JPH0341765Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車等のエンジンの吸気フイルタ
ーに付着したダスト類を自動的に除去するエンジ
ンの吸気フイルターのクリーニング装置に関す
る。

〔従来の技術〕

エンジンの吸気フイルターは、外部からの埃、
塵（これらをダスト類という）がエンジン内に侵
入することを防止する為に設けられているので、
一定時間使用すると、吸気フイルターの外面には
ダスト類が付着する。この吸気フイルターがダス
ト類で詰まるとエンジンの効率が落ちるので、定
期的に清掃する必要があつた。

従来、吸気フイルターを自動的に清掃する装置
はなく、手動で外部からエアを吹きつけたり、場
合によつては新品に交換することでその補修を行
つていた。

ところが、吸気フイルターにエア等を吹きつけ
ることによつて吸気フイルターを清掃すると、吸
気フイルターに付着しているダスト類が舞い上が
り、周囲をダスト類で汚し、その作業もダスト類
が舞い上がる中で行うので、著しく作業環境が悪
いという問題点があつた。

そこで、実開昭54−83068号公報には、吸気フ
イルターの外側からエアを吹きつけてダスト類を
落とすエア・クリーナーのフイルターエレメント
清掃装置され、更には実公昭54−29590号公報に
は、吸気フイルターの内側からエアを吹きつけて
吸気フイルターのダスト類を落とす装置が提案さ
れていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上記実開昭54−83068号公報記載の
エア・クリーナーのフイルターエレメント清掃装
置においては、吸気フイルターの外側からのみエ
アを吹きつけるので、吸気フイルターの表面に付
着したダスト類の幾分かは吸気フイルターの表面
に押さえ付けられて充分に取り除けない場合があ
るという問題点がある。

また、実公昭54−29590号公報記載の吸気フイ
ルターにおいては、内側からエアを吹きつけてい
るので、吸気フイルターの外側に付着しているダ
ストに直接エアが当たらず、除去効率が悪いとい
う問題点がある。この傾向は大量のダスト類が付
着する等のために吸気フイルターのエアの通りが
悪い場合には特に著しいという問題点があつた。

本考案はこのような事情に鑑みなされたもの
で、自動的にしかも短時間で吸気フイルターの清
掃即ちクリーニングを行うエンジンの吸気フイル
ターのクリーニング装置を提供することを目的と
する。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的に沿う本考案に係るエンジンの吸気フ
イルターのクリーニング装置は、円筒状の吸気フ
イルターを収納する収納箱と、該収納箱の底部に
配設され該吸気フイルターを回転させる回転台
と、該吸気フイルターの軸方向に往復移動し該回
転台の上に載置された吸気フイルターのフイルタ
ー面に対してエアを吹きつけて付着したダスト類
を除法する移動ノズルとを有してなるエンジンの
吸気フイルターのクリーニング装置において、上
記移動ノズルは、内側から上記フイルター面にエ
アを吹つける内部移動ノズルと、該内部移動ノズ
ルと向かい合つて配置されて同時に移動し、上記
フイルター面に対して外側からエアを吹きつける
外部移動ノズルとからなつて構成されている。

〔作用〕

本考案に係るエンジンの吸気フイルターのクリ
ーニング装置は、吸気フイルターが収納箱の中に
配設され、その底部には回転台があつて、該回転
台に載置される吸気フイルターのフイルター面を
中にして、内部移動ノズルと外部移動ノズルとが
向かい合つて配置され、しかも該内部移動ノズル
と外部移動ノズルとが吸気フイルターの軸方向に
同時に移動するようになつているので、フイルタ
ー面の全面に内部移動ノズル及び外部移動ノズル
から吹き出されるエアが吹きつけられる。

これによつて、吸気フイルターのフイルター面
に内外からエアが吹きつけられているので、フイ
ルター面の外側に付着しているダスト類は外部移
動ノズルから吹き出されるエアによつて大部分が
除去される。そして、該外部移動ノズルから吹き
出るエアによつては除去し難いフイルター面に食
い込んでいるダスト類及び強固にフイルター面に
付着しているダスト類は内部移動ノズルから吹き
出されるエアによつて外部に押し出され、除去さ
れることになる。

このように、フイルター面の内外から同時にエ
アを吹きつけることによつてダスト類の除去が行
われるので、フイルター面においては外部移動ノ
ズルから発生するエアを内部移動ノズルから発生
するエアで抑制することにもなり、更にダスト類
をフイルター面の内部に押し込むという作用が減
少する。

〔実施例〕

続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を
具体化した一実施例につき説明し、本考案の理解
に供する。

