JPH0340797Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、サブタンクを有する冷凍炭酸飲料デ
イスペンサーに関し、特に、同サブタンク内の圧
力のみが低下した場合には炭酸ガスのみを供給
し、圧力低下及び下限液面レベルが検出された場
合のみに、水とシロツプを供給することによつ
て、常にふつくらとした良好な商品を得るための
新規な改良に関するものである。

【従来の技術】

従来、サブタンクを用いる形式の冷凍炭酸飲料
デイスペンサーとしては、種々の構成が提案さ
れ、採用されているが、その中で代表的な構成に
ついて述べると、図はしないが、特開昭56−
121435号公報及び特開昭60−83540号公報の構成
を挙げることができる。 前述の各公報に開示された構成では、サブタン
ク内の圧力低下のみを検出して、原料（炭酸ガ
ス、水及びシロツプ）を補給する。即ち、商品が
注出されて、サブタンク内の圧力が低下し、所定
の圧力に下がると、圧力検出装置がこの圧力を検
出し、かかる圧力の検出に応動して、水、炭酸ガ
ス及びシロツプ等の原料をサブタンクに供給し、
サブタンク内が所定の圧力まで上昇した時に原料
の供給を停止するようになつている。

【考案が解決しようとする課題】

従来の冷凍炭酸飲料デイスペンサーは、以上の
ように構成されているため、次のような種々の問
題点が存在した。 (1) 一般にこの種のデイスペンサーは、ホース及
び部品等の接続部が非常に多いにも拘わらず、
密閉構造に形成して、各部からのリークを防止
するようになつているが、万一接手部が緩んだ
り、締め忘れがあつた場合、サブタンクより一
次側にて炭酸ガスの緩慢な漏れが発生し、サブ
タンク内の内圧が低下する。 炭酸ガスの漏れは、水やシロツプと異なり目
視による確認ができず、見分けが極めて困難で
あるため、従来の構成では、サブタンクの内圧
が所定圧まで低下すると、炭酸ガスだけが洩れ
たにも拘わらず、水及びシロツプも供給されて
いる。このように余分な水及びシロツプが供給
されると、サブタンク及び冷凍ケーシング内の
圧力が異常に上昇し、注出される商品が重く湿
つたものになつていた。 (2) また、長時間、商品の販売がないと、商品が
過冷却されザラザラした不良品になつてくる。
このような時は、冷凍機のホツトガスを冷凍ケ
ーシングに流すことにより、一度解凍して液状
体に戻し、再冷却すると良好な商品に再生する
ことができるが、この再生工程では、冷却完了
まで、サブタンクへの原料の補給は行わない構
成となつており、冷却が完了して商品ができあ
がつた時に、サブタンク内に液が残つているに
も拘わらず、サブタンク内圧が所定圧よりも低
くなつていることがある。つまり、一度融解し
た液が炭酸ガスを余分に吸収したために、サブ
タンク側の圧力が低下したものであり、このよ
うな場合、従来の構成では、炭酸ガスと共に、
水及びシロツプもサブタンクに供給され、結果
的には、必要以上の水及びシロツプが供給さ
れ、できあがつた商品が重く、湿つぽいものに
なつていた。 本考案は、以上のような問題点を解決し、常
に、ふつくらとした良好な商品を得るようにした
冷凍炭酸飲料デイスペンサーを提供することを目
的とする。

