JPH0340455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はダイカスト機の射出装置に関するもの
で、さらに詳しくは溶融金属を射出ピストンによ
つて低速および高速射出を行う射出シリンダに低
高速射出用ピストン式アキユームレータおよび増
圧用ピストン式アキユームレータを接続し、これ
らのピストン式アキユームレータのピストンが上
昇ストローク限または機械的ストツパーに当つて
停止するようにした射出装置に関する。

ダイカスト鋳造は緻密な成形品を得るために、
射出工程の終りにおいて射出シリンダの作動室に
高圧のエネルギーを附加させて溶融金属（以下溶
湯という）を金型圧入させる必要がある。

この目的のために従来は低高速射出を行う射出
シリンダに増圧を発生させるための高圧ポンプを
有する増圧回路を接続し、射出ピストンの高速前
進中の任意の位置において増圧回路を作動させて
射出シリンダに増圧力を発生させるダイカスト機
の射出装置がある。

この射出装置において射出シリンダが射出工程
中に増圧力を発生する際にピストン式アキユーム
レータにエネルギーを蓄積をするときには、増圧
回路に設けた高圧ポンプの作動で油圧源を介して
行うのでアキユームレータにエネルギーを蓄積完
了するまでには、エネルギー蓄積時間が長くなり
ダイカスト機の射出サイクル間を時間的に間隔を
あけなければならないので、鋳造サイクルが長く
なり生産性が悪い結果になる。

したがつて増圧回路を設けた高圧ポンプのパワ
ーを大きくすればエネルギー蓄積時間が短くなる
が、高圧ポンプのパワーを大きくすることによつ
てダイカスト機のコスト高になる要因になつてい
る。さらに増圧回路に設けたアキユームレータの
圧力設定はタイマー、近接スイツチ等の検出装置
によつてアキユームレータ内のピストンの位置を
制御して行つたピストンはアキユームレータ内の
ストロークの任意の位置で停止しているので、射
出シリンダの射出動作中に外力が負荷になつて作
用したときには射出シリンダに作用しているアキ
ユームレータ内のピストンは初期に設定した位置
からずれるので、先に設定したアキユームレータ
の圧力は変化する場合がある。

本考案はかかる点にかんがみなされたもので、
射出シリンダにピストン式アキユームレータを具
えた射出速度アキユームレータ充填回路および増
圧用アキユームレータ充填回路を設けるととも
に、これらの充填回路のポンプを共用にして射出
速度用および増圧用アキユームレータの設定圧力
をそれぞれ独立して制御できるダイカスト機の射
出装置を提供するものである。

以下、本考案の詳細を図面により説明する。図
は本考案の実施例を示すダイカスト機の射出装置
の要部回路図で、１１は高圧小容量ポンプ（以下
高圧ポンプと云う）、１２は低圧大容量ポンプで、
（以下低圧ポンプと云う）これらのポンプ１１，
１２は電動機１３によつて駆動するようになつて
いる。１４は高圧ポンプ１１の圧力設定用リリー
フ弁（以下リリーフ弁と云う）、１５は低圧ポン
プ１２のアンロード圧力設定用アンロード弁で
（以下アンロード弁と云う）ある。１６は射出シ
リンダで、同シリンダ１６の作動室には低高速射
出用ピストンアキユームレータ１７（以下射出用
ピストンACCと云う）が管路を介して接続され
ている。１８は低高速射出用ガスアキユームレー
タ（以下射出用ガスACCと云う）で、一側（図
で上部）は管路によつて低高速射出用ピストンア
キユームレータ１７に管路を介して接続され、他
側（図で下部）は両ポンプ１１，１２に連通して
いる。１９は増圧用ピストンアキユームレータ
（以下増圧用ピストンACCと云う）で、一側（図
で下部）は射出シリンダ１６に接続し、他側（図
で上部）は増圧用ガスアキユームレータ２０（以
下増圧用ガスACCと云う）に連通している。な
お前記ピストンアキユームレータ１７，１９のピ
ストン１７ａ，１９ａはいずれも上昇ストローク
限または機械的ストツパーに当つて停止するよう
になつている。２１，２２はそれぞれリリーフ弁
１４、アンロード弁１５で設定された圧力を表示
する圧力計である。２３，２４は圧力計で、これ
らはそれぞれ射出用ガスACC１８、増圧用ガス
ACC２０内の圧力を表示している。２５，２６
は圧力調整用ストツプ弁で、射出用ガスACC１
８、増圧用ガスACC２０の圧力を下げるときに
使用する。

図において射出用ガスACC１８内の圧力を設
定する場合には、アンロード弁１５を所定圧力に
調整すると低圧ポンプ１２の圧力は射出用ピスト
ンACC１７に入りピストン１７ａを上昇させる。
したがつて射出用ガスACC１８内の窒素ガスは
圧縮されて圧力計２３には射出用ガスACC１８
内の圧力が表示される。同様に増圧用ガスACC
２０の圧力設定の場合にはリリーフ弁１４を所定
圧力に調整することによつて増圧用ガスACC内
圧力設定が行なわれる。

以上、説明したように本考案は、溶融金属を射
出する射出ピストンにより低高速射出を行う射出
装置において、射出シリンダにピストン式アキユ
ームレータを具えた射出速度アキユームレータ充
填回路および増圧用アキユームレータ充填回路を
設けるとともにこれらの充填回路のポンプを共用
にしたので、ポンプ設定圧力に無関係に各ピスト
ン式アキユームレータの設定圧力すなわち低高速
射出時の圧力および増圧圧力を任意に出来る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すダイカスト機の射出
装置の回路図である。 １１……高圧小容量ポンプ、１２……低圧大容
量ポンプ、１３……電動機、１４……高圧ポンプ
設定用リリーフ弁、１５……低圧ポンプアンロー
ド圧力設定用アンロード弁、１６……射出シリン
ダ、１７……低高速射出用ピストンアキユームレ
ータ、１８……低高速射出用ガスアキユームレー
タ、１９……増圧用ピストンアキユームレータ、
２０……増圧用ガスアキユームレータ、２１，２
２，２３，２４……圧力計、２５，２６……圧力
調整用ストツプ弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶融金属を射出シリンダの射出ピストンにり
   低、高速射出を行う射出装置であつて、ピストン
   が上昇ストローク限または機械的ストツパーに当
   接して停止するようにしたピストン式アキユーム
   レータとガス専用アキユームレータとを備えた射
   出速度アキユームレータ充填回路および増圧用ア
   キユームレータ充填回路を前記射出シリンダに設
   けるとともにこれらの充填回路のポンプを共用し
   たダイカスト機の射出装置において、前記射出速
   度アキユームレータ充填回路および増圧用アキユ
   ームレータ充填回路に接続した低圧および高圧を
   有したポンプと、同ポンプの低圧側のアンロード
   圧力設定用アンロード弁と、前記高圧側の圧力設
   定用のリリーフ弁とからなり、前記アンロード弁
   およびリリーフ弁のそれぞれで設定した前記低圧
   および高圧のポンプの吐出圧力を前記射出速度ア
   キユームレータ充填回路および増圧用アキユーム
   レータ充填回路に作用させて前記射出速度および
   増圧用のガス専用アキユームレータのガス圧力を
   それぞれ前記低圧および高圧のポンプ設定圧力よ
   りも低くして圧縮したことを特徴とするダイカス
   ト機の射出装置。