け固定により傾
斜面を呈する案内部材８を設けることにより洗濯
物の脱水かご５への投入から脱水かご５の高速回
転に至る洗剤液の回収を無駄なく行なえるという
効果がある。また、前述のごとく、脱水かご５の
外周と脱水槽１４の内周との間隙ｃを溝部１６の
外周壁と案内部材８の外周端との間隙ｂより大き
く設定したことにより、洗濯物が脱水かご５にア
ンバランスに投入され、脱水時に脱水かご５が振
れ回りを生じても、脱水かご５の外周壁が脱水槽
１４の内壁に先に接触することにより、案内部材
８が保護されるものである。

発明の効果 上記実施例から明らかなように、本発明の洗濯
機は、とくに、内側角度が90度よりも若干小さい
断面略逆Ｌ字状をなす案内部材を脱水かごに締付
け固定することにより、洗濯物を脱水かごに投入
する際に排出されていた洗剤液を案内部材の傾斜
面により内側へ回り込むことなく溝部へ導き無駄
なく回収することにより、脱水時の回収効果と合
いまつて、洗剤液の回収に際しては、その効率の
向上をはかり、排水を行なう場合には、脱水時の
泡により脱水モータに負荷がかかるという問題を
解決できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における脱水機付洗
濯機の要部縦断面図、第２図は同要部の斜視図、
第３図は、同要部に洗濯物を投入した時の作用を
示す略図、第４図は同要部の脱水時の作用を示す
説明図、第５図は案内部材の締付け固定の操作を
示す説明図、第６図は同案内部材の変形を示す説
明図、第７図は同案内部材の要部断面図である。 ５……脱水かご、７……脱水用小孔、８……案
内部材、１４……脱水槽、１５……洗濯槽、１６
……溝部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 洗濯槽と、これと並設した脱水槽と、この脱
   水槽内に装備し、上部に複数の脱水用小孔を有す
   る脱水かごと、前記脱水槽の周壁に環状に設けた
   溝部と、脱水かごの外周壁に配した環状の案内部
   材とを備え、前記案内部材は内側角度が90度より
   も若干小さい断面略逆Ｌ字状に形成するととも
   に、前記脱水かごの脱水用小孔より下方に締付け
   固定した洗濯機。