JPH0341703Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、例えば浴槽内に設置して微細な気泡
を発生させることができる気泡発生装置に関する
ものである。

〔背景技術〕

従来より、浴槽の湯水内に気泡を混入して入浴
時に気泡を体表面に吹き当てることにより、体表
面の洗浄効果を高めたり、あるいは血行を促進さ
せる気泡発生装置が提供されている。この気泡発
生装置は、多孔質板を浴槽内に浸漬させ、この多
孔質板内に空気を吹き込むことにより多孔質板の
細孔より気泡を浴槽内に発生させるようにしたも
のである。ところが、従来のこの方法によると、
多孔質板の細孔より発生した多数の気泡径が１mm
以上であつて微細な気泡を発生させることは困難
であり、そのため気泡は直ぐ水表面に浮き上がつ
て浴槽内に多量の気泡を滞留させることはでき
ず、上記体表面の洗浄効果や血行促進効果に乏し
いものであつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の点に鑑みて成されたものであつ
て、気泡を微細化し、且つ微細な気泡が合体する
ことがなく、多量の気泡を浴槽の湯水内に滞留さ
せることにより体の洗浄効果を高め、血行促進を
図ることができる気泡発生装置を提供することを
目的とするものである。

〔考案の開示〕

すなわち、本考案の気泡発生装置は、水中に設
置されモータ１の駆動にて水平方向に回転される
回転体２内に空気を吹き込んで回転体２に設けら
れた細孔より気泡３を発生させる気泡発生装置で
あつて、回転体２を上下面が開口する筒体２０の
上下両面を閉塞して形成すると共に筒体２０の外
周に螺旋状の突部２１を突設し、この突部２１を
内外面が連通する多数の細孔が設けられた多孔質
体４で形成すると共に筒体２０の他の部分を非多
孔質体５で形成して成ることを特徴とするもの
で、回転する回転体２の表面から気泡３を発生さ
せることにより、回転体２表面から水中に放出さ
れる気泡３を水との間で剪断して微細な気泡３を
発生することができるようにし、また筒体２０の
表面に多孔質体４の突部２１を螺旋状に突設する
ことにより、回転体２の表面から水中に放出され
た多数の気泡３が上下で合体して成長しないよう
にして上記目的を達成したものである。

以下本考案を実施例に基づいて詳述する。第１
図は本考案の気泡発生槽９内に配設した例を示
す。この気泡発生槽９の上部はバツフア槽７の上
部と連通管８にて連通されている。また、気泡発
生槽９の下部には気泡発生部１０が設けられ、バ
ツフア槽７の下部と気泡発生部１０の下部とは気
泡供給管１１にて連結されている。そして、気泡
供給管１１にはポンプ１２が設けられ、ポンプ１
２の駆動によつて水を気泡発生部１０、気泡供給
管１１、バツフア槽７、連通管８、気泡発生槽９
へと循環できるようになつている。

気泡発生装置Ａは、モータ１によつて水平方向
に回転駆動する回転体２と回転体２内に空気を供
給する空気供給管１３とで構成され、回転体２は
図のように気泡発生部１０の水中内に配設されて
いる。具体的構成を示すと第２図に示すように、
回転体２は円筒状に形成される筒体２０の上面開
口に回転板１４を嵌合して閉塞すると共に筒体２
０の下面開口に固定板１６を固定して形成されて
おり、回転板１４の中央部には上記空気供給管１
３の先端部に下方へ垂設された空気ノズル１５が
摺動自在に挿通されている。また、固定板１６に
はモータ１の回転軸１７が挿着され、回転体２を
支持すると共にモータ１の駆動に伴つて回転体２
を水平方向に回転するようになつている。第３図
に示すように、筒体２０の外周には螺旋状の突部
２１が突設されており、この突部２１は筒体２０
の内外面に連通する多数の細孔が設けられた多孔
質体４で形成され、突部２１以外の筒体２０の部
分は細孔を有しない非多孔質体５で形成されてい
る。突部２１の螺旋方向は筒体２０の下側から上
側に向けて回転体２の回転方向へ巻回されてお
り、回転体２の回転により気泡発生部１０内の水
を下方へ送ることができるようになつている。多
孔質体４は1μメツシユ程度の連続する細孔を有
する合成樹脂粉末の焼結体で形成することがで
き、また非多孔質体５は上記焼結体と同質の中実
樹脂体で形成することができ、多孔質体４と非多
孔質体５は樹脂の融着により一体化されている。。
なお、上記では多孔質体４及び非多孔質体５を合
成樹脂粉末の焼結体で形成したが、多孔質セラミ
ツク、金属焼結体等の連続微細気孔を有するもの
で形成することもできる。