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するため、本考案による冷凍
炭酸飲料デイスペンサーは、炭酸ガスを内蔵した
炭酸ガスボンベと、シロツプを内蔵したシロツプ
タンクと、水を内蔵した水タンクと、前記炭酸ガ
スボンベ、シロツプタンク及び水タンクにそれぞ
れ第１電磁弁、第２電磁弁及びポンプを介して接
続され炭酸ガス、シロツプ及び水の供給を受けて
混合原料とするサブタンクと、該サブタンクから
前記混合原料を供給され冷凍炭酸飲料とする冷凍
ケーシングと、前記サブタンクの下限圧力及び上
限圧力をそれぞれ検知するための低圧検出手段及
び高圧検出手段を有する圧力検知装置と、前記サ
ブタンク内の下限液面レベルを検出するための液
面検出装置と、前記第１電磁弁、第２電磁弁、水
ポンプ、圧力検出装置及び液面検出装置等を含む
制御回路部とを備え、同制御回路部においては、
前記の第１電磁弁が、前記低圧検出手段による前
記下限圧力の検出時には常時開弁し且つ前記高圧
検出手段による前記上限圧力の検出時には常時閉
弁するように、前記圧力検出装置に接続されると
共に、同制御回路部には、前記圧力検出装置、第
２電磁弁、水ポンプ及び液面検出装置に接続さ
れ、前記下限圧力を前記低圧検出手段が検出し且
つ前記液面検出装置が前記サブタンク内の前記下
限液面レベルを検出した時に、前記下限圧力の検
出に伴う前記第１電磁弁の開弁による前記上限圧
力への圧力上昇を前記高圧検出手段が検出し、前
記第２電磁弁を開弁せしめ且つ前記水ポンプを付
勢せしめる開弁・付勢手段が設けられている。

【作用】

本考案による冷凍炭酸飲料デイスペンサーにお
いては、サブタンク内の圧力は圧力検出装置によ
り検出されており、また、サブタンク内の液面レ
ベルは液面検出装置により検出されている。 サブタンク内の下限圧力が圧力検出装置の低圧
検出手段により検出されると、制御回路部の作用
下に第１電磁弁が開弁して、炭酸ガスのみがサブ
タンクに供給される。 また、液面検出装置によりサブタンク内の下限
液面レベルが検出され且つ圧力検出装置の低圧検
出手段によりサブタンク内の所定下限圧力が検出
されると、先ず、前述のように第１電磁弁が開弁
して、炭酸ガスがサブタンク内に供給され、同サ
ブタンクの内圧が上昇する。上限圧力まで上昇す
ると、それを圧力検出装置の高圧検出手段が検出
し、制御回路部の作用下に、第１電磁弁が閉弁す
ると共に、第２電磁弁を開弁してシロツプを供給
し、水ポンプを駆動して水を供給する。 従つて、サブタンク内の圧力が低下しても液が
入つている時には、水及びシロツプは供給され
ず、炭酸ガスのみが供給され、サブタンク内の液
がなくならない限り、水及びシロツプの追加供給
はされず、余分な水及びシロツプの供給はされな
い。即ち、接続部等から炭酸ガスの緩慢な漏れが
あつた場合も、炭酸ガスのみの供給が行われる。 また、冷凍ケーシング内の不良になつた商品を
一度解凍して、再冷却した後、サブタンク内に液
が残つており、内圧だけが所定の圧力よりも下が
つているような場合、即ち液面検出装置が下限レ
ベルを検出していない状態で、圧力検出装置が圧
力低下を検出している場合、炭酸ガスのみがサブ
タンク内に供給され、常に最適な原料供給がなさ
れる。

