JPH0340776Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

利用分野 本考案は、タイル等の板状物の箱詰用の三角筒
状パツトを用いる包装箱に関する。詳しくは、例
えば一枚のボール紙を折曲げて頂部を固定した三
角筒状パツトからなり、箱詰した板状物の配列の
ほぼ中央部分に挿入して、包装時の能率、輸送時
等の安定化および使用時の取出の容易性等を向上
した該箱詰包装用のパツトを用いる包装箱に関す
る。本考案の包装箱は、タイルの箱詰包装に有利
に使用されるが、他の同様な板状物の箱詰にも採
用できる。 従来技術および問題点 従来、タイルを包装箱に縦に自動箱詰した後
に、縦に箱詰したタイル配列のほぼ中央部分に、
第４図に図示するような紙パツト１２を詰めて包
装していた。この紙製パツトは、ボール紙を三枚
程重ねて中央部を折曲げたものである。従つて下
記のような問題点があつた。すなわち、(イ)例えば
タイル寸法が200×200mmの場合、200×200×５mm
のボール紙を３枚重ねて折曲げるので、女性作業
者にはかなりの重作業であり；(ロ)該パツト１２の
高さl₃が100mm程度（あまり高くすると折曲げ作
業上一そう不都合となる）であるので、輸送中等
に箱の底方向に移動してパツトの効果が低下す
る；(ハ)更に、タイル使用時の該パツトの除去が面
倒であり、開封時の外観も好ましくない。 解決するための手段 本考案者は、第１図に例示するような三角筒状
のパツトを採用することによつて、上記の問題点
を予想外にも解消した。すなわち、タイル等の箱
詰に使用するパツトは強度的に従来の二つ折構造
紙パツトのような弾力性が必要と考えられてい
た。しかしながら、本考案による三角筒状パツト
はその断面が三角形構造で変形せず安定である上
に、輸送中等のタイルの振動等による外力に対し
ては三角筒状中空のボール紙材料等の弾力性によ
つて充分に対応できることを見出した。従つて、
本考案の主目的は上記の諸問題を有利に解決する
ことである。 考案の概要 本考案によつて、縦に箱詰したタイル等の多数
個の板状物６のほぼ中央の空隙部分の上部の隙間
に実質的に相当する三角形の底辺をなす巾ｄおよ
び箱詰した該タイルの横方向の長さと同程度ない
しより短かめの側辺の長さl₂を有する長方形状の
背部２、該背部の側辺に連結している、箱詰した
該板状物６の高さと同程度ないしより短かめの二
つの側部３、および該二側部の先端部分を一体化
した頂部４からなる構造を特徴とする、タイル等
の板状物の箱詰挿入用の三角筒状パツト１を用い
る包装箱が提供される。なお該パツトは、その頂
部が小角度である実質的に二等辺三角形状の断面
を有する。 上記のパツト１の材料はシート状材料またはシ
ート形成性材料であり、代表的にはボール紙そし
て特に中芯入りのポール紙（約５mm厚）が有利に
使用できる。また、三角筒状の中空構造にてボー
ル紙製パツトと同程度の弾力性が得られるプラス
チツク材料（厚さはボール紙の場合よりも薄くて
よい）も有利に使用できる。この場合、硬質塩化
ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、硬質オレフイン
系樹脂等の若干可撓性を有する硬質プラスチツク
材料を、押出成形、射出成形等することによつて
能率的に製造することができる。 作 用 本考案によつて、前記の重作業、取出除去、パ
ツトの安定性、寸法および外観等の問題は解消さ
れる。本考案による三角筒状パツトは寸法的に安
定である上に、タイル等の振動による外力に対し
ては三角筒状中空構造の弾力性によつて充分に対
応できる。 具体的態様 以下に添附図面を参照しながら、本考案の態様
を説明する。これらは例示のためのものであり、
本考案を限定するものではない。 本考案における紙製のパツトは、第１〜３図に
例示するように、材質は通常のダンボール紙９で
あり、第３図の中心線ｃより例えば各20m／ｍは