しかして、空気供給管１３から回転体２内に空
気を供給することにより、回転体２の突部２１に
設けられた細孔を通して微細な気泡３が回転体２
の表面より水中に放出されることになるのである
が、回転体２は水中で回転しているために突部２
１の表面において周囲の水との間に剪断力が働
き、突部２１の表面から非常に微細な気泡３が放
出されるものである。すなわち、回転体２が回転
していない場合には、多孔質体４の表面より発生
する気泡３は微細化されず、気泡径が１mm以上の
大型気泡３となつて水中に放出されるのである
が、回転体２を回転させながら多孔質体４の表面
から気泡３を発生させることにより気泡３が水で
細分化されて微細な気泡３となるものである。ま
た、回転体２の外周に突部２１を形成してその突
部２１を多孔質体４で形成することにより、上下
の突部２１は非多孔質体５部分で分離されること
になつて突部２１の表面から発生した気泡３が合
体して大きに気泡３に成長するということがな
く、微細な気泡状態のままで浴槽の湯水内に滞留
させることができるものである。さらに、突部２
１を螺旋状に形成することにより、モータ１の回
転に伴つて気泡発生部１０内の水が下方へ押し出
されることになり、、水と共に気泡３を気泡供給
管１１内を通つてバツフア槽７内へと送ることが
できると共に、浮力の小さい微細な気泡３ａはそ
の水流と共に下方へ送られるけれども浮力の大き
い大径の気泡３ｂは上方へ浮かび上がることにな
り、ここで微細気泡３ａと大径気泡３ｂの分離が
行なわれることになるのである。

このようにして発生した気泡３ａはポンプ１２
の駆動によつて気泡供給管１１を通つてバツフア
槽７内に送られ、さらに湯水供給管１８を通つて
他の気泡浴槽６内に送られるようになつており、
この気泡浴槽６内に入浴して体の洗浄効果を高
め、血行を促進するものである。また、ポンプ等
を使用して気泡浴槽６内の湯水を気泡発生槽９へ
循環するようになつている。

〔考案の効果〕

上記のように本考案は、水平方向に回転される
回転体内に空気を吹き込んで回転体に設けられた
細孔より気泡を発生させるようにしたので、回転
体から微細な気泡を発生させることができるもの
であり、また筒体の外周に螺旋状の突部を突設
し、この突部を内外面が連通する多数の細孔が設
けられた多孔質体で形成すると共に筒体の他の部
分を非多孔質体で形成したので、多孔質体が非多
孔質体によつて上下で分離されていて多孔質体の
表面から発生して水中に放出された微細気泡は合
体して大径化することがなく、微細な気泡を多量
に浴槽の湯水内に滞留させて体の洗浄効果を高
め、また血行促進を図ることができる利点があ
り、また螺旋状の突部で水流を起こして気泡を送
ることができ、ポンプが不要となる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の概略説明図、第２図
は同上の要部断面図、第３図は同上の回転体の正
面図である。 １はモータ、２は回転体、３は気泡、４は多孔
質体、５は非多孔質体、２０は筒体、２１は突
部、Ａは気泡発生装置である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水中に設置されモータの駆動にて水平方向に回
   転される回転体内に空気を吹き込んで回転体に設
   けられた細孔より気泡を発生させる気泡発生装置
   であつて、回転体を上下面が開口する筒体の上下
   両面を閉塞して形成すると共に筒体の外周に螺旋
   状の突部を突設し、この突部を内外面が連通する
   多数の細孔が設けられた多孔質体で形成すると共
   に筒体の他の部分を非多孔質体で形成して成る気
   泡発生装置。