【実施例】

以下、図面と共に本考案による冷凍炭酸飲料デ
イスペンサーの好適な実施例について詳細に説明
する。 第１図から第４図は、本考案による冷凍炭酸飲
料デイスペンサーを示すためのもので、第１図は
全体を示す構成図、第２図は第１図の要部を示す
断面図、第３図は制御回路部を示す回路図、第４
図は水タンクの構成図である。 まず、第１図において符号１で示されるものは
炭酸ガス、シロツプ及び水等の原料を貯蔵するた
めのサブタンクであり、このサブタンク１の底部
１ａに接続された第１パイプ２は、冷凍部（図示
せず）に接続された冷却パイプ３及び注出弁４ａ
を有する冷凍ケーシング４に接続されている。 サブタンク１の上部１ｂには、その内圧を検出
するための圧力検出装置５が接続され、サブタン
ク１の内部には、マグネツト６を有するフロート
７が液面に浮上して設けられている。更に、サブ
タンク１の底部１ａの外面には、リードスイツチ
（図示せず）等からなる液面検出装置８が設けら
れている。この液面検出装置８は、サブタンク１
内の下限液面レベルのみを検出する機能を備えて
いる。 サブタンク１の上部１ｂには、炭酸ガスを内蔵
する炭酸ガスボンベ９が第１電磁弁１０を介して
接続されると共に、シロツプを内蔵したシロツプ
タンク１１が第２電磁弁１２を介して接続され、
更に、水タンク１３がポンプ１４及び逆止弁１５
を介して接続されている。 炭酸ガスボンベ９は、分岐部９ａを介してシロ
ツプタンク１１内に炭酸ガスを供給すると共に、
水タンク１３内には、第４図に示すように、フロ
ートスイツチ１６が設けられている。同フロート
スイツチ１６は、上限液面Ａで接点が閉となり、
下限液面Ｂで接点が開となるように構成されてい
る。 第３図は制御回路部１７を示すもので、フロー
トスイツチ１６、第１リレー（開弁・付勢手段）
X₁及びリレー常開接点X₁₁が互いに直列に接続さ
れ、また、この直列体に関して並列に、第１電磁
弁１０及び圧力検出装置５の第１接点（低圧検出
手段）５ａが互いに直列に接続されている。 圧力検出装置５の第２接点（高圧検出手段）５
ｂは、第２電磁弁１２及びリレー常開接点（開
弁・付勢手段）X₁₃に直列接続されており、ポン
プ１４と第２電磁弁１２とは互いに並列に接続さ
れている。 更に、第２リレー（開弁・付勢手段）X₂と液
面検出装置８とは、互いに直列接続され、前記第
１リレーX₁と圧力検出装置５の第１接点５ａ間
に、第２リレーの常開接点（開弁・付勢手段）
X₂₁が接続されている。 本考案による冷凍炭酸飲料デイスペンサーは、
前述したように構成されており、以下に、その動
作について詳細に説明する。 まず、サブタンク１内に液が入つている場合、
液面検出装置８の接点８ａは開であり、この状態
でサブタンク１内の圧力が下がると、圧力検出装
置５の第１接点５ａが閉となるので、第１電磁弁
１０が開弁し、炭酸ガスがサブタンク１内に供給
される。この場合、液面検出装置８の接点８ａが
開であるため、第２リレーX₂は励磁されずリレ
ー接点X₂₁は開であり、第１リレーX₁は励磁され
ない。 次に、炭酸ガスがサブタンク１内に所定の圧力
まで供給されると、圧力検出装置５の第１接点５
ａが開となり、第２接点５ｂが閉となるが、上述
のように第１リレーX₁が励磁されていないので、
リレー常開接点X₁₃は開のままであり、第２電磁
弁１２及びポンプ１４には通電されず、水及びシ
ロツプは何ら供給されることはない。即ち、サブ
タンク１内に液が残つている時に圧力が低下した
場合、炭酸ガスのみがサブタンク１内に供給され
ることになる。 更に、サブタンク１内が空もしくは下限液面レ
ベルの時は、液面検出装置８の接点８ａは閉じる
ので、第２リレーX₂が励磁される。この場合、
実施例では、水タンク１３内は満水状態であり、
フロートスイツチ１６は、第４図に示すように、
接点１６ａが閉じた上水位Ａで待期しており、下
水位Ｂでは接点１６ａが開となる。 前述のように、第２リレーX₂が励磁された場
合には、フロートスイツチ１６の接点１６ａは閉
じているので、サブタンク１内の圧力が下がつて
圧力検出装置５の第１接点５ａが閉となると、第
１リレーX₁が励磁され、リレー常開接点X₁₁によ
り第１リレーX₁は自己保持される。 第１接点５ａの閉成とほぼ同時に、第１電磁弁
１０が開弁して炭酸ガスがサブタンク１内に供給
され、所定圧になると、第１接点５ａが開となり
第２接点５ｂが閉となる。 この場合、リレー常開接点X₁₃は第１リレーX₁
の自己保持により閉じているので、第２電磁弁１
２は開弁し、ポンプ１４も同時に作動開始とな
り、シロツプと水がサブタンク１内に供給され
る。 前述の動作により、サブタンク１内に所定量の
水が供給され、水タンク１３の水位が上水位Ａか
ら下水位Ｂまで低下すると、フロートスイツチ１
６の接点１６ａが開となり、第１リレーX₁が解
磁してリレー常開接点X₁₃が開となると共に、第
２電磁弁１２とポンプ１４は閉弁し作動停止とな
つて、サブタンク１内への原料の供給が完了す
る。 従つて、サブタンク１内への水とシロツプの供
給は、圧力検出装置５が内圧低下を検出し、か
つ、液面検出装置８が液の下限液面レベルを検出
した時にのみ行われる。

【考案の効果】

本考案による冷凍炭酸飲料デイスペンサーは、
以上のような構成と作用とを備えているため、次
のような種々の効果を奏することができる。 (1) サブタンクの内圧が低下しても、液が入つて
いる時（液面検出装置が下限液面レベルを検出
しない時）には、水及びシロツプはサブタンク
内に余分に供給されず、炭酸ガスのみが供給さ
れるため、良質の商品が得られる。 (2) サブタンク内に液が入つている限り、サブタ
ンクより１次側の炭酸ガス回路から洩れが発生
しても、余分な水及びシロツプを供給すること
はなく、炭酸ガスのみを供給するので、常にふ
つくらとした良質の商品を得ることができる。 (3) また、長時間経過により不良となつた商品を
一度解凍した、いわゆる解凍冷却後の炭酸ガス
不足の場合でも、液が残つている場合には炭酸
ガスのみが供給されるので、良質な商品を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による冷凍炭酸飲料デイスペンサ
ーを示すためのもので、第１図は全体を示す概略
構成図、第２図はサブタンクの要部を示す断面
図、第３図は制御回路部を示す回路図、第４図は
水タンクを示す構成図である。 １……サブタンク、４……冷凍ケーシング、５
……圧力検出装置、５ａ……第１接点（低圧検出
手段）、５ｂ……第２接点（高圧検出手段）、８…
…液面検出装置、９……炭酸ガスボンベ、１０…
…第１電磁弁、１１……シロツプタンク、１２…
…第２電磁弁、１３……水タンク、１４……ポン
プ、１７……制御回路部、X₁……第１リレー
（開弁・付勢手段）、X₂……第２リレー（開弁・
付勢手段）、X₁₃……常開接点（開弁・付勢手
段）、X₂₁……常開接点（開弁・付勢手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炭酸ガスを内蔵した炭酸ガスボンベ９と、シロ
   ツプを内蔵したシロツプタンク１１と、水を内蔵
   した水タンク１３と、前記炭酸ガスボンベ９、シ
   ロツプタンク１１及び水タンク１３にそれぞれ第
   １電磁弁１０、第２電磁弁１２及びポンプ１４を
   介して接続され炭酸ガス、シロツプ及び水の供給
   を受けて混合原料とするサブタンク１と、該サブ
   タンク１から前記混合原料を供給され冷凍炭酸飲
   料とする冷凍ケーシング４と、前記サブタンク１
   の下限圧力及び上限圧力をそれぞれ検知するため
   の低圧検出手段５ａ及び高圧検出手段５ｂを有す
   る圧力検出装置５と、前記サブタンク１内の下限
   液面レベルを検出するための液面検出装置８と、
   前記第１電磁弁１０、第２電磁弁１２、水ポンプ
   １４、圧力検出装置５及び液面検出装置８等を含
   む制御回路部１７とを備え、同制御回路部１７に
   おいては、前記の第１電磁弁１０が、前記低圧検
   出手段５ａによる前記下限圧力の検出時には常時
   開弁し且つ前記高圧検出手段５ｂによる前記上限
   圧力の検出時には常時閉弁するように、前記圧力
   検知装置５に接続されると共に、同制御回路部１
   ７には、前記圧力検出装置５、第２電磁弁１２、
   水ポンプ１４及び液面検出装置８に接続され、前
   記下限圧力を前記低圧検出手段５ａが検出し且つ
   前記液面検出装置８が前記サブタンク１内の前記
   下限液面レベルを検出した時に、前記下限圧力の
   検出に伴う前記第１電磁弁１０の開弁による前記
   上限圧力への圧力上昇を前記高圧検出手段５ｂが
   検出し、前記第２電磁弁１２を開弁せしめ且つ前
   記水ポンプ１４を付勢せしめる開弁・付勢手段
   X₁，X₁₃，X₂，X₂₁が設けられている冷凍炭酸飲
   料デイスペンサー。