なれた位置に該中心線と平行に折れ線ａ，ｂの溝
（押刻線または切れ目等）を刻み込む。この折れ
線ａ，ｂ間のきよりｄは、箱詰めされたほぼ中央
のタイル間のすき間すなわちパツト１の背部の巾
ｄに対応している。この折れ線ａ，ｂを中心とし
て、ボール紙９を第１図に図示するように折り曲
げて両端を当接させ、この両端を例えば50m／ｍ
巾のテープ５等によつて固定する。この固定は接
着剤またはホチキス等の止め具を用いてもよい。
このようにして、本考案に係る三角筒状パツト１
を得る。第３図に示すように、中芯入りボール紙
を用いる場合その折り曲げる方向は、強度上の問
題から中芯１０の山の方向１１と直交する方向で
ある。 上記のパツト１の背部２の横方向の長さl₂は、
第２図のように箱詰したタイル６の横方向（紙面
に垂直な方向）の長さよりも、例えば両端を各
10m／ｍ程度短かめにするのが普通である。この
ように短かめにすると、タイルの使用時に指を入
れて該パツトを取出しするのが容易となる。この
かわりに、背部２の中央部分に指の入る程度の穴
を設けてもよい。なお、本考案における紙製のパ
ツトは、上記のような製作方法以外の製法によつ
ても製造可能である。 本考案における硬質プラスチツク材料からなる
パツトは、シート状材料からも製造可能である
が、或いは例えば押出成形材によつて第１図に例
示するような三角筒状成形物を連続的に押出成形
し、そして横方向の長さl₂に切断すればよい。こ
の場合、頂部４は成形時に一体化した構造に押出
成形することもできる。ある程度発泡化したプラ
スチツク材料を使用すると、一そうボール紙製パ
ツトに似た性能が得られる。なお、プラスチツク
材料の場合は、パツトの側部３をボール紙程度の
粗面にするのが一般に好ましい。 タイル６を包装箱８に箱詰してパツト１を背部
２を上にして挿入した態様を、第２図の断面図に
例示する。点線７はタイル６の図示を省略した状
態を示す。以下に代表的なタイルの箱詰およびパ
ツトの適用の態様例について表示するが、本考案
はこれらに限定されない。なお、タイルは使用者
が持運びできる重量にて、一般にダンボール箱に
タイルの長辺を横にして立て掛けて箱詰される。

【表】 効 果 本考案によるパツトの代表的な効果を以下に要
約すると、従来例と比較して、作業性の改善、パ
ツト効果の向上、外観の改良、パツトの取出し除
去性の改善等の効果が達成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案におけるパツトを例示する斜視
略図である。第２図は、タイルの箱詰およびパツ
トの挿入を例示する立断面略図である。第３図
は、本考案のパツト用のダンボール紙の斜視略図
である。第４図は、従来の紙製パツトの側面略図
である。 １……パツト、２……パツトの背部、６……タ
イル、８……包装箱。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 多数個の板状物を縦に配列して収容する包装
   箱および該箱に対して非連続の挿入用の中空状
   パツトの組合せからなり；該パツトは、縦に箱
   詰した多数個の板状物の配列のほぼ中央の空隙
   部分に実質的に相当する巾、および箱詰した該
   板状物の横方向の長さと同程度ないしより短め
   の側辺、を有する長方形状の背部；該背部の各
   側辺に連結している、箱詰した該板状物の高さ
   と同程度ないしより短めの二つの側部；および
   該二側部の先端部分を一体化した頂部からな
   る、三角筒状中空構造を有し、そして該頂部を
   下向きにして該空隙部分に挿入して使用するこ
   とを特徴とする、箱詰挿入用パツトを用いる板
   状物用包装箱。 (2) 該パツトの材料がボール紙である、登録請求
   の範囲第１項の包装箱。 (3) 該パツトのボール紙が中芯入りボール紙であ
   る、登録請求の範囲第２項の包装箱。