ここに、第１図は本考案の一実施例に係るエン
ジンの吸気フイルターのクリーニング装置の一部
切欠き断面図、第２図は第１図における矢視Ａ部
の部分詳細平面図である。

第１図に示すように、本考案の一実施例に係る
エンジンの吸気フイルターのクリーニング装置１
０は、円筒状の吸気フイルター１１を収納する収
納箱１２と、該収納箱１２の底部に設けられてい
る回転台１３と、該収納箱１２の内部に配設され
ている内部移動ノズル１４及び外部移動ノズル１
５と、上記収納箱１２の天井部に設けられている
フアン１６と、上記吸気フイルター１１のダスト
類を集める集塵部１７とを有して構成されてい
る。以下、これらについて更に詳しく説明する。

上記収納箱１２は内部にクリーニングしようと
する吸気フイルター１１がすつぽりと入る構造と
なつて、その上部である天井部１８には開閉でき
る蓋１９が設けられて、自由に吸気フイルター１
１を出し入れできる構造となつている。

この蓋１９の上部は開口２０が設けられている
と共に、内部にはフアン１６が設けられて、開口
２０から入つたエアを図に示す矢印のように下部
の収納箱１２内に送り込むようになつている。

上記フアン１６の下部には、吸気フイルター１
１を押圧する押圧板２１が支持部材２２、ベアリ
ング軸受２３を介して回転自由に上記蓋１９の中
央に取付られて、運転中に吸気フイルター１１を
回転自由に押圧してその配設位置を固定してい
る。

上記収納箱１２の底部の中央には、回転台１３
がベアリング軸受２４を介して回転自由に取付ら
れている。この回転台１３には上記吸気フイルタ
ー１１が載るようになつていると共に、該回転台
１３の周辺には吸気フイルター１１を所定の位置
に固定するガイド片２５，２６が形成されてい
る。上記回転台１３の下部軸２７にはスプロケツ
ト２８が設けられ、該スプロケツト２８は減速機
２９の出力軸に取付られているスプロケツト３０
に連結されている。この減速機２９には電動機３
１が連結されて、該電動機３１の回転によつて上
記回転台１３が回転するようになつている。

上記回転台１３の中央部には、吸気フイルター
１１に連通する開口３２が設けられ、該開口３２
には下部から配管され吸気フイルター１１に内側
からエアを吹き出す内部移動ノズル１４が設けら
れていると共に、上記吸気フイルター１１の外側
にも該吸気フイルター１１に外からエアを吹きつ
ける外部移動ノズル１５が向かい合つて取付られ
ている。

上記内部移動ノズル１４と外部移動ノズル１５
とは、同一のパイプ３３によつて連結され、下部
からエアが供給され、吸気フイルター１１のフイ
ルター面にエアが吹きつけられるようになつてい
る。

上記パイプ３３の吸気フイルター１１の外側に
配管されているパイプ３３ａは、ガイドロツド３
４に固着されている。このガイドロツド３４は、
第２図に示すように前後の摺動部３５，３６に嵌
入する摺動受け部３７，３８が設けられている。

上記ガイドロツド３４の背部にはラツク３９が
形成されていると共に、該ラツク３９に噛合する
ピニオン４０が設けられ、該ピニオン４０には減
速電動機４１の出力軸に取付られているギア４２
が噛合し、該減速電動機４１の回転によつて上記
ガイドロツド３４が上下に摺動移動できる構造と
なつている。なお、上記ラツク３９にはリミツト
スイツチの当接金物（図示せず）が付設されてい
ると共に、ラツク３９が上昇限または下降限にき
た場合に、上記当接金物に当接するリミツトスイ
ツチが設けられて、該リミツトスイツチの信号に
よって上記減速電動機４１が逆転するようになつ
ている。これによつて内部移動ノズル１４及び外
部移動ノズル１５は吸気フイルター１１の内側及
び外側を吸気フイルターの軸方向（第１図におい
ては上下方向）に往復移動できる構造となつてい
る。なお、上記実施例においてはこのようにし
て、内部移動ノズル１４及び外部移動ノズル１５
の移動手段を形成したが、他の移動手段、例えば
螺子機構を利用したものあるいは所定の位置に配
設されたスプロケツトに噛合して一定方向に回転
するチエンを設け、該チエンに移動金物を取付け
これによつて往復運動を発生させる機構のもので
あつても良い。

上記摺動受け部３７，３８及び減速電動機４１
は架台４３に取付られているが、該架台４３は下
部の架台４４にネジ機構によつて横方向移動可能
に取付られ、ハンドル４５を回転させることによ
つて上部の架台４３が水平横方向に移動する構造
となつて、吸気フイルターの径によつてその位置
が変わる移動ノズル１４，１５の位置を調整でき
る構造となつている。

上記架台４４の下部には、昇降手段４６が設け
られ該架台４４を上下に移動させることができる
構造となつている。この昇降手段４６はパンタグ
ラフ構造のジヤツキ４７と、上記架台４４の横方
向の倒れを防止するガイド４８とからなり、ハン
ドル４９を回転させることによつて、架台４４を
昇降させ、内部移動ノズル１４及び外部移動ノズ
ル１５の上下方向の調整を行い、高さの異なる吸
気フイルターに対応できる構造となつている。

なお、一定の大きさの吸気フイルターのみをク
リーニングする場合は、上記内部移動ノズル１４
と外部移動ノズル１５の横方向と縦方向の調整装
置は不用となる。

前記パイプ３３の下部には、エア導入口５０が
設けられ、ホース５１が接続されている。上記ホ
ース５１には圧力スイツチ５２が取付られて、該
ホース５１にエアが入つていることを検出できる
構造となつている。この圧力スイツチ５２の信号
によつて電動機３１および減速電動機４１が回転
するようになつている。

なお、上記架台４３，４４及び収納箱１２は架
台４４ａに固定され、該架台４３，４４，４４ａ
の内部には適当に孔が設けられて、上下動するパ
イプ３３が自由に移動できる構造となつている。

上記収納箱１２の下部には、口径の大きいホー
ス５３が取付られ、該ホース５３によつて布製の
袋体よりなる集塵部１７にダスト類を運ぶ構造と
なつている。

続いて、上記実施例に係るエンジンの吸気フイ
ルターのクリーニング装置１０の作用につき更に
詳しく説明すると、まず、蓋１９を開けて吸気フ
イルター１１を所定の位置に入れ、次に蓋１９を
閉めて下部のホース５１からエアを入れる。これ
によつて圧力スイツチ５２が作動し、電動機３１
及び減速電動機４１が回転する。

電動機３１によつて回転台１３が回転し、これ
によつて回転台１３の上に載つている吸気フイル
ター１１が回転（20〜30rpm）する。

これと同時に減速電動機４１が回転する。この
回転によつてギア４２、ピニオン４０が回転し、
ラツク３９がゆつくり上昇または下降する。

これによつてガイドロツド３４が上下動し、パ
イプ３３が上下に移動することになる。

そして、このパイプ３３の先端には内部移動ノ
ズル１４及び外部移動ノズル１５が設けられてい
るので、往復移動しながら該内部移動ノズル１４
及び外部移動ノズル１５から同時にエアが吸気フ
イルター１１のフイルター面に内外から吹きつけ
られて、ダスト類の層が厚い場合であつても、外
部移動ノズル１５によつて除去する共に、内部移
動ノズル１４によつてフイルター面に食い込んだ
あるいは付着したダスト類を押し出すので、略完
全にフイルター面に付着したダスト類が除去され
る。

上記工程を経てフイルター面から剥離されたダ
スト類は、上部に設けられているフアン１６の気
流に押し流されて、ホース５３を通り、集塵部１
７に集められることになる。

以上の工程を経て吸気フイルター１１のクリー
ニングを終了するので、ホース５１のエアを止
め、蓋１９を開けて、吸気フイルター１１を取り
出すことになる。

〔考案の効果〕

本考案に係るエンジンの吸気フイルターのクリ
ーニング装置は以上の説明からも明らかなよう
に、吸気フイルターのフイルター面の内外には向
かい合つて内部移動ノズルと外部移動ノズルとが
配置されているので、外側に厚く付着したダスト
類は外部移動ノズルによつて除去され、更に吸気
フイルターの表面に付着あるいは食い込んだダス
ト類は内部移動ノズルから吹き出されるエアによ
つて外側に剥離され、外部移動ノズルから吹き出
されるエアによつて吹き飛ばされて除去されるの
で、ダスト類の除去率が高い。

そして、これらの作業は回転台に吸気フイルタ
ーが取付けられ、しかも上記内部移動ノズルと外
部移動ノズルとが同期して吸気フイルターの軸方
向に移動するので、内外に付着したダストを同時
清掃することができ、吸気フイルターに全面に渡
つて付着するダスト類を短時間の内に効率良く除
去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るエンジンの吸
気フイルターのクリーニング装置の一部切欠き断
面図、第２図は第１図における矢視Ａ部の部分詳
細平面図である。 〔符号の説明〕１０……エンジンの吸気フイル
ターのクリーニング装置、１１……吸気フイルタ
ー、１３……回転台、１４……内部移動ノズル、
１５……外部移動ノズル、１６……フアン、１７
……集塵部、１８……天井部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 円筒状の吸気フイルターを収納する収納箱
   と、該収納箱の底部に配設され該吸気フイルタ
   ーを回転させる回転台と、該吸気フイルターの
   軸方向に往復移動し該回転台の上に載置された
   吸気フイルターのフイルター面に対してエアを
   吹きつけて付着したダスト類を除去する移動ノ
   ズルとを有してなるエンジンの吸気フイルター
   のクリーニング装置において、上記移動ノズル
   は、内側から上記フイルター面にエアを吹つけ
   る内部移動ノズルと、該内部移動ノズルと向か
   い合つて配置されて同時に移動し、上記フイル
   ター面に対して外側からエアを吹きつける外部
   移動ノズルとからなることを特徴とするエンジ
   ンの吸気フイルターのクリーニング装置。 (2) 収納箱の天井部にはフアンが設けられている
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のエンジン
   の吸気フイルターのクリーニング